2018/03/28 のログ
ルーシェ > 見慣れぬものを見つけた子供のように彼を見やりながらも、唇は重なっていく。
じゃれるような重ねるだけの淡いキスのお礼というように、頬を緩ませる彼からも唇が重なる。
吸い付くような重ね方にくすぐったそうに身体をひと震わせすると、きゅっと身体を抱きしめていく。

「そうなの? じゃあやっぱしなきゃだね。魔性の女…そんなの言われたの初めてかな」

それほど肌を重ねたことは多くないが、それでもいい女の代名詞とも言えるフレーズを耳にしたことはなかった筈。
はにかんだ笑みとともに、続く言葉には魔性の女という言葉が似合うような落ち着いた笑顔をみせていく。

「いいよ……見られちゃっても、したいなら皆でしちゃお? ん…っ、じゃあ、受け止めるね。レヴィアちゃんの好みな美人さんが……しよって言ってるんだから、しようよ?」

意地悪な言葉と微笑みに眉尻を下げながら微笑み返すと、照れくさい感覚を覚えながらも言葉を拾っていく。
ゆっくりと指先が解けていくなら、両手は彼女の背中へと周り、緩く抱き寄せながら身体を密着させるだろう。

レヴィア > 彼女の言葉一つ一つが人の常識を外れた言葉なのに、魅力的で退廃的でゾクゾクゾクと背筋を震わせるものがある。
是が魔王という存在なのか、それともルーシェと言う個人がそうなのか、たぶん二つ合わさって彼女なのだろうと……。

余計なことを考える余裕が有るのは今だけか、勿論拒絶などない、この狂った世界で甘美なる毒と欲望渦巻く領域で貪りあうなんて、想像するだけで果ててしまいそうに。

「ならしましょう?イキ狂いましょ?何てカッコいい事言ってみるけど、うん、私の好きなルーシェちゃんとのダンスを皆に見せつけよ?」

病的に白い頬に薄紅色を浮かばせて、薄い小さな唇を今宵浮かぶ月の様に笑みの形に浮かべ、爛々を真紅の双眸を輝かせ恍惚とした表情で笑って見せると、彼女の背にしなやかな腕を絡ませ返し、彼女にはある胸の膨らみに薄い胸板を押し付けながら、二人の影は静かに一つへと絡み合っていく……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」からレヴィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏路地」からルーシェさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジェルヴェさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
ジェルヴェ > (いつにも増して静かな夜だった。
客入りが少ないのは今に始まった事ではないが、今夜は少ないどころか全く無い。そういえば、申し訳程度に飾られた出入り口のドアベルは本日その音の一切を奏でていない。とんだ職務怠慢だ。けれど仕方がない。なぜなら今日はいつにも増して、静かな夜だから。)
「―――…あぁ、今日水曜か」
(いつもの常連客の雑な入店はおろか配達の酒屋すら来ていない。来店する者がなければドアベルだって仕事のしようもないが、男もまたそれは然りだ。スツールに深く腰掛けて、だらしなく半身をカウンターへ乗せた前傾姿勢。この店唯一の店員が営業中にここまで寛いだ格好をしている訳をぼんやりと思案して、気が付いた。
今夜は仲間内で行うポーカーの日だ。固定客はきっともれなく全員、むさくるしい掘っ立て小屋のような家に集っている。どうせ暇だからお前も来いと、やはりむさくるしく誘われたその瞬間が脳裏に過ぎる。思い出したが、今更だった。)

ノア > カランカラン とドアベルが、静かな店内に綺麗な音を響かせた。これでもう、職務怠慢なんて言わせない 筈。

「 お腹空いたー 」

なんて… まるで家に帰って来た子供のような台詞を吐きつつ入店するのは、薄紫色の髪の女。此処へ顔を出すのは数ヶ月ぶり、カウンターに突っ伏す店主に歩み寄り

「 魚料理とサラダ食べたい。」

ゆるりと首傾げ、其の顔を覗き込み… まるで悪びれる事なく食事処のような注文をしてしまうのは、いつものこと。

ジェルヴェ > (否。曜日の感覚すらぼやけるほどのんびりしてしまっているのだから、どうせカードに参加したところで今日は奮わなかっただろう。無駄に持ち金を巻き上げられるだけのような気がする。ならばこうして慎ましくも店は開け、働いていた方のがよっぽど)
「………もー行けばよかったー。俺のバカー」
(強引なポジティブ思考にシフトしようとしたが、失敗だった。突然鳴り出したベルの音に被せて掛かる声の主は、振り向かずとも誰と判る。判るが故、ぐずってカウンターにしがみつき嘆きを一つ。
それからのろのろと伏せていた体を上げて、頬杖を付きようやく来客へと顔を向ける。当たり前のように飛んできた注文には、眉を浅く寄せた薄ら笑いで)
「…なぁチビちゃん店間違えてるよ。ここがレストランに見えるか?」

ノア > 「 ん、 なんか困り事 ?? 」

と… "困り事" 本人が、頭上に幾つも疑問符浮かべ。貴方が顔を上げれば女は何だか嬉しそうに、 にこ と目を細めつつ。左隣のスツールに腰掛け、脚を組む。すると貴方の動きを真似るように、カウンターに頬杖付いて

「 いや、 レストランてゆーか… 実家 ? 」

どうやら、店だとも思っていない模様。貴方の後悔なんて知らぬまま、楽しげにしていたけれど ──

「 ………て、 いつまでもチビチビ言わないでっ ! 」

危うく聞き流してしまいそうだった一言に喰って掛かる。其れは、女がまだ13歳の少女だった頃より変わらぬ呼び名。つん と唇尖らせて、続く言葉は相変わらず喧しく

「 ほら早く、美女1名様御来店。 今日は… シーフード系の気分♡ 」

ジェルヴェ > 「あー、こんなチビちゃん囲った覚えがねぇわー。欠片もねぇわー」
(実家。放たれる単語に更に嘆く。大袈裟に訂正されたはずの呼称を繰り返し、重たい尻をスツールから持ち上げて、項垂れるまま、あからさまに嫌々といった足取りでカウンターの中へ入っていった。)
「いや、お前がいま魚介食いたい系女子だったとしてもね、俺はまったりしたい系男子なんだよ。材料だって」
(ぐだぐだと文句を連ねつつ、カウンター内の酒瓶の並んだ棚を通り越し、ほんの小さな調理スペースまでやって来る。しゃがみ込んで材料庫の扉を開けて、中を改め再び項垂れた。氷で冷やされた冷気の靄の中、鱈の切り身が鎮座している。なんてことだ。)
「……ムニエルでよろしーでしょうかーお客様ー」

ノア > 「 チビじゃないし、魚介喰いたい系 "お姉さん" だし。」

やかましく、図々しく、悪びれる事なく ── 其の態度もまた、13の頃より変わらない。まったりしたい系店主が重い腰を上げると、 ふふんと勝ち誇った笑みを浮かべて

「 えぇ、頂こうかしら。 ニンニク控えめ、骨はしっかり取って、よく焼きで カリっとねー 」

貴方の作る鱈のムニエル、其れは女の大好物。もしかしたら把握しているかもしれない好みを、毎度お馴染みの流れで つらつらと注文し

「 ……………♡ 」

カウンターに両肘を付き、ほんの少し身を乗り出すようにして。自分の倍… 否、 100倍は手際が良いだろう貴方の作業を、楽しげに眺めようか。

ジェルヴェ > (切り身の包みを引きずり出して、調理台の上へ。使い込まれた形跡のないそのあたりは、年季の入った建物全体の中で最も煤けた印象のない部分だった。たとえ大雑把に食材、道具を扱おうとも、そもそもの頻度の少なさが伺える。料理を出すのは基本何か食わせろと注文を受けた場合のみ、それでも酒飲みしかこないような店だから簡単に摘めるような軽食が殆どだが、彼女の場合は違う。重なる細かいリクエストを聞こえない振りでやり過ごしながら、材料庫の戸を閉め立ち上がると、壁へ掛けておいた黒地のエプロンを腰へ巻き、まずは魚の下拵えに取り掛かって)
「…お前さぁ」
(聞こえない振りをしたが、一応骨は予め抜いておく。ただしピンセットのような道具が見当たらなかったので指先で摘める分だけ、すべて取り除こうという几帳面な気概はなかった。ちまちまとした作業に嫌気が差す時が次の作業に取り掛かる頃合で、手馴れた、と言うか大雑把と言うか、ともかく手を動かし作業を進めつつ、手元に向かう視線の気配にぽつり、口を開いて)
「せめて自炊、出来るようになろうな。いったいどこに女子力落っことしてきたの」

ノア > 仕事着の白シャツと黒ボトム、これだけでも正直サマになっているけれど… エプロンを腰に巻くと、また一層 しゅっ として見える。そんな内心は、当然言葉にする事もなく。下拵えをする手元へと、視線戻して

「 ん、 なぁに。」

"チビ" と呼ばれなかったから、返事も随分と穏やかに。視線は骨を抜かれてゆく切り身に向けたまま、 そう短く応えるも…

「 ……… ぇ、 やだ。」

途端に声もワントーン下がり、再び唇が つんと尖る。こんな女も過去に何度か、料理にチャレンジした事もあったけれど

「 指切れるし、時間掛かるし、不思議な味するし。」

苦労してまで "摩訶不思議な何か" を食べる位なら、確実に美味しいモノを食べたい ── 其れが、過去の経験から得た女の答えだった。其の "確実に美味しいモノ" というのが、今夜は貴方の手料理に決まったようで

「 だからこうして食べに来てるの、いい客でしょ ? 」

感謝しろとでも言いたげに、懐っこい笑みを向けた。

ジェルヴェ > 「やだか。潔い心がけではあるけども」
(打ち返されたのは、不機嫌そうに放たれた端的な否定。表情へ目をくれて確認した訳ではないが、不貞腐れているように聞こえて可笑しげに声を弾ませた。小言が今更すんなり聞き入れられるとは思っていない。と言うより、ここ数年単位ですんなりこの手の指図を聴いてもらえた覚えはない。反抗期か、そんな的を外した印象を浮かべつつ)
「…まぁ、普段ちゃんと食えてんなら良い」
(良い客、かどうかはさておき。不遜な言動を笑って受けると、フライパンを探していくつかの収納を検める手間を途中に挟んだが無事に調理器具を発見、火を入れて調理に取り掛かる。小麦粉に塗れた切り身を焼く間に、続いてサラダの用意へ取り掛かって)
「あれだ、しっかり食わないと身長伸びないよ。…あれ、手遅れかな。お前もう二十歳過ぎてたっけ?」