2017/04/03 のログ
■スヴェン > 「それが判れば苦労はしないんだけどな」
地面におろした彼女が一瞬、顔をしかめるのを見逃さなかった
ぴょんぴょん、と跳ねる彼女を見れば、辞めなさい、と苦笑を浮かべて伝えて
此方を覗き込む彼女に向き合うようにすれば、彼女の履いたブーツの紐に手を掛ける
「シャルなんて重いうちには入らんよ…
ていうか、もっと重くなれ…ちゃんとメシ食ってんのか?」
ブーツの紐と解きながらブツブツと色々と垂れながら緩めていく
足を引き抜くだけでブーツを脱ぐことが出来るまで緩めれば、再度、彼女に背中を向ける
「ほら…早く捕まらないと出発するぞ?
ブーツは持ってやるから…脱いでから捕まれ…だいたい、怪我してるトコ歩かせて悪化でもさせようもんなら
おつかい頼めないって文句言われるのは俺だしな…」
そんな風に彼女を急かす
それでも遠慮するようであれば、むぎゅ、と尻の辺りを掴み強引に背負い込んでしまうだろう
■シャルレ > 「うー…じゃぁ…人になるときはスヴェンの耳舐める」
なにか合図を…頬を舐めても違う意味に取られてたし、普段甘えないとこで気づいてもらえるとこ…といえば、耳が思いついたから言ってみた。
飛び跳ねるのを止められては大人しく言うことは聞くように止まり。ブーツの紐が緩むことで、これ以上は彼を困らせてるようなことに気づき、
促されるように肩に手をついて背中にくっつくように乗っかる。
「ちゃんと食べてるよ?ご飯美味しいし、お腹すいて寂しくなることもないし」
昔に比べたら、毎食与えられるご飯には幸せなほど、お手伝いできるという些細な雑用でさえ楽しくこなしているほどだから。
「すぐ治るもん、スヴェン来てくれなかったら2・3日ジッと我慢してなきゃと思ってたの、
痛くて悲しくなってたの、だからスヴェンがみつけてくれたの嬉しかった」
背中に乗っかりながら自分よりも大きくて硬い、それでも暖かい背中に顔をくっつけて。
■スヴェン > 「…舐めなきゃダメか…まあ、良いけど」
他に良い案が思い浮かばず、彼女の言葉に頷く
頬をぺしぺしする、とかでも良いような気がするが、顎だと思ってたとか、伝達ミスがありそうなので
まあ悪くはないだろうと思う
彼女が背中にくっつけば、ひょい、とブーツを摘むようにして持ち、彼女を背負い立ち上がる
「…俺がシャルくらいの時は三倍は食ったけどな…
っても、人間で換算しても良いものか、怪しいとこだが…」
更には女性だから自分と比べるのはどうか、と思ったのは言葉を口にしてからであった
捕まったか?と彼女に確認すれば、ぽつぽつ、とまた歩き出す
「すぐ治るのか…野生というか、獣の治癒力ってやつ?
見つけたのは偶然だがな…なんか、猫の声、聞こえたような気がして…」
ぴたり、と背中に顔を寄せている気配が伝わる
自分もかつて、傭兵という生き方を教えてくれた父のような人物に背負われた事があった気がする
そんな事を思い出せば、歳を取るわけだなあ、とか思って苦笑が浮かぶ
■シャルレ > 「噛むのとか引っ掻くの、やだもん…スヴェン傷つけることしたくないし」
思い浮かぶのは舐めること、場所は迷うけど、とりあえず耳に勝手に決めてしまった。
「スヴェン食いしん坊?3倍もすごいね」
背中におぶさったまま、腕の中とは少し違う温もりを感じる。
彼の確認に頷けば、歩き出す歩調の緩やかな振動も心地いい。
「うーん、治らないかもだけど動けるかなって、前はもっとあったよ?
猫でいても蹴られたり…投げられたり、今よりもっと痛かったけどお使いもしてた」
思い出すのは今よりも昔。
あの頃の体の怪我と心の寂しさに比べれば、今は幸福に拾われた生活を過ごしている。
彼の背中に顔をつけたまま話を続けてた、少し…間が空いて伺うように聞いてみる。
「ねぇ、隊舎で足、看てもらったらスヴェンのお部屋いってもいーい?」
■スヴェン > 「俺だってそれは嫌だよ…」
痛いの好きじゃないし、と続けて少しばかり肩を竦める
食いしん坊、と言われれば、軽く吹き出して
「俺が特別、食い意地張ってるわけではないと思うけどな…
単にシャルの食う量が少ないんだと思うが?」
食欲に限らずあまり欲のない背中の彼女
それが元々なのか、それとも起因する何かがあったのか自分には判らないが何というか
この位の年齢の娘であればもう少し我侭であっても良いように思う
「…昔はどうだったか知らないし、今更どうにもできない
けど、今は痛かったり、出来なかったりする事は、ちゃんとそう言って良いんだからな?」
彼女を拾った、というか出会った時に過酷な運命を辿ってきていたことはなんとなく察してはいたけど
流石に直接聞くと、なんというかやりきれない気持ちにならないでもない
ただ、彼女や自分に限らず今を生きる者は少なからず辛い時期を生きてきたり、生きているのだと思う
「……ん?別に構わない
ちゃんと怪我見てもらって治療もしてもらえよ?」
■シャルレ > 「うん、じゃあ猫からかわる時は耳ね?
私少ないかなあ…でも残すとかしてないからね、ちゃんと食べてる」
今までが少なすぎたせいか、男性に比べ、彼に比べれば少食に入るかもしれない。
それでも残さず食べてるのは自慢っぽく話してた。
「うん…隊舎の人ね、みんな優しいの、スヴェンのおかげだから、今しあわせ」
無理な仕事を頼まれない、自分でもできること与えてくれてるから仕事への充実感もある。
彼が拾い連れ帰ってくれた時から、自分の生活は今までにないほど満たされたものになってた。
「よかった、スヴェンと一緒だとね、あったかくて眠れる、それに怖いモノが来ないの、」
今夜は追いかけられた後で、少し昔を思い出したこと…。
1人眠る夜は寝付けなくなったり、そのせいで怖い思い出を思い出し不安になることもすくなくない。
背中に揺られながら、自分と同じ髪の色をした彼の後ろ姿を見つめていて。
■スヴェン > 「育ち盛りだろ…もっと遠慮なく食え、働いてるんだしな」
つい、育ち盛り、と口にしたがよくよく考えれば彼女が見た目通りの年齢なのかはよくわからない
ひょっとしたら自分より年上なのかもしれない、と思えばあまり言及しないほうが良いような気もする
「そうか…そりゃあ良かった
シャルはよく働くしこっちも助かってる」
元々、前科者やら少数部族やらなんやら、と変わった経歴の持ち主が多い部隊であったから、
彼女を白眼視するようなものもいないのかもしれない。良い意味でも少々危ない意味でも
彼女を部下は可愛がる…まさしく猫可愛がり、というやつなのかもしれない
「…魔除けか、俺は…」
彼女の良いようにクツクツと愉しげに声を上げて笑う
そんな会話をするうちに隊舎が見えてくる
彼女を背負ったまま、隊舎のドアをくぐれば、退屈そうにしていた部下が暇つぶしを見つけた、
と言わんばかりに背中から降ろされた彼女へと近寄っていき、隊長にいじめられたのか?なんて
誂いながらワシャワシャと頭を撫でようとするはずである――……
■シャルレ > 「わかった、スヴェンが言うならがんばってみる」
彼なりに心配してくれてるんだろう言葉が嬉しくて背中でクスクス笑い、仕事にも褒めてくれる言葉に顔を見てないのに、照れたのか顔を肩のとこにグリグリ押し付けるようにしての照れ隠しの行為を…。
彼が連れてきてくれた夜もいつの間にか眠ってしまってた、気づけば知らない顔に囲まれて、隊長へ冷やかしが飛ぶ中、見ず知らずの自分によくしてくれた人たち。
「そう私のお守りみたいな?スヴェンのベッドで眠るの好き、あったかいし、怖い事も起こらないから」
まさに安心の万能部屋のような例えに自分でも、いい例えだと満足してた。隊舎に戻るとまた数ヶ月前のように囲まれて、フードを外せば白い耳を伏せてると周囲から手が伸びて撫でられまくる。
いつものことだけど、このもしゃもしゃに撫でられるのも悪くない。
近くの椅子に座らされて、足を看てもらう軽い捻挫らしく、足首をぐるぐるまきにされて…完成。
約束どおり足も見せて治療もしてもらった、お礼を告げて彼のもとに、背中から体当たりするようにして。
「スヴェン終わったー、すぐ治るって」
■スヴェン > 隊舎にたどり着けば彼女を下ろし迫る部下達の輪から少し離れる
わしゃくしゃにされる彼女を眺めていれば狐のような顔をした副官がいつの間にか隣にやってきて、
あーせいこーせい、あれがないこれがない、と言ってくるのを慣れた風に聞き流す
そんな事をしている内に背中にずしん、と突撃してこられ、これ辞めさせたほうが良いのかな…
とか、思いつつ周囲に残った部下達へ視線を向けて
「ん…はいはい、今夜は解散
倉庫の酒が減ってきてるようなのでカンパは歓迎。詳しくは副官まで頼むわ…」
俺は酒はやらねえとか、副官が着服するんじゃねえかとか、わーわー言い出す部下達にクツクツ笑いながら、
彼女をひょい、と抱き上げれば、残った面々におつかれーと告げて彼女を姫抱きにして階段を上がる
自室までたどり着けばそっと彼女をベッドに寝かせて羽織っていた上着を脱いで
髪を結ぶ革紐を解けば、かしかし、と白い髪を掻きながらベッドに横になる
「…よし、抱枕役を命じてやろう」
彼女に腕を伸ばすと、今日一日、何をしたというわけでもないのだけれど眠気が訪れて、ふわと欠伸を零した
■シャルレ > 今では知った顔に囲まれ、隊長に対するひやかしや、ヤジっぽいやりとりも楽しそうに聞いてる。
隊舎の中では姿も晒せるし、よくしてくれるからお返しも頑張りたくなる、また仕事へもやる気が沸く時。
彼に運ばれて部屋の中へ、ベッドに座るとそのままモソモソ毛布の中に入る。
遅れて彼が楽な格好になって一緒にベッドの中に…。
「抱き枕役?…はい」
最初はなにかわからなかったけど、気づけば楽しげに笑って返す、手を伸ばし彼の胸元くらいの位置に体を寄せていく。
大きな背中、暖かい腕、ベッドの中でも変わらず、どこよりも安心できる。
先ほどまで、追いかけられてた怖さなど、ころっと忘れたように、彼の頭に手を伸ばし撫で撫でと動かして。
「スヴェン、ありがと。いいこいいこ」
撫でられるとうれしいのは猫のせいか、自分だけとは思っていない、彼にも感謝を伝えたくて。
■スヴェン > 彼女がベッドに入りモソモソする様子を眺めながら上着を掛けて、机の上に革紐を置く
ベッドに横になり、腕を伸ばせば胸元へ身体を寄せる彼女を緩く捕まえて軽く抱きしめるような姿勢
「良い子って歳でも無いのだよなあ…」
ううむ、と唸りながらふにり、と彼女の耳に触れたり髪を梳くようにして撫でてみたり
眠気に意識が遠き始めるのを感じれば、そっと彼女の髪に口付けを落として
「…おやすみ、シャル…
夜中なんかあれば遠慮なく起こせ…」
くわ、と大きく欠伸を零せば、ぽす、と彼女の頭に鼻先を軽く寄せてそのまま、すー、と寝息をたて始める
■シャルレ > 緩く腕の中に閉じ込められる。
何度となく繰り返す部屋で眠る前のこと、じゃれるように体を寄せて自分の落ち着く場所を胸元に見つければ顔をくっつけて、髪に触れる指の感触唇の感触を感じ。
「うん……おやすみなさい」
彼がいれば、おそらく大丈夫。昔のこと、怖くない怖くない…と言い聞かせるように
寝息が聞こえる呼吸の音、鼓動のリズムが1人じゃないことを伝えてくる。
隊舎の中にまで追いかけてくるような者はいないのだから、彼の寝息を聞きながら、自分もすぐに意識を手放していった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシャルレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からスヴェンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区宿屋」にリリシアさんが現れました。