2017/11/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にブレイドさんが現れました。
ブレイド > 「……クソが…」

昼間からさんざ歩き回った結果、こんなところに行き着いた。
安い宿を探していたのだが…どうにもこのあたりはいうなれば貧民街といったところのようだ。
今日、王都にうつってきた少年の挙動は明らかに都会を歩き慣れていない…
いわば、田舎者まるだしであった。むろんゴロツキは嫌な目で見てくるし
自分を食い物にしようとする客引きがうっとおしい。

安い宿を探しているだけなのだが…
悪態をつきながらも周囲を歩き回る。

ブレイド > こういう場所だ。
無意識的に…意図せず娼館の立ち並ぶ一角にも足を踏み入れることになる。
表のそういう店のきらびやかな雰囲気とは違う…どこか怪しげな雰囲気。
あるきまわる男たちも、女たちも…みな空気が違う。

「……ちっ」

舌打ちひとつ、この一角は足早に通り抜けようとする。
どこかの店から漏れる香が鼻をくすぐる。
女を、性を思わせる甘ったるい香り。

居心地が悪い

ブレイド > やや傷んだマントのおかげか、客引きにあまり声はかけられない。
金持ちにはみられていないということだ。
実際に金は持ってはいないのだが、好都合ではあった。
目のくらみそうな香り、雰囲気、女たち。

ここにとどまり続けるのはよくない。

そう思うがゆえに、足を止めずに歩く。
だが、その先はさらなる暗がり。
怪しげな明かりをさけた結果か。

ブレイド > 「(はやくどっかで休まねーと…)」

正直、足が棒だ。
王都にたどり着いてから、まったく休憩をとっていない。
言ってしまえば食事もとっていない。
空腹と疲労が蓄積されていた。

薄暗い路地をあるきつつ

「(いっそここで座り込んじまうか?)」

とすらも思う…が、それは危険だと理性が言っている。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルナシイさんが現れました。
ルナシイ > 「...急がなきゃ」

真夜中の貧民地区。相変わらず慣れない場所だなと感じる。
追手も来ていないし、ようやく安心...出来るのかな?
そんな事を考えながら、住んでいる廃家に急ぐ。
本当は勝手に住んでいるだけなんだけど...待ち伏せされたら嫌だ。

「早く....あっ!?」

目の前を見ていなかった。
フードを被る人物にぶつかり、転んでしまう。

ブレイド > 「ぐっ!?」

本来なら、この程度は大したことはない。
ぶつかってきた影は華奢な少女。
いつもならば受け止めることすらできただろう。
だが、目を伏せ、疲労の溜まった体、ついでに空腹。
もろもろが重なり、そのまま倒れる。

「ぐ、あ…なん、だ?」

ルナシイ > 「...いったぃ...ぁ...だ、だいじょうぶ!?」

いけない、自分の不注意で相手を怪我させたかもしれない。
倒れてしまった人物に何度か話しかける。
見る限り、体調が悪そうに見える。その上でぶつかってしまったのだ。
私のせいで...と落ち込みそうになるが、考え直す。

「助けなきゃ...ごめん、ね...家、でいいよね」

身長差はあるはずなのだが、横抱きの形で持ち上げる。
少女は家に行こうとする、治療はそこでしか出来ないと思った。
もし意識があるなら、断る事も出来るかもしれない。

ブレイド > 「つ…気をつけやがれ…」

声を少々荒らげるも、疲労と空腹のせいか、迫力はいまいち。
それに、くーっと、鳴き続ける腹の虫が迫力を削ぐ。
ヨロヨロと立ち上がろうとするが…体に力が入らない。
そして…

「なんっ!?だっ…!?」

持ち上げられている?
あまりのことに驚きの声を上げる。確か、見えた姿はどう見ても少女のそれだったはず…。
抵抗しようにも体がうまく動かないというか、意識が霞がかっている。

ルナシイ > 「...ごめん、なさぃ...」

何度か涙目になりそうになったが、しっかり落ち着いて謝罪する。
声からして疲れているのだろうか。
...お腹から音がしているが、そちらは聞こえない振りをした。

「元気、なさそう...だったから...降ろせば、いい...?」

やはり勝手に持ち上げたのは間違いだったのだろうか。
だが、フラフラと立とうとする彼を放っては置けなかった。
抵抗もしない...いや出来ない位なのか。急ごうとそのまま走る。
出来るだけ、気分を悪くさせない様に気をつけながら。

ブレイド > 「おまえ、おれを……」

どうする気だ?
そう聞きたかったが、積み重なった疲労がそれを許さない。
少女の問いに答えることもできず、抱えられたまま意識をおとす。
こんな状態で眠れるほど、少年は疲れていた。
腕の中で脱力した体はもはや抵抗することもなく、少女に運ばれるがままになるだろう。

ルナシイ > 「...寝ちゃった、かな」

何か言いたそうだった様子に見えたが、あまり聞こえなかった。
フード越しの彼は、疲れている様だ。
この状態なら、ばれないだろう。一瞬だけ半魔状態になる。
一気に屋根をジャンプし、廃家に即時帰宅する。

「...ここなら、誰か来ても大丈夫。...ん」

ヒールを発動させる。多少なりとも気分は良くなるだろう。

ブレイド > 少女が家に帰り着き、ヒールをかけてしばらく
ゆっくりと目を開ける。
目に入るのは……少女と、やけに古く見える壁。
少なくとも、まっとうな宿の部屋だとしたらクレームがはいるレベルの。

「ん、ぐ……オレは……寝てたのか……?」

体をゆっくりと起こす。
痛みはない。そもそも倒れはしたが、怪我をしたわけではないのだから当たり前ではあるが。

「どこだ?ここは…」

身ぐるみは剥がされていないし、そもそも武器類も手元にある。
奴隷として捕まったとか、そういうわけでもなさそうだ。

ルナシイ > 「...よかった、起きてくれた。」

他人に回復魔法...つまりヒールをかけるのは、初めてだった。
暫くしても起きない為に、失敗したのではないだろうかと。

「うん...大丈夫?」

身体を支えてあげようとする。
見た目も、怪我はない様だ。よかった、よかったと。

「...私の廃家。平気...貴方に、何もしてない。」

勘違いされていないか心配であるが...。

ブレイド > 「ん、あ…大丈夫だ、というか人のいいやつだな…。」

よくよく見れば…灰色の長い髪に白い肌、片方しか見えない赤い瞳が印象的。
控えめに言って、見目麗しい少女…。
自分よりも小柄だ。

「オレにぶつかったのはアンタか?…ちっ…なさけねーな…クソが…」

自分の貧弱さに悪態をつくが、安全に…まぁ短時間ではあるが休めたのも事実。

「ま、感謝するぜ。アンタの人の良さにな」

それと同時に、くーーーっ…と、腹がなる。
疲労が少し取れたとしても、空腹はいえていないのだ。

ルナシイ > 「私のせいだから...」

フードから少しだけ、見えてはいたが...猫耳だろうか。
身長も私よりずっと上。...何回か戦ってる人だ。

「うん...。ごめん、ね。」

謝ってばかりで、不安そうな表情になる。

「私は...えっと....」

どうしよう。「人」と私は取っていいんだろうか。
この彼も私を、「化け物」と同じ様に受け取るかもしれないのに...。
頭を横に振り考え直す。...彼はお腹が空いているみたいだ。

「パンとか...食べる?」

ブレイド > 「…アンタのせいだけじゃねぇよ」

自分の不注意、体調管理の甘さの結果でもある。
それに、家にまで運んでもらい、結果的に休ませてもらったのだから
謝られてばかりでは居心地が悪い。

「オレはブレイドだ。今日王都についたばかりで宿無し金無しってところだ。
だからまぁ…その…ありがとよ」

少女の風貌もあってか、礼を言うのもやや照れくさい。

「助けてもらった上にメシまで…か。まぁ、遠慮もしてられねぇ。
もらうぜ。いくらだ?そんなに多くは出せねぇけどよ」

少女からパンを買い取るためにお金の詰まった袋を取り出す。
フードから耳がのぞいているのは気づいてはいないようだ。

ルナシイ > 「う、あ...うん...。」

突然運んで、勝手に治療しているのに。
皆、こんな普通に話してくれれば...私だって、何もしないのに。
少しだけ、気持ちは軽くなった気がする。

「わたしは...ルナシイ。...そうなんだ。」

彼はお金も宿もない...あのまま放置していたら危なかっただろう。
お礼を言われてこちらもちょっと恥ずかしくなる。
いつぶりに言われたセリフだろう、嬉しかった。

「...お金は、いいよ。わたし、少食だから。」

少食なのは本当だ。それと、倒れてた彼にお金を要求したくない。

「その...えっと...そのかわり...フード...取ってほしい」

断られる前提で、頼んでみる。
もし...もしも、追手の人だったら...無いだろうと思うながら。

ブレイド > 「休ませてもらって、治療してもらって、メシまでもらって…
タダでサヨナラとは行かねぇよ…まぁ、確かにはした金ではあるけどよ」

パン代だけでもと、数枚の硬貨を手渡そうとする。
そして、フードをとってほしいとの要求を聞けば、少し難しい顔をする

「…まぁ、いいさ。オレが寝てる間に取れたものを取らなかったんだ」

不用意であるといわざるをえない判断ではあった。
だが、少年としてはこの少女の人の良さを信じたかったのだろう。
フードを外し、その中身を見せる。
そこには、黒い髪。そして、猫のような耳。