2018/04/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 再び湯治の帰り…今日だけでこのあたりを何回往復しているのか。
ふわふわと少し湿った髪。
温泉の余韻を残しながら、貧民地区の帰り道を行く。
歓楽街、酒場の灯り。
さすがに入浴前に酒場には立ち寄ったので立ち寄る気はないが。

「ん?」

なんかフラフラしてる人影。
小奇麗と言うか、貧民地区に似合わないカッチリとした格好だ。

ノア > ふらりふらり と歩きながら、並ぶ酒場の店内を覗き見る。此処は混んでいるし、あっちでは乱闘が始まってしまっているようだし… 未だ、何処にも入れず彷徨いていると

「 …………… ? 」

何となく… 誰かと、視線がぶつかった気がして。僅かに目を細め、すっぽり被ったフードの中へと目を凝らせば

「 ブレイ、ド…… ?? 」

其処には見覚えのある、金色の瞳。自信無さげな女は記憶を頼りに、恐る恐る其の名を呼ぶ。もしも人違いで無ければ、偶然の再会となるけれど… 先ずは言わなければならない事が、沢山あった。

ブレイド > 「……あん?」

フラフラの人影に名前を呼ばれた。
しっとりした前髪を揺らし、目を上げれば…
どこかであった…あったが、名前が出てこない。

「えーと、あー……たしか、バルコニーで居眠りして風邪ひいてた…」

そういえば、聞いてなかったような気がする。

ノア > 「 ………やっぱり、 」

どうやら人違いではないようで、女の声色も明るく変わり。コツコツ と華奢なヒールを鳴らしながら、貴方の元へ駆け寄って

「 そう、温泉宿で… あの時は、本当にありがとう ! 」

貴方の記憶に頷きつつ、先ずは礼を述べる。かと思えば、今度は目の前に立つなり頭を下げ

「 ごめんなさい、 すっかり甘えちゃって… 確か名前、言ってなかったよね。 あたしノア、 えっ と…… 改めて、よろしくね。」

礼の後は、名乗りもしない相手に甘えてしまった事を詫びた。今更ながら名乗り、何だか気恥ずかしそうにはにかんで

「 冒険者さん って聞いてたけど、まさか王都で再会するなんて思わなかった。良かった… ずっと こう、引っ掛かってたから。」

ブレイド > 「あー、いいっていいって。つか大丈夫だったか?あれからよ。
元気になってんのは見りゃわかるけど、王都に戻ってるってことはアレだろ?
湯治は楽しめたか?」

病気のままでいまいち楽しめないまま休憩期間が終わった…とかそうでなければいいのだがと。
歩み寄る女性には少年からふわりと漂う温泉の匂いが届くかもしれない。

「ノアか、よろしくな。
ま、困った時はお互い様ってやつだろ、気にすんなって。
てか、こんなところで何してんだ?フラフラしてたみてーだけど」

ノア > 「 うん 大丈夫、 お陰様で。」

こく、 と頷き微笑んで。正直、まるで昔の自分を見ているような… 所謂 "生意気そう" な見た目の少年だけれど。お世辞にも丁寧とは言えない言葉遣いの中に 貴方の気遣いを感じれば、もう一度「 ありがと 」と短く返し。

「 何処か寄って帰ろうかと思ってたんだけどね、 んん…… 今日は縁がないみたい。」

質問には、辺りに視線送りつつ答え。視線戻した先、貴方の前髪が濡れているように見えては

「 ブレイド、 お風呂上がり… ? 」

何となく… 酒やら香水やらの匂いに紛れ、温泉特有の香りもする気がして。ヒールを履いている分だけ若干高い背丈から、 ゆるり と首を傾げて覗き込んだ。

ブレイド > 「そりゃよかった。
元気そうだし…フラフラしてっから少し心配したけどな」

ケラケラ笑いながらひらひらと手を振って。
それにしたって、そんな格好でこのあたりをうろうろするなんて、結構度胸あるなと。

「何処かって…酒場か。つか、酒場によるにしたって…
着飾ってんな?このへんでなんかあったか?」

キョロキョロと見回すも、いつもの歓楽街。
なにもないなら、仕事か何かか?
などとしていれば、風呂上がりかと尋ねられる。

「ん、そうだな。今度はオレが湯治だ。ちょっとヘマしちまってな。
打ち身に効く薬湯に浸かってきた。
今日、二度目だけどな」

そういえば、少し姿勢が悪いように見えるかもしれない。
背中をかばっているのだろう。

ノア > 「 初めて会ったあの日が、たまたまあんな格好だったってだけ。普段はこんな感じ、 どーせなら こっちで記憶してね♡ 」

湯治に訪れていた山奥の温泉宿。あの日は確か、部屋着にカーディガンを羽織っていただけだったか と思い出し。あんなみっともない姿 印象として残すまいと、冗談っぽく黒レースを揺らして見せた。一方此方の問い掛けには、まさかの立場逆転に

「 なぁに、 今度はそっちが湯治 ? 」

女は24、少年は… 訊かずとも、 まぁ若いだろう。そんな二人の共通の話題が、まさか湯治とは…

「 会う度 "湯治" や "温泉" って… 何だか老け込んだ気分。」

と、可笑しそうに肩を揺らした。笑いつつも何処が痛いのかと、貴方の身体を あちこち見詰めて

「 どうしたの、 どこ ? 」

ブレイド > 「そーしとく。でねーと、多分見逃しちまいそうだ」

あれはあれで、話しやすさもあったが。
王都を歩くときにあんな格好であることはまずないだろうし素直にうなずく。
よくよくみれば、デキる女ってかんじだ。

「はは、ちがいねぇ。でも、殺伐とした話題よかいいだろ?」

楽しげに笑うノアにこちらもつられて笑う。
が、ずきりと鈍い痛み。一瞬表情を曇らせる。

「んー?背中。落ちてきた柱がぶつかっちまって…」

ノア > 「 もう… あれは忘れてっ 」

てろてろの部屋着姿で心身共にヘタり、自分より随分歳下の少年に甘えてしまった恥ずかしさ。貴方の顔前に手のひらを見せ、記憶よ記憶よ飛んでゆけー と祈る。其の姿はやっぱり子供染みていて… 折角印象として残りそうだった "デキる女感" も、 残念ながら薄れてしまうかもしれない。

「 背中、 ─── 柱 ?? 」

貴方の怪我は、どうやら 転んだとかぶつけたとか… そんなレベルでは無さそうで。落下した柱が直撃ともなれば、柱のサイズに関係なくなかなかの衝撃だろうと眉を下げ

「 傷になってるの ? 骨は…… 歩けるから大丈夫、 か… 」

先程までの笑みは一変、不安げな表情に。冒険者と聞いてはいるものの、女にとっては やっぱり "幼さの残る少年" で。

ブレイド > 「わーったよ。記憶の底に沈めとく」

忘れるとは言わない。
年上の女性に頼られるというのもそうはない出来事だし、なにより、ああいう姿はなんとなく可愛らしくて。
というか、いまもなんだか子供のようで。美人というよりは、可愛いおねーちゃんって感じだ。

「ああ、ちょっとな。崩れそうな家ん中で…」

廃屋探索をしてたら崩れてきた的な。そういうやつだ。
直後は衝撃のせいで全身ガタガタ、歩くのもしんどかったが…

「いや、打っただけ。骨は…よくわかんねーけど大丈夫じゃねーかな?
ま、だいぶ良くなってるし、明日には復帰できるとおもうぜ?」

大丈夫。と笑ってみせる。

ノア > 忘れる、とは言わない辺り… やっぱり生意気で、何処か懐かしい。こうして王都で再会出来たのだから、また会う機会もあるだろうと… 印象は、これから重ね塗りしていくとして。そんな事 より ──

「 "崩れそうな家ん中" ? もう、 危ないなぁ… 」

何故そんな所に行ったのかまで訊ねる気はないが、もし打ち所が悪ければ再会もなかった と。心配で思わず、 つん と唇尖らせて

「 薬塗って包帯巻いて、しっかり固定しなきゃダメだよ ? 」

わかった ? なんて言う口振りは、ほんの少し歳上ぶって聞こえるかもしれないけれど… 危なっかしい少年の身を案じているからこそ。実際には女よりもずっと貴方の方が、身を守る術を心得ているものの… そんな事とは知らずに、すっかり子供扱い。

ブレイド > 「しょーがねーだろ、探しもんがそんなかに…つか、事情があってさ」

依頼でとは言わない。
あくまで個人的な用事ではいったわけだし、そこを嘘ついても仕方がないだろう。
言葉のはしからは年上っぽさが感じられるが、唇を少しとがらせる仕草は、どこか幼い印象を覚える。
思わず笑顔になってしまうくらいには。

「…一人じゃさすがにそうも行かねー。
同居人も家をあけることが多いんでよ…」

だから温泉の効能に頼っているということだ。
背中に手が回らず薬が塗れないと言うか、後ろに手を回そうとするととても痛いのだ。

ノア > 深入りはしないけれど、曖昧な返事に不服そうな表情浮かべ。更には謎の笑みまで浮かべているものだから、余計に唇も尖る。其の唇が原因とは、気付かずに。

「 んん… 一応帰れば薬も包帯もあるけど、持ってく ?  同居人さん帰って来なくても、また何かあった時に使えると思うし。」

一度は貴方に頼ったから… 今度は、貴方に何か返してあげたくて。もしも貴方の言う "同居人" が不在なら使えずに終わるけれど、家に置いておいて邪魔になる物でもないだろうと… つい、お節介を

「 "困った時はお互い様" でしょ。」

貴方の言葉を借りて、提案してみる。

ブレイド > なんか余計に怒ってる。
怒っている理由はわからないが、とにかく心配してくれているようだ。

「こっちの過失で負った怪我だってのに……ん、や…言っても仕方ねぇか」

むしろここで断ったら怒る…いや、拗ねそうだ。
こちらを子供扱いしていることはあまり気にはしていない。むしろ年長者なわけだし。
だが、こんなことを思っていると知ったら、ノアの方は更に唇を尖らされしまうだろうなあと思いつつも。

「ん、そうだな。もらっとく
アンタの言う通り、今使えなくても別の役には立つしな」

ノア > 貴方は何やら ぶつぶつと続けていたけれど、漸く頷いてもらえれば 満足そうに笑みを取り戻して。

「 そ、 素直でよろしい♡ 」

内心 色々と気遣われている事など気付かぬまま、少しはお返しが出来たかな と嬉しそうに。今居る貧民地区からも然程遠くない自宅を目指し、貴方と共に歩き出そうか

「 子供の内に これでもかっ てくらい甘えないと損するよー  大人になってから甘えるとね… 鬱陶しがられるの、 ほんと不思議。」

所謂、 鬱陶しがられるタイプの本人談。はは と楽しげに笑いながら、そんな風に道中は他愛もない話を。

ブレイド > 大人の女性!といった雰囲気とは裏腹に、コロコロと表情が変わって、少し面白い。

「へへ、ありがとな」

礼を言いつつ笑顔を返す。
すっかり乾いた髪を揺らしながら頷いて。あるき出すノアの横について並んで歩き話を聞く。
話したがりなのか、耳をくすぐる声も耳触りよく心地良い。

「そっか?男があまえんのはさすがにうっとーしーかもしんねーけど
アンタみたいなのに甘えられると喜ぶもんじゃねーの?大人ってのはさ」

無論イメージでしかないが。
でも、自身も温泉宿で頼ってもらった時は悪い気はしなかった。

ノア > 「 それが、そんな事ないの。  あたしがブレイドくらいの歳からお世話になってる人が居るんだけど、 その人なんてね… 」

聞き上手な貴方と、お喋りを。恐らく道中、一秒も沈黙は無かった事だろう。大人びた少年と、子供っぽい女… ちぐはぐな二人は、並んで歓楽街を後にした。後日、其の光景を見掛けた知り合いに『 随分と若いの捕まえたな~ 』なんて 揶揄われる事となったとか。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイグナスさんが現れました。
イグナス > 夕暮れ時の貧民地区の路地裏に、こう、なんというか香ばしい香りが漂っていた。
何かをこんがり焼いたような。場所が場所じゃなきゃ、夕飯の準備で何かを焦がしたと思うかもしれない。

「…ああ、えらいめにあった。」

そのにおいの元。ぷすぷすと焦げた煙を立ち上らせながら、巨躯の男が呻いた。
路地裏の壁に背中を寄りかからせて、ため息をひとつ。
煙こそあがって衣服も煤汚れているが、別段しっかりと燃えている様子はなかった。
ただそれでもうんざりとした表情で、ぐしゃり。足元で伸びてる痩躯の男を踏んずけた。

「おまえー、なァンで魔術師がちんけなひったくりしてンだ、おい。
 せめてこの地区以外でやればか。もしくは俺の目の前以外でだばか。」

完璧にノびきってる男からは返事はない。
表通りでの騒動に首を突っ込んだはいいが、まさか炎の魔法を正面からぶち当てられるとは思わなかった。
その後ぶん殴って今に至るわけだけども。