2017/08/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
ノア > 「 .........っ、 やば.. 」

少し、 甘く見ていた。忍び込んだ先には想定を遥かに越える程の金貨が溜め込まれていて、 其れに相応しいだけの護衛が雇われていた。

( 話と違うじゃんっ.. !! )

今すぐにでも情報屋に文句を言ってやりたいところだけれど、 其れどころではない。まさに今、 ゴリゴリのムキムキ 約20名に追われていて

「 ............ 」

幸いにも此処は、 細い路地が入り組む貧民地区。丈の長いローブに身体を、 深く被ったフードに顔を隠しながら、 其の白い影は建物の隙間や屋根の上を逃げ回っていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にウィルバーさんが現れました。
ウィルバー > 逃げ込んだ先の屋根の上には、ころころと太った猫が丸くなって毛づくろいをしていた。
猫は屋根の上に飛び込んだ女性を丸丸としたビー玉の様な瞳で見上げ、口を開いた。

「こんな所で、何してるの?」
出てきた声は猫と言うよりは、女性も良く知っているである男性の声。

尖った耳を澄ませば屋根の下の方をうろついている男たちの声や物音が聞こえる。

屋根の上に上がり込んだ彼女と足元に居る男達。

おおよその見当はついた。

さて、どうするべきか。

ノア > 走る、 とにかく走る。あんなのに捕まってしまったら、 力では絶対に敵わない。ひたすらに逃げ回っていた、 其の時

「 .........っ、 と.. 」

猫を踏み付けてしまいそうになり、 咄嗟に踏み留まった。そうしている間にも追っ手の声は迫っていて.. 足下の三毛猫には目もくれず、 次はどっちへ逃げようかと周囲を見渡していると

「 ───── ?! 」

足下から.. 其れも 明らかに三毛猫から聞こえる声に、 ぴくん と肩を竦め。そろりと視線落とせば、 ゆるりと首を傾げながら小さく名前を呼んでみた。

「 .....ウィル、 バー... ? 」

ウィルバー > 「暫くぶりだね。 元気にしてた?」
猫は短い手足を伸ばし、ぐぐーーっと伸びをしていた。

どうやら彼女が上がってくるところは目撃されていなかったのか、
男たちは視線の高さばかりを探し回っており、屋根の上には気付いていないようだ。
こちらが何かをしなくとも今すぐ見つかることはないだろう。

「なんだかやばそうな感じだね。
どうだろう、一晩僕に付き合うって言うのならここから安全に連れ出してあげるよ。
その場合、僕の家に寄ることになるけどね。」
猫は彼女の足元で腹を見せて転がっている。

この場では恐れる者が居ない猫は悠々自適と言った様子だ。

ノア > 屋根の上 片膝を付いてしゃがみ込み、 三毛猫の傍で極力身体を小さく丸め。

「 暫くぶり.. だよ ね、 うん。」

女としては、 つい先日 "貴方の姿" を見たばかり.. とは言え其れは、 貴方の息子が変化したものではあるけれど。フードの端をほんの少しだけ捲り、 琥珀色の瞳を覗かせて

「 これはまた..... 暫くぶりとは思えないくらい、 随分とストレートなお誘いね。」

ストレートな誘いもまた、 つい先日に似たような事があったっけ.. なんて。心の中、 ウィルバー家の遺伝について感心させられていたり。くすり と肩を揺らしながらも、 三毛猫の腹を白い指先で擽るように撫で

「 交換条件だなんて.. 相変わらず意地悪。」

ウィルバー > 「ん? 僕以外に誰かに会ったのかい?」
丸い三毛猫は腹を見せびらかした状態であっちへコロン、こっちへコロンと転がっている。
月の光は太陽程強くはないがこの体には心地よい。

そして、放任主義を取っている我が家では子供がどこで何をしているかは把握していない。
なので彼女の発言の意図もわかりかねず。

「そらあ、そういう生き物だからね。
でも、あっちの人らに捕まって襲われるよりはましってもんじゃない?」
未だ彼女を探す屈強な男達。 たまにガラの悪い怒声も混じっていた。
恐らく捕まればただでは済まないだろう。

ノア > 「 ん..... 何でもない。」

先日の出来事は、 父親にアレコレ報告されるのも青年としては微妙だろうから.. 話すのは、 やめておこう。琥珀色の瞳が、 周囲を見渡し。野太い声を上げながら路地を捜し回っている追っ手達も、 屋根の上にまでは注意が向いていないようで。運が良ければ、 逃げ出せるかもしれない。しかしながら、 万が一捕まってしまったなら.. 人数差からしても体格差からしても、 女に勝ち目など無い。其れならばと、 憎らしいくらい ふわふわな三毛猫を ひょいと抱き上げ、 視線の高さを合わせて

「 ココから連れ出して、 にゃんこ先生。」

ウィルバー > 抱き上げられた猫は嫌がるそぶりも見せず、むしろ安心しているのか抱かれた状態で足で頭を掻いたりと
やりたい放題。

「なら、今すぐにでも行くよ。」
猫の瞳が金色に輝くと、周囲を黒い光が包み込んで。
やがて、光が散った後には二人の姿は消え去っていた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。