2018/02/14 のログ
エンジェル > 「馬鹿、仕事抜けてくるわけねーだろうが。
 予約客が中折れしたんだよ。
 で、暇になったから遊びに来ただけだ、うぬぼれんな。」

ぐっとグラスを煽る。
この少女相手に中折れするような男が果たしているのか……。
そもそも此の少女がそれを許すのか……。
だが、プロ意識の高い少女が客をほっぽって出て来るなど考えられないだろう。
おかげで明日は客の自宅にサービスしに赴かなければならない。
マスターは何も言わない。

「まあ、何あったか知らねーけどよ。
 抱え込むなよ?てめーはあたしの情夫(イロ)なんだからよ。
 ……笑えねーことも多いだろうけどよ、それでも笑えよ。」

頼むから、そんな言葉はぐっと飲み込む。
少年へと視線を向けないまま、さらにグラスを傾ける。

ブレイド > 「そっか…」

あり得るものか。そんなこと。
少女の体を味わって、少女の手練手管をもってして
そうなる男などいるわけがない。
嘘が下手だ。だが、あえてそれを言うこともない。

「おう、そうだな。
ただ、さ……ちょっと、ちょっとだけさ…
何もできねぇのがつれぇって…すこしだけ…な」

少女の言葉に、無理やり笑ってみせる。
少し不器用…どころではないが、それでも笑顔を作ってみせる。

エンジェル > 「何もできねーって……。
 あー…………。」

こいつ、何か面倒事に首突っ込んだか……。
猫耳フードを下ろして頭をボリボリと掻く。
重症だな……ひとつため息を吐いて眼鏡を外す。

「えんじぇるはぁ、そーんなことおもわないよー?
 ぶれーどおにーちゃんはぁ、ごはんもつくってくれるしー、おへやのおそーじもしてくれるしー。
 それにー、えんじぇるのこといーっぱいきもちよくしてくれるでしょー?
 ちゃーんとできることあるんだよー?」

素で慰めるのはこっ恥ずかしすぎる。
舌っ足らずな甘い天使ちゃんの声で気持ちを綴る。
顔は正面を向いたまま少年へは向けず、両手でグラスを持って言葉を紡ぐ度に口が丸く開く。
道化だな……そう思いながらも他にやりようは思いつかなかった。

ブレイド > 「……はっ、わかってんだ。
青くせーガキの言うことだってのはさ」

エンジェルの言葉の真意はわからない。
だが、照れ隠しであろうが、馬鹿にしているのであろうが
愚かなのは自分だということはわかっている。
なぜなら『この国ではアタリマエのこと』なのだろうから。
誰かが踏みつけにされることなど。

「でも、目の前にいて、手がとどくのに
勇気がありゃさ、助けられるやつがいたのに、逃げちまってさ…
お前にはそりゃ、できるだけ尽くすけどさ…それでも、ちょっときつくてよ」

正面を向いたままのエンジェルの肩を抱き寄せるように手を伸ばす。

エンジェル > 「逃げたって別にいいだろ。」

あー、くそ、やっぱこういうの苦手だ。
こういうのは正妻の役目だろうが。
内心悪態を吐きつつグラスを傾ける。

「パイプどこにやったかわかんねーんだよ。
 新しいの買うのももったいねーしよ。
 探すのはもっとめんどくせーしよ。」

不機嫌そうに呟く。
少年と付き合うようになってすっかりクスリをやらなくなった。
だが、もし少年を喪えば……。
そこには少年が自らの正義感と心を引き換えに守った少女の横顔があった。

ブレイド > 「ああ、逃げてなきゃ…アイツも、お前も、仲間も
全部ひでーことになってたかもしんねー。
だから、それでいいんだ、よかったんだ
そいつだって『そうしろ』って言ったんだからさ」

エンジェルの肩を引き寄せる。
席をずりりと移動させて。
言い訳かもしれないが、事実ではある。
割り切れるか否かは置いておくとして。

「………そっか」

パイプ。そういえば、今も咥えていない。
そして、それを今言うということは、自分がそうさせたのだろうと思わせるには十分で。

「わかってんだ。最善を選んだって、わかってんのに…
なんでだろうな。面倒かけちまって、ありがとな」

席を近づけ、少女の肩を抱く。
暖かさに涙が出そうだ。だが、少女が先程言ったように、笑ってみせる。

エンジェル > 少年の絞り出す言葉から何があったかは把握出来た。
この国にはどうやっても勝てない相手がいる。
逆らえば破滅しか待っていないだろう。
少年は少女を守るために逃げることを選んだのだ。

「ガキなんだよ、お前は。」

別にあたしはお前と一緒なら……。
そんな言葉はぐっと飲み込み無理やり別の言葉を吐き出す。
それを口にしてしまえば、少年が自らを殺して選んだ道を否定してしまうことになるから。

「まったくだ、面倒ばっか掛けやがって。
 とりあえず、身体で返せよな。」

抱き寄せられた身体を少年へと預け、そっと顔を近づけると重ねるだけの優しい口付けを交わす。

ブレイド > 「ガキだよ…そうだった、ガキだった」

エンジェルの暖かさを感じる。
抱き寄せた手に、受け止めた身体に。
交わした唇に。

「わかったよ。いくらでも返す。
ガキの癇癪につきあわせてわりぃ…」

ここまで来てくれた少女。彼女の前で泣くわけにもいくまい。
目をきつく閉じ、ゆっくりと息を吸う。
そして、自分からも口づけを。
吹っ切れたわけではない、だが、くよくよするのもおしまいだ。

エンジェル > 「チンコもまだまだちっちぇーし、早いしな。
 じゃ、かえろーぜ。」

お返しのキスを受けて犬歯を見せて笑って見せる。
身体を寄せたまま椅子から降りて少年と腕を組む。

「あ、わり。
 マスター、ツケといてくれ。」

そういえばコートだけ羽織ってきたから財布も家の鍵も何も持ってきていない。
無言で頷くマスターに右手を上げて答え、少年を引っ張るよう歩き始める。

「明日あたしはえーから、今日はしゃぶるだけな。」

明日は今日の埋め合わせをしなければならない。
一旦店に行って髪整えて服着替えて……そう考えるとセックスするだけの時間は取れないだろう。
それでも少しでも辛いことを忘れさせてやろうと少年の耳元に顔を寄せ、からかうよう囁くのだった。

ブレイド > 「……でっかくなってもこまるんだよ、そこは…」

笑う少女にジト目を返しつつ。
そりゃ大きいことに越したことはない。
だが、小さくなければダメなのだ。
エンジェルと深くつながるために、しばらくはこれでいい。

「オレが払っとく。
こんなんじゃ埋め合わせにはなんねーけど…って、おい、まてって」

カウンターにエンジェルの分も含めて硬貨入りの袋を置こうとするも
引きずられて連れ出されてしまった。

「はえぇ、か…やっぱ無理してきたんだろ?
わりぃな、ほんと」

寄せる少女の声にゾクリと身を震わせつつも、キスを頬に。

エンジェル > 「情夫(イロ)に払わせられっかよ。」

ばーか、と笑いながら少年を酒場の外へと引き摺っていく。
もこもこのコートは分厚く、二人の間に確かな空間を作ってしまう。

「だーかーらー、今日は暇だったんだよ。
 で、明日はいぇーのも予定通りだっつーの。
 あー、もー、よし!」

少年の腕を離し、回るようにしてその前へと立つ。
そして、コートの前をはだけると、その中には一糸纏わぬ少女のなだらかな身体。

「家まで競走な。
 負けたほうが何でもひとつ言うこと聞くってことで。」

白い歯を見せて笑い、そして、コートをはだけたまま裸身を晒し夜の街を駆けていく。

ブレイド > 有無を言わせぬ少女の言葉に渋々従う。
そして、暇だと主張する少女がはだけたコートの中は
裸だった。
流石に思い切りむせてしまう。

「なっ…!?ばかっ!!なんてかっこ……ちょ、そんなかっこして走んなって!」

離れ、駆けていく少女を追う。
幸い人通りがないのはいいにしても
風邪でもひかれたら困る。まだまだ、風が冷たいというのに。

「んなことしなくても…ああっ、くそ!!」

楽しそうな表情を浮かべて走る少女を追う。
足元がふわふわとしているのは酒が残ってるせいか。
まぁ、どちらにせよ勝つ気はないのだが。

エンジェル > どちらが勝ったとか、そんなのは二人にはどうでもよかったのだろう。
お気に入りの暖炉の前でソファに座った少年の股間に少女は蹲る。
快楽を与えるのではなく、ただ暖かく包み込む。
優しく優しく、温かな口で安らぎを与えるよう……。
それは深酒した上に全力疾走した少年が眠ってしまうまで続けられるのだった。

ブレイド > たどり着いた家では、おそらくそう多く時間は取れなかっただろう。
不器用だが優しい少女の気遣いが嬉しかった。
それだけで、満たされた。
少女に包まれながら、何か恩を返せればとおもうも、意識は途切れてしまう。
翌朝、慌ただしく身支度をする少女を手伝うことになるだろうが、それはそれ。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」からエンジェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカーレルさんが現れました。
カーレル > 二人組の男を近くにあった荒縄で縛り上げる
背中の側に両手両足をぐい、とひっぱり手首足首を雁字搦めに結んで置けば
一晩くらいは縄から抜け出す事も出来ないはず

「縛るんならむさいのよりお姉さんのがいいよ、俺だって…」

そんな趣味はないけれども気絶した男を縛った所で何の楽しみもない
むしろ結構な労働であった。縛り上げてしまえば道の端っこに転がしておけば通行の邪魔にもならないだろう
ごろごろ、と転がしておく。二人共、白目を向いているから転がした位では眼は覚まさない事だろう
冬の冷たい用水路に落とさないだけ優しいだろ…と、思いながら一仕事を終えれば、煙草を咥えて
貧民地区でも比較的、人通りの多い繁華街に出る

久々の『あの方』からの刺客を片付けて屋台や娼館、怪しい露天商の立ち並ぶ通りに出れば活気があった
一晩に二度も襲撃されては面倒だからなるべく人に紛れるようにして煙草を燻らせながら通りを歩く
食べ物の匂いに娼館から流れてくる香のような、化粧品のような匂いが混じり雑多な匂いがなんとも言えない
しかし、道行く人々は慣れたもので誰ひとりとしてそれを気にする様子はない

カーレル > そのまま、雑踏の中に姿を消し――――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカーレルさんが去りました。