2018/03/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にフラニエータさんが現れました。
■フラニエータ > 酒場のカウンター席、一番端。いつもの様に足を組んで肘をカウンターへ。ぼんやりとレーズンを摘みながらワインを飲む。
いつもの女のいつもの風景。少しだけ違うのは、女の手に持たれている一つの指輪。
装飾品で飾られたそれは、女の指には少し大きめ。女はそれを見ながら溜息を一つ。
「…どうするのよコレ…はぁ…」
レーズンをひとつ、口の中へ。
■フラニエータ > その指輪は贈り物の指輪で、しかも半ば強引に渡されたものだった。
実の所指輪だけではなく、数々の宝飾品の一部。喜ぶべき所なのだが、女の顔は曇っていた。
「どうすんのよ…ったく…コレ…はぁ」
女の地が漏れ始めている。それに気づくと、はっとした顔で辺りを見回し、己の声を誰も聞いていない事を確認した。
女が悩んでいるのは換金方法だ。そもそも受け取った宝飾品は、どこで手に入れたのかも判らない物。下手に換金は出来ない。
裏の取引を使えば換金できるのだが、かなりぼったくられる。女が使用した必要経費を下回るのだ。
女はうらめしそうに、口を尖らせながらカウンターの上に指輪を置き、指でぴん、とはじいた。
カラカラと回転するそれを見ながら、女はもう一度溜息。
■フラニエータ > 女はワインの代金を指輪と同じ様に指で弾き、カウンターの上でくるくると回した。
それをばん、と掌で押さえる。その手で指輪を懐に入れるとグラスに残ったワインを一気に飲み干した。
「…都合良くどこかに転がってないかしら…はぁ…また明日、探さないと…」
席を立ち、店を出る女の足取りは重い。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフラニエータさんが去りました。