2018/06/10 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルミエラさんが現れました。
■ルミエラ > 貧民地区の比較的平民地区に近い場所、そこを一人で歩く騎士服の姿。
本来はもう一人いたのだが途中の娼婦の客引きについて行ってしまい一人に。
本当にやる気のない同僚の行動に呆れ果てはしたが仕事を放棄も出来ずに仕方なく見回りに歩く。
「んー……この辺りだけで止めて置くほうがよさそうだね」
本来の予定はもう少し奥まで行くはずだった。
しかし一人でそんな場所に行けばどうなるかはすぐに判ること。
なので仕方なく浅い場所だけ見まわろうと明るい道を選んで巡回する。
■ルミエラ > そうしてそのまま巡回を続けて平民地区へ続く道を歩いて…
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルミエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレアさんが現れました。
■レア > 「ッ…!!、全く…本当にしつこいわね…」
貧民地区の小さな通り、その一角にある古びた建物へ二階の窓から転がり込みながら女は悪態を吐き捨てた。
チラリと入ってきた窓の外へ視線を走らせれば、1区画程離れた所から雄々しい声を伴った足音と幾筋もの光が伸びるのを捉えて、女は軽く顔を顰める。
「本当、予告通りまんまと盗まれたんだから潔く諦められないものなのかしら?」
一週間前にとある大富豪へ届けられた怪盗【影魔】からの犯行予告。
予告状に沿う形で順調に行われた犯行は最終盤、館からの離脱の際にアラートを鳴らしてしまったことにより事態は急変した。
富豪が事前に雇っていた腕利きの冒険者数名にからの追いかけっこへと変わったそれは犯行の発覚から20分程たった今も富裕地区、平民地区から貧民地区へと場所を変えて続いている。
「しっかし…このままじゃ流石にキリがないわね…」
■レア > 操影で影に潜伏して逃れようにも雇われた冒険者達が掲げている魔術ランプの光はそれを打ち消し、白日の元へと実体を引き摺り出されてしまう。
「あの爺さん無駄に考えたわね…しかもあのランプ…商売敵も一枚噛んでるのかしら、あぁもう最悪ねこれ」
様々な考えが頭を巡るが一向に事態解決の糸口を手繰る事は出来ず、外からの光や音も少しずつ近付いてくる。
逃げる過程で平民地区も通っているのでもし騒ぎを嗅ぎ付けられていれば衛兵が出しゃばってくる可能性もあるだろう。
悪い方向ばかりに傾く思考を振り払おうとしながら女は入ってきた反対側の壁に位置する窓から抜け出し逃げやすい屋上へとスルリと登っていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にボリスさんが現れました。
■ボリス > 暗闇の屋上へ、レアがしなやかにその身を躍らせると同時に、光が生まれその姿が照らし出される。屋上には先客がいた。
「お待ちしておりましたよ、【影魔】殿」
雇われた腕利き冒険者の1人。腰に剣を下げた男は、眼鏡にレアの優美な姿を映し込む。
「初めまして。ボリスと申します。……警備があの配置、あの追跡戦術なら、ここにいらっしゃると思いましてね。先回りさせていただきました」
慇懃に礼をする。目前に拿捕すべき相手がいるわけだが、柔和な微笑みは崩さない。
■レア > 下からは光の当てられない屋上に潜み、冒険者達のルートによって逃走手段を構築しようと考慮していた矢先、身体を照り付けるような白い光に思わず身がすくむ。
光源に手を翳して前を見れば、細身のレイピアを腰に吊り下げた優男の姿があった。
「ッ…ごめんなさい、胡散臭い男は趣味じゃないのよ。ほら、このご時世信頼が大事でしょう––ッ!」
言葉を発し終わらないうちに女は2つのアクションを見せた。1つは左手で太腿のホルスターから鉄手裏剣を2本引き抜いての投擲。
もう1つは屋上の縁まで距離を置く為の後部への跳躍。
目の前の男との戦闘を経た逃走は難しいと判断しての時間稼ぎであって。
■ボリス > 「如何に麗しいレディとは言え、犯罪者に胡散臭い呼ばわりとは心外ですね――」
直後、怪盗が見せた見事な活劇。正確な投擲と後方への大跳躍を同時にこなすのは、素人には到底不可能な鮮やかな芸当。
だが、男もまたそれを読んでいたかのように前進する。ダンッ、と一歩を踏み出した瞬間、その肉体は加速。屋上に罅を入れるほどの踏み出しは、人間の筋力の為せる業ではない。自分自身を撃ちだすように加速し、そのまま自分に向かい来る手裏剣を片手でキャッチすると、一瞬でレアへと間合いを詰めた。
「私も仕事ですので。逃がしませんよ」
そのまま懐へ入り込み、今のスピードを実現している筋力で、レアの体を掴み捕えようと手を伸ばす。