2018/06/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■ノア > 賑わい始めた歓楽街、灯りや笑い声が建ち並ぶ店から漏れる。
今夜は何処で呑もうかと、ふらり ふらり…
「 …………… 」
左右に視線を振りながら、ゆったり歩く。
混雑していたり悪酔いしている先客が居る場合はパス、
今にも揉め事が起きそうな店も避けよう。
さて、丁度いい店は見付かるかどうか。
■セイン=ディバン > 先日入手した着流しに身を包み、ふらふらと歩く男。
最近は暑さも厳しく。今夜はちょっと酒でも飲みたいな、と思っていれば。
男の視線が、一点に固定される。
「……ぁ」
それは、大切な女性の姿。随分と会っていなかった気がする。
愛しい愛しい恋人の姿であった。
声をかけようか、と思っていた男だが。次第に湧き上がる感情。
心配したこととか、連絡がとれなかったこととか、足取りが消えていたこととか。
まぁそんなものが入り混じった男は、相手にいたずらをしようと。
喉をつかみ、首をごきごき。声を出してみて、いつもの自分の声と違う声になっていることを確認。
そのまま気配を消し、相手の背後から接近し……。
「……動くな。騒げば殺す。
ようやっと見つけたぞ、白蛇め。まんまと逃げたようだがな」
相手の背後から銃をつきつけ、そんなことを口にする。
男としては、ちょっとおどろかせてこらしめてやろう、と思っているだけのことなのだが。
■ノア > ここは料理がマズいし、あそこは姐さん達の狩り場だし…
なんて、酒場の一つも決められずに彷徨いていると
「 ─── っ、 」
背後より、聞き覚えのない声と共に…
銃口と思われる 硬質な物を突き付けられる。
近付く気配や殺意なんかは、全く感じ取れなかった。
「 ………で、こんな人目に付く場所で どうするつもり。」
相手は此方の正体も、そして恐らく
捕らえられていた地下クラブから逃げ出した事も知っている。
女は ぴたりと脚を止め、指示通り動かず騒がず…
ただ静かに、得体の知れぬ相手の返答を待った。
………微かに、ほんの微かに、懐かしい香りがするけれど…
其の違和感に気付く余裕は、まだ無い。
■セイン=ディバン > 自分の行いを内心正当化する男。
なにせ凄く心配したし凄く探したしそりゃもう大変だったのだ。
なので、これは報復であり正当な行いなのだ、と頷く男であった。
「……利口だな。さて……。
どうするつもり、か。決まっているだろう」
と、ここで問題発生。銃を突きつけて……その先を考えていなかったので。
男は少しだけ思案しつつ、アドリブで勝負に出ることにした。
「貴様にはもう一度捕まってもらう。美しき白蛇は檻の中、というわけだ。
あぁ、そうだ。貴様に似合いの奴隷を捕まえたのだった。今夜から貴様は客人の前でその奴隷と……公開セックスショーに励んでもらうことになる」
そもそもどのタイミングでネタばらしをするかも考えていなかった男。
着流しで隠しつつとはいえ、女性に銃を突きつけているのを見られて騒ぎになるのはまずい。
そこで男は、とっととオチをつけようと。
「セイン=ディバンと言ったか? 貴様の関係者だという噂を聞いてな、我々が拘束した。
冴えない中年男だが……ショーの小道具としてくらいは使えるだろう。
もっとも、今頃薬漬けで意識もなくなった、ただの置物のような状態かもしれんがな。
まぁ、最悪勃起さえできればショーには使えるだろう」
無計画なまま無軌道に発言する男。ほんの少しだけ、相手がこう言った時、どう反応するかが見たかった。
■ノア > 相手… つまりは貴方が、
無計画で無軌道な悪戯を仕掛けているなんて知らぬまま ──
「 ───── ?!! 」
動かず騒がずだった女の身体は、其の名を耳にした瞬間
急激に、そして無意識に動き出した。
目付きは鋭さを増し。素早く翻した身体は相手の後方へ、
逆に背後を取る形で男の首に腕を掛けロックする。
目的は無論、其の首を絞める為。
"人目に付く場所" だとかいう自らの発言など、関係なく
其の反撃が成功したにせよ失敗したにせよ、数秒後には
女の身体から力が抜ける事となる。何故なら…
「 ………っ、 セイ ン… 」
其処には、見慣れぬ着流しを纏う 恋人の姿があったから。
吸い込めば、貴方の香りだってする。
首を絞める為に回していた女の白い腕も いつしか、
相手に抱き付く為に ゆるりと回されていた。
■セイン=ディバン > この男にとって無計画に発言したり行動したりなんていうのは日常茶飯。
なので、ちょっと度の過ぎた発言に、相手が反応すれば。
「……っ、っとぉ……!」
目の前の相手が自身の後方へ回り、首を締め上げようとするのを確認すれば。
男は瞬時にしゃがみこみ、その動きから逃走する。
そうして、一度距離を取りながら、両手を挙げて相手にしっかりと向き直り。
「……ハァイ、ノア。会いたかったぜぇ?
ってか、心配した」
そこまでやれば十分だ、とばかりに。相手に笑顔を向け、近づいていく男。
抱きしめられるようにされれば、男も相手の体を抱きしめ。
「フロー……フラニエータから聞いた。
お前が捕まってて、助けられたって。
まったく、今までどこ行ってたんだよ」
■ノア > 無意識に繰り出された反撃は避けられ、
女は更に怒りの色を濃くする。しかし ──
「 ………ん、ごめん。」
すっかり気の抜けた女は、ぎゅぅ と貴方に抱き付いた。
其れこそ、人目もはばからず。
「 あぁ… そっか。ちょっとした休業、って感じかな。」
女を助け出した張本人である彼女と話したのなら、
ある程度聞いているのだろう と…
多くは語らず、 へら と苦笑いして見せた。
■セイン=ディバン > 「……バァカ。謝んな。
護れなかった俺のミスだ」
相手が謝罪し、抱きついてくるを男は受け止める。
そのまま、周りの人々に、こっち見んな、と威嚇の視線。
「……休業? そりゃあまた……。
あぁ、まぁいい。積もる話もあるし……。
酒場にでも行くか」
無論おれのおごりだ、と言いつつ。男は相手の手を引き路地裏へと。
細い道を曲がり、たどり着いた店。相手の同意も聞かず男は入店する。
そこは、暗く狭い店であった。各テーブルは壁で仕切られ、個室になっており。
男はその中の一つの席に座り、相手を見る。
「最近見つけた店でな。色々と便利なんだ」
密会や情報収集に向いている、と呟きながら。男は細巻を吹かした。
■ノア > 「 違う、あたしのミス。」
貴方が責任を感じる事は無いと、其処だけは否定する。
恋人である前から、二人は同業者でもあるから…
自らのミスが発端であると、女は困った様に笑った。
其の後は導かれるまま、貴方に続き入店し
「 ん、個室… 誰と来たの ? 」
なんて、席につきながら軽く揶揄ってみる。
とはいえ… 本気で妬いているという訳ではなく、
色々と突っ込まれる事を恐れての、 誤魔化し。
「 何にしよー かな……… 」
いよいよ二人っきりの空間となった個室の中で、
視線は そろりと逃げる様にメニューへ。
そんな気まずさの中でも、細巻の紫煙が心地好くもあった。
■セイン=ディバン > 「お前がミスするなんて、らしくねぇな」
相手の言葉に手のひらを軽く振りつつ、男は笑う。
少なくとも、この女性が仕事でしくじったところを男は見たことが無い。
なんだかんだ凄腕なのだから。
そして、男はムードも何もない店へと相手を誘い。
「あん? 誰とも来たことねぇよ」
個室を仕切るカーテンを引きながら言う男。
そのまま男もまた、相手同様メニューを見る。
なんとなく、何かは察しているが。それは口にせずに。
「オレぁ黒麦酒。お前は?」
テーブルに備え付けられていた紙に注文を書きながら、相手に尋ねる男。
その視線は、優しく。相手を責める様な様子は欠片も無かった。
■ノア > 「 邪魔さえ入らなかったら あんな仕事… 」
小さく返した其の声は、全てを言い終える前に途切れた。
ほんの一瞬、女の顔に悔しさの色が滲むけれど
「 ほんと ? なら良いけどっ
んー じゃあ、白にする。」
いつもの調子で悪戯な笑みを見せながら、ワインを注文。
貴方の優しい視線に気付いてはいるけれど…
何故だか、見詰め返す事は出来なかった。
「 珍しいね、それ。似合ってる。」
話題は貴方の着流し姿に。
誤魔化す為ではなく、本当によく似合っていた。
■セイン=ディバン > 「へぇ? 邪魔が入ったのか」
なるほどそういうことか、と。
男は納得したように頷きつつも、追及をしない。
相手の表情の変化に気づきつつもそれを華麗にスルーした。
「ったく。信用ねぇのな。
わいよ。おーい、注文頼むわー」
からかうような相手の口調に、やれやれ、という演技をしつつ。
男は紙に注文を書き、近くを通った店員に渡す。
そうして、相手に服について言われれば。
「あぁ、そうか? 最近手に入れてな。
涼しくていいぜ。……で、だ。
か弱いか弱い白蛇ちゃんは、捕まってどんな酷い目にあったのかなー?」
似合うか。そうか。と。少し嬉しそうにしていた男だが。
にっこりと笑うとそう尋ね、懐からリボルバーを。空間から散弾銃を取り出し。
満面の笑顔のまま、気配が変わる。いわゆる「オレの女に手を出した組織を捨て置くわけが無い」ということで。
もしも相手が洗いざらい吐くのならば、今すぐにでもその地下クラブを撃滅しに飛び出すだろう。
■ノア > 「 ぇ、信用あると思ってたの ? 」
なんて、くす と悪戯に返したり。
注文を任せ、貴方の纏う東方の衣服を眺めていたけれど…
( ……………だよ、ね… )
そんな他愛もない会話は、長く続かなかった。
「 別に…… 捕まってただけ。」
彼女は全てを話した訳ではないと読んで、大嘘を。
がらりと雰囲気が変わった様子に気付けば尚更、
事細かに話そうとしなかった。
「 それに… もう片付いたから、大丈夫。
あたしだって、ただ休業してた訳じゃないのよー 」
にこ と微笑み、明るい雰囲気を作って見せる。
事実、例の地下クラブに関わっていた者達は
皆 "何者か" によって闇討ちされている。
加えて運営費となっていた裏金等の証拠も盗まれ、
とある人物の手に渡っていた。
「 だから… 」
リボルバーを握る手の甲に、女は そっと手を被せ
「 行かないで、今は一瞬に居て ? 」
ゆるり と首を傾げ、弱々しく微笑んだ。
■セイン=ディバン > 「おいおい、オレほど誠実な人間もいないだろうに」
相手の返答には、肩を竦めながら答える男。
当然本気でそんな事を思っているわけではないのは、にやにやとした笑いだけで伝わるだろうが。
「……捕まってただけ、ね」
相手の返答に、男は笑顔を消す。それはこの男にしては珍しいことで。
少なくとも、愛しい女性の前では常に余裕を持っているように見せるのを良しとするのがこの男だ。
「……お前がそう言うなら、追及はしねぇさ。
蒸し返されても気分の良い話じゃねぇだろうがな」
片付いた、と相手自身が言うのなら男としては嘘をつけ、なんていえない。
だが、やはり内心納得しきってはいないのか。その表情は怒りが見え隠れするようなものではあったが。
「ん……あぁ、わかった。だけどな……。
今度から、何かあったらオレに言え。ってか……。
ちったぁ頼れ」
手に触れられ、微笑まれてしまえば男は息を吐く。
これ以上は無粋か、と。そう判断し、言葉を切るが。
丁度そのタイミングで酒が届いた。
■ノア > 「 誠実って言葉の意味、知ってる ? 」
にやにやと笑う貴方に、にやにやと意地悪く笑い返す。
そんないつも通りのやり取りをしていたけれど、
話題が変われば 貴方の表情から笑みが消える。
「 そ、 捕まってただけ。
で、 無事逃げ出せたの。」
大嘘を、穏やかに、貴方にも自分自身にも言い聞かす様に…
今はただ、久し振りに会えた貴方と一緒に居たくて。
顔を覗き込む様に ゆるりと首を傾げたまま
「 んー 頼れ、って言われても…
念話、だっけ ? そーゆーの出来ないし。」
かといって、貴方の家まで押し掛ける事も出来ない。
其れ位はわきまえている、 わきまえているからこそ、
頼りきれないというもので。
「 それに生憎『 私こんな事されたのぉ~ 』なんて
泣きつける程、素直にできてないの。」
可愛いげがないという、もう一つの理由も付け足しておく。
丁度其のタイミングで酒が運ばれれば、細いグラスの脚を持ち
「 はい、乾杯♡ 」
■セイン=ディバン > 「辞書から飛び出した誠実の具現化が目の前に」
相変わらずだ。そう男は思う。
相変わらず……この人との会話は。これだからいいんだ、と。
本当なら、ずっとそのままでいたかったけれど。
裏社会にも生きる男としては、そのままでは居られなかった。
「な~にが無事に、だ。フローに助けてもらったから、だろ。
……アイツが言ってた。自分で話すつもりだから、待っててあげなさい、ってな」
けっ、とイヤそうな顔をしつつ、共通の知人について語る男。
別にかの女性にいわれたからではないが。男はガマンした。
無理に探すこともせず、ただ会える日を待った。
「そりゃあそうなんだがな。だったらせめて……。
俺に助けを求めるための手段を持っておけ」
そう言われては男も反論できぬわけで。仕方なしにそう言うに留めておいた。
相手とは相思相愛のつもりだが。だからといって、という部分も当然ある。
「……ベッドの上じゃあ素直なのになぁ」
くすくすと笑いつつ、わかったよ、とばかりに。
相手のことを理解しているからこそ、男はここで追及を辞めた。
「おう、乾杯」
掲げるジョッキ。何はともあれ再会できたのだ。
今はそれで十分だろう、と。男はそう考え。
目の前の相手をいとおしそうに見つめる。