2017/04/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
■ノア > 流れの冒険者や傭兵などへ、公にはしづらい仕事を斡旋している非正規ギルド。夜は酒場として、屈強な男達の溜まり場となっていた。そんな酒場のカウンターに..
「 お代わり。」
空いたグラスを滑らせながら、果実酒のお代わりを求める女が一人。一番端のスツールに脚を組んで座り、時折店内の客へ ちらりと.. まるでウィンドウショッピングでもしているような視線を向けていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
■セイン=ディバン > 情報は酒場と貧民街に集まる。などという言葉は無いが。
男は、シーフギルドで必要な情報を集めた後、馴染みの店へとやってきた。
所謂、無許可の寄り合いギルドの側面を持つ店だ。
「……おいっすマスターおひさ。クラッカー2ショット。あと、面白い仕事あれば教えて」
賑わう店内。ゴロツキ同然の男共をすり抜け、カウンターへ向かう。
好みの酒と情報を注文し、そのまま店内を見渡せば、酔っ払いが喧嘩をしてたり、賭け事に興じてたり。
だからこの店は嫌いなんだ、騒がしいから、とぼやきつつも、情報と仕事のためだ、とため息を吐き。
届いた酒に口をつけた瞬間。
「……げぇ」
最近。つい最近見た顔を見かけた。っていうか目線がばっちりあってしまった。
■ノア > 「 .....ん、 どうも。」
果実酒の注がれたグラスに口をつけ、 鼻から抜ける爽やかな香りを堪能しつつ.. 一人一人へ、 気付かれない程度の視線を向ける。
「 ............... 」
数席空けてスツールに座るのは、 二の腕が女の腰ほどある男。戦闘力においてはかなり頼りになりそうだけれど.. だらしのない飲み姿は、 まるで脳味噌まで筋肉で出来ていそう。奥のテーブル席に座る男は飲み姿もスマートで、 なかなかのキレ者に見えるけれど.. 実戦において、 少々頼り無さそうな軍師タイプ。
( 思い付きで寄ってみたけど、 コネがないと下手に声も掛けられないし.. 無駄足だったかな。)
女は、 共に遺跡を攻略してくれるパートナーを探しに来ていた。いつだったか単独で挑んだ際には まるで歯が立たず逃げ帰り、 もうすっかり諦めていた攻略だったけれど.. どうやら "とある同業者" と酒を酌み交わした夜、 色々と刺激を受けた模様。
( これ呑んだら帰ろ..... )
グラスの中揺れる酒を溜め息混じりに見詰め、 何となく視線を上げてみると
「 .........っ、 居た。」
コネ、 あわよくばパートナー候補を発見。思わず挨拶や名前を呼ぶより先に、 心の声がだだ漏れた。
■セイン=ディバン > 馴染みの店とは、イコール好む店、とは限らない。
男としては、騒がしい店の中でも、客のレベルが低いこの店は正直好きではなかった。
(コレならまだ二本先の通りの店のほうが良かったな)
男が脳裏に浮かべたのは、ただの小さな酒場で、情報など入手できそうにない店だ。
だが、年配のマスターが熟練の技と経験で揃える酒と料理は絶品で、騒がしいが、客層も決して悪くはない。
(これ一杯だけ飲んだらそっちの店に移るか)
目の前で机が吹き飛んだ。筋肉質の男が凶器として使用してのことだった。
投げつけられたハゲ頭の男は、イスを持ち上げて反撃中。
ため息を吐いて酒を口につけた瞬間。そこで目線がぶつかり。
「……うわぁ、なんだよその顔、なんでそんな嬉しそうなの?
ってかアイツ今口の形で「居た」って言ったよぜってぇ碌でもねぇよ」
相手の顔を見ながら小さくぼやき、酒を飲む。読唇術で相手の発言は読み取ったが、意図までは理解できない。
しかして、ここで逃げ出せばおそらく相手は追いかけてくることだろう。
男は色々と諦めて、再度深いため息を吐くと、自分の隣の席を、ちょいちょい、と指差した。
一応、笑顔のオマケつきであった。
■ノア > 店内では、 荒くれ者特有の "ちょっぴり激しいコミュニケーション" が始まった様子。そんな事お構い無しに、 視線は貴方を捉えたまま。折れた椅子の脚が鋭い木片となって此方に飛んでくるのを、 ひらりと器用にかわしながら隣へと腰を下ろした。猫みたいに細めた目、 不敵に弧を描いた唇で
「 偶然がこんなに早く訪れるなんて.. 運命的な、 宿命的なものを感じちゃう。」
笑みは崩さぬまま、 台詞は舞台女優のように態とらしく。飲みかけのワイングラスを軽くかかげ乾杯求めてから、 先日とは違い上品に一口。そして..
「 .........で、 セイン.. 仕事探してない ? 」
探してて。探してるよね。ねぇ、 探してるって言って。─── 穏やかな笑みの裏に見え隠れする、 不穏な圧力。
■セイン=ディバン > ぶおん。吹き飛ぶ木片。がっしゃん。砕ける酒瓶。
終いには男共の喧嘩で賭けが始まっている。まさしく、盛り上がり最高潮、である。
そんな中を器用に傍へと寄ってくる女性を見ながら、さてどうしたことかねぇ、と呟きつつ、酒を呷る。
「……そうかぁ? オレはむしろ、呪いか良くない因果を感じるんだけど」
無論、お前みたいな美人に出会うのは歓迎なんだがな? とフォローをしつつ、乾杯に応じ、グラスの中の酒を一気に飲み干すと、マスターにお代わりを求める。
「マスター、ムーンシャイン。
あ? 仕事? いや、まぁ探してるけど。それがどうした?」
相手の言葉に少し引きながら答える男。実際、何か儲け話でも、と思ってこの店に来たのだが。
女性のその雰囲気が、あまりにも異質なため、男は苦虫を噛んだような表情だ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にノアさんが現れました。
■ノア > 「 ん ? ごめん、 よく聞こえない。」
呪いだの因果だのと言う貴方の声は、 喧騒のせいにして聞こえないフリ。ぎゃーぎゃーと大声で話したくはないから、 ゆるりと寄り添うように ほんの少し距離を詰め。
「 探してる ? やっぱり運命♡ 」
其処は聞き逃さない。しっかり復唱し、 強引に運命の押し売り。肩から羽織ったショールの中、 ベアトップドレスの胸元から 小さく折り畳まれた紙切れを取り出した。開いた紙を そっとカウンターの上で滑らすように差し出せれば、 とある遺跡の場所が記されていて。
「 まだ下見もしてないんだけど、 この奥で素敵なお宝が あたし達を待ってるとしたら..... 行ってみたくない ? 」
きらきらと 輝く琥珀色の瞳は、 穴が開くほど じぃ.. と赤い瞳を見詰め。
■セイン=ディバン > 「……ほんと。ほんっっっと、お前さぁ……」
シレッ、と言う相手に、もはやなんと言っていいのか。言葉も出ない男。
そのまま寄り添われれば、懐から細巻きを取り出し。
「タバコ吸いまーす。……。
あん? んだこれ。って……あぁ、そういう事」
宣言しつつ火を付け、女性の取り出した紙を見る。瞬時に、それが何かを理解した。雑な言い方をすれば、いわゆる宝の地図、の様なものだ。
「そりゃあまぁ、なぁ。冒険者稼業の醍醐味の一つだけどよぉ。
この遺跡、結構キツいぞ? 罠も敵も殺意高ぇし。
……あぁつまり、オレのスキル目当て、か」
自身の瞳をまっすぐに見つめられる。揺れる琥珀色の瞳は、そこらの宝石などでは及ばぬほど美しいが、素直に思惑にのるのは癪だった。
男はタバコの煙を相手に向かって吹きかけるようにするが、その顔が赤面しているのはバレバレだろう。
「まぁ、条件次第じゃ手伝ってやらんこともない。
報酬の分け前は何対何だ?」
とりあえずは、まず報酬の交渉をして見ることにした男。
条件が悪ければ、蹴ればいいさ、と。
■ノア > 「 偶然逢ったのよ、 それもこんな短い期間に二回も。これを運命と呼ばずして何と呼ぶわけ ? 」
其れを呪いだとか 因果だとか、 例え再び言い放たれようと聞こえないフリをするのがこの女。喫煙宣言には小さく「 ん 」と短く了承しつつ、 既に貴方が記された場所を知っていたとわかれば瞳の輝きは更に増して
「 なぁに、 知っていたの。そういうコト♡ 一人じゃ成し遂げられない事も、 仲間と手を取り心一つに力を合わせれば.. 的な。」
群れるのを嫌う癖して、 こんな時だけ仲間の素晴らしさを語る。そして一番肝心な、 報酬の話になれば..
「 二人で最深部まで進んで、 お宝もゲットして、 無事出口に辿り着く寸前..... 大切なパートナーが悲しい最期を迎えてしまう ── みたいなストーリーも悪くないけど.. ふふ、 冗談。
今回は挑戦なの、 攻略こそ一番の目的。って言っても欲しいもんは欲しいし、 6:4でどう ? もしとっくに荒らされてて何も無くても、 護衛の依頼分は充分に支払う。勿論、 先払いでね。」
■セイン=ディバン > 「……ん~。そう言われれば、そうなんだけどな?」
確かに女性の言うとおり。待ち合わせもしていないでこの短期間に二回も顔を合わせるのだ。運命と言えば……それっぽく聞こえないこともない。
しかして、男はそれを素直に認めたくないのか、頭を掻く。
「まぁなぁ。駆け出し冒険者が挑戦してはくたばってる。
この間、三人組の冒険者が見事に失敗して、遺跡のモニュメントになってたよ」
冒険者たちの中でも割と有名なこの遺跡について語りつつ、女性の顔をじっと見る。
どう考えても、仲間だの手を取り合うだのという思想の持ち主ではないのだが……。よほど追い詰められているのか、金が必要なのか。
「はっはっはっ。そん時はお前が痛い目見ろよ。いつか白馬の王子様が助けに来てくれるかもだぜ?
ふ、む。……それ、お前が6か? お前が4か?」
肝心要の部分を明言させようとする男。ぽかぁ、と煙を吐きつつ相手の姿を見る。
以前であったときとは違い、随分『らしい』というか。色気を隠しもしない、セクシーな装いだ。そこで男は顎を触りつつ提案する。
「お前が7。オレが3。必要な道具の類は俺持ちで用意する。金品以外の装備品とかは、完全山分け。これでどうだ? ただし……。
前金の報酬として、この間の約束、って訳でもねぇけどよ。一回俺に抱かれてみる、ってのはどうだ?」
■ノア > 「 冗談だってばっ.. あんなトコに置いてかれて万が一死んだりしたら、 絶対に化けて出てやるから。」
貴方が6、 女が4の取り分。収穫があっても無くても、 護衛依頼の報酬にしては充分な額を先払いする。そのつもりで条件を提示していた女は、 貴方からの返答を待つ間グラスに残る白ワインを くい.. と飲み干して ──
「 .........ぁ、 あたし が 7.. ?! 」
貴方から返ってきた条件は 何とも魅力的なもので、 危うくワイン噴き出しそうになり唇の端を指先で拭った。聞いていればツールも用意してくれるらしく、 そして何より貴方のスキルが破格の条件で付いてくるのだ。空のグラスを置き、 即答で握手求めようと手を伸ばす ── が、
「 .....っ、 抱か れ......... それ、 本気.. ? 」
道理で破格な条件の筈だった。貴方の手に指先が触れたところで ぴたりと動きが止まり、 僅かに頬が紅潮する。動揺でもしているのか、 此方に向かって飛んでくる酒瓶に反応も出来ないまま.. このままでは直撃か
■セイン=ディバン > 「カハハッ、こっちも冗談だよ。あんなとこに居たら、一日も持たないだろうしな」
相手の言葉に、掌を振りながら笑う男。そうして、優雅にワインを飲む女性に条件を提示すれば。
「そう。お前が7。ただし、中にお宝がほとんどなかったら、その時は必要経費くらいはお前さんが出してくれ。
悪い話じゃないだろ?」
補足で、空振りだったときの保険だけはかけておく男。実際、男は宝探しの仕事の場合、報酬よりもスリルを求めることが多い。
博打のようなスリル。しかも、命を落とすかもしれない最高のスリルだ。
相手が手を伸ばしてくれば、男もそれに応じるが。
「……本気も本気。超本気。言ったろ? ノアは美人だし、ぜひとも一度お手合わせを、ってな。
それとも、オレじゃイヤか?」
指先。触れただけの手を、しっかりと捕まえる。そのまま真剣な表情で相手の顔を見ていたが……。瞬間、振り向きもしないまま、男は飛来する酒瓶に向かって腰のリボルバーを抜き打ちする。
空中で破裂する酒瓶。男は不機嫌極まりないという顔で、喧騒を睨む。
「……クソタレ喧しい。こちとら重要な仕事の話をしてんだ。
ジャマするなら片端から、額に風穴開けてやるぞ。判ったら外で騒げ、このファッキンドランカー共」
この男が平時では出さないような、地獄の底から這い上がるような声色だ。
邪魔をされたのも原因の一つだが、それよりも、友人である女性に危険が迫ったのが一番大きな要因らしく。かばうように女性の肩を抱き、自身の方へと抱き寄せた。
■ノア > 「 確かに.. 条件としては悪くないどころか、 良すぎるくらい..... だけ、 ど.. 」
指先止まりだった手は、 貴方から握られてしまう。これまで "同業の顔見知り" でしかなかった相手を "異性" として見てみれば.. 鍛え上げられた無駄の無い身体、 切れ長の凛々しい目、 男らしい指.. 対象として魅力的ではあるのだと、 改めて認識させられて..
「 ............... 」
すぐ近くで弾け飛ぶ酒瓶にも、 青い顔して静まり返る酔っ払い共にも、 女の意識が向く事はなく。やがて店内が随分と静かになり、 貴方の視線が此方に戻る時まで.. 肩を抱き寄せられたまま、 黙って貴方を見詰めていた。
「 .........ん、 いいよ.. 前払いの条件。」
恥じらう乙女とも違う、 ドライに割り切った表情とも違う。今まで気付かなかった、 というよりも.. 今まで見ようとしていなかった異性としての貴方から、 目が離せないといったような様子で。
■セイン=ディバン > 「胡散臭い? 話が旨過ぎる? そうでもないさ。
オレとしても、宝があれば利益は出る。こう見えても道具やスキルは備えがあるからな、切れ掛かってる道具を買い足したりするだけだし」
途端、歯切れの悪くなった女性に男の方から言葉をかけていく。そのまま、握った手を、優しく撫でるように掌を動かし。視線は逸らさぬまま。
「……」
相手が無言になれば、男は一度酔っ払い共に意識を向ける。何人かが、生意気だ、やっちまえ、と口にするが。男は目にも留まらぬ速さでリボルバーを仕舞い、今度は散弾銃を、男共に向ける。
さすがに分が悪いと悟ったのか、暴れていた男たちは店の外へと出て行き……。後に残った男たちは、賭けの報酬を各々払ったり、懐へ入れたりだ。
「……ん? あ、あぁスマネェ。つい頭に血が上っちまって……。
提案しておいてなんだが、いいのか? 言っとくが、俺ぁ紳士的なリードとかはできねぇぞ?」
提案への返答を聞き、ようやく女性へと意識を向けなおした男は、抱き寄せていた体をゆっくりと離す。顔を赤くしたまま。自身から提案したことだというのに、バツが悪そうに言い、相手の髪へと手を伸ばし。鮮やかに煌く紫色の髪は、とても滑らかな感触で。
■ノア > 重要な仕事の話、 などと貴方は言い放ったけれど.. 抱き寄せられたまま じっと貴方を見詰める女のせいで、 重要な仕事の話をしているようには見えないかもしれない。店内の状況なんてまるで眼中にない女は、 呑気に貴方の瞳を見詰めたままだった。
( 綺麗な赤.. )
やがて、 怒りを含んだ低い声色から 普段と変わらぬ声色に戻った貴方が、 数秒前まで男共に散弾銃の銃口を向けていたとは とても思えぬ表情を浮かべた。其の変わりように小さく吹き出し、 くすくすと肩揺らしながら
「 .....っ、 自分から提案しといて何言ってんの。紳士的なリードなんて、 それじゃ報酬にならないじゃない。どんな風にしたら.. あたしはセインにとって、 "充分な報酬" になる ? 」
僅かな距離を残して離された身体。それならば、 どんなやり方を貴方は好むのかと.. 首を傾げて訊ねると、 触れられた長い髪は ふわりと揺れて。
■セイン=ディバン > 一触即発、といった様子の状況も、男の凄みのせいですぐさま収まっていく。
改めて女性との話を進めようとすれば、距離の近さに気付き、慌てて離れることになるのだが。何よりも、その近い瞳の、深い杏色。本当の琥珀のような美しさに、男は心を奪われる。
「笑うなよ……。その、俺だって、知り合いを抱く、なんて経験そう無いんだ。
こう、はっきり言えば、緊張してる。ましてや、ノアはスタイルも良いし、美人だしな。
……どんな風に? 変なことを聞くんだな、お前は。
どんな風にも何も……普通に、さ。普通に、普通の男女がするように、お前と愛し合いたいって言ってるんだぜ、ノア」
それとも、乱暴なのがお好みか? などと言いながら、男は目の前の女性の髪を撫で……。そのまま、相手の首に腕を回し、唐突に、荒々しくその唇を奪った。