2017/04/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 寂れた公園跡地」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 「おや、道に迷ってしまったね」

第一声がこれだから、凡そ間抜けだと思われるのだろう。
しかし、男は悪びれることもなく、しれっと愉快そうに笑っている。
路地を何度曲がったかはとうに忘れているし、気分のままに歩いたから道を覚えてすらいない。
ここから平民地区の大通りまで戻るにはどうすればいいのか――それすら分からない状態で、男は迷子を楽しんでいた。

「それにしても、うん。中々物寂しい有様だ。憲兵すら見張りに来ない」

貧民地区ともなれば、見捨てられているのかと思うほど。
やれやれ全く、と内心で独り言ちながら、公園の片隅にある、どうにか座れそうな椅子に腰かけた。
目の前には、桜色の花をつけた大樹。見上げれば星と月を背景に、淡くぼんやりと映るのが美麗だった。