2019/03/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にティエラさんが現れました。
ティエラ > 貧民地区の安酒場に、一人の女が入ってくる。
 まだ、気温が上がりきっていない時期だというのに肌も顕な服装であり、それは異国情緒にあふれた服装で、扇情的とも言えるそれ。
 女は酔客の中をくぐり抜けるように歩いて、店内のマスターのところへと移動する。
 そして、マスターと交渉するのだ、ここで、踊らせて欲しいと。
 場所代として、おひねりの中から一割をプレゼントするということで、もしくは、仕事終わったあとに、飲食することで、お金を落とすという形。

 あれやこれや、と話した結果――――今回は、許可をもらえた。
 女はマスターにお礼を一つ。
 そして、女の褐色の肌を見ている男たちの方に向き直るのだ。

 甘く薄く。フェイスヴェールの下で笑ってみせてから、踊り始める。
 くるりくるりと、狭い店内の中、男たちの手をかいくぐりながらも、テーブルの合間を縫うように踊っていく。
 彼らの脇を通るたびに、甘い女の香水の匂いが鼻をくすぐるのだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にアイルさんが現れました。
アイル > いつぶりの王都だろうか。
長い遠征から帰ってきて、くたくたな身を引きずり自宅で暫し熟睡した後のこと。
目を覚ませば夜。どこかに出かけようかと身なりもさておき、久々の街並みを堪能する。
その締めとして適当な貧民地区の安酒場を訪れたのだった。

入り口を潜ると、何やら妙な雰囲気が鼻をつく。
ちょっとしたショーが場の空気を艶めかしいものに仕上げているようで、隅の席に腰を下ろし、適当に酒を一杯注文する。
そうしてようやく、踊り子に目を向けた。

「………ん?」

何処かで見たことがある、とふと思い、以前何度か会ったことがあるとそれから気づくまでにそう時間はかからず。
元気にしていることと、久しぶりに会えたという嬉しさに口元が思わず緩んだ。

ティエラ > 突発ショーの中心、それは女が仕掛けたようなものである。
 男たちが褐色の肌に触れようと手を伸ばせば、踊り子はひらりひらり、と男たちの手から滑るように逃げていく。
 それに、男たちが本気にならないように、酒を楽しんで、女はおまけになるような。
 そんな微妙な距離感の元、女は身をくねらせて踊りを見せるのだ。

 新たに入ってきた女騎士の姿、踊り子は葡萄の色の瞳をツと、移動して彼女の方を見る。
 目があったところで、甘く口元を綻ばせ、くるり、と回るように動く。
 するりするり、と男たちの手が両方から伸びるのを避けて女騎士の方に近寄るのは、まるで道の中を進むかのような動きにも見えて。
 女騎士の近くでくるり、と回って見せれば、甘い甘い香水の匂い。
 軽く投げキッスをしてから離れていく女。

アイル > 伸びてくる男達の手をすり抜ける様は、いかにも手馴れた風。
褐色の肌を誇示するかの如く華麗な舞を披露する彼女が傍に来れば、口元の微笑もまた深まっていく。
投げキッスに、手に持つ杯を掲げるようにして応じつつ、仕事の邪魔はしないと言うように口は噤んだままだ。

そのまま店の隅で酒を楽しみ、ショーが終われば惜しみない賞賛を送る。
おひねりを投げるというわけにはいかないが、幾許かの分を今座っているテーブルの上に置いておく。
彼女が此方にやってくるかはわからないものの。

ティエラ > 踊躍って、それが終われば酒場はいつもの活気を取り戻す。
 女が動いていた活気などは一時的なものだから、それが終われば平常のそれに戻っていくのだ。
 おひねりはそれなり、男たちの下心の文だけ込められている。
 わかっているからこそ、女は甘い顔で男達にサービスをして見せて。
 マスターに約束のおひねりの一部を渡すのだ。

 それが終わってから、少しお腹が減ったので、お酒と軽食を注文して。
 先ほど投げキッスを送った騎士のテーブルへと移動し、対面に腰をかけるのであった。
 こちらを見るだろう女騎士には、ニッコリと笑いかける。

アイル > ショーの熱気も、踊りが終われば何処へやら。
男達が普段の調子を取り戻す様をどこかおかしそうに見ていた女騎士。
対面に腰を下ろす踊り子の笑みに、此方も微笑みをもって返して。

「お疲れ様。……元気そうで何よりね」

労いの言葉と共に、テーブルの上に置いた幾らかのおひねりをそっと差し出す。ほんの気持ちばかりだが。
頬杖をつき、久々に会ったその顔をじっと見つめる。

「私のこと、覚えている?…ってのは、少し馬鹿な質問かな」

ティエラ > 「ふふふ、お久しぶりですわ?」

 対面に腰を卸、自分のことを見る女騎士に、もう一度笑みを浮かべてみせた。
 一口、お酒を口にしてから、彼女のことを眺めるのだ。

「最近全然お見かけしておりませんのでお忙しいのかと。
 私のような低俗な踊りを見る時間がないのかと、思いましたわ?」

 久しぶりに会う相手、その意地悪な質問に対して、こちらも意地悪な返答を。
 ニコニコと笑いながら、お酒を一口煽り、酒精交じる吐息を一つ。

アイル > 意地悪な返答に少々の苦笑を浮かべ、手に持った杯を傾ける。
頬杖をつき、視線は彼女へと向けたまま。

「低俗な踊りだなんて、とんでもない。華麗で、誰もを釘付けにする。見事なものね。
……最近忙しくて。今日まで遠征に駆り出されていたものだから」

はぁ、と小さくため息をつく。
酒精でほのかに染まった頰。酔いつつあるのを自覚しながら、また一口お酒を煽る。

「でも偶々入った酒場だったけど、会えて良かった」

常より緩い微笑を浮かべ、ぽつりと呟いた。

ティエラ > 「あら、でもこの踊りは見ている人の性欲を高ぶらせるための踊りでもあるわ?
 腰を振って、肌も顕な服で……ね?

 騎士様、というのは大変なのね、お疲れ様。」

 溜息を吐きながら自分に言葉を放つ騎士に、そっとグラスを差し出した。
 乾杯の意図を彼女は汲んでくれるであろうか。

「そうね、確かに私はいつもどこかでいるけれど、どこにいるかは別だもの、ね。」

 そういえば、酒場はまだ転々としているから。
 会えたことを喜んでくれる言葉に、そういえばそうね、と笑ってみせた。

アイル > 「なるほど。…男連中があれ程騒いでいた理由もわかるわ。
……うん、ありがとう」

見るからに下心溢れていた先程の観客を思い出し、くつくつと笑う。
差し出されたグラスの意図を汲み、此方のグラスをそっと合わせた。
軽い乾杯の仕草。

「なら、会いたくなったら適当に酒場を彷徨いていれば会えるってこと?」

冗談めかすような口ぶりで問う。
悪戯っぽさが見える眼差しを彼女へと向けて。

ティエラ > 「ふふ、ムラムラしてもらうように踊ったし、ね?
 そのほうが、ウケがいいし、おひねりも貰えるから。
 こう、肌を見せて踊るのだから、そういうのを求められてるの。


 乾杯。」

 軽くグラスを当てて涼やかな音を響かせた女。
 自分の意図を聞いて、男達に対する同情の念に笑ってみせた。
 お金は持っているのだからいいじゃない、と一言。
 おひねりはそれなりに懐を暖かくしてくれたしと。

「ええ、それでめぐり合わせが良ければ、会えるわ。」

 必ずとは言わない。
 会えればいいわね、という程度の軽いものであり。
 宝探しみたいでしょ、なんて軽口。

アイル > 「何事も、求められているものは単純ね。
私も最初から見ていたら、その魔法にかかっていたかも」

グラス同士をぶつけると、心地良い音が小さく響く。
それに少々気を良くして、また一口お酒を煽る。
別に悪いとは言ってないわ、と、同情の念ではないことをそっと言っておく。

「めぐり合わせ……ね。
――まぁ、またいつ忙しくなるかわからないし。今日みたいに体が空いている時に会えたら儲け物ね」

宝探し、にはそうね、と一度頷く。
それから何を思ったか「手を出して」と言い、そっと片手を差し出す。

ティエラ > 「男は単純だもの。

 あら、残念。掛かってくれたら、今宵の晩は寂しくなかったのに。」

 ふふふ、と彼女の言葉にからかうように返答を返してみせる。
 お酒を煽る相手に、そっか、残念だわぁ、とわざとらしく。

「なにかしら?

 キザったらしい、手の甲へのキスは、ダメだからね?」

 手を出して、と言われて首をかしげながらも手を差し出そう。
 そして、先に釘を刺しておくことにした。

「そ、巡り合わせ、よ何事も。
 星の巡りが良ければ、うまくいくし、そうでなければうまくいかない。
 運命というものは、そういうもの、だから。」

アイル > 「それは、私としても少し残念かも。……なんてね」

揶揄いには揶揄うような言葉で返し、笑う。
釘を刺されれば、苦笑しながら差し出された手を取った。

「そんなことはしないわ。…第一似合わないし」

そして掌を上にして、そこに落とす硬貨が数枚程。彼女の指を畳むようにして握らせる。

「途中からだったけど、素敵な踊りを見せてくれたお礼。……言ってしまえば、おひねりね。
でも私からの、ちょっとした感謝の気持ちよ」

運命、と彼女の口から聞けば、少し思い馳せるように瞳を細めた。

ティエラ > 「少しなのね……私は、そんな魅力のない女だったの。
 自惚れすぎてたわね?」

 揶揄う女の言葉は、あらまあ、残念ね、と笑う相手に対しての返答で。
 苦笑をしている相手の目を見て瞬いた。
 自分の手のひらに当たる冷たい感触は、しかして重さを持っていて。
 握らされた手のひらを開いて見ればその硬貨。
 視線を女に戻そうか。

「素敵な騎士様だし、似合うのではないかしらね?
 女騎士でも、男顔負けの人なら、特に。」

 似合わないというのは、気質的なものではないだろうか。
 女は、彼女であれば十分様になるのではと思ったものであった。

「お捻りは、こういうふうに手渡すものではないのよ?頑張ってという意味を込めて投げるものだから。
 でも、ちゃんとお金は受け取るわ?気持ちも、ね。」

 ありがとう、と女は笑みを浮かべてみせた。

アイル > 「あら。…言葉の綾をそういう風に拾われるとは、思ってなかったな」

そっと首を左右に振る。
フォローをするようにひらり、片手を揺らして。

「私が言うことなんて気にすることもないくらい、ティエラは素敵。
それは少なくとも、あの踊りを見た誰もが思うことじゃないかって思うわ」

手の甲にキス、という行為について、似合うと言われたことにありがとう、と返す。
自分では似合わないと感じているとはいえ、そう言ってくれる人がいることは幸いだ。

「それは、確かに。じゃあそれはお捻りじゃなくて……えぇと。なんて言えばいいかな…。
まぁとにかく。私からのありがとうってことで」

ね、と大雑把にまとめてみせた。

ティエラ > 彼女の言葉には、にこやかに笑ってから、べ、と舌を出してみせる。
 別に怒ったり悲しんだりしているわけではなくて、からかったのだ。
 そういう時は、思いっきり褒めていて欲しいんですよ、という乙女心。

 フォローの言葉だって、今は必要ないのだから。
 手の甲にキスをすることに関しては、お礼を言われて女は軽く笑う。
 格好いいのよ貴女はと。

「ええ、ええ。受け取っておくわ。
 おひねりにしたら、マスターに少しあげないといけませんから、ね。」

 まとめに対してそんなふうに嘯いて。
 女はつまみをひとつパクり、と食べてみせた