2018/04/06 のログ
ご案内:「王都貧民地区、地下闘技場」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > 王都の貧民区に、地下闘技場が出来たらしい。
ダイラスにあるアケローン闘技場と違って小規模な催しだがその分ルールはアウトロー準拠でフリーダム。勝者には酒に酔った立ち見の観客たちから手荒い歓待とファイトマネー。
敗者の運命は勝者の気分次第。
もともと一族揃って血の気が多く、危ないことが好きな遊牧民はそれを聞きつけるなり件の闘技場へ向ったのだった。
”さあて、ここで飛び入り参加を募集だ!
この中で、金か名誉か敗者の奴隷が欲しいやつはいるか?
――おっとぉ……そこの黒いちび!
ケーキでも焼いてくれるのかい?”
闘技場とは名ばかりの狭いスペース。リングのかわりにひとくせありそうな客達が立ち並ぶ。ちょうど飛び入り参加を募っているところだった。
血と汗のすえた匂いの染み付いたそこへ進み出れば、司会役の男がからかってくる。
”おっと……。いんや、こいつはやる気らしいな。
いいだろう、ここじゃ参加者を追い返すような野暮な事はしねえよ。この命知らずに拍手か、空き瓶でもくれてやれ!
さあ……対する相手はいるのか?どうだい?”
無言で曲刀を鞘から抜くと、司会役の男が大仰に肩をすくめて観客にアピール。観客を煽ると、遊牧民の相手を求めてぐるりと周囲を見回す。
■タピオカ > ”ふふ……。残念だったなぁチビ。
集まってるやつらにはその曲刀がブリキの玩具か飴細工にしか見えねえらしい。
さ、帰った帰った!
さっさと家に戻って腹を空かせた弟に飯でも作ってやるか、ランタンの油でも売って日銭を稼いでやがれ!”
ガラの悪い観客から飛んでくる野次や紙くずをかわしながら、しばらく涼しい顔で待っていても挑戦者は現れずに。
相手が来ないとなれば、司会の男が首を振って笑う。嘲笑が観客達の間で広がって。
仕方がないやとその場で一礼をして踵を返す遊牧民。
素直に引き下がり、入れ墨をまとった男女の間に消えていく――。
――と思ったら、その数刻後。
「そこーっ!踏み込んで!がんばって!ほら、右!右ぃぃ!」
周りの客達と一緒になって、賭けの割符を振りかざし。今度は観客となって
ぴょんぴょん飛び跳ね試合の行方に白熱する遊牧民の姿があったのだった――。
ご案内:「王都貧民地区、地下闘技場」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 路地裏から出れば荒かった呼吸を落ち着かせる
深く息を吐きだせば、額に薄っすらと滲んだ汗をコートの裾で拭って払う
辺りに人影が無いことを確認すれば、懐からシガーケースを取り出そうとした所で
シャツが僅かに切り裂かれて血が滲んでいるのに気がついた。興奮状態のせいか、痛みはさほど無い
「このシャツ、気に入ってたんだがなあ…」
じわじわ、と血が滲みシャツに染みを残していく
煙草を一本咥えてから、傷の様子を確認するが酷い傷ではないようで安心した
腹に傷を作った相手は路地裏の奥、人目につかない所で昏倒している
恐らくは明け方までは起き上がっては来れないだろうと思う
刺客を送ってくる様な相手には1人しか心当たりがない
煙草の先に火を灯して煙を吐き出せば、懲りない女…と呆れたように苦笑を浮かべる
「…美人だったけど性格が容姿に現れないタイプの御方だったか…」
俺も早まったことをしたな、と笑い飛ばせば左右を確認して少し広い通りに出て歩き始めた
貧民地区の良い所は怪我をしていようが、殺されかけていようが、他人を放っておいてくれる所である
怪我をしている人間が1人くらい歩いていても何のことはないのだ