2017/09/21 のログ
アラミル > (そうして、また少女の姿の時と同じく、夜の闇に消えていく)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアラミルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にローズマリーさんが現れました。
ローズマリー > どうやら前回は、然して面白いことにはならなかったらしい。
やはり、交代するタイミングが問題なのかも知れない、と考えながら、
漆黒のシスター服に身を包んで、俯き加減にとぼとぼと歩く。

出来る限り気弱そうに、擦れ違う人の視線にも、いちいち怯えているように。
けれど其の実、己は心の底から此のスリルを楽しんでいた。

仄暗い通りの其処此処に、蠱惑的な服装の女が一人、また一人。
彼女たちを目当てにした荒くれ男の姿も、彼方此方へ見て取れる。

己の姿ははっきりと場違いで、やはり目立ってしまうだろう。
男たちのうちの誰かが、本物のシスターだと勘違いして―――或いは、
シスターの格好で男を誘う街娼の一人だと考えて、ちょっかいを掛けてくれたら。

そんな想像だけで、悪い熱が身体の奥深くに蟠ってくるようだった。
『あの子』に交代しても、しなくても良い。
―――偶には『己』が、荒々しく挑みかかってくる男に身を任せるのも楽しそうだ。
そんな爛れた思いなどおくびにも出さず、此の界隈から抜け出そうとしているように、
けれど道に迷って思うに任せない、といった風情で―――通りを、彼方へ、此方へと。

ローズマリー > 「―――――あ、」

ぷつり、と項の辺りで、何かが弾ける気配がした。
咄嗟に胸元へ伸ばした指の間を擦り抜け、煌めく其れは足許へ落ちて、
かしゃん、と涼やかな音が響く。

「……また、壊してしまったわね」

己の足許へ落ちているのは、首から提げていたロザリオ、だったもの。
もとは艶やかな銀色をしていた其れは、数日の間にすっかりどす黒く腐食し、
とうとう鎖が崩れて、落ちてしまった、ということ。
見下ろす己の双眸は、ただ、冷やかな儘。

「……お母様も、そろそろ諦めたら宜しいのに。
こんな物、幾度付け替えたところで……変わらないわ、何も。」

ローズマリー > 長い裾をそっと摘まみ、ちょこんと上げた片足で。

―――ぐしゃり、踏み潰せば、容易く原型を留めぬ形になるロザリオ。

其れを其の場で朽ち果てるに任せ、己は躊躇い無く歩を進める。
何だか興が醒めた、―――河岸を変えよう、とでも。
俯かず、堂々たる足取りで歩み去る己は、やはり其れでも、
周囲の耳目を集めたかも知れないが―――――。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からローズマリーさんが去りました。