2018/07/30 のログ
ご案内:「王都マグメール貧民地区 裏路地」にルナドールさんが現れました。
ルナドール > ―――――目が覚めて、ひとりだったから外に出た。
其の行動に理屈などというものは存在しないし、そもそも理由など必要としていない。
人形の頭の中には常に『あるじさま』の、一番最初の命令が生きている。
『ユメ』を、捧げなくてはならない―――――でも其の夢はどうやら、
眠っていては一向に、楽しいものにはならないらしい。

ならば起きているときに、きちんと探しに出なくては。
簡素な衣服にサイズの合わない靴、首輪つきの小娘が、治安の良くない界隈をひとり、
ふらふらと漫ろ歩くことの危険性については、残念ながら未だ学んでいなかった。
幸いにして人影は疎ら、だけれど完全に迷子になった様で。
同じところをぐるぐると、行きつ戻りつしているらしい、と気づいて、
とある袋小路の行き止まりで立ち尽くす。
茫洋と潤んだ柘榴の瞳が、ゆうるりと周囲の様子を見回し―――――かくり、
ぎこちない仕草で首を傾げる。

「………こ、こ……どこ、―――――?」

たどたどしい呟きに、答えが返る気配は―――――。