2018/08/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にミラさんが現れました。
ミラ > いかがわしい場所のいかがわしいお店。
建前としては許されてないようなアレコレをもサービスしてくれるような娯楽の場はそれ相応の欲望が渦巻き。
どちらかといえば裏に属するこの店も、その空気を反映してか取り繕ったような上品さも無くそれが心地よい。
そうして雰囲気をあじわいつつ、ひとつのテーブルに座って賭け事にダイスの目にかけるだけというシンプルなゲームにのんびりとした態度で挑み続けて、それなりの時間をかけてチップの山を築き上げる。
イカサマでも仕込んでないのなら、運が味方してくれるのなら最終的には勝ち越す。それだけの話。
イカサマを疑って、殺気交じりの目を向ける店の人間に気後れすることなく、甘口の果実酒のグラスを片手にのんびりと、掛け金がだいぶ増えたのはいいが店の人間が切れて実力行使する前にここらへんで勝負を切るか。
それとも、もう少しお金が増えるまで勝負を続けるか。そんな事を検討し。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にバルジリスさんが現れました。
バルジリス > いかがわしい場所のいかがわしい賭博場。そこに、一人の執事服を着たチンピラのような男……
バルジリスが来ていた。無論、暇つぶしに賭博をするためだ。
こう言う場は、勝ち過ぎてはいけない。勝ち過ぎれば、店の外に出られない体にされるだろう。
なので、店の人間が怒りださないギリギリの線で勝ち続ける。その駆け引きも中々に楽しくて…
しかし、今日はついていた。少々勝ち過ぎてしまい。このまま店の外に出ようとすれば、
うっとおしいことになるかも…さて、どうしようか。
そんなことを考えていた時だった。
店の中が殺気立ち始めた。ふとその方を見れば、ひとりの女が「勝ち過ぎていた」ようで……
だが、その女を見た時、何か、しこりのような違和感を感じて……
店の人間が、こっそりと店の用心棒を動かしていた。その女の周囲に、三人の男が囲って。
そして、一人の男が、無言で棍棒を振りかざし、女の意識を刈り取ろうと……
だが、そのこん棒は、後ろから、執事服の男、バルジリスに掴まれて…

「おいおい、女が勝ちすぎてるからって、武器を振り回すのはケツの穴が小さすぎるんじゃねぇか?」

何て言って、不敵な笑みを浮かべようか……

ミラ > そして、その後勝負を重ねる事3回。
二勝一敗で、順調にチップを積み重ねて、とりあえずはここら辺で満足するかと勝負を切る事にする。
勝ち過ぎた客が不幸な事件に巻き込まれるなどというのは、ありふれている。
今の調子でも、不幸な事件に巻き込まれるか。店の人間に呼び出されて帰ってこないことになるどちらかのケースへのルートに乗りかかってる。
その程度の事は、意識して注意を向けずとも悟れるほどに露骨なのは店側の人材の質の問題なのかなどとゆるりと構えながら、いちおうはと周囲を囲うように配置された男たちの露骨な敵意に意識を向け。
脅威や危険と表現するほどの相手でもなし、敢えて受けて退場する方が面倒が無いかなどと後の手間をはかりに乗せて対処を考えていたところに、店側の実力行使にするりと入り込んで防いで見せた者の登場に驚いたように瞬きひとつ。

「ほほう? 見事な腕前。台詞回しも素晴らしい」

見た目も格好良さげに決めている執事姿に、女性の危地を救う伊達男らしい言葉を口にする姿に良いな、良いなと素直な称賛を口にしつつ、表情を緩め。
それから、執事と来れば主人だと連想して、店内にいるのかと視線をぐるりとあたりに巡らしてから、礼を言ってないなと気づいて目線を執事へと戻し。

「すまないな。わざわざ、ありがとう」

見て見ぬ振りもできたろうにと、この状況に飛び込んできた勇気も称えて礼を短く口にする。

バルジリス > 自分の行動を何故か褒められ、礼を言われれば少々くすぐったい。
一応、打算的な行動なのだ。
だが、いつまでも、棍棒を抑えているのは不可能ではないが、疲れるし、
なにより、後二人男はいるのだ。その二人の攻撃からは救えないだろう。

「称賛の言葉、ありがたく頂戴しますよ。で、どうする?」

その質問は、女と、店側両方に向けたもので……

「お嬢さんは勝ちと運の対価に金をもらう……だが、テメェらはそれが気にに入らねぇんだろ?
でも、女相手に用心棒動かしたとあっちゃ、店の信用にかかわる…
なら、俺の勝ち金。それで手打ちにしようじゃねぇか。
テメェらは金が大事だし、信用も大切だろ?」

何て言って、自分のチップを、店に返却しよう。
それに対し、店側は苦々しい表情をしつつも…

『……っち。とっとと出ていけ』

そう言って、女の勝ち金の入った袋をこちらによこし……

「っへ、理性ある行動。感謝するぜ。さ、お嬢さん。店出ましょうかね」

そう言って、もし、女と共に店を出れば……

「ふぅ……お嬢さんのせいで、勝ち金が無くなっちまったぜ」

なんて、苦笑交じりの笑みを浮かべようか。
これで、わざわざ負けて店を出る手間が省けた。そういう意味では。感謝しなければと思いつつも…

ミラ > 執事と店側との駆け引きの言葉に興味深く耳を傾け。
ここで、自分の勝ち金を対価に差し出すとは登場の仕方からしても主人公ムーブと目を輝かし、自分が下手に口を挟んでも交渉がこじれるからとじっと口を噤んで話の流れを見定め。
促されるままに、執事について一緒に店を出て。

「いやいや、なかなかに颯爽とした登場に見事な交渉。物語の一幕という感じで良いものを見せてもらった」

見て見ぬふりをするのが物語の背景たる凡人。行動を起こすのが登場人物。行動を成功させるのが主人公。
美少女を危難から見事に救い出すその手際と流れは、観客としても当事者としても良いものだったと機嫌も良さげに薄く口元に笑みを浮かべて、金が無いというのなら代わりのこれを進呈しようと自分の勝ち金が入った執事へと差し出す。
自分の陥っていた状況を理解したうえでの危機意識の無さは、大物なのか鈍いのか。そもそも危機と認識していないのか。
良い劇を見せてもらったといわんばかりののんきな態度を取り。

バルジリス > 物語の一幕~などと言われれば、一瞬ぽかんとするも、金を差し出されればハッとして…

「物語って…くすぐったいこと言うんじゃねぇよ。
金?もらえるんなら貰っとくがよ…良いのか?テメェの勝った分だろ」

そうは言いつつ、自分も相手のために勝ち金を払ったのだからおあいこかも…?
そして、相手の暢気な様子には…

「……っていうか。テメェ、危機感ってのがねぇのか?
一応、今テメェは男に一方的にとはいえ借りを作ったんだぜ?
金だけじゃなく……テメェの服の下。体を要求されるとか、そんな怖さとか無いのか?」

何て言いつつも、じろじろ相手を見れば…

「……そういえば、テメェ、本当に人間か?
なんか…さっきから、変な違和感と言うか、そういうの感じるんだがよ」

それは、元魔物だから感じ取れた、上位存在の気配。
それに首を傾げつつ……

「……まあ、テメェがどんな存在でもいいけどよ。
これから暇かい?暇だったら……どうだい?」

なんて、ニヤリと言おうか…

ミラ > 「いやいや、ありふれた日常で見かけるちょっとした一幕というのは人生の彩りだ。それも、傍観者としてではなく当事者としてなら、さらに希少。
 少女を襲い来る大人の悪意から救い出した勇者に対する、ちょっとした礼だ」

負ければよくて身ぐるみ剥がれてたであろう状況であったわけだし、それを思えば悪くない代価だろうと差し出す事に躊躇いの様子は欠片も無く。

「危機感のひとつくらいは、持っているが先の状況は……まあ、危険を感じるほどでも。
 助けたのだから抱かせろと言い出すような無粋――とも違うか。野性味溢れるタイプには見えなかったが。
 そういう野性味あふれる蛮族系も嫌いではないが、不本意であれば抵抗するさ」

野獣系執事というのも、悪くは無い。
そんな呟きを漏らしつつ、見た目に相応しく紳士的対応が期待できる相手だと踏んだが間違ってたかと首を傾げてみせ。
にやりと笑みを浮かべて胸を張る姿は、多少の危険など踏み潰せるという自負を覗かせる。それが、権力を背景としたものか、単純な暴力を背景としたものか。どちらであるのかは言葉にはしないが、己の力に自信があるそういう態度であり。

「それは、乙女の秘密という事で。
 時間はあるから、誘いに乗る事はやぶさかでないが……別の意味でも勇者だな」

じろじろと眺める視線になんだといわんばかりの疑問の顔も、相手の言葉に愉し気な笑みとなり。唇の前で人差し指を立てる、秘密を示唆する仕草を取って積極的に語る気はないと。裏を返せば、秘密があるとそんな対応を見せ。
それは脇に置くとしてと、ニヤリと誘いをかけてくるその流れに面白いなと機嫌もよさそうに頷いてみせ。

バルジリス > 「…………え?」

助けたから抱かせろと言い出す~だの、誘いに乗る~だの言われれば、一瞬ぽかんとして……
自分は、酒でもどうだいと誘っただけなのに、なぜ?
そして、自分の言葉を思い出す。「体を狙われる」という会話の後に、「どうだい?」と自分は言った……

「い、いや、ちょっと待て。何で俺がテメェの体を要求する形になってんだ?
俺は、暇だったら、気分転換に酒でもどうだいって言ったんだが」

そう、ここでバルジリスが魔物上がりの人間姿になれていないところが出たのだ。
普通、体を要求される言葉の後に、「どうだい?」などと言えば、
体を要求する言葉だと受け止められても仕方がないのだが……
そこら辺を、人間姿にまだ慣れ切っていないバルジリスは失念していた…
そして、自分の言葉に齟齬があったという答えにたどり着けば…

「乙女の秘密って……まあ、そこら辺を深く聞くのは野暮ってものだよなぁ…
……わ、ワリィ。勘違いさせたな…
金と救出の対価に、テメェの体を要求するほど落ちぶれちゃいねぇよ」

そう言いつつ、苦笑して…

「で、どうする?貧民街でも、美味い酒出す店知ってるんだ。
俺のおごり…まあ、元はテメェの金だがよ、飲みに行こうぜぇ?
もしかしたら、テメェに恥かかせちまったかもしれねぇしな……
良いワイン、開けさせるぜぇ?」

なんて、言い直そうか……

ミラ > 「……ん?」

男に借りを作ったんだぞときて、体を要求されると思わないのかと説く。そういった話の流れ的に、そういう事なのではないのかと、何を驚いているのかと不思議そうに首を傾げ。
なんとなく、相互認識に齟齬があったようだとお互いの認識が一致した様子。

「いや、真面目な話。語るのは良いが、その場合はさすがに何もせずに帰すというは、な?」

わかるだろう。あるいは、察せと明確な言葉にせずに曖昧な言葉で言外の意味を分かれと言わんばかりの態度。
そうして、言外の脅しを含ませつつ相手の言葉にふむふむと頷き。

「いやはや、見かけ通りに紳士的という事で理解しておこう。
 では、そちらのおごりという事で遠慮なく。隠れた名店というヤツか? その紹介にあずかろう」

この国の男性の主流派はあまり紳士的ではないので、そちらが基準になってたかと嘆くように首を振り。
言葉を改めての誘いに、どのような酒を飲ませてもらえるのかと期待を表情に浮かべて、元は自分の金だとばかりに何の遠慮も無く誘いに乗り。

バルジリス > どうやら、認識の祖語はとけたようだ。それにほっとした表情で……

「ああ。肝に銘じとくよ。中々、人間の言葉って難しいんだよなぁ…
酒については期待してくれていていいぜぇ?
かなり強い酒から、甘い女向けの酒まで用意されてるからよ。きっと気に入る酒があるぜぇ?」

そう言って、女と共に、貧民街の夜の街に消えて行こうと……

「……って、まだテメェの名前、聞いて無かったな。テメェって言い続けるのも、失礼だ。
教えてくれるかぁ?
ちなみに、俺の名は、バルジリスだ。で、偉大なる主人の名は……」

そう、名前を伝え、聞いて……
そのまま、軽い雑談をしつつ夜の街に消えて行こう……
きっと、相手には手を出さないけど…
静かな、出会いの夜は過ぎて言ったはずで…

ミラ > 「なに、そういった言葉のすれ違いが生み出す人間関係の波紋も面白い。
 正確に伝わらないのは困るが、それが生み出す騒動を観客として眺めるのは愉しいぞ?
 度数の高さ自慢な強い酒では無く、舌を楽しませてくれるような酒の方が好みだが、そこまで言うのなら舌に合うのがありそうだ」

どんな酒が味わえるのかと、期待を募らせつつ男に足取りを合わせ。

「いいぞ、わたしの名前はミラだ。
 やはり、その恰好はコスプレでは無かったのだな」

うむうむと、相手の紹介を聞いて見た目通りの存在であったのだなと納得し。雑談を楽しみながら、夜の街へと姿を消し。
きっと、それなり以上の楽しいひと時を過ごして別れ――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からバルジリスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からミラさんが去りました。