2018/03/29 のログ
ノア > 「 ?? お陰様で、ちゃんと食べてます。」

可笑しそうにしている貴方に対し、何が可笑しいのかわからないといった風に、 ほんの少し 不服そうな女。身を乗り出すのも疲れたか、スツールに ぽふんと尻を付け。今度は調理中の貴方を、 ぼんやり見詰める。20代の面影を残しつつ、すっかり大人な雰囲気… そんな貴方に不覚にも、 見とれていた ── が、

「 ………身長、って… いくつだと思ってんの ?! 」

本気で "チビ" 扱いされていたのかと、じとー と目を細める。女は胸を張って背筋を伸ばし、こほんと咳払いを一つして

「 もう 24、 24の 立派なレディー ! 」

いつまでも子供扱いしてくれるなと言わんばかりに、語尾を強めて言い放つ。身長の件については…… 確かに、思っていたより伸びなかったけれど… 其れでも もう、あの頃とは違う自分を見せ付けるように つんと顎を上げてみせた。

ジェルヴェ > (野菜がなければ品切れですと言い張れた。しかし先に確認した際、しっかり魚の切り身のほかに彩り鮮やかな食材が転がっていたのを目撃済みで、体よく彼女の注文どおりの品を提供できてしまうのが腑に落ちない。甘やかすから付け上がるのか、一瞬己の行動を振り返ってみて、カウンターを挟んでぶつけられた非難の声を聞き、諦めて大人しく水を切ったレタスの葉をちぎっていく。
構わないという選択肢は、多分無い。)
「やだ、俺の知ってる立派なレディーとなんか違う。なんつーか、こう、色っぽさが」
(多くは言わず、けれど心底驚いたような表情で応じる。軽口を返しつつ小皿へ適当に千切ったレタスを盛って、その上へ乗せるニンジンは皮を剥き千切りに。トマトでも添えればそれらしく付け合せとして見栄えしたかもしれないが、在庫がないのでサラダの具材はその二つのみだった。途中でムニエルの焼き加減を確認し、まずは先に完成したサラダを一皿、続いて雑貨屋で売られているドレッシングの小瓶を姿勢を正して主張する彼女の前へと並べていき)

ノア > ( "やだ" って何 ?! )

まさかの返答に、ショックのあまり一瞬フリーズ。そもそも… ムキになってアピールしている辺りが余計に子供染みているという事に、本人は気付いていない。更には、サラダを作る貴方に

「 ………ぁ、 トマトない。」

なんて 簡単に話が脱線してしまう所も また、子供染みていた。そんな自称 "立派なレディ" のアピールも虚しく、目の前には淡々と料理が並べられてゆく。サラダとムニエルがほぼ同時に出来上がる辺り、 流石と認めざるを得ない が ── 何だか悔しいので、やっぱり言葉にはしない。しかしながら、其の美味しそうな香りに すっかり視線は釘付けで

「 色気…… よりも、 まずは 喰い気っ 」

と、ドレッシングをサラダに掛ける。次いで、フォークとナイフを手に取ると

「 いただきます♡ 」

注文通りの魚料理とサラダのセットを、早速頂く事に。テーブルマナーだけは仕事上 最低限身に付けたものの、此処では割りとラフに。ぱく と一口ムニエルを頬張ると、安定の美味しさに幸せそうな笑みを浮かべ

「 ん、ま……… 呑んじゃお、 かな…♡ 」

ここ最近控えていた酒を、無性に呑みたくなった。例えば そう… 貴方の斜め後ろに置いてある、高級そうな白ワインとか ──

「 …… 白、 合うよね。」

熱い熱い視線が、貴方の斜め後ろへ注がれている。

ジェルヴェ > (金を取れるレベルとも言い張れない仕事振りとは言え、用意した品の欠落を躊躇なく口に出せる気の強さ。きっとそんな小憎たらしさが男にしたら丁度良く、揶揄い甲斐を見出す種なのだろう。零された一言に「うるせえ」と間髪入れず一声重ね、カラトリーの準備を終えるなり手を進め出す彼女の挙動を調理器具の後片付けと共に眺めていた。
―確かに、道理で成長した訳だ。まだ幼かった昔の印象はどこへやら、繰り返し年齢を主張されずとも、相応な外見に育っているように思う。同じ速度で己もまた歳を取ったのだと後から実感し、なんとなく後ろめたくなったので深く考えるのを止める。
ざっと綺麗にした調理台を布巾で拭いて、水に濡れた手を別のタオルで拭い、そこで料理ともこちらとも違う方向をじっと見詰めている視線に気が付く。次に放たれた端的な台詞には、彼女の登場からそこで初めて、怪訝そうに眉を顰めて)
「……金取るよ。きっちり。」
(視線の先を辿り、同じく後方へ振り返って、告げられた独り事のような言葉の意味を察する。ついでに僅かに値の張る銘柄も確認して、真っ先に真顔で開けるなら定価だと断った。空のワイングラスを二つカウンターへ出し、ワインボトルへ手を伸ばして)

ノア > 女の戯れに付き合ってくれながら、あっという間に出来上がったムニエルだけど… 衣カリ、中ふわ。今のところ骨にも当たっていない。まさに注文通りな美味しさに、すっかり夢中。

「 やっぱ コレ好き、 美味しー 」

ムニエルもサラダも、しっかりとバランスよく食べ進める。そんな中、白ワインのボトルに貴方の手が伸びれば

「 呑んでいいの ? やった♡ 」

端から代金は支払う気はあったけれど、 もしも特別な日に開ける予定などがあれば 其の時は諦めるつもりだったから… ワイングラスの登場には、シャンデリア位に琥珀色の瞳を輝かせ

「 勿論払うよ、きっちりー 」

と ご機嫌に、眉をしかめる貴方に返した。フォークを持つ手も止まり、ワインが注がれるのを大人しく待つ。待て と言われた犬の如く、こんな時だけはとても素直に。

ジェルヴェ > 「ならよし。でもマジでこれで良いの。白がいいなら他にも安いのあるのに」
(順調に料理が口へ運ばれて、漏れる感想に苦言がなければ安泰だった。トマトがないと呟かれた時のように、骨が残っていただとか衣が疎らだとかの指摘をもしも食らったら今しがた手を拭いたタオルを彼女の顔目掛けて投げつけてやろうと企んでいたので、未遂で終わったのならそれに越したことはない。
がしかし、何分料理人ではない男が作った品に変わりはなく。魚料理に白ワインなら確かに定番だが、それには料理に比べて酒が上等すぎる気もする。念押し確認を取りながらボトルの封を切りコルクに螺旋状の針を差し込んでいき、程なく空気の抜ける音と共に栓を抜き取ると)
「ついでに俺も飲むけど、いいな。うんありがとう、いただきます」
(最初に彼女のグラスへ、そしてちゃっかり用意した自分用のグラスにもワインを注ぎ、了承は自己完結のうちに終えて二人分の酒を用意した。)

ノア > 「 それ "が" いいの。」

久し振りのお酒だから、イイ物を呑みたいし。そして何より、久し振りの来店だから… 女の機嫌が良いという事が、 其の酒を選んだ一番の理由。

日頃 虚勢を張ったり、何者かを演じたり、嘘偽りで誰かを騙したり。決して誉められた生き方ではない、けれど… 此処へ来れば、ありのままを曝け出せる。だからこそ女にとっては今が、 上等なワインを開けるタイミングだった。コルクを開ける貴方の手元を見詰める視界の、端… 余計なワイングラスを一脚 捉えると

「 ……… ぇ、 何それ ちゃっかりー 」

等と、 一応抗議はしてみせて。本心では… こうして貴方と一緒に呑めるのが、嬉しかったりもする。出逢って以来ずっと憧れていた貴方に、少しでも大人になったと認められた気がして

「 もう、 ズルいんだからっ… 」

なんて言う顔も、何処か楽しげに。ワインの注がれたグラスを手に取り、貴方に向けて軽く傾け

「 じゃ、 乾杯♡ 」

互いのグラスが合わさると、心地好い音が響いた。味の方はといえば… 値段に相応しい、説明不要の上等品。爽やかな酸味や香りは、料理にもよく合う。

ジェルヴェ > 「はい乾杯」
(グラスを傾け縁を重ねると、硝子が触れ合い、軽く澄んだ音がする。馴染みのあるジョッキグラスではこうも行かず、自分の店でこうして涼やかな音色を聞くのは新鮮だった。
カウンター越しに乾杯を交わすと、一口喉へとワインを流して周囲へ視線をめぐらせる。鼻に抜ける白葡萄の香りと舌上に残る果実味だけでは少し口寂しい。行儀悪くグラスを片手に持ったまま、伏せておいた食器のストックから小皿を出してローストされたナッツを貯蔵の袋から取り出し開けていく。自分の酒の供用に摘みたい分だけ取り分け皿に転がすと、片手にグラス、もう一方にはナッツを盛ったその皿を携え、カウンターの外へと周っていって)
「軽いなこれ。調子乗ってあんまり呑み過ぎないよーに」
(移動の中で、もう一口。渋さは然程なく、口当たりの軽さにそのままグラスを煽りきってしまいそうな呑み易さを感じた。釘を刺しつつ彼女の隣の席まで歩いていくと、皿とグラスをカウンターへ置き、スツールを引いて腰掛ける。
料理は出した。酒も出した。これ以上酒場の店員として従事する気はないとばかりに、脚まで組んで寛ぐ姿勢。流石に彼女がやって来た時ほどのだらけ振りには及ばないけれど。)

ノア > 美味しいお酒と 大好物の料理とを、じっくり堪能する。其れでも、来店早々注文する位 お腹を空かせていたから… ムニエルもサラダも、思っていたより早く完食してしまい

「 ご馳走様でした。」

ぺこ、 と軽く頭を下げる。どんなに稼ごうと、どんなに盗賊として名を馳せようと、幼き日々の経験から… 何処で何を食べても、これだけはキチンと続く習慣で。隣に座り寛ぎだした貴方に「 美味しかった 」と付け足せば、 ワイングラスに手を伸ばすも

「 ん、 そうやって すぐ子供扱い。」

もう大人になったの、 なんて言いながら… グラスを くい、 と傾ける。確かに呑み易くて、さらっと呑み干せてしまいそうな軽さ。とは云え、以前は毎日のように呑み歩いていただけあって、 酒には随分と強くなったのだから。これくらいは大丈夫だろう と、もう一口。

「 そっちこそ、  そんな事言って独り占めしないでよ ? 」

既に店員モードの切れた顔を、生意気そうな琥珀色が覗き込んだ。

ジェルヴェ > 「お粗末さんでした。一人でボトル抱える気はねぇけど、もうセルフな。…ああ、皿貸して」
(食後の一礼を欠かさない所は随分律儀だと思った。十近く歳の離れた己など作法もなにもなく、歩きながら酒を煽る始末だ。反省する気配もなくへらへらと相槌を打つと、これも立ち上がることを面倒臭がって横から手を伸ばし、綺麗に空いた皿を下げようと重ねていく。
彼女がグラスを口許で傾けたタイミングを見計らえば、その前には充分な空間が出来る。個々スツール自体の間隔は決して近く敷き詰められている訳ではないから、多少彼女側へと身を乗り出す必要があったが邪魔になるほど手間取りはしないだろう。サラダの小皿を平皿の上へ乗せ、カラトリーもまとめてカウンターの向こう側へ渡し片付ける。最後にドレッシングの小瓶を同じく奥に引っ込めて身を退くと、手前に寄せたナッツを一つ摘んで口へ放り込み、咀嚼。続いてグラスを煽ればものの数分と持たず、一杯目が空になった。)

ジェルヴェ > (二杯目の白ワインが、トク、トクと、ボトルから注がれてゆく。自らの手で満たした液体はたぷんと波打って、許容の半分以上まで薄く透明な金色を湛えていた。あとはセルフで、そう告げた言葉に違わず、ボトルは互いの席の境へ据えて、他愛の無い言葉に乗じ酒を消費していく。
――そうして、その日の夜は更けていった。静かなひとときで開け、幕引くはずの予定は白紙に。
果たしてお互いが別れを告げる頃まで、手をつけたボトルは最初の一本だけで済んだのか否か。
顛末は、当の本人達のみ知る処。)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジェルヴェさんが去りました。
ご案内:「」にノアさんが現れました。
ご案内:「」にノアさんが現れました。
ご案内:「」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 強欲通り」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「ふむ。後は……」

貧民地区、強欲通り。それなりに賑わうそこを、一人の男が買い物袋片手に散策している。
時折、露天商に声をかけては商品を買い、袋へと。まさに、買出しルックであった。

「掘り出し物、ってもんはないが。
 なかなか安くていいな」

品揃えのむちゃくちゃ加減に苦笑しつつも、男は安値で売られている商品を気に入っていた。
ここ、強欲通りは貧民地区の、いわば激安エリア。何から何まで値がつき、並び、そして安い。
大通りの商店街とは違う、活気がそこにあった。

セイン=ディバン > 男は、一通りの買い物を終え、通りを後にした。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 強欲通り」からセイン=ディバンさんが去りました。