2018/11/05 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にネコアシさんが現れました。
ネコアシ > 舞い戻りました我が領域、我が世界。

王都マグメールの貧民地区、澱んだ空気と腐敗臭と欲望の輝きに満ちた最下層、永遠に日差しの当らない泥沼、不幸の坩堝の瓶の底、諸々……だけど弁えていれば生きていくことくらいは出来る場所、呼び方なんてどうでもいいか……。

しかし、相変わらずピリピリした空気で誰も彼もが這い上がるチャンスを狙いながらも誰かの足を引っ張る事を最優先にしている言葉に仕切れない特有の空気。

そういう自分もまた這い上がるためのチャンスと誰かを陥れるためのネタと今夜の食事の支払いをする為の財布を捜している、大体が見知った顔で獲物になってくれそうな人間なんていやしない、だが其処でも一縷の望みをかけて、フードを深く被り顔を隠し、こんな世界に踏み込んできた眩しい人間を迷子の迷子の子猫ちゃんを探して貧民地区を歩き続ける。

「……あー………………。」

気と間の抜けた声をかさかさの薄い唇から吐き出して、今夜も何だか獲物にありつけなさそうな予感を肌で感じて眉間にクッキリ皺を寄せて苦笑い、そろそろ着ている服もボロボロでそういう予算も欲しいのだけど、中々上手く物事が運びそうにもない、指先はそんな予感を引き剥がすように頬をカリカリと爪先で引っ掻いた。

さて、どうなることやら。
よくもわるくも何も無く、それとも一発逆転のめがあるか、そんなのは誰も判らないし、勿論判る筈もない、だからチャンスを探して澱んだ眼を周囲に向けて……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアリゼさんが現れました。
アリゼ > 貧民地区と一言でまとめるのは容易いが、その実は生活費を節約しようとする冒険者も数多くいる。
アリゼも稼ぎの悪いときは、貧民地区に点在する一晩いくらの安宿に泊まることが多い。
今もこうして、黒い金属鎧を隠すように薄いマントを羽織って宿へと向かう。

「……まったく、魔獣の群れだぞ!
 下手をすれば農場どころか村が危なかったというのに……」

昼の仕事に対する不満を呟きながら、その足取りはどこかおぼつかない。
夕方に飲んだ酒が強い種類だったのと、単独での魔獣狩りによる疲労が身体に染み込んでしまっていた。
時折女性ということに気づいて近寄るごろつきを一睨みして黙らせて、
それでも近づいてくる輩には月明りを反射して黒光りする大剣をどこからともなく抜き出す。
しかし酔いが徐々に身体に浸透すれば、その警戒心もどこか薄れるだろう。

ネコアシ > 此処は貧民地区、様々な人種が人間が酔っ払いが彷徨っていても不思議ではない、不思議ではないが今宵は何とも物騒な人間が居て、だから余計に視線はその物騒な人間に吸い寄せられてしまう、ああ物騒だと……。

だが曇り澱んだ瞳に見えるのはそんな危い人間がどうにも危い足取りでこんな場所だと言うのに物騒な事以外警戒心が薄い感じがして、試しに近づいてい見る事にする。

何故?何故ならもし本当に感じたままに警戒心薄く無防備なトコロがあるのなら、其処に食いついて美味しい汁を吸えればラッキーだから、だ。

「……大変だったねぇ……魔獣の群れでしょ?わかるわかる、そう言う人たちは実際に危険な眼にあわないと、それが本当に危険だったってわかんないんだよねーうんうん。」

かさかさの唇から零れた言葉は何とも自分で言うのもアレだが白々しくも相手の言い分を丸呑みするような八方美人がよく言いそうなセリフで、人にらみでごろつきを追い払い黙らせる金色の瞳をひょいと脇からそんな女性の正面に入り込み、覗きこむように見上げながら、人懐っこそうな笑みを作り浮べて見せた。

フードをかぶり顔を隠しているから傍から見れば口元くらいしか見えないかもしれない、がそれでもハッキリとそんな表情を作り浮かべ、もしふらりとしようものならその腰に腕を回そうと、両手を自分の後ろ手に回して見せないようにして、でも両手の指をわきわきとさせて、仕事をしたくて疼いているのを隠している。

アリゼ > 貧民地区には珍しくもない、ボロボロの服に顔を覆い隠すフード。
そして華奢な体躯をした男の子。
しかし口調は奇妙なほど明るく、異様に馴れ馴れしくアリゼへと近づいてくる。
普段ならば無視して通り過ぎるような存在も、酔いと苛立ちではけ口を求めている今のアリゼにはちょうどよい話し相手だ。

「……子供にしては随分と分かってるじゃないか。
 そうだ、猪や熊の類ではないんだぞ……」

愚痴の吐きどころを見つけたというように、アリゼを見上げる少年にふらりともたれかかる。
そのまま腹の中で溜まっていた不満を全てぶちまけるかのように、少年に酔っ払いながらも絡んでいく。
もはや彼女に警戒心などはなく、少年の肩を自分から抱いて杖代わりにふらつく足を支えている。

「ああまったく!少年、君は酒が飲めるか?
 飲めるのならあの爺のように昼間から飲むもんじゃない、酒というのは一日の疲れを癒せる夜に飲むべきものであって……」

足取りはおぼろげながらも、その方向は近場の酒場付き安宿へ一直線。
どうやら寝る前にもう一杯飲むつもりのようで、今日はいくらぐらい稼いだかなと腰に結んでおいた、ゴルドの詰まった革袋の紐をほどく。