2017/11/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > 「………何も、こんな場所にさえ湧かずとも良かろうにのぅ」

ぽつりと呟きながら、とん、と塀の上に降り立つ少女。
足場としてはかなり細く、立つには不安定な場所だ…だが、少女は平然としたもので。
ちらりと後ろを振り向けば、屋根伝いに近付いてくる人間達。
まぁ…うん、相変わらず自分を狙っている、そんな冒険者達だ。
しかし、塀に移ろうとする者は誰一人としていない。
それはそうだろう、余程のバランス感覚のある者でないと、足を踏み外して真っ逆さまだ。

「ふふ…今日の鬼ごっこは、これで終わりかのぅ?
別に、頑張っても良いんじゃぞ?
ほれ、ほれ、付いて来れるものならば、付いて来るが良い」

くすくすと笑いながら、塀を伝い、その場を後にする。
塀が囲む建物をぐるりと回るように移動し、別の塀に飛び移り、また移動と繰り返す。

タマモ > そうして、塀伝いにしばらく歩けば、冒険者達は軽く撒けたらしい。
辺りを眺めてみても、耳を澄ませてみても、あのうるさい武器やら鎧やらの金属音はしない。

「ふん、あんな重苦しい格好をして、妾を捕まえようという考えが間違いなのじゃ。
まぁ、そうでなくとも、どんくさい連中ばかりであったがのぅ」

まだ少女は塀の上、一旦足を止めれば、袖から扇子を取り出して。
動き回って少々暑い、ばさりと扇子を広げると、ぱたぱたと扇いで涼む。

タマモ > 「ふむ…さて、今日はどこに向かうとするか…」

追っ手も撒けば、改めて考え始める。
最初は富裕地区にいたはずなのだが…気が付けば、貧民地区だった。
まぁ、そんな貧民地区だって、探せば何か良い場所があるのかもしれない。

ふわりと塀から身を舞わせれば、ひらりと地面へと着地。
もう一度だけ、念の為に確認してから…どこぞへと、ゆらりゆらりと歩いて行った。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 さびれた広場」にルナシイさんが現れました。
ルナシイ > 「...ごほっ。寒い。」

広場だろうか。ボロボロの椅子に座りこむ。
冷たい風が吹く中、真上を見上げてぼーっとする。
夜中は好きだ。特に雲がかかっていない時は。

「お月さま、綺麗だなぁ...」

身体を揺らしながら、その月だけを眺めている。
別に何もする事がない訳ではない。山ほどある。
...人としっかり話してみたい。
普通に、依頼とか、お手伝いとか。
美味しいご飯を食べて、ベットで寝てみたり。
そんな当たり前、いや...ここではそうではないけれど。

血が出ない、追手が来なければ、いいや。
どうせ短い人生だから...いっそ、押し倒されても別にいい。
奴隷は嫌だけど。
もっと踏み込んで、まずは会話から...してみたい。

「...この前みたいに、逃げないなら...いいなぁ」

そんな事を呟いて、少女はまたぼーっとする。

ルナシイ > 「...本当、誰もいない」

辺りを見回して、うろついてみる。静かだ。
誰もいない方が落ち着く。何故なら、怖がられるから。
ならいっそ、一人でいる方が少しはいいと思う。
それでも、探してしまう。
心の奥底で、寂しいと感じているのか。

「武器を落として...防具も外せば...怖がらないかな?」

襲われる前提で考えるのも悪いのかもしれない。
半魔状態にもならなければ私は...多分少女なのかな。
耳はあるけど...。

「もう少し...もう少し...」

誰もいるはずがないと思いながら、冷たい風の中探す。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 さびれた広場」にアラミルさんが現れました。
アラミル > 冷たい風が吹く広場の中、視線を巡らせているならばきらり、と何かが…
澄み渡った空から降る月の光に反射して光るのが見えるだろうか
目を向けてみれば貧民地区にはそぐわない豪奢な恰好をした女性の姿が。

「…………」

眼をそのまま向けるなら、さらりと揺れる銀髪
どうやら先ほどの光は髪に軽く反射したものらしい
歩き回る少女と同じく、ぼう、とした雰囲気で晴天の夜空に浮かぶ月を眺める女性

「…?」

そうして更にその場をあなたが動かないなら…気まぐれか、風の悪戯か…月を眺めていた視線が不意にあなたの方へと向いて
その姿を見ても特に反応を示さず、ただ首を傾げ

「珍しい。ここに、何かがいる、なんて」

ぽつり、と聞こえるかわからない程度の声を発して
彼女もまた、このあたりを歩き回っている存在のようだ。
ただ少なくとも、あなたを認めてから時間がたっても、逃げるような反応はしないようで

ルナシイ > いるはずがない。心の中で決めつけていた。
だから信じられなかった。人影が見えた事に。
月に反射している髪から...女性だろうか。
服装は、貧民地区の住民とは思えない...とても綺麗。

「...だ、だぁれ?」

怯えた声でその女性に声をかけてみる。
違和感はあるが、ここで武器や逃走を図ればまたいつもの生活。
話してみたいと願ったじゃないか。
ぐっとこらえながら、その場に立つ。

「わ、わたし...この辺にいるの...」

逃げない。この人は逃げない。夜中だけど、話してみたい。
服装とか女性がこんな危ない場所にいるのは不思議だけど。
頭が混乱しつつも、その女性に近づいていく。

アラミル > 声を返せば、す、と体もそちらに向けて

「私…?、私はアラミル。」

応えになっていないような、そんな答えを返して
違和感は相変わらず拭えないが魔力や武器を構える様子もなく

「……昔の、私と同じだね」

なんてことを言いながら相手が近寄ってくるのを待っていて
近くで見れば、どこかぼんやりした表情だが容姿自体は箱入りの令嬢のようなもの

「おなかは、いっぱい、だから。……暇つぶしに、ちょっと、おしゃべり、する?」

と、相手にはあまり伝わらない言葉を交えつつ
精気を先ほどまで吸っていた彼女は相手を襲うのではなく、たまには会話をしてみよう、と

ルナシイ > 「私は...ルナシイ。」

アラミルと名乗った女性は、私を見て逃げない。
魔力も武器も見えない。少し、ホッとした表情で。

「...え?」

昔の私?何の事だろうか。
私はまだ、自分の事を...いや、今は考えないほうがいい。
近づいてみて、アラミルの服装や容姿がはっきりと見える。
私より大きい、年上なのだろうと感じる。

「...私で、いいなら...」

すごく嬉しい。話せただけでも奇跡に近かった。
会話は店で話した店主位だったから。それも一言。
お腹が一杯。食事でもして来たのだろうか...?
私に伝える意味は良く分からないが、とにかく今は気にしない。

「...椅子、ある、よ。」
段々片言になっているが、椅子を勧めてみたりする。
二人で丁度座れるサイズの物を指さして。

アラミル > 「ルナシイ。ルナシイ…。」

口元で呟きながら名前を覚えようとしながら
表情はあまり変わらないようで見つけた時からほとんど表情筋が動いていない

「…気にしないで。もしかしたら、どこかで会ってるかもしれない、だけ」

などと言いながら女もまたじ、と相手を観察して
どうしてここに、と思ったが以前の自分もここでゴミをベッドにして寝たことがあった、などと思い出しつつ

「……私にとっては、誰でも、新鮮だから」

こく、と頷いて
聞きようによっては服装と相まって外にあまり出たことがないお嬢様、ともとれるだろうか
実際はただ何人かが疲労困憊に追い込まれただけではあるが知る由もないだろう

「ん。……何か、…堅い?」

勧められれば、断る理由もなくふわりと衣装を翻しながら腰かけて
相手の言葉に何か…恐怖、ではないが自然体でない雰囲気を感じつつ声をかけ、ぽんぽん、と冷たい椅子を叩き、相手にも座るようにと促す

ルナシイ > 「よろ、しくね...けほっ。」

ここに来て、また持病か。抑えなければ。
名前も、覚えてもらったこの人と、もっと話したい。

「...どこか、で?...わたしを?」

観察しながら、問いに疑問を交えて納得する。
まさか、戦闘を見られていたのか...それとも「あの姿」を?
一瞬無表情が難しい顔になっていたが、悟られるのは不味い。
すぐに元に戻す。もしかしたら違和感を感じさせたかもしれない。

「新鮮...?わたしの服装は...あんまり見ないのかな」

裕福地区の...女性だったりするのだろうか。
なら、私の様な姿は見ないだろう。
それじゃあ何故こんな所に...と疑問を抱くが、
考えすぎても整理は付かない。仕舞っておく事にした。

「硬い...椅子だね。...どうかしたの?」

ゆっくりと、隣に座る。
少しだけまた咳払いをして、ちょっと笑顔まま顔を覗く。
まだ、私の正体は気づいていないと願って。

アラミル > 「?、病気……?どうりで…」

またこてん、と首を傾げながら咳の音を気にして
今のところはではあるが…精気をあまり吸えそうにない、と感じるのはそのためか、と一人納得して

「………。本当に、会ったこと、ある?…私は、覚えてないけど」

自分も、食事の風景を相手に見られていたのだとすると…
相手ほど深刻ではないが、逃げられそうだなあ、なんて思い
女もまた、問いかけた側であるにも関わらず少し動揺を見せて
ただそれも…相手と同じく少しだけ表情に現れるくらいではあるが
内心では少し焦りがあったため、相手の変化が何か、までは考えがいたらず


「ううん。ゆっくり話すことはあまり、ないから。誰でも、新鮮
むしろ、そういうのは、見慣れてる…」

それもまた、襲うからではあるのだが…
元々貧民地区を主に徘徊していた彼女にとっては相手の服装は…今のアラミルの服装よりもよほど見慣れたもので
椅子に座るならちょん、と人差し指で相手の服…袖の部分を触ってみようとしてみたり

「椅子も硬いけど。…もっと、楽でいいよ?……襲ったりはしない、し…、そのほうが、色々、聞けそうだから」

ようやく、ふわ、と表情が緩んで
もちろん、超常的な洞察力など備えていないアラミルは相手の正体には未だ気づかず、ただ単に満腹の暇な時間を過ごす相手として話しかけていて

ルナシイ > 「大丈夫っ...けほっけほっ...」

流石に、隠しきれない。...そう、うつったりしない私の持病。
何かしらの病気と納得してたようだ。
...どうせ、分かった所でこれは治らない。
手で咳を押さえて自身も納得した。

「...私「は」、初対面、だよ?」

これは事実。アラミルとは会ってない。
問題は一方的に見られていたら、まずい状況。
血に染まった私と...その地面を見たら、間違いなく逃げる。
私は手助けをしただけだけど...その手助けをした人物も。
全員...ああ、考えるのはやめだ。
本人の気づかぬうちに目が虚ろになりかけ、震えているかもしれない。

「...私も、ない。...会話もあんまり。」

袖を少し触られた気がする。
少しだけびっくりした様子を見せるが、怯える事はなかった。
それどころか、こちらもくっつくように近づく。

「...あ、の、ごめんなさい...喋る事慣れてなくて...」

ただ緊張している様子で返答する。
襲わないと言う単語に反応しつつも、安心した様子で笑みを浮かべる。
まるで警戒心を解いたように。

アラミル > 「……うー、ん……」

彼女には病気、というものがあまりわからない
というのも罹ったこともなく、罹った人間を魔塚で見たことはあまりなかったため
移る、ということも当然わからずただどうしようか、と頭を悩ませていて

「そ…。それなら、問題ない…。……私も、記憶にはないから」

隠そうともせず、自分も相手を見たことがない、と
もちろん相手が危惧する現場など目にしたことがなく
ただ…見ていたとしても結局彼女の態度は変わらなかっただろうが。
怖いという感情はあるが…直接自分に降りかかってこなければそれはどうでもいいこと、と…ぼんやり生きている

「ふぅん。それなら、新鮮同士。……」

どこかあなたと口調が似ているアラミルは、微笑みを浮かべたまま…
近づいてくれば少し驚いた後、真似をしてゆっくりと肩を寄せ合おうと
ただ身長差があるため、あなたの頭に軽くアラミルの頭が乗ってしまうか

「…実は、私も。この喋り方はいつも、だから…気にしない、で?
……え、と。ルナシイ、はくっつくのが好き?」

袖に触れただけでくっつくように近づいてきた相手のことをそう考えて
色んな…人の態度を知りたいと考えている彼女はまず質問をしてみて

ルナシイ > 「...落ち着いて、きた」

休んでいるおかげか落ち着いた。
本当ならしないのだが魔力で無理やり回復させる。
それ位、私は人に飢えていた。...恐らく寂しい感情のせいだ。
そんな思考の中、なんとか笑顔で返そうとしていて。

「うん...そっか」

どうやら、私もアラミルも、嘘はない。
仮に嘘だったとしたらとっくに逃げているはず。
武器も、私の力も今は戦闘の為に使わなくていいんだ。
少しだけ、肩が軽くなった気がする。

「あ...」

初対面なのに、ここまで近づいたらダメだろうと思っていた。
しかし、考えとは逆にそのまま寄せ合ってくれた。
頭にアラミルが乗っかっている。少しくすぐったい感覚。
今は、私は、とっても幸せだ。

「わかっ、た...。...う、ん。」

ずーっとこうしていたい。もっと近づいてみたい。
人とくっつく事なんてまずなかった。
ましてや私には記憶が殆どない、あるとしても覚えていない。
とっても寂しい思いしかない。ただ...寂しかっただけ。
こんな思考の中、小さく肯定したルナシイは涙声にも聞こえる。

アラミル > 「…そう…。苦しそうよりは、いい、のかな」

明らかにおかしい咳の止まり方だったが、それでいいなら、と納得する
どうすればいいかわからない彼女にとってはそれでいい
相手の心情はわからないがアラミルを害そうとはしていないため微笑みを浮かべ続けながら見つめ返し

「安心、した?よかった……」

力が抜けた相手の様子を感じ取って
逃げられることには慣れてはいるが、せっかく見つけた話し相手を失うのもどうか、と思ってしまい

「…?、だめ、だった?」

小さく声を漏らしたルナシイに、これはマネしちゃだめだったかな、と思って
ただ、その考えは後の言葉に払しょくされ

「…そ。くっつくの、すきなんだ。…どうした、の?」

相手から肯定を受け取れば、すり、と軽く体を揺らしたり
少し濡れた返答が返れば、不思議に思い、少しのぞき込むように

ルナシイ > 「いつもの事、だから...」

魔力が尽きれば私は消える。そんな事分かっている。
笑顔のアラミルを失いたくなかった。

「...えへ」

初めて、しっかり笑った気がする。
会話するだけでも、こんなにうれしい事なんだ、と。

「だめ、じゃ...ない...よ...?」

とても小さい声で、しかし聞こえる様に返す。
もっと話していたいから。逃げてほしくないから。

「...ね...ぇ...にげないって...やくそく...して?」

それは精一杯の言葉だった。
涙声で、そして片手でアラミルの腕を小さく掴む。
もしかしたら、月がくれたチャンスかもしれない。
全部は説明できないかもしれない。それでも、それでも。

「...きぃて...」

頭の思考が一杯になりながら。
全てを台無しにする覚悟で小さく、震えながら喋った。

アラミル > 「…いつ、も…?医者、とかいうのは…頼めない、かな…」

ここで会ったことを考えると相手にそういう余裕はなさそうで
思惑は知らず、ただ笑顔のまま

「ん。…こういうのを、可愛いって、言うのかな」

などと呟きながら見つめ続け
特に何を話すわけでもないがこういうのもいるのか、と自分の知識を深め

「…だめじゃないなら、よかった…、あったかい、ね」

だんだん小さくなっていく声だが、くっついているため、聞き取ることに支障はなく

「約束?いいけど。…どうして、私が逃げるの…?」

どんな事情を相手が抱えているのか、想像もつかない彼女は不思議そうな表情を深めて
決意だけは感じ、軽く、ただしっかりと頷く

「……きく。……さっきも、言ったけど、硬くならなくて、いい…」

聞いて、という言葉に、2度目の頷き
言葉も少なく、表情も笑顔以外は乏しいが相手の言葉を待っていて

ルナシイ > 「...治せないって...言ってた」

どの国でも、そうだった。
病名も、原因も。お金以前の問題だった。
だから、旅をしたけど...もう、治せる人はいないだろう。

「かわいい...?」

じーっと見つめられてこちらも見つめなおす。
...アラミルの方が、素敵だと思うけど。素直にうれしい。

「うん....」

段々、距離が近づいてる様に感じる。
私が近づいているのかな、と納得しながら。

「皆、にげ、た...から...目...閉じてほしい」

逃がさない、と言う位に近づく。
襲う訳ではないが、分かって欲しいだけなのだ。
自分は人の形をした者に過ぎない。
でも...明かさないと進めない。
要求はしているが、目を閉じても少し開けていても分からないだろう。
もし、細目で見たら...黒い霧に覆われているだろう。

「...目あけて...わたし、ひとじゃない...ただの、ばけもの...」

そう呟くと、決して普通の人にはない「化け物」が映るだろう。
背中に黒い翼...角の様な者が頭から生えている。
手は暖かいものの、引き裂くような黒い色に染まっていた。
そして、狂気に包まれた様な...赤い虚ろ目でこちらを見ている。

「...こわい...よね....」

それを最後に、倒れ込むように少しずつ泣いてしまう。

アラミル > 傍から見れば仲のいい二人が温まっているようにしか見えず
ただ、治せない、という言葉には…どう声をかければいいのかわからないのだろう、どこかそわそわと
そうして…

「目…?…別に、構わないけど」

目を閉じてほしいと言われれば、素直にす、と目を閉じる
疑問はあるが、彼女は素直に従い、視界を閉ざし
ただ、近づいてくればまた感覚で相手の袖に触れようとはしてみるが


「ん…。………」

言われた通り目を開ければ…そこには、アラミルが見たこともない…そもそも町からでないので魔獣などは会ったことが無いのだが…がいて。
開いた眼を大きく開き…驚いているようで言葉を失う

「それが、聞いてほしい、こと?」

ただ体は離そうとせず、変化していれば、変わった腕を優しく指でなぞる

「なん、だ。私、と同じじゃない…?、私も、にんげん…。ごはん、じゃないし…」

見た目は化け物そのもの。しかし、ルナシイが変わった、と考えれば恐怖は特に沸き立たず
声も変わっていないなら、それもまた恐怖を目立たせない要因になるだろう
あっさりと、自分の正体も告げる。姿こそ変わらないものの、自分もにんげんではない、と

「それに…そっちの方が、珍しい味がしそうで、おいし、そう…だし…、どうして、泣く、の?」

どうして泣くのか…元々化け物の彼女はそれがわからず、泣きだした相手を…また、どうすればいいのかわからず
ひとまずは離れないまま、相手の様子を窺う

ルナシイ > 「...う、ん。」

閉じてくれた。いきなりだと言うのに。
優しい人...後悔はない、承知の上だ。

「そう、だよ...?」

目を開けてもらい、次の行動は逃げるか戦うかを想像していた。
驚いた表情を見て、ああ、やっぱりダメなのか、と。
しかし、次の言葉でこちらも驚く。

「え...おなじ...?...あ、あ。」

頭の中が真っ白になるが、すぐに正気に戻る。
そうだった。私だけじゃない。色んな種族がいる。
そこは問題じゃなかった。もう、どうでも良かった。
打ち明けても、逃げず、戦おうともしないアラミル。
嬉しい。もっと話してもいいんだと。

「...ぐすっ...ぁ...美味しそう、って...?」

泣いてしまった。同族の様な連中にも嫌われていたから。
アラミルは違うんだ。でも、美味しそうって何だろう。
私自身の食事は人と変わらないから、良く理解できなかった。
そんな中、無意識に自然と抱きつく様な形で密着しようとする。
ルナシイ自身も、泣いている為、良く分かっていないだろう。

アラミル > 危険に対する意識が薄い彼女だからこそ、初対面のルナシイのお願いも素直に聞いていて
害されようとすれば流石に反応するだろうがその様子もないため態度も変わらず

「…………」

固まりはするが…ルナシイが危惧したような行動は何もなく
ただ、表情を戻して

「うん。同じ。…こんな風に変身はできないけど」

こく、と再びの首肯
変身した相手の体をぺたぺた、とゆるく触ってみようともしてみるほどには、警戒もしておらず
…そもそも、彼女に戦う力が無いのは別として

「ぁ。…私は、えーと……、わかりやすく言うなら、サキュバス…淫魔…だから。
今の、ルナシイの匂いは、珍しくて、おいしそう…?…今は、おなかいっぱいだから、食べないけど、ね」

未だ泣いている理由はわからないものの、抱き着かれるように密着すれば返すようにそっと背中に手をまわして
そのままなでなで、と背中を撫でながら…自分なりの言葉で自分を表現する
一緒に、自分がなぜおいしそうと言ったのか、その理由も告げて

ルナシイ > 「ありがとぅ....」

固まっている事は気にしない。
何も危害を加えない彼女を信頼しているようだ。

「おんなじ...ううん、私の姿...そこまで良くないでしょ?」

触られて少しくすぐったい様な感覚。
むしろ、もっと触って欲しい。なんて考えてしまっていた。
それほどまでに安心していた。

「さきゅばす...?わたし、たべられちゃうの....?」

やっと泣き止み、落ち着きながら抱きついたまま撫でられる。
すりすりと、甘えるように。嬉しい表現なのかパタパタ翼が動く。
いっそこのまま食べられてもいいのでは、とまで考えていた。

アラミル > 「…確かに、元のほうが可愛かった、けど
でも、別に今の姿も…悪く、ない」

感触を確かめるようにぽすぽす、と軽く手を当てて
相手の気持ちはわからないが、ただ嫌がられていないことからふれあいを続け
意図せず、ではあるが相手が泣き止むまでそうしているだろうか

「…うん。精気…がごはん…。…?、食べてほしいの…?、死ぬことは、ないけど…力、ぬける…」

泣き止んだ後も自分からは離れようとはせず嬉しそうにぱたぱたと羽を揺らす相手に声をかけて
耳元で…少しの期待が混ざった注意をしつつ

「それでも、いいなら、出されたものは、たべる、けど」

なんてくす、と笑い
その誘いを…例え断ったとしても怒ったりせず、受け入れることは雰囲気で分かるだろうか
了承するなら、更に行動を起こそう、と決めているようで

ルナシイ > 「えへ...うれし...」

段々と泣き止み、笑顔になっていく。
元の姿にも自信がなく、可愛いなんて言われた事はなかった。
もっとも今は半魔状態、一応元に戻る事も出来る。
だが、触ってくれるのであえて言わない事にした。

「...精気?...力、ぬけちゃうんだ。」

ぎゅぅっと抱きしめながら、自分がドキドキしてくる。
耳元でささやかれて、顔が少し赤くなる。
少し考えて、同じ様に耳元で。

「...お姉ちゃん...ったべて...?」

笑っているアラミルにささやく...ゾクゾクし、震えながら。
私を怖がったりしない、し...ここまで一緒に話してくれたお礼。
自然と、お姉ちゃんと答えてしまう所も、きっとそう。
今、何をされるのか...するのか、期待してしまっているのだった。

アラミル > 「ん…♪」

段々と笑顔になっていく相手にアラミルも嬉しくなってきて
こちらも嬉しそうに笑いながら感触を確かめ、大事なものを触るときのように優しく触れていき

「うん。お腹空いてたら遠慮なくもらうけど
今は、ルナシイが咳をしないことの…ほう、が…」

寒空の下で抱き合いながら
ドキドキと高鳴っている相手の鼓動も感じる
どちらでもいい、あるいはどちらかといえば吸わずにおこうかと思っていたが相手の返答に少し意外そうな顔をしつつ

「おねえ、ちゃん…?、…わか、った……ちょっとだけもらうね。…おいし、そ…だし…」

震えている相手…未だ変身しているルナシイから一旦体を離す
お姉ちゃん、という言葉に首をかしげてから…
す、と顔を…相手の顔に近づけ始める
柔らかそうな唇がゆっくりとあなたに迫り、それと共に服から香っているのだろうか、ささやかな花の香りが漂って

「…………♡」

ゆっくり、逃げようと思えば逃げられる速さで…唇、あるいはそれに準ずる部分同士を緩く、触れ合わせようと
ちょっとだけ、という言葉通り…本番、ではなくキスで、精気をもらおうとしている様子

ルナシイ > 「...ひゃぁ♪」

優しい手、素敵な笑顔。
さっきまで泣いていたのがウソの様に、喜んでいる。

「しんぱい、してくれるの...?うれしいな...。」

咳と言うより病を押さえている魔力が尽きない限りは平気なのだが。
魔力には限界も回復時間もそれなりにかかってしまう。
そんな状態でも、今はこの胸の音に従いたかった。

「...うんっ...えへへ」

一旦離れていくアラミルに首をかしげる。
お姉ちゃんと呼んだのがダメだったか、と考えるのもつかの間。
花の香りが漂ってきた。これがお姉ちゃんの...と。
そして、ゆっくり心地よい香りと共に

「ん......♡」

本で読んだことあった気がする。
唇が熱い。とても心地いい。ゆっくり、重ねる様に。
ちょっとだけ、だから...と思いつつ...少し長めにキスをする。
力が抜ける様な感覚はあるけれど...とても気分がよく、続ける。

アラミル > 相手が喜べばなでなでを続けていき


「ん。そう……」

どういった理由で咳をするのかを分からない以上、大事にするべきだ、と言いながら…
アラミルもまた、おいしそう、と呟くほど、ひとではない相手に愛を示して

「ん、ぅ……」

逃げなければ、ふに、という感触と共に唇同士が触れ合って
化け物の姿であっても最愛の人にするようなその動作は曇りなく

「……♡、♡……」

一度触れ合えばもう遠慮はいらず…
唇同士が触れ合う中で、にゅ、と舌を出す
ゆっくりと、相手を抱きしめながら舌の先で相手の唇に触れようと
そうすれば、ゆるく、力が抜け始めるだろうが…多幸感と共に

ルナシイ > 「なでなで...すき...♪」

まるで猫の様に幸せな表情で撫でられ続け

「...だいじに、する...よっ」

今までは自分の事なんか除いて考えていた。
でも、今は違う。目の前に愛してくれる人がいる。

「んっ...んっ...」

最初は何をされるか、ちょっと恐怖があったが、
私の様な化け物でもこんなもしてくれている。
求める様に、何度も唇を重ねて。

「...ぁ♡」

身体をゆだねながら、キスを続けていく。
強く、でも痛くない様に抱きしめて。
私の唇にアラミルの舌が触れようとする。
もっと、してくれるのだろうか。期待と共に、自身も舌を出す。
力がスーッと抜ける。でも、やめたくない。もっと。
抵抗がなければ、そのまま舌同士で絡めようとするだろう。

アラミル > 「すき…?それなら、いっぱい…する、ね…」

小動物のように喜ぶ相手。
何とはなしにした行動でそこまで喜んでもらえればやめる理由もなく…

「かわいい、よ…ルナシ、イ…」

なでなでを続けながらキスの合間に優しいキスを繰り返す
まずは唇だけで何回か、軽いものを、求められれば求められるだけ、返して
姿は関係なく、ただ可愛い相手にできるだけ喜んでもらおうとする動きで

「……ん、ふ…、もうちょっとだけ、もらう、ね…」

浅い息を吐きながら…
期待で出てきた舌を、自分の舌で迎え入れる
唇を薄く開き、舌同士を蛇のように絡み合わせる
ちゅ、ちゅ、と小さな水音が静かな広場に響いて

「…やっぱり、おいし…♡」

ぎゅぅ、と抱きしめながらしっかりと優しい深いキスを
快感と共に程よい脱力感を与え…宣言通り、少しだけ精気をもらってから…唇を離そうとするだろうか

ルナシイ > 「えへへ....いっぱいして...♪」

心地よい気分で一杯になる。
撫でられるだけで、こんなにいい気分になるなんて。

「おねちゃ...んっ...」

優しい手で撫でられながら、何度も、キスを返す。
求めて、もっと求めて。軽くしながら回数を増やしていく。
少し恥ずかしい気分でもあるが、もっと求めてしまう。

「もっと...もっと....うんっ」

息が荒くなる。でもこれは病ではなく、興奮。
舌を出しながら私のでずっと絡み、深いキスになる。
舌でのキスの音にもっと興奮していく。

「わたひも...♡」

すっかりトロ顔で、深いキスをしながら抱きしめられる。
快感、脱力感。ちょっととは思えない位してもらった。
...本来なら、離すべきなのだろうが、どうしても、離れたくない。
とても荒い息、体の体温。体がとても熱く感じる。
既に「出来上がってる」様子が読み取れるかもしれない。

アラミル > 「やっぱり、匂いはうそ、つかなか、った…」

蕩けていく相手にに、と笑みを浮かべて
求められるまま、しっかりとキスを返して…

体液を相手に送り込みながら深いキスへと
歯列をなぞり、体を合わせながら快感を与え始める

「じゃあ…もっとすごいこと、しよう、か…♡」

…本来は、それだけで済ませようとしていたアラミルだが…
相手の様子を見るうち、彼女にも火がついて
体の触り方を変え、快感を与える…言ってしまえば、いやらしいものへと
そこから、どうなったかは…夜の街が知っているだろうか?

ルナシイ > 「....ふぁぁ..♪」

こちらも笑顔で求めていく。
何度したか分からない位にキスを繰り返す。

少しずつ、体液が送り込まれてくる。
なぞられて、体をしっかり合わせて快感が生まれてくる。

「もっと、すごいことぉ....?♡」

快楽に身をゆだねているうちに、もっと求める。
それは誘うような様子に見え、ルナシイは頭が真っ白になる。
身体を一杯触られて、快感にしか頭に残らなくなってきた。
ぎゅぅっと抱き付いて。キスをして。いやらしい方へ。
その少女にとって長い長い夜になるのだが。
どこまで...どうなったのかそれは二人にしか分からない。

「幸せ...♡」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 さびれた広場」からアラミルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 さびれた広場」からルナシイさんが去りました。