2018/10/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」にシラトリさんが現れました。
シラトリ > 何処にいても人目を引くメイド服と白い髪と白い素肌。何処にいても目立つなら何処にいてもいいですね、と言うのは彼女の談。
犯罪の温床ともよばれる怪しげな酒場に堂々と入っては、マスターに片手を上げてよぅ、と挨拶をするメイド服姿の女。
マスターは苦虫を噛み潰したような顔はするものの、追い払うことはしない。
常連はすぐに目線は逸らすだろうが、初めて来た人間は驚くであろうか。

「……マスター、今日のおススメを一つ。」

ねえよんなもん、と被り気味に返されるが気にした素振りもなく、周囲を見回して。


彼女はシラトリ。貴族のメイド。
メイドとしての活動はあまりしていないのかしているのか、とりあえずどこにでも現れ、自由にその辺の女性に絡み、そして自由に去っていくクレイジーなメイドである。
今の今まで生き永らえのさばっている理由は自分にも分からない。

シラトリ > 「ウェイトレスは今日はいないのでしょうか?」

いねえし、いても帰らせる。
小首を傾げながら質問に対して、マスターがまた被り気味に返す。
残念、とため息をつきながら出てきた魚の骨をかりっと齧って。

「………そういえばこの前仰っていた行方不明の御嬢さんを見つけましたよ。」

そういえば、と水を飲みながら、まるで世間話のように言葉を漏らす。
彼女は知性の無い化け物が跳梁跋扈していない場所であれば、どこにだって顔を出す。
立場上、富裕地区にも顔を出せるし、知り合いもいなくもない。
行方不明者を探すことに長けていると言えなくもない。
女性限定だが。

「ええ、ええ、そんなに睨まずとも。ちゃんと救い出しましたよ。
どこにいたかは口にすることはできませんが。」

私にも立場と言うものがありますからね、なんて。
立場を一切考えないメイドが僅かに笑う。

シラトリ > 「ええ、それはもう。私は可哀そうな少女を救うために生きているようなものです。
そのための命としか表現しようがありません。荒事はできませんが。」

ぺらぺらと喋っていたメイドであるが、マスターの「手は出してねえだろうな」という一言にピタリと口を止める。

静寂が周囲を包み込む。

シラトリ > 「当然です。私を何だと思っているのですか。それはそれとして今宵はもう酔ったようなので帰りますね。お代は結構ですので。」

早口でするりとまくしたてれば、ではこちらを、と空になった皿とグラスを預けて、ひゅるりと風のように出口へと。
バレてしまっては仕方ない、と言わんばかりの早業である。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からシラトリさんが去りました。