2017/07/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にボブさんが現れました。
ボブ > (娼館街に脚を踏み入れた若い男はまずは自分自身に勢いを付ける為に酒場へと入り、アルコールを体内に含んでいって)

「くぅ~~っ! 少し外が暑苦しいからなぁ~。冷えた酒が身体の隅々まで染み渡るなぁ~」

(酒が入ったコップを傾けながら、今宵、自分を売る相手を探している娼婦達に視線を向けながら、
その姿を肴に男は酒を傾けていて)

「まぁ……あんまり金を持っているような格好じゃねぇもんな、俺は……。
声を掛けられるとしても最後の最後に仕方なく…って感じだろうな」

(己の質素な服装を改めて眺め、それも仕方ないと納得をしていくような独り言を漏らしながら酒を飲み続けていて)

ボブ > (アルコールを3杯ほど飲んでみたが、男がお客探しの娼婦から声を掛けられる事はなく)

「やっぱり直接交渉あるのみか……、向こうから持ちかけられれば少しは値引き交渉に持ち込めるかと思ってたが、
素直に娼館に向かって正規の金銭を支払うとしますかね……」

(少しでも安く気持ち良くなろうと都合の良い事を考えていた男はその考えを改めるかのように呟けば
酒場のテーブルの上に飲み台をジャラッと置いていけば、酒場を後にしていった)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール貧民地区・裏路地」にヴァイオラさんが現れました。
ヴァイオラ > ―――困った。本当に、困った。

昼でも何処か仄暗さの漂う、細く入り組んだ路地の片隅。
白い修道衣に身を包んだ『少年』は、すっかり困り果てていた。

見習いにはお決まりの奉仕活動で、貧しい人々の住まうエリアを訪ね、
殆ど何も考えず、道端に蹲っていた女性に手を差し伸べて、
持参していたパンとワインを手渡した、までは良かった。
然し、何を勘違いしたものか、それとも此方を揶揄っているのか。
パンとワインをあっという間に平らげ、元気を取り戻した彼女は、
己の腕をがっちりと捕まえ、『お礼をする』と言ってきかない。

「いや、あの…僕は、その、そういうことは…」

相手が女性であるだけに、無碍に振り解くのも憚られる。
だが、歯切れ悪く言葉を連ねるだけでは、退いて貰えそうになかった。

汚い言葉のひとつも浴びせて思い切り振り払えば、
それでひとまず、カタがつくのかも知れない、のだが。
結構です、どうかお気遣い無く、などと言葉を尽くしつつ、
やんわりと彼女の手を離させようとしては、もう数十分ほど、
失敗を繰り返している有り様だった。

ヴァイオラ > 必死に当たり障りの無い微笑みを浮かべ続けていたが、
心の中は大嵐である。

彼女の物言いからして、己は男性だと思われている筈なのだ。
そのうえ、修道衣を着ているのに、何故にこれほど執拗に誘われるのか。
ついでに、ここへ一緒に来た筈の先輩修道士は、一体何処に消えたのか。

そろそろ限界だとばかり、やや強めに彼女の手を引き剥がそうとした時だった。
先輩修道士がやけに満ち足りた表情で、前方の古ぼけた建物から出て来た。
―――――うっとりとしなだれかかる、別の女性をぶら下げて。

『何だお前、未だシケこんでなかったのか』

その言葉を聞いた瞬間、先刻からの疑問が一気に解けた気がした。

「しっ、シケこみませんっ!もう、早く帰りましょう!」

何たること、何たること、何たること。
ほかの修道士がどうかは知らないが、少なくとも、この先輩は腐っている。
まさしく、生臭坊主、とかいうやつではないか。

怒りに任せて彼女を引き剥がし、己は恐ろしく早足で歩き始める。
己が振り解いた女性や、先輩修道士の声が背後から聞こえたが、
もう聞く耳も持ちはしない。
ひとりでもとっとと帰ってやる、とブーツの靴音を響かせて、大通りの方を目指し―――――。

ご案内:「王都マグメール貧民地区・裏路地」からヴァイオラさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 夜」にワルセイ・イダーヤさんが現れました。
ワルセイ・イダーヤ > (夜の貧民街。そこの治安は最悪の一言。今日も弱き者が強者にいたぶられている…)

ふん、こんなものか…

(そう呟いたのは、時代錯誤な古い貴族服に身を包んだ青年…と言っても、かなり人間にしては齢を食っているのだが…見た目からは年齢はわからない。そして周囲には、杖でぼこぼこに殴られ倒れた男たちと、立ちすくむ一人の少女が…)

…何をしている。とっとと失せろ。

(そう冷たく言い放つと、少女はびくりと肩を震わせ、去っていく。)

ふん、俺も、ずいぶんと甘くなったなぁ…こんな、母乳一滴の価値もない事をするとは…

(そう呟いたワルセイは、空を見上げる。昔の自分からしたら考えられないことをしている自覚はあった。もしかしたら、拾ったミレー族のハーフの少女が関係しているかもしれない…空には、地上の醜悪さとは似つかない、美しい星が輝いていて…)

…さて、何をしようか…

ワルセイ・イダーヤ > (壊れかけた樽の上に腰かけ、ふうと軽き息を吐く。もうかなり暑い時期だ。だが、代謝のそこまでよくないこの体は汗も書かなくて。そしてちらりと道の奥を見れば、安い娼館が建っていて)

さて、適当に娼婦でも買うか…?

(そう悩みながらも、安い娼館を買うくらいだったら、もう少しマシなところへ行くべきか、そう悩んで。安い娼婦は自分の餌を得るにはいい相手だろうが、中々抱くのにいい相手は少ない。高級娼館では、薬を使うことが御法度のところもあり、餌を得るには不都合だ…といっても、そこまで飢えているわけではない。餌を得る、得ないにかかわらず、自分のアジトで長い研究時間を過ごした後の、今晩を共にする相手が欲しい…そう考えていて。)

…まあ、夜は長い。適当に歩くか…

(そう言って、道を歩きだして…)

ワルセイ・イダーヤ > (そのままワルセイは、夜の闇に溶けて、消えていった…)
ご案内:「貧民地区 夜」からワルセイ・イダーヤさんが去りました。