2017/07/03 のログ
■ノア > 「 ふふ.. 実はウィルバーより強いの、 ずっと隠してただけ かもよー ? 」
断じて、 そんな事はない。後ろに広がる惨状は、 只の偶然が積み重なった結果なのだけれど.. 調子良く、 くすりと悪戯な笑みを溢してからワインを一口。
「 あの指輪 ? 使った使った、 まぁ.. 家でね。おかしな詠唱が無ければ常に身に付けとくんだけど。」
彼の質問には相変わらず可愛いげのない台詞を返しつつ、 其れでいて くすくすと愉しげな酔っ払い。其の間.. 彼が何かを感じ取っていた事も、 少女が何か分析している事も気付かずに
「 いや..... 知らないと、 思う.. 」
「 ─── っ、 ん.. そう、 だけど。」
再び目が合った少女に、 名前を呼ばれる。ぱっちりとした可愛らしい少女の翡翠色に対し、 酔いも回っている女は とろんと細めたままの琥珀色。警戒心などまるで無い様子で、 すんなり自分が "ノア" であると認めた。
■ウィルバー > 「かもしれないね~。 人間、本当の強さってのはわからないからねえ。」
冗談を真に受け、固い表情を浮かべている。 自然、グラスを持つ手に力が入る。
頼むから、討伐はしないでくれ。
「おかしな詠唱? いい詠唱じゃない。 てか、今日着けておいてよ。 目の前でやってもらおうと思ったのに。」
使うことは使ってくれたようだが、今は着けてないことをしって愕然とする。
ヤケになった僕は追加をマスターに頼んだ。
「…だよね? あっちも初対面って言ってるしねえ。
でもねえ、セインがどうだのピング?って人がどうだの言ってたよ。」
相手の呟きを、まだシラフの僕の耳が捉えていた。
一人は知らない名前だが、もう一人は知った名前。
ふむ。 なんとも微妙な空気が流れそうだ。
こんなときはとりあえず。
「マスター、ドラゴンの尻尾のステーキ。 大至急で。」
■フェゴール > 『しばし待たれよ……』
(言ったのが早いか。もう一度口元をハンカチでぬぐう頃には、皿の上の料理は綺麗に空に。実の所とても大喰らいの少女である)
『申し遅れた。私はフェゴール・フォン・ヴァイツゼッカー……
セイン=ディバンの妻ということになっている。
ピング殿とは、友人だ。』
(ワインをグラスに注げば、スツールを移動して、2人の方へ近づき。間にウィルパーを挟む形になるか。
2人の男女は知人関係かあるいはカップルかと推測しつつ。
自分以外の人名は、相手も知っている前提で話を進めていくマイペース)
『マスター……もう2人前追加だ……』
(視線は向けずに店主へとVサインを作って追加オーダー。それは興味をそそるメニューだ)
■ノア > 冗談を真に受けた彼が、 其の身を案じ始めているなど気付かぬ酔っ払い。続く指輪の話には、 つん と唇尖らせて
「 詠唱無しで使えるよーになったら、 外でも身に付ける予定。まだ練習中なのっ 」
と、 酔っても生意気さは健在だった。
其れにしても.. 可愛らしい容姿に似合わぬ、 堅苦しい装いと口調の少女。何処かチグハグに思える其の姿を見て、 思い出すのは..... 中身は男の癖して、 超可愛い獣耳少女になってしまった "ある人" の事。
( セインみたい.. )
少女が料理を食べ終えるまでの間に、 ぼんやりと そんな事を考えて。心の中で くすりと笑みを溢し、 ふわふわと心地好い酔いに任せワインを煽った.. 其の時、
「 ─── !! 」
危うく、 ワインを吹き出しそうになる。挙げられた二人の人物を知っていた事は勿論、 何よりも..
「 セイン=ディバン、 の..... 妻 ?! 」
少女の名乗った其の言葉が、 女の思考を真っ白にして。当然、 酔いなど一気に覚めてしまった。其れ程の衝撃に、 唇の端を拭う指先も ぴたりと動きを止めたまま.. 石のように、 硬直し。
■ウィルバー > 「あの詠唱がいいんじゃないの。 ほら、ここで言ってみてよ。」
パンパンと手を叩き、一気のみコールでもするようなノリで詠唱を要求する。
「おおー…。」
なんとなくだが、セインと言う名を口にしだした時点で予想はしていた。
なので、とうとうやってきたねっと言う具合の感想を口から漏らす。
「セインの奥さんってことはあれだよね? 魔王で、セインのお尻を掘った人だよね?
あ、ちなみに僕らはカップルではないよ。 超絶モテモテのノアと、それに片思いしてる性質の悪い魔術師って所だね。」
隠す必要もないと判断し、隣へとやってきた魔王さんに二人の関係を紹介する。
「そうそう、ドラゴンの尻尾は普通のステーキよりもボリュームあるよ。 味も濃厚でおすすめ。」
同じものを頼んでいる女性に、軽く親近感。
■フェゴール > 『それにしても……だ……小隊……集合……』
(ふと店内を見回して首を傾げた後のことだ。呟きと共に、店内に時空転移の魔法陣が多数出現。そこから現れるのは人型のゴーレムの群れ、およそ30程。ずらりと並んで、一糸乱れぬ様で整列する)
『……至急……清掃だ……』
(号令と共に、ゴーレムたちはテキパキと荒れた店内の清掃を始める。倒れている酔っ払いたちは、丁重に路地裏の目立たない所に並べて置いておく丁寧さだ。もう少し待てば、店内は綺麗に清掃されてテーブルや椅子もキチッとするだろう)
『うむ……どうやらアレの知人で間違いないようだな。
うちのあのどうしようもないゴミムシが迷惑をかけてはいないか?』
(自分の旦那をゴミ虫呼ばわりしつつ、ワインを煽ったらしきノアに自分のボトルを差し出し。注いでやろうとお代わりを薦める)
『あぁ、ではそのタチの悪い魔術師の殿方よ……どこまで知っておいでかしらんが
公衆の面前であまり恥ずかしいことを言ってくれるな。
名前も名のらんで……すり潰すぞ?』
(とても素敵な、優しそうな微笑みで。ウィルパーさんにもおかわりを薦めるようにボトルを差し出しながら。
目が全然笑ってなかった。とりあえず人間でないのは察しているようで。人ならざる者には厳しい。
あとわかりづらいが、情事のことを突っ込まれて照れている)
■ノア > 雑貨屋の店主 ? ドラゴンの尻尾のステーキ ? 其れらは もう、 耳にも入っていない女。フリーズの解けた思考が、 今度はショート寸前で。隣の彼が、 手拍子と共に詠唱を促し.. 普段ならば.. 更なる生意気な台詞を吐き捨てるところだけれど
「 ごめ..... また、 こん ど.. 」
この状況には流石の女も、 か細い声で そう返すのみとなった。女が硬直している間、 お尻が云々などと 衝撃の事実が彼の口から飛び出すも.. 聞こえていないのか、 はたまた其れどころではないのか、 ことん とワイングラスをカウンターに置いて
( なんで "魔王な奥様" が今、 ココに ?! )
( てゆーか、 何でバレたの ?! )
( なんて誤魔化せば..... )
( そもそも.. 誤魔化せる の ?? )
今にも湯気が噴き出してしまいそうな、 ぽんこつオツム。そんな女の何倍も賢そうなゴーレム様達が、 あっという間に店内を綺麗にして下さった。今、 心からの笑顔を浮かべているのは.. 店主だけ、 だろう。
「 ─── ゴっ.. ゴミムシ ?!
.........っ、 迷惑だなんて.. いつもお世話に..... いや、 その... 仕事面 で、 色々 と.. お世話に、 なって います... 」
正妻の、 あまりに酷い呼び方に危うく.. 人間の女が、 魔王を睨み付けてしまいそうになる。寸でのところで堪えつつ、 逸らしてしまいたくなる視線を何とか正妻に向けたまま.. 男女の関係を誤魔化すような、 当たり障りの無い台詞を口にした。太腿の上に置いた左手が.. ぎゅ、 っとスカートを握る。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
■ウィルバー > 「凄いねえ、うちのゴレム1号よりも高性能っぽいね。 あれでも造るの大変だったのになあ。」
人型で、かつ機敏で、おまけに数も多い。
あっと言う間に酔っ払いたちを片付けていく。
僕はそれを感嘆の表情で眺めていた。
「まあ、そうなるよね。」
思考がグルグルと回っているノアの様子に、さもありなんと天井を見上げる。
はて、どうしたものか。
「これは失礼。 僕の名はウィルバー、すり潰すのは勘弁して欲しいかな。
一応、君の旦那の命を一回だけ助けたんだしね。」
借りを作ったつもりはなかったが、ボトルを差し出してくれる魔王が妙にプレッシャーをくれるので、
僕は思わず苦笑いを浮かべ、命乞いをする。
「とりあえず、僕は先に帰らせてもらうよ。 あとはお二人でどうぞ。」
グラスに残ったワインを飲み干すと、マスターに3人分の今の勘定を支払って。
椅子から降りると、掃除を続けるゴーレムの間を通り、店から去っていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からウィルバーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
■フェゴール > 『ほぅ?仕事とな……ぁあ成程。プロの方か……
やはり世話していただいていると見るのが相違ないと思うが?』
(ノアが拒否しなければワインを注ぐ。特に他意はない、むしろ親愛を込めているつもりだ。
ノアの職業を、服装などから娼婦の女性か何かだろうと思い込めば、勝手に納得してしまい
「どーせ、あいつはそんな男だ」という半ば真理。)
『そうか、ウィルパー殿……私からも感謝させてもらおう。』
(割と義理は重んじる方らしい。若干の照れという名の威圧感を発しつつも。笑顔でウィルパーを見送り)
『まぁ、奴の悪癖は私が先日から一緒に住むことになった故。
多少はマシになるだろうな。ご苦労をおかけした。』
(ノアのお仕事は、セインの夜伽の相手なんだろう、と勘違いしたままで)
■ノア > 魔王な奥様と、 女の間で.. 精神的な盾となってくれていた彼が、 席を立つ。動揺していたせいもあってか反応が遅れ、 無意識に引き止めようと伸ばした白い手は.. すかっ と無様に空振って
「 .........プロ ?? 」
空振った白い手を おずおずとカウンターの上に戻し、 差し出されたボトルにグラスで応える。震えてしまわぬよう、 細心の注意を払い..
「 .....頂きます。」
プロという言葉に、 盗賊とも冒険者とも取れぬ若干の違和感を感じつつ.. とにかく、 注いで貰ったものは しっかり頂かなくてはとグラスに口を付けるも
「 ───── !! 」
またしても、 吹き出しそうになる。当然口に合わないだとか、 そんな理由ではなく
「 一緒に、 です か.. 」
いよいよ同居という事実に、 落胆した。動揺やら恐怖やら、 悔しさやら悲しさやら、 諸々を誤魔化すべく ── ぐびっ、 ぐびっ.. 本来の愉しみ方とはかけ離れた呑み方で、 ワイングラスを空けてしまった。
■フェゴール > 『あぁ……あまり放っておくと。ご存じだろうが、例の呪いで精神まで汚染されかねんからな。多少は男らしさを保っていてくれねば困るというものだ。』
(一緒に住むことにした理由などをざっくりと説明しつつ。飲みっぷりの良い様子にどんどんワインを注いでやる)
『しかし、ノア殿もお仕事なのだろうし。常連客を縛り付けていてはひんしゅくかもしれんな。たまには、そちらにも出かけることは容認することにしよう。』
(こちらもワインをチビリと呑みつつ。勝手にマイペースに、何やらと楽し気に喋っている。こちらとしては、友人が出来た気分でいるから呑気なものだ。)
■ノア > 色々とキャパオーバーな女に対し、 貴女の何と優雅な事か.. 相手の魔力を感じ取ったり、 心理を読み解いたり.. そんな能力など まるで持ち合わせていない女にも、 貴女に敵意が無い事くらいわかっていた。其れが.. 妙に悔しくも思えたけれど、 逃げ出す事が出来ない。貴女が口にする言葉は どれも、 聞きたい事や知りたい事ばかりを生み出して..
「 精神、 まで..... それって、 心が女になってきてるって 事.. ? その、 呪い... フェゴールさんに、 解く事は出来ない の.. ? 」
一つ疑問を口にすると、 後はもう とめどなく溢れるように質問を重ねた。ワインを注がれているのにも気付かない程、 琥珀色の瞳は貴女を真っ直ぐに見詰めたまま。どうやら娼婦か何かと思われているようだと気付けば、 其の流れも利用して
「 随分寛容なのね.. 嫌じゃ、 ない の ? 」
■フェゴール > 『口調まで女々しくなっていたのでな……少々と喝を入れてやった。
多少はマシになったんじゃないか?
絶対に解けないとまでは言わないが、あまり成算は高くないだろうな。
何せ、私と同格の者が仕掛けた呪いだ、無理に解呪に及べば何があるかわからん。それなら、解けるまで待つ方が安全策と判断した。』
(それから続く言葉に、酒精でほんのりと頬が赤くなった顔を向けて首を傾げ)
『構わんよ。オスとはそもそもそういう生き物だ。
それに、あの男の女癖は、死んで転生して来世でも治らん。
そして、私は魔の者だ。
彼は将来有望なブレのない駄目っぷりじゃないかい?』
(駄目で無能で、自分勝手で悪党なのは駄目だから良いことだと付け足し、愉快そうに、表情少な目ながら淡く微笑む。)
■ノア > ( あの人と、 同格..... )
「 .........そう、 ですか。」
彼が心まで蝕まれていたという事実、 そして、 呪いはまだ解けそうにないという事実に悲しみ。其れと同時に.. あの、 九つの尾を持つ魔王の姿を思い出す。ほんの数秒言葉を交わしただけで、 身も心もを凍ってしまいそうだった恐怖を。其の魔王と同格、 と言う.. ほんのり頬を染めた少女の顔を、 じぃ と見詰めて。
( なのに.. こんなに、 可愛いんだ ── )
帽子から解放され緩やかに波打つ髪も、 瞬きする度 ふぁさ.. と揺れる長い睫毛も。其の容姿だけではとても "魔王" という存在には結び付かない、 可愛らしさだった。そして..
「 .........愛 して、 る.. のね。」
ボロクソに言っているようで、 計り知れない程の愛を感じさせる言葉。敵わない.. そう思い知らされると 注がれたワインを、 今度は品よく口にして
「 セインさんも、 きっと。」
そう言った顔には、 悲しみも悔しさも恐怖もなく.. 何処か清々しげに。ゆるりと首を傾げ、 微笑みを返した。すると..... 今更ながら、 ドラゴンの尻尾登場。
「 ド..... ドラゴンっ.. ?! 」
注文している時、 フリーズの真っ只中だった為.. 露骨にドン引き顔。フォークで つんつん、 突くついてみたり。
■フェゴール > 『無論……私は愛と知の概念そのものであるべきだと常々思っている。
その私が、愛さない者を夫とは呼べまいさ。
それ故に……ふむ……。』
(ドラゴンの尻尾ステーキ3人前。それらがカウンターに並べられても少し首を捻って思案顔。時折、ノアの顔を見たりで悩んでいるように首を何度も捻ってから)
『勘違いであったならば詫びなければならないが。
貴女も……か?』
(愛しているのかと、そう問う。そんな重苦しい問いを向けているのに、両手にナイフとフォークを握りしめていた)
『いただきます……』
(今までにない、なんか嬉しそうな顔で、サクサク切ってパクパク食べ始めるよ)
■ノア > 「 愛と知の概念、 か..... 難しいコトは よく、 わからないけど.. あぁいう人には、 貴女みたいな人が必要なのね。きっと。」
つんつん。先程まで居た彼の勧めで 確か一度は食べた事があったドラゴンのお肉を、 フォークの先で突ついてみながら答える。其れは.. 紛れもない、 本心からの言葉だった。悲しくない訳がない、 悔しくない訳もない。けれど貴女が、 あの人の奥さんが、 思っていた何倍も何万倍も素敵な人だったから.. いっそ清々しく、 この夜を楽しんでしまえと思い始めてもいた ─── が、
「 ...............っ、 」
フォークの先が、 思わず ぐさりと肉に刺さった。どうして今、 そんな事を聞くの ?! と.. ふるふる、 溢れる感情は大粒の涙となって頬を伝い
「 急に、 何 を.. そんな 訳、 な..... 」
意図せずフォークに付き刺さってしまった肉を、 泣きながら丸かじり。貴女が放った一つの問いが、 女の心の奥底に見事クリティカルヒット。女にとって..... まさに、 痛恨の一撃となった模様。
■フェゴール > 『世界で絶対的に必要なものは、食と睡眠くらいなものだ。
……人間という種族から見て、私のようなものは。
祈るべき神であった頃もあり。恐怖すべき魔の王であり。
それで単に性欲を満たすための対象であるだけかもしれんぞ?
存外、無用の長物かもしれん。』
(モクモクモクモクと咀嚼し、ワインも飲む。食べるのが結構早い。既に尻尾2本目だった)
『……ふむ、なら何故泣く?
すまんが私は人間という種族の感情の機微を察することが苦手なのだ。
出来ればわかりやすい説明があると助かるんだがな……私のお友達。』
(食事はもくもくと続けつつ。ノアの事をお友達認定した様子で。)
■ノア > 「 .....だか ら、 難しい コトは.. よく、 わかんなぃ ってば... 」
魔王だと、 聞かされていた。九尾の魔王と同格だとも、 さっき聞いた。けれど今、 貴女に抱く印象はといえば.. 恐ろしい魔王、 ではなく。其れこそ、 まるで聖母のような.. 深い深い愛を感じて。だから余計に、 涙は止まらず ── 数十人の無法者達を戦闘不能にしたかと思えば、 今、 号泣しながらドラゴンの肉にかぶり付く女の姿を.. カウンターの奥から遠目に( あの女ヤベェ奴だな )と密かにドン引く店主。そんな視線など気付く余裕も無い、 其れどころか、 視界は滲む一方で..
「 いや、 何故 とか.. 聞かない で、 あたしのお友達..... ドラゴン、 んま っ... 」
ごしごしと、 目元を手の甲で擦る。もう一度、 大きな口でステーキにかじり付くと.. 畜生、 意外に旨いじゃないか。もぐもぐと頬を膨らませ、 これでもかと味わった。見た目だけで言えば年端もゆかぬ少女が、 優雅にナイフとフォークを使い食事する隣..... 情緒不安定にも程がある 24歳が、 今此処に。
■フェゴール > 『そうか、セイン君にもよく言われるよ。
もう少し簡潔に喋れるよう精進しよう。
……つまり、私は君たちと一緒に年を取って死ぬことはできん。
寿命に差がありすぎる。君たちが相応に年をとり天寿を全うしても。
私は今日のまま……という具合だ。ゾッとしないだろう?』
(少し困ったような笑みを浮かべて。「うん、美味だな。」とか同意を示す。こっちは、品よく食べてたくせに2人前が空。残ったワインをグーッと飲み干して)
『……ふふふ……案外と泣き虫なんだな?私のお友達。』
(ちょっと照れくさそうに、嬉しそうに笑った。お友達、と言って貰えたのが嬉しくて。)
■ノア > ドラゴンの肉を喰らう。豪快に酒を煽る。つい先程までの惨状も相まっては、 まさに貧民地区の猛者のよう。しかしながら其の顔面だけは、 何とも情けなく.. 拭っても拭っても大粒の涙が零れ、 唇は ぎゅっ と "への字" に引き結んでいて
「 それ って、 すごく..... すごく、 寂しい。あたし なら、 きっと.. 耐えられ ない... 」
言葉を交わせば交わすだけ、 貴女の凄さを思い知る。拭っても溢れる涙は もう、 流しっ放しにして.. "お友達" と一緒に、 肉を頬張った。食べ終えるのは.. 摩訶不思議、 貴女の方が早かった。食べ終える頃には涙も枯れて、 貴女を真似るように ワイン飲み干し
「 .........はぁ、 ご馳走さまでした っ.. 」
一度天井を見上げてから、 未だ泣いた後の赤みが残る顔を貴女に向けて
「 もし先に、 貴女に逢ってたら... こんなにみっともない顔、 見せずに済んだかもしれないね.. あたしの お友達。」
困ったように眉を下げ、 おかしそうに くすりと肩を揺らす。今、 魔王と呼ばれる存在と対峙しているという事を、 忘れているかのように.. 本当に、 友人と話しているかのように.. 何とも無邪気で、 懐っこい笑みを浮かべていた。
■フェゴール > 『私もどうも慣れんよ。未だに……もう半世紀くらい寝ておけばよかったと思う夜もある。』
(とは言っても、それはもう過去に壮大な過去に何度もあったことだ。
それでも性懲りもなく、他者とのつながりを持ってしまったことを自嘲気味に笑って)
『そうでもないさ私のお友達。微笑ましくて素敵で可愛らしくて、旦那を寝取られてしまうんじゃないかと、戦々恐々としている所だ。』
(この辺りで、「さて」と呟き向ける視線は。カウンターの上に掲げられた。「本日のおすすめ」の品目だ。どうもまだ食べる気らしい。そんな感じで店の食材を枯渇させる勢いで食べて飲んで、ディバン家のエンゲル係数を跳ね上げている少女は。新しくできた友人と楽しい夜を過ごすことだろう。)
■ノア > 「 半、 世紀..... 」
人間の女には、 とても想像出来ない睡眠の単位。其処には、 自分なんかには想像出来ない程の悲しみや痛みがあるような気がして.. 上手く、 言葉を返せずに。女は死ぬのが怖い けれど.. 其れ以上の恐怖も、 あるのだと。ワイングラスの縁を指先で拭いつつ、 そっと睫毛を伏せた。続く貴女の言葉には, くすりと軽く笑い飛ばして
「 何言ってるの..... 例えあたしが不老不死になったって、 とても 敵わないよ。」
本当に、 そう 思ってしまった。いつだって甘えてばかりの女には、 彼にしてあげられる事など.. 何もなかったから。
さて、 今度は女が注ごうか。貴女のグラスに、 ワインボトルを傾けると
「 .....っ、 まだ食べんの ?! 小柄なのに超喰うね、 あたしのお友達.. 」
胃袋は紛れもなく、 魔王級な貴女。驚愕しつつも其の気持ちいい食べっぷりを、 最後まで見届けるのだろう。此方は酒を煽りながら、 新しく出来た友人と.. もう、 会う事はないかもしれない友人と。今宵はとことん、 呑み明かすのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からフェゴールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「貧民地区 /廃屋」にノアさんが現れました。
■ノア > 貧民地区の中でも特に、 王都の外側に位置する住宅地。住宅地とはいっても 掘っ立て小屋のような家屋や、 テントのような家屋 (?) などが建ち並ぶ区域。とある廃屋に、 薄灰色の人影が駆け込んだ。
「 .........っ、 」
床も抜けてしまいそうな程に痛んでいる廃屋は、 ガラスも割れて枠だけとなった窓は、 風が吹く度 カタカタと不気味な音を立てて揺れ.. そんな廃屋の隅で、 酷く息を切らしフードを取ると
「 ......... 」
淡い淡い薄紫色の髪が ふわりと現れ、 白い指が其れを掻き上げる。琥珀色の瞳は忙しなく数ヵ所の窓を見やり、 ただ じっ.. と息を潜めていた。
■ノア > そう遠くない位置か、 衛兵の声が聞こえる。指揮を取る者の声が響くと、 硬質な革靴で石畳を打ち鳴らす音が 無数に続き.. 其の足音は 女の潜む廃屋にも、 確実に迫っていて
「 ............... 」
これまで散々盗みを働いてきたとはいえ、 こんな風に衛兵に追い詰められる事など そうそう無い。しかし、 ここ最近はといえば.. 少々、 調子に乗り過ぎていた。調子に乗っていた、 と言うべきか..... 見境無く暴走していた、 とでも言うべきか。スリルも、 獲物を手に入れた其の瞬間でさえも.. 決して、 楽しめない程に。
( .....何の為に、 こんな事.. )
近付く足音に、 部屋の隅で蹲り.. 身を潜める事しか出来ずにいた。
ご案内:「貧民地区 /廃屋」にノアさんが現れました。
■ノア > 一体どれくらい、 其の廃屋に身を潜めていただろうか.. 足音が遠ざかるのを見計らい、 フードを深く被り直して。廃屋を出ると人目を避けながら、 貧民地区から姿を消した ──
ご案内:「貧民地区 /廃屋」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 裏通り」にレアさんが現れました。
■レア > 治安の観点から人通りの殆どない貧民地区のとある裏通り。粗末なテントと廃屋から漏れる微かな明かりと空に浮かぶ月の光が通りに1つの影を映し出す。
「はぁ…はぁ、はぁ………っつ!…」
全身を覆う黒いマントを羽織ったその影はフラフラと重たい足取りで平民、そして貴族区画の存在する方へ進んでいく。
荒い呼吸、前屈みに丸まった背中、時折壁に寄りかかっての深呼吸など傍からみてコンディション最悪に近い。