2018/03/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にティエラさんが現れました。
■ティエラ > 今宵は、久しぶりにいつもの安酒場で踊りの披露をしようと、貧民地区の路地を歩く女。
今日は薬などの売れ行きが思わしくなかったので少し稼いで帰りたい思ったところでもある。
そんな折に、いつも通う酒場の前に女が立ち尽くしていて、なにか困った雰囲気で溜息をついている。
何事だろうと思いつつ、避けて通るには入口の目の前にいて邪魔でもある。
軽く話を聞いてみようと思い返して、近づくことにする。
「こんばんは、酒場の目の前でどうしたのかしら。
そこに居ると、お客さんが入れないし、出れないと思うわ?」
少し離れたところで声をかけて驚かせないように気を遣いつつ近づいていく。
暗い道ではあるけれど、相手には敵意のない声をだして、フェイスベールで口元を隠し、ローブの隙間から踊り子の格好をした、女が酒場の明かりに照らされているのが見えるだろう。
女の葡萄色の瞳は、ノアに話しかけているとわかるように酒場の前に立つ彼女をしっかりと見ていた。
■ノア > 自ら引き受けた素材の調達だけれど、虫嫌いにとって大自然に挑むのは相当億劫で。何を着て、何を履いて、何を持って、いつ、どのようなルートで行こうか 等と… 酒場の前に立ち尽くし、考え込んでいると
「 ─── ぁ、 」
不意に声を掛けられ、ぱち と目を開く。どうやら随分ぼんやりしていたらしく、直ぐに扉の前から退いて。続く問い掛けには、折り畳んだメモを胸元にしまいつつ
「 ごめんなさい、 ちょっと… 考え 事を。」
虫なんか絶滅すれば良いのにー なんて考えていた事は口にせず、取り敢えず無難な返事を。ローブの隙間から、綺麗な衣装が チラと見えれば
「 踊り子、さん ? 素敵な衣装ね。」
……と 素直な感想を、柔らかな表情と共に。
■ティエラ > 呆然としていたようすの彼女は、自分の声で漸く気が付いた様で、意識と視線がこちらに向いた。
メモを懐に入れる様子は、気になるもので視線がメモを追ってしまう。
どいてくれる相手の言葉に、目元は笑みを浮かべてみせる。
「いえいえ、構わないわ。ただ、すごく困っている様子だから……ちょっと気になったのよね。」
心ここにあらずといった様子、何かしら相当深い悩みがあるのかと思いながら、衣装に対する彼女の言葉に笑みを深めた。
「踊り子でも、あるの。
さっきまで、ポーションとか、薬草、売ってたのだけどあまり売れ行きが良くなくて。
ちょっと踊って、男たちから搾取しようかなって。」
冗談交じりに笑いながら、ローブを少しめくれば、腰のあたりにカバンがひとつ。
そこまで大きくなさそうではあるけど、ここに入ってるのよ、と。
「よかったら、買っていかない?もしくは、踊り、見て言ってくれないかしら?」
お忙しくなければ、と前置きをつけながら問いかける。
今はまだ寒いので一旦ローブは戻すのだけれど。
■ノア > 「 わかる ? とっても深刻なの… 」
貴女の言葉に一度は、随分と気持ちの込もった返答をするけれど… 直ぐに ふふ、と肩揺らし
「 なんてね、ただボケー としてただけ。」
と、軽い調子で付け足して。貴女が踊り子 兼、商売人だと知れば、器用な人だと感心する。改めて、月明かりに照らされた其の容姿へと視線向ければ… すらりとしたスタイルに涼しげな顔立ち、衣装やメイクの妖艶な雰囲気に、同性から見ても魅力的だと感じて。
「 ん…… 折角だし、観ていこうかな。
商売はステージが終わってから、って事で どう ? 」
これも何かの縁だと、提案には暫し悩んだ後 首を縦に振り。つい先程までノンアルコールの飲み物だけを頼み、情報を仕入れるだけ仕入れ出てきた酒場へ。貴女と共に、再入店しよう と。
■ティエラ > すごく深刻な言葉……からの一転した軽い返答。
先ほど深刻そうに見えたのも、夜の闇のせいなのだろう、彼女の端正な顔は憂いを濃くするのだと思う。
それならば、と女は先ほどの様子を気に止めないことにしよう。
「もう、お上手な人ね?」
深刻な声からの軽い調子に対する返答として、女もまた、軽く返す。
手玉に取られてしまいそうよ?と冗談を返しながら店の方に向き直る。
「ありがとう、じゃあ、出かけに引き戻すんだから、一杯くらいは奢らないといけないわ。
見てくれるの、ありがとう。」
同意し、見てくれるという言葉に嬉しそうに女はお礼を言った。
入店してすぐに、馴染みのマスターに踊りを踊ることを伝えてから、一緒に来てくれた彼女に、好きなものを一杯サービスしてあげて、と伝える。
「そういうことで、少しだけ待っていてね?
一杯は私のおごりだから、好きなものを頼んで。」
そう、ノアに行ってから女は奥に移動して、着替え、化粧を直す。
しばらくすれば、肌も顕な褐色の女が戻ってくる。
フェイスヴェールをとって、青い口紅を塗った女、マスターに目配せをしてから腕を上げる。
―――しゃらん、と彼女の身につけているブレスレットが、アンクレットが楽器のように鳴って。
そこから始まるは、この国では珍しいだろう、旅のものの踊り、ジプシーダンスと呼ばれる異国情緒顕なそれ。
ただ、男を誘うようにアレンジしてあるそれは、腰を大きくくねらせ、思わせぶりに視線を向けて、柔らかな体を強調し、汗ばんだ肌を、胸を、腰を強調していくスタイル。
■ノア > 「 "お上手" なのは どっち ? 」
きっとこうして 貴女の視線に、声に、仕草に、 何人もの男達が虜となった事だろう。まだ出逢って間もないけれど、薄っぺらい色仕掛けとは違うとわかる。其れは正しく、 "内から滲み出る色気" で。
「 ありがと、じゃあ遠慮なく。」
『 帰って来たのか 』なんて店主に揶揄われながら、カウンター席のスツールに腰を下ろす。折角ご馳走になるのなら、一杯くらい呑もうか と… 最近すっかり呑まなくなった酒を、店主にお任せで注文した。
「 …………… 」
がやがやと騒がしい店内。女は差し出されたカクテルに口を付けながら、其の光景をぼんやり眺める。やがて、支度を終えた貴女が店内に戻れば ──
店内の誰もが、其の姿に目を奪われ。先程までの騒がしいさは何処へやら… 皆、貴女の扇情的な舞いに魅入られる。
「 素敵、 」
女もまた うっとりと目を細め、其の美しさに声を溢して。カウンターの上に置いてあったシャンパンクーラーを手に、ゆっくりと緩い歩調で貴女の方へ歩み寄り… 貴女の足下へ置くと、其処へ惜しみ無くチップの金貨を。
女がカウンター席へ戻ると、其れに続くように男達が金貨を投入することだろう。皆が貴女の視線を求め、もっともっと扇情的に舞う貴女見たさに… 客同士競い合うような形で、金貨が集まってゆく。
■ティエラ > 「そうね、じゃあ、二人共という事にしておきましょ?」
どっちが上手か、軽く流す程度の益体のない会話、楽しければいいのよ、と片目を瞑ってウインク飛ばしてみせる。
それに、先ほどの雰囲気には確かに引き寄せられたのだから、彼女も上手なのだ、と。
女の踊りは、情欲を隠すことなく、甘く切ない吐息を、青く彩られた唇から溢し、潤んだ瞳で男たちを見回す。
舞台という物がないから、滑らかな足取りで男達の席の周りを自由に動き回る。
尻を、胸に触れてこようとする手には届きそうで届かない位置でふわりと避けて、女の体臭だけを残し、体勢の崩れた男の頬を優しく一撫でして、遠ざかっていく。
くるり、くるりと動き回り、汗のたまを光らせ、時には楽しそうに、時には切なそうに、表情も踊りに合わせて変わっていく。
しゃらん、しゃらん、音が鳴り、それに負けないぐらいに男達の口笛や下品な声が飛ぶ。
そんな中を全部の客の周りを踊って移動し、最後にノアの目の前へ。
たん、と強く足を踏み込んで瞳を伏せて両手を挙げる。
一つ、二つ、呼吸をおいてから腕を下げて終了の合図。
男達は酒を飲むのに戻り、女は汗で濡れた侭、視線をマスターに向ける。
「マスター、分け前はいつもの通り、ね」
ここにいるのは常連だし、チップはいつもの通りである、マスターに場所代としての分け前を伝えて、体をノアに向けよう。
そして、困ったように眉根を下ろす。
「そういえば、名前、聞いていなかったわ。
私は、ティエラ、よ、お姉様のお名前戻ったら聞かせてね?
このままじゃ、恥ずかしいし、汗だけ拭ってくるわ」
ポーチもおいてきたし、と彼女に伝え、再度奥に移動し、汗をぬぐい、ポーチをとって戻ってくる。
■ノア > 妖艶に舞い 汗ばんだ褐色の肌が、体温を上昇させ花の香りを より一層振り撒く。酒気と男臭さが殆ど占めていた店内に、甘い香りが漂って
「 綺麗なひと… ね ? 」
視線は貴女へ向けたまま、カウンターの中に居る店主に そう声を掛ける。ギラギラと熱い視線を送る客達の合間を しなやかにすり抜けた貴女は、やがて女の目の前で舞いを終え
「 …………… 」
素晴らしかった と、白い手を叩いて称賛の拍手を。暫く客達の歓声も鳴り止まない中、貴女の名前を聞き逃さぬよう確りと耳を澄ませた。くるん とスツールを回転させ、カウンターへと身体向き直し。先程の光景を思い出しながら、カクテルグラス片手に貴女が戻るのを待って
「 お疲れさま、 本当に素敵だった。」
改めて、称賛を言葉にする。確かに異性を意識した、扇情的な振りであるものの… 素直に美しいと感じたから、心からの本心で。
「 あたしはノア。 よろしく ね、ティエラ。」
確りと女も名乗り、ゆるりと首を傾げ 微笑んだ。
■ティエラ > 汗をぬぐい、体に香水を振り掛けなおす。臭いは大丈夫だろうか、と軽く確認して。
ベトベトしてるのは、後でシャワーを浴びようと思いながら、カバンを持って戻っていく。
「ただいま、有難う、同じ女の人に言われた方が嬉しいわ。」
異性は、エロい視線でばかり見るものだし、同性の方が純粋に技術を見てくれるから、相好崩して称賛に答える。
こう言うふうに言われると、もっと頑張りたくなるわと、答えて。
「よろしく、ノア。
で、商売の話に戻りましょうか。
持ってきてるのは、薬草と、ポーションと、護符とか、アミュレットとかもあるわ。」
ゆるり、と首を傾ぐ姿、様になっていなと目を細めつつ、自分も軽いカクテルを注文して、言葉を放つ。
そして、ポーチの中から、10種類程度の薬草とヒールポーション、マジックポーションを初めとした回復用と、自身の強化用ポーション。
魔除けの護符と、同じく魔除けのアミュレットが出てくる。
当然、どう見てもポーチの中のサイズと合わない数である。
■ノア > 戻ってきた貴女からは、やっぱり甘くていい香り。一見キツそうに見える顔立ちが、褒め言葉に素直な笑みを浮かべるのを見ては… これでは男達が夢中になる筈だ と、納得する。
「 ん、 よろしく♡ 」
互いに名乗り合ったなら、グラス同士を軽く合わせて乾杯し。こく と一口、カクテルに口を付けるも
「 ?? 」
ポーチから次々と商品が取り出され、危うく噎せそうになってしまう。どうやらただの薬売りではないようで、付き合い程度に薬草でも買おうと思っていた考えを改める。唇の端を指先で拭いつつ、魔力の付与されたアイテムに興味津々といった様子で
「 んん… どうしよう、どれも欲しくなっちゃう。」
何せ近々、一人で自然地帯へ行く予定があるものだから… 強化用ポーションや 魔除けのアイテムなんかを、あれこれと手に取って。
「 もう、っ……… 踊りに、アイテムに…
一体幾ら貢がせるつもりー ? 」
なんて、くすりと冗談を言いながら。最終的に 強化用ポーションを数種類、其れから魔除けのアミュレットを一つ購入する事に。
■ティエラ > コツン、とぶつかる杯、相手と同じようにこく、とカクテルを含む。
甘めのカクテルは、低めの酒精で疲れた体と乾いた喉に染み渡るようで。
ふぅ、と少しだけ体に篭った熱を吐息とともに吐き出そう。
「ふふ、これも、魔法の道具なの。荷物が軽く運べて便利なの」
見た目の大きさと同じ重量で、遥か大量の物が入れられる。
ただ、ポーチの入口までの大きさという制限があるがそういうのを入れるなら、もっと口の大きいカバンにすればいいだけと笑う。
品物を眺める相手に、品質は保証するわ、と。
「そんな、暴利にするつもりはないし、お値段もさっきくれた金額の分は引かせてもらうから。」
貢がせるなんて、人聞きの悪い、コロコロと、笑ってみせてじぃっと彼女の目を見よう。
「こういうアミュレットとか欲しかったら、専用で作ってあげるから。
良かったら、また頼みに来て。
お望みの物を作ってあげられると思うから。」
そう、言いながら吐息が触れるぐらいに顔を近づけてみせる。
彼女の目を見つめたまま。
「ただ、私……同性愛者だから。
あまり近づくと口説いて食べちゃうかも。
ノアのような、素敵な人だと……特に、ね?」
気をつけてね?
笑いながら、顔を離し、ポーション一つおまけして、アミュレットを差し出そう。
■ノア > 久し振りに呑んだ酒のせいもあってか、出逢ったばかりの貴女にも随分と懐っこい態度。商品だけに留まらず、貴女の私物にも興味津々に
「 ぇ、 そのポーチ欲しいっ 」
なんて、琥珀色の瞳を輝かせてみたり。かと思えば
「 駄目。 あれはあれ、これはこれ… でしょ ? 」
チップはチップとして払うと、其処だけは頑なに断ってみたり。素晴らしいショーを観せてくれた貴女へのチップと、商品への代金は、確り別で払わせて欲しいと譲らずに。
良いタイミングで良い買い物ができたと、上機嫌。アミュレットは注文も受け付けてくれると聞けば、ぱち と目を瞬いて
「 本当 ? 嬉しい、何処に行けばティエラに 会 ── 」
何処に行けば会えるのか、と訊ねようとした時… 丁度隣に向けた女の顔と 貴女の顔とが、触れ合う位に近付いて
「 ─── っ、え… ? 」
言葉の意味を直ぐ理解できずに、硬直。数秒後、意味を理解した途端 白い頬を紅く染めて… 捕らえられた視線は逸らせぬままに、つん と唇尖らせて
「 あんなに男達を惑わせといて、 悪いひと…… 」
同性愛を否定はしないし、理解もある方だと思ってはいるけれど… 其の対象が いざ自分へと向けられては、 動揺か、困惑か、恥ずかしさか… 琥珀色の瞳を、頼りなく揺らめかせた。
■ティエラ > 「ふふ、格安で承ってまーす。
流石にこれはダメ。後の道具持って帰れないし。
別の時に、持ってくるわ」
便利でしょ、と欲しがる相手に次に作ってくることはできるけど、と軽く笑いながら、彼女が買わなかったものをしまって行く。
どんどん吸い込むように入って、あとは、ポーチだけとなる。
「あら、意外にきっちりしてるのね。」
彼女がそう言うなら、それはそれで受け取っておこう。
彼女の厚意なのだから、ありがとうね、とお礼を言うことに。
「そうね、基本的には此処か……市場かしら。
ねぐらは決まってなくていつも適当に宿を取っているから。
このカードに連絡をくれれば、会いにいくわ。」
と、連絡用にカードを一つ。
驚いている相手に、クスと笑って目を伏せる。
「ダメ、なのよ。
男のああいう視線とか、ね。
踊り子をしているのは、それがお金を取るのに有効だから。
理想見すぎて行き遅れる典型的、なのだと思うけど。
気にしないでちょうだい? その気がない人に私から手を出すつもりはないから。
脅かしすぎたようで、ごめんなさいね。」
軽く手を合わせて、あと、これ秘密にしてねと、軽く舌を出して言おう。
酒を飲んで喜んでいる男たちに知られたら、売上下がっちゃうし?と。
■ノア > 話を聞くのも返すのも、とっても上手な貴女だから。女は終始、其の他愛ないやり取りを楽しんで… 気付けば、カクテルグラスも空になっていた。受け取ったカードを暫し見詰め、メモと同様に胸元へしまい
「 ………勿論、言わない。 不憫過ぎ、る… 」
貴女が手を合わせると、喰い気味に頷いて見せる。稼ぎに影響する為、だけではなく… 今だって貴女の背中に熱い視線を送り続ける者も居て、そんな彼らが酷く不憫に思えたから。舌先を出す可愛らしい仕草には、くす と肩を揺らして笑い
「 じゃ、あたしは そろそろ。」
魔法のポーチや、アミュレットの注文は勿論… また、ゆっくり話をしてみたいと伝え。スツールから立ち上がり、貴女の耳元へ唇近付けては
「 ちょっとだけ、どきどきしちゃった… 」
なんて、同性愛者ではないけれど… 数秒前に受けた感覚を、正直に白状してみる。そんな悪戯な囁きを落としてから、顔を離し
「 おやすみ、またね♡ 」
ひらひらと指先揺らし、別れを告げる。素敵な出逢いに機嫌良く、軽やかな足取りで家路についた ──
■ティエラ > 胸元にしまい込む相手、女はその様子を眺めながら、彼女の言葉に苦い笑いをこぼす。
「……わかっては、いるの。」
そう、自分でも解っているのだ、でも、受け付けない。
一種の病気なのかしらね、なんて天井の方に視線を送るも、すぐノアの方に向け直して。
「今宵はありがとう、楽しかったわ。
あと、毎度ありがとうございます。」
個人として、あと買ってくれたので商人として、二つの意味でお礼を言って立ち上がる彼女。
不意に近づく彼女の顔。
「……もうっ。
そんなことすると勘違いしちゃうわよ。」
ダメじゃない、と少しだけ顔を赤らめて、見上げる。
去っていこうとする後ろ姿を覚えるように眺めて。
「また、ね。お休み。」
別れに手を挙げて返してから、女も荷物をまとめ、代金を支払って今日の宿を求め、去っていくのだった――――。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からティエラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。