2017/12/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「邪魔するぜ」

貧民地区の路地の少し裏側にある、小さく薄暗い酒場。
そんな立地だが質の悪い客が少なく、割りと静か。
食事も悪くはないし、酒もなかなかの品揃え。
店主は無口で詮索をしないタイプの人間。
様々な要因から、少年はこの店を気に入っていた。

「いつもの」

塩漬け肉とあげたじゃがいも、それにエールだ。
仲間からは野菜も食べろと言われたが…

ブレイド > いろいろと最近は思うところがある。
『自分、女性に耐性なさすぎではないだろうか?』と。
こちらに来たばかりのときは、そりゃまぁ童貞なのだからそうもなるだろうが
今は違う。
違うのだが…どうも慣れない。
美人や可愛らしい女性の言動に割りとしどろもどろになったりする。
フィロには未だに童貞あつかいされたくらいだ。
我ながら情けないとは思うが…そういう性分というところもないとはいえない。
意馬心猿を良しとしないが、興味が無いわけじゃない。
男色ではないのだから。魅力的なものを魅力的だと感じる感受性くらいはある。
考えられることとしては、境遇的に好意と言うもの自体にあまり疑いを持たないというか…向けられることがあまりなかったそれに対しての抵抗力がないのだろうということ。

「情けねぇ」

せめて冷静に対処したいところではあるが
もっと経験を積めば変わるのだろうか?
考えているうちに注文の品が出てくる。肉の塩味がたまらない。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」にエウロペさんが現れました。
ブレイド > かと言って、敵意のないものや自分に良くしてくれる者たちを邪険にはできない。
口は悪いがそのあたりは律儀と言ってもいいかもしれない。

サクリとじゃがいもを食む。

ちがう、自分のいいところ探しではない。
女性の扱いが上手い男…そういった者とも話すべきだろうか?
まぁ、こちらから積極的に人と話すということはあまりない。
どうするべきか…悩む。

エウロペ > 「はぁ~、あったかい」

店のドアを開けて入ってくる一人の女性。
寒い外から暖かい店内に入ってきたので表情も緩む。
店主のほうへと近づくと店頭にあったメニューを思い出して、スープとワインを注文する。
その後ゆるりと店内を見渡すとブレイドの姿。
他に空いているテーブルなどいくらでもあるのだが、ローブの中のでかいおっぱいをたゆんたゆん揺らしながら彼に近づいて。

「ご一緒してもいいかしら?一人で食べるのもなんか寂しいし」

そういってブレイドの顔を覗き込むようにして訪ねてくる。
いつもこうやって食事の際は誰かに声を掛けて楽しく食事を取ったりするのが日常。もちろんそれだけでは済まなかったことが多いのだが。
ブレイドに話しかけるエウロペはどこか上品な仕草ながらも着ているものは質素なもの、なんともいえない雰囲気ながら悪い気配など微塵もないだろう。

ブレイド > 空いたドアから吹き込む冷たい風。
女性の声に振り向くことはなかったが、寒さに少し肩を震わせる。
そもそも寒さにはあまり強くないのだ。
じゃがいもをかじっていると、隣に女性。
思わず声のした方へと顔を向ける。
でかい。いや、胸だけではなく。
もちそんそこも否応なく目にははいるが。思わず赤面してしまうも努めて平静に。

「ん、かまやしねぇぜ?別に断る理由もねぇ」

覗き込まれると、無意識的に目をそらす。
先程までの考えもあってだろう。

エウロペ > 「ありがとう、それじゃあ失礼して…」

否定も変な顔もせず、相席を受け入れてもらえれば素直に嬉しい。
ブレイドが視線をそらしたのを見たためか、エウロペが座るのはブレイドの斜め隣、向かい席では気を使わせてしまうだろう。
テーブルにつけばやってくる温かいスープとワイン。
それを持ってくるときには、さすがの店主もエウロペの胸に視線が移り、手元が疎かになっていたりした。
何かしら動作するたびに動くのだ、無理もない。

「キミ…なんか悩みごと?おねーさんが相談に乗るよ。
おねーさんって歳でもないけど」

話しかける直前、ブレイドがじゃがいもをかじりながらなんとも難しい表情をしていたのを見逃さなかった。
ついついお節介にも悩み相談に乗るなどとのたまって軽い冗談を挟む。

ブレイド > 「なやみ?いや、そんな別に…
そりゃまぁ、悩みがねぇとも言わねぇけど、アンタに聞いてもらうほどのことでもねぇよ」

自身の悩みを見ず知らずの女性にするのもおかしな話だ。
そもそも、女性に弱いという話なのに。
極力視線は胸には向けないようにはして。
そうなると、女性の方をあまり見れないということにはなるのだが、それもしかたない。

「まぁ、歳のことはべつに。
オレから見てもおばさんってほどでもねぇし…」

一応フォローを入れてから塩漬け肉のスライスをもぐもぐ。

エウロペ > 「そう?なら無理に聞かないわ。
見ず知らずの相手のほうが相談しやすいってたまに聞くけど、相談事にもよるものね」

悩みの相談を断られても気にした様子なく、寧ろブレイドをフォローするように微笑む。
彼のふるまいからなんとなく、悩みというのが女性関係なんじゃないかなと思ったりする。
しかし男にはデリケートな問題だったりするから、女の自分がアレコレ言うことはしないほうがいいと、一人思っていた。

「ふふっ、それってフォローのつもりかなぁ?でもありがと」

ブレイドなりに気を使ってくれたのだと理解しているからこその笑顔を向ける。
そうしてワインと一口飲み、温かなスープを口に含んで身体を暖めていく。

「野菜も食べなきゃ大きくなれないわよ?」

するとブレイドの食事が目に付いたのか、かーちゃんみたいなことを口走ってしまう。実際のところ母親なのだが。

ブレイド > 「そういうのもあるだろうだろうし、その手の話なんだろうけどな
女のアンタに言うことでもねぇかなって。
別に女だからって馬鹿にしてるわけじゃねぇぞ?男の悩みってやつだからな」

気を悪くしたようには見えないが、詳細は伏せるにしても断った理由は言っておく。
むこうの善意を無駄にしたくはなかった。
律儀というか、やや面倒くさい性格なのかもしれない。

「…あー、わり…歳のことはあんま突っ込むとこじゃねぇよな」

女性の言葉にバツが悪そうに頬を掻く。
エールを一口飲みつつ、心を落ち着けて

「野菜嫌いってわけじゃないんだぜ?
時間も時間だし、そんなにしょくよくがねぇっつーか…」

エウロペ > 「わかってるわよ、貴方って律儀でいい子ね」

断りの理由をきちんと述べてくれる。最近では珍しいそんな律儀な姿に素直に感心する。
きっと気遣いのできる良い子なのだろう、だからこそ異性の悩みがあったりするんだろうか。
ブレイドをいい子と評したその表情は、まるで母親のようなもの。
彼の仕草や様子に母性を感じてしまっていた。

「私は気にしないけど、まぁ他の人にはしないほうがいいわね。
偉い魔族だったらケシズミにされちゃうかもしれないし」

まるでそんな光景を見たことがあるかのように言う。
見た目が若いまま年食ってる魔族の中には、何故か年齢に五月蝿いのも多いような気がする。

「そうやってバランスの悪い食事ばっかりだと、身体壊し易くなっちゃうわ」

イメージというよりはそういった男たちを見てきたからこその言葉。

ブレイド > 「いい子って歳でもねぇよ。これでも冒険者なんだぜ?」

たしかに見た目はむくつけき大男だとはいえないかもしれない。
男らしいとも…できればいいたいが、線の細さはあるかもしれない。
女性の言葉に少し笑いつつ、エールを見せるように掲げてから飲む。
酒が飲める程度には大人なのだと言わんばかりに。

「そりゃおっかねぇ。気をつける。
アンタみたいにいい人でも、あんま失礼なこと言ったら怒らせちまうしな。
それは本意じゃねぇっつーか…まぁ、怒らせるつもりはなくてもそうなっちまったら申し訳ねぇし」

好意を仇で返すのは嫌だということなのだが、少年はあまり口がうまくないようだ。
女性の忠告を受けると、店主にサラダを注文する。味付けは濃い目で。

「まぁ、わかってるけどな。
軽食って感じだと、あんま気が回んなくてよ。ありがとな」

素直に礼を言って従う。

エウロペ > 「ふふっ、なるほど…冒険者だったのね。
見た目の歳のわりにしっかりした身体してるものね」

ブレイドの身体は確かに細いかもしれないが、同年代の男たちと比べれば十分に逞しいと感じるもの。
お酒が飲めるから大人なのだ、というちょっと子供らしい仕草には微笑んで。

「私は…そうね、あんまり怒ったことないわね。
どちらかというと子供を叱ることのほうが多いし。
それに貴方の誠実さならたとえ怒らせたとしてもすぐ許してもらえるわ」

ブレイドの誠意はしっかりと伝わる。
よほどの酷い行いでもしない限り、ケシズミにされることはないだろう。

「わかればよろしい」

サラダを注文するブレイドに、得意げな様子で胸を張っておどけてみせる。
それでやっぱり揺れる胸。

「それと、外寒いからこういう温かいものを口にするのもいいわね。
食べてみる?」

そう言ってスプーンでスープを掬い、ブレイドの口元へと近づけてみた。

ブレイド > 「そういうこった。まぁ、見た目は…おいおい立派になってくはずさ」

女性の心中は知らずにやや得意げ。
日頃鍛錬はしているが、あまり褒められたことはないので少しうれしくなってしまった。

「そっか、子供いるんだな。
アンタみたいなかーちゃんなら、子供も鼻が高えだろうな
しっかりしてそうだし。
しっかし…誠実か…誠実かー」

少しだけ考え込む顔。
まさにそこに直結する考え事をしていたためではあるが。
子持ちの女性ということですこし気が緩んだのかもしれない。
なお、胸が揺れるとすこしちらりと視線がそちらにうつってしまう。

「あむ。お、おい…食いたきゃ自分で頼むって…」

差し出されたスープを口にしてから答える。

エウロペ > 「ふふ…確かに素材はいいもの。きっと素敵な大人になるわね、保証するわ」

エウロペ的には可愛らしいと感じるブレイドの顔。
その素材のよさゆえに成長すれば女の子もほっておかない人物になるだろうと確信できる。
赤の他人からの保証などあてにはならないだろうけど。

「ええ、それこそいろんな場所にね。
だから全員に会いに行くのも大変よ。ちょっとした冒険ね」

子沢山らしい、しかも各地にいるらしい。それをどう思われるとかはあんまり考えていなかった。

「うん、誠実…誠実に生きるのって簡単なようで難しいのよ?それができる貴方は特別なのかもしれないわね」

たいていすぐに身体の話になることが多いため、ブレイドのようにたくさん互いの話ができるのは新鮮。
だからこそそんなブレイドのことを評価していたりする。
視線が移ればくすっと笑みを浮かべる。そんな動きだけでおっぱいが揺れるのだからどんだけでかいのか。

「じゃあ奢ってあげようか」

スープを口にする彼を見て微笑むと、店主に追加のスープを頼もうと。

ブレイド > 「アンタみたいないい女に保証してもらえりゃ将来安泰だな。
へへへ、ありがとよ。少しくすぐってぇけど、そう言ってもらえるのは嬉しいぜ?」

嬉しそうな笑顔には、まだ幼さを残している。
目の前の女性…外見もだが、中身も良い女性であると思っているからこそ
隠さず素直に喜びを伝える。

「ふーん、見た目以上に子沢山なんだな。
船乗りってーのは港ごとにーってのは聞くけど、女だとそうもいかねぇんじゃねぇのか?」

子を孕んでは産み、また別の場所に移るというのは考えづらかった。
男の自分にはわからないことではあるが、それが大変であろうことは用意に想像できたから。
女性に嫌悪や軽蔑といったものは何も感じてはいない。

「できてるかな?
だといいんだけどな。オレにはちょっとわかんねぇけど…」

女性の押しに弱い自分が…誘惑に弱い自分が誠実とはあまり思えない。
この女性に言うのも違うとは思うが…それでも自信のなさがでてしまう。
それを隠すためか、胸から視線をそらすためか、少し顔を背ける。

「え!?わ、わりぃよ!自分の分くらい自分で頼むって」

女性を遮るように店主にスープを注文する。
女性のものと同じやつを。

エウロペ > 「いい女なんて言われたらホレちゃうわよ?」

そう返したエウロペの頬が赤いのは照れてしまったからか、ワインの酔いのせいか。
少なくともそのときは女の顔をしていたかもしれない。
ブレイドに向けている視線がなんとなく熱を帯びた。

「ふふっ、まぁね…都会とかなら観光気分になれるけど、そうじゃない場所もあったりして魔物に襲われたりでそれなりの経験もあるわね」

わりと冒険者以上に冒険しているような気がする。
自分の行いをあまりブレイドに知られたくないと思ったのは好意からくるものか。
嫌われたくないという思いから話題を変えようと試みた。

「誠実じゃなかったら今頃私のこと襲ったりしてるかもしれないでしょ?」

それとこれとはまた違うようなものだが、ブレイドに自信をつけさせようとそんなたとえを言ってみた。
もちろん襲うというのはそういうイメージで。

「あら、年上に遠慮することないのよ」

とりあえずブレイドを制止せず、そのうち彼の元に温かいスープが運ばれる。
やっぱり気遣いのできるいい子なんだなと思うと、嬉しそうに見つめてしまう。

ブレイド > 「か、からかうなよ。
アンタは美人だしさ、なんか…その、あったけーっつーか…
少なくとも親切、だろ?だから、いい女だと思うぜ?」

いいものはいいと口に出して言う性分だった。
女性の言葉にドキリとし、頬を赤くしつつもわたわたと『いい女』の理由を述べる。
女性に対しての弱さ。自身の悩みが浮き彫りになったといえる。

「魔物って…穏やかじゃねぇな。
子供がたくさんいるってーなら、気をつけてくれよ?
アンタ一人の体じゃねぇんだろ?護衛とかつけてるか?」

女性の話を聞くと心配そうに。
この女性の生命が失われれば、何人もの子どもたちが嘆くだろう。
顔も知らぬ子どもたちではあるが、それはなんか嫌だった。

「そんな獣みてーなやつばかりでもねーだろ?
美人だ可愛い娘だって襲ってちゃ…そんなの大の男のすることじゃねーよ」

少し照れくさいのか、フードの上から頭をかく。
自信はついたのかどうなのか…でも、悪い気ではない様子。

「女にゃ歳の話はしねー方がいいんだろ?」

消し炭にされちまうと、笑いながらスープを受け取り、一口。

エウロペ > 「ふふ、ありがと…これが女の子がほっとかないわけか。
貴方ともっと深く知り合いたいところだけど、これ以上悩みの元を増やすのもよくないわね…ってこんなこと言ったら余計に気にしちゃうかしら。
いい男よ、貴方…」

やはりブレイドの悩みはその類のものなのだろうと、彼の様子でよくわかる。
だからこれ以上彼を困らせないよう、言動には注意をしようと思う反面、からかいたくもなってしまうのはブレイドの持つさだめなのか。

「まぁ…あんまり戦うの好きじゃないけど、あしらうことはできるからそんなに心配はいらないわ。
護衛はないわね、子供に会いに行くのに本当に信用できる人しか連れて行きたくないし、そんな人なかなかいないしね」

事実魔法にも詳しく腕っ節も立つが、あんまり人前で見せたくないのもある。
それに子供の中には珍しい種もいるため、あまり人を連れて合いに行きたくないのだ。
そういうことを遠まわしに伝えるのはちょっと難しかった。
でもブレイドが心配してくれることは嬉しい。

「かっこいいセリフじゃない、そうやって言い切ってもらえると女として安心できるわね」

フードの中の顔が照れているのがわかり、エウロペも笑みを浮かべる。

「これは一本取られたかしらね、ふふっ」

ブレイドにそう返されてしまえば仕方ないと、楽しそうに笑ってワインを飲む。
そうしてエウロペは先に食事を終わらせた。

ブレイド > 「深くって…別にオレはそんなつもりじゃ…
褒めてもらえるのは嬉しいけど、まだまだだ、オレは。
いい顔ができるかもしれねぇし、悪人じゃねえかもしれねぇけど
まだ、『いい男』ってのには届かねぇと思うぜ。余裕がなさすぎらぁ」

肩をすくめて笑ってみせる。
女の言葉にドキドキしている心中を吐き出すように、いい男に至らぬ『少年』らしい笑顔。

「それもそうか。でも、命を最優先にしてくれよ?
会うのが遅くなるのはいいけど、死んだら会えねぇんだからさ」

女性の言葉に納得しつつ、スープを飲み、サラダを食べている。
実に美味しそうに食べる。体が温まったのか、頬や指先に朱が指す。

「ははっ、度胸がねぇだけかもしれねぇけどな」

食事を終える女性に続いて、食器を空にする。
残ったエールを一気に飲み干し、ため息

「ごちそーさん、うまかったぜ」

エウロペ > 「じゃあ、いつか『いい男』って言われるように、『いい子』で頑張ってね」

彼が少年らしく振舞うのなら、それに相応しい表現でいい子と言う。
少なくともエウロペからいい子と言われるのに悪い気はしないだろう。
母が子に言うかのような雰囲気だった。

「ええ、貴方も誠実に生きる為に自分を犠牲にするような生き方はしないでね。
それで悲しむ人がたくさんいるはずだから」

自分もその一人になってしまったのは言わず。
きっといま抱えているものだけで精一杯だろうから。

「そう言い返せるだけで十分かっこいいわね」

もうすでにそれだけの度胸はついているのだろう。
ブレイドの成長が楽しみでしょうがない。

「ごちそうさまでした。
改めてだけど、年長としてここの御代は払わせてもらうわね。
その代わり、今度一緒に食事するときは奢ってね」

エウロペは財布からお金を出して二人分の食事代を支払う。
そして次に会う約束の口実、とまではいえないまでもまた会いたいという意思表示でもあった。

ブレイド > 「アンタになら、そう言われても仕方ねぇか。
頑張るよ。粋がるだけじゃねぇ、襲うだけじゃねぇ『いい男』ってやつになれるようにな」

女性の言葉を受け止めて頷く。
まるで母親のような…いや、多くの子を持つならばそれこそ強い母性をもっているのだろう。
だからこそ素直になれた。

「ん、ありがとよ。そうする
でも、男だからな。自分の目指すものがあるならさ、意地くらいははらせてくれよ?」

頷きつつも、できることなら自分のわがままで人を踏みつけたくないという意思を伝える。
こんな国ではやや甘すぎるかも知れないが。

「はは、奢ってもらってるようじゃまだカッコワリィけどな。
オレはガキかもしんねぇけど
大人のアンタの顔くらいは立てさせてもらうぜ?」

食事代を払う女性を止めることなく立ち上がる。

「おう、依頼で金が入ったら…になるけどな
オレはブレイド。アンタは?」

エウロペ > 「貴方の成長を楽しみにさせてもらうわ」

これはいい男というだけじゃなくて男気もあるかもしれない。
そう考えたら身体が疼くが我慢我慢。
もしかしたら彼のその甘さが、この国を救うかもしれない。
そういうチャンスが今はあるのだから。

「ブレイド…かっこいい名前ね、名前負けしちゃだめよ。
私はエウロペ…また会いましょう」

食事代を支払い席から立てば、ブレイドにゆっくりと抱擁する。
彼の顔が柔らかいおっぱいに挟まれ甘い香りに包まれる。
すぐ身体を離してしまったが、ブレイドには効果抜群だっただろうか。
挟まれてみて、改めて胸のでかさがわかったかもしれない。

ささやかな抱擁を終えればブレイドと共に店を出て
名残惜しそうに別々の道へと帰って行くのだった。

ブレイド > 「ああ、今日はありがとよ。
アンタには悩みは言えねぇけどさ…ちょっと楽になったかもな」

母親と話をしたような、とても楽になった気がした。
女性の気も知らず少しはにかみながらも礼を述べる。

「おう、またな。エウロペ…んっ!?う…!」

不意打ち気味に抱擁されれば、自身の頭よりも大きいかもしれない胸に埋められる。
母親らしい彼女の態度とは裏腹に女の香りに包まれる。
離れると、ふらりと足元がおぼつかない。

「ん、あ…じゃあ…」

熱くなった頬のまま別の道を行く…が、すぐに壁にもたれかかり
自身の股間に視線を落とす。

「馬鹿野郎…最後くらい我慢しろ、カッコワリィ…」

大きくなったそれに声をかけるのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」からエウロペさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・酒場」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にサナさんが現れました。
サナ > 夜の帳が落ちた貧民街に荒れた怒声と慌ただしい足音が散らばる。
隙間を縫うようにして抜け出た細身の体躯が路地裏を急いて走る
早さが次第に歩く程に落ちてゆくが捕まればどんな目に遭うかは明らかで。

咽喉の喘鳴は著しく、酸素を取り込もうと唇を震わせる。
幾らも呼気が整わない内に、追い掛けてくる足音が気づけば身近に聞こえ。
忙しなく周囲を見渡し、路地の角を曲がって影になる所に飛び込む。
そこに猫や人や先客がいる可能性もあったが、よくよく注意は払えずに

地面にぺたりと座り込んでしまう。
治安の悪い路地裏に迷い込んだ途端に絡まれて
錠剤を一つ唇に押し込まれた。
力が抜けてしまうような気もするし、どこかが疼くような気がする。
正体が分からないから過敏に反応をしてしまうのかもしれない。
フードが頭から零れて、銀糸の髪がぱらりと頬に掛かる。
擦り向いた膝がじんじん痺れることにいまさら気が付く

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイブさんが現れました。
ブレイブ > 薬を含ませ、歪んだ表情を浮かべていた悪漢が突然力が抜けたように崩れ落ちる。
悪漢が立っていた場所にはフードで顔を隠した男が一人。

「大丈夫かい?」
男は顔を隠し、口元だけを覗かせると銀髪の女性の元へ手を伸ばす。

「立てる?」
僅かに覗かせる口元はにっと口角を上げ優しい笑みを浮かべていた。

男は女性が薬を飲まされた所を目撃し、咄嗟に悪漢を気絶させたのだが彼女が何の薬を飲ませられた所までは分からない。
だが、女性の様子から既に薬は飲みこんだ後だと判断した。
男は解毒の魔法もなく、そういった類の薬も持ち合わせていなかった。
とりあえず、彼女をどこか安全な場所に連れて行こうかと。

サナ > 狭い路地を塞ぐように立っていた男が突如崩れ落ちる。
治安の悪い場所で助けを求めるだけ無駄だと、声を張り上げることすらしていなかった。
事態を飲み込みきれずに茫洋とした眼差しを向けると、巨躯の向こう側にもう一人分の影が浮き上がる。

フードに隠されて双眸を覗くことは出来なかったが、口元は悪辣ではなく安心させるように笑みをかたどっているのが分かる。

差し出された手に、のろのろとした仕草で冷え切った指先を乗せる。
二つ、投げかけられた問いに二回頷き
空いている手を地面に置いて、男の手を借りて立ち上がろうとする。膝が覚束ないよう揺れてしまい、男の腕に体重を半ば乗せ掛ける程になるか。

「…あの。ありがとう……」

声は思ったより掠れて乾く。

ブレイブ > 「おっと…。」
薬に寄るものか。 彼女の身体は思ったよりも力が入らないようだ。
男は彼女の背中へと手を回し、後ろから支えるように抱き寄せる。
そして、触れられた手は随分と冷たかった。
ここも随分と寒くなってきた。
どこかで温かくなるものでも飲ませようか。

意識ははっきりしているようで、男の問いかけに女性は首を縦に動かした。

「困ったときはお互い様さ。
まずはここから離れようか。 
足元で転がっている彼の仲間が居るかもしれない。」
悪漢は完全に気を失っており動き出す様子はない。
ただ、彼を探しに他の者が来るかもしれない。

声が掠れているのが気になったので、女性の顔を覗きこんだ。

サナ > ふらりと揺れた体を腕の中に引き込まれ、寄り掛かった背中を受け止めた体躯は微動だにしないよう。
フード越しで身体の輪郭は明瞭には分からなかったが、腕が立つことがうかがい知れる。

手の冷たさに未だ自覚は無く、地面に伏した男を見下ろす。
今は何の反応も示さないが、彼が告げる可能性に小さく肩が跳ね上がる。

「はい、……人が集まってきたら、大変」

覗き込まれると、じっと鏡に映し出そうとするかのように相手の貌を見返す。
ざらりと地面を撫でるように、余り大きくは上がらない足を動かす。
薬の所為なのか、緊張が一気に弛緩したからかは分からない。
薄暗い路地裏から、けれど何処に向かえばいいのか、足先が迷う。

「貴方は……この辺りの道に、詳しい?」

ブレイブ > 結果として女性を抱きしめる格好になってしまった。
鼻から女性特有の香りが漂ってくる。

冷たい手を温めるように親指で摩る。
早く温かい部屋に連れて行ってあげた方が良さそうだ。

「ま、そうなった時は俺が守るよ。」
見返した顔は恐らくフードの陰に隠れて見えなかっただろう。
仮に見えたなら15歳前後くらいの顔が映るはずで。
女性の脚が動き出すと、男も一歩遅れて歩き始める。

「多少はね。 ここの近くで僕が今夜泊まる予定の宿があるんだけど。
そこなら安全だと思うけど、来るかい?」
宿ならば部屋に入って窓を閉めてしまえば他の者が来ることもないだろう。
だが、会ったばかりの男の部屋に彼女が来てくれるだろうか。
断られたら別の場所を探そう。

サナ > 温めてくれる手にじわりと血流が指先まで集まり始める。
あたたかい人の体温は、先刻の男とは全く違うもので、安堵を誘い掛け、外気の冷たさを幾らか和らげてくれた。
ほつ、と、小さく吐息が零れる。

「うん、ありがとう。でも…無茶はしないでね」

フードの下の顔を見ることは今は叶わずに。
気遣ってくれた分を素直に受け取りながら、気負いなく言い切られた言葉に少しだけ物申した。

薄暗い路地を抜けると喧騒が遠くから反響して聞こえ
切り取られたような薄闇から抜け出したような錯覚に囚われる。

咀嚼するよう少しだけ考え、頭を横に

「ううん、宿は取ったから……そこまで帰る。少し離れているけれど」

ぽつりぽつりと言葉を交わしながら
治安の悪い道を抜けて繁華街へ向かおうとしていく。
痺れ薬の類だったのだろう、足取りは重かったけれど なるべく歩みは進めさせ―――別れ際には重ねての礼を伝えて。

ブレイブ > 「ありがとう、気を付けるよ。」
女性に咎められ、男は少しばかり舌を伸ばして笑った。

路地を抜けた瞬間、騒がしい声が耳に届いた。
どうやら、さきほど転がした男と似たような連中が他にも居るようだ。

「分かったよ。 それなら途中まで送るよ。」
女性が首を左右に動かしたので、男は彼女の手を取ったまま彼女に合わせるペースで寄り添っていく。
後は彼女がここまでと言う所まで送り届けるであろう。

その後は己が取っておいた宿へと向かうことにした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からサナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からブレイブさんが去りました。