2019/02/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……」

貧民地区の細道で、男が壁に背を預けながら喫煙をしていた。
実に退屈そうに、行き交う人々を眺めつつ。
ぷかぁ、ぷかぁ、口から煙を吐く。

「いつまでもこうしてもいられない、か」

ぶるり、と寒さに体を震わせ、男は当ても無く歩き始める。
酒場に行って食事をするのも良いし、娼館に行って女を抱くのもいいな、なんて考えつつ。
のそのそと歩くその姿に、知人などは声をかけてくるが、男は基本的に無視を貫く姿勢。

セイン=ディバン > そうして、男は貧民地区をうろうろとうろつき始めた……。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にティエラさんが現れました。
ティエラ > マグメールの貧民地区は、治安が悪く、ガラの悪い男や後暗いことをしている人が多くいる。
 其の中でやっている安酒屋には、当然というべきかその程度の客が多くいるのである。
 金がないのだが酒を飲みたい、そういうやからが集まり、こういう酒場ができるのだ。
 そして、こういう場所の酒は基本的に安い酒に水を継ぎ足して出すような、そんな低質な酒である。

 それが、いいか悪いか、という話ではなく、そういうものなのであるという話だ。
 そして、そんな安酒場に自分から入っていくもの好きというべきなのだろう。
 踊り子の女は、店に入れば劣情込められた視線を向けられながらも、気にせずカウンターへ。
 そして、酒場のマスターに声をかける。

 ―――今日はここで踊ってもいいのかしら?

 と。
 許可が下りるかどうかは、マスターの気分次第。

ティエラ > ―――結果は……無理だった。

 マスターの虫の居所が悪いというわけではなさそうだ。
 ただ単に、今日は客の入りが悪くて、踊りの報酬が払えないとの事。
 寧ろ、酒でも買って飲んでいけと言うのが、マスターの言葉であった。

「ちぇ、シケてるわね。」

 舌打ちをしようとも、曲がりなりにも店の店主の決定だ。
 無理に踊るわけにも行かない。
 踊ってもいいのだが、それでへそを曲げられれば、踊らせてもくれなくなる。
 幸い、お金は今のところ困ってないしと、気分を切り替えて、女はカウンターに座ることにする。
 そして、それなりに高い酒を―――混ぜものを入れてないものを注文する。

 金があるときは、こういうふうにするのが、この店との暗黙の了解というやつだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区の安酒場」にリリーさんが現れました。