2017/03/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にゼロさんが現れました。
ゼロ > 王都にも、こう言う場所がある。
 お金がなく、生活に困った人々が寄り添い集まり、暮らしていく場所
 いろいろな言い方があるが、共通しているのは闇がここにあるということである。

 犯罪とか、そういった物も含めて。

 だからこそ、少年は今日、ここに来ている。
 別に警邏に来た、とかそういう訳ではなくて、必要なものを買うために。
 傭兵をしているときは気軽く足を運べたが、今は傭兵ではなくなっている。
 ホイホイ来ていいのかどうかは判らなかったが、まあいいかと。
 少年は奥まった所にある薬屋に足を運ぶことにする。
 非合法な薬品を取り扱っている、麻薬と言われるモノや、毒薬、劇薬を扱っているお店。

 白い仮面の少年はそのまま、何事もないかのように扉を開き、店に入る。
 店の中には誰もおらず、くちた店舗がそこにあるだけだった。
 少年は店に入ったらすぐに扉を閉め、足元の隠し扉から地下へと降りる。

 本当の店は、地下に隠されているから。

ゼロ > 隠し扉の戸を閉めて、薄暗い階段をゆっくりと降りていく。
 少年のグリーブがギシ、ギシと木の階段を踏みしめて降りていく。
 明かりなどはなく、深い闇がそこにあったが、階段を下りきると目の前に明かりの漏れる扉。
 そして、扉の両脇に影に溶け込むような形で二人の用心棒。

 一歩、二歩歩いたところで足を止める。
 懐から一枚の木札を取り出して、二人の前に放る。
 この店で買い物をするために必要なそれは一度ごとに彼らに返さねばならない。
 そして、また別に必要な時に、別の場所で手に入れる必要がある。

「夜の闇の月の下。」

 そして、合言葉。
 毎回違うワードを渡され、それを言えなければ木札があっても買い物ができない。
 厳重にも程があるが、それだけのものなのだ。
 少年は、扉が開くのを確認してから近づき、中へとはいる。
 中はそこまで広くなく、一人の女性が紫煙を燻らせながらカウンターに座っている。
 当然といえば当然だが、ほかに客はいなさそうだ。

「いつものを10セット。」

 何度も足を運んでいる。
 店主とも顔見知りである、顔は見せてはいないが。
 いつものといえばわかってくれる程度には利用している。
 詮索も雑談もなく淡々と薬の入った袋を出してくる。
 中身を確認する前に金貨の入った袋を出す。
 お互いに、袋を開いて中身を確認。

 問題ないことを確認してから、それをバックパックに入れる。
 そして、店を後にする。

ゼロ > 帰りは帰りで行きとは違う扉を案内され、その扉を開き、はしごを上る。
 はしごを登りきれば、また隠し扉を開いて閉める。
 そこから通路を少しの間進み、扉を開けば別の建物から出る。
 ここの主人は少しどころでなく警戒心が強いようだ。
 扉を閉めればこちらからは開けられなくなる仕掛けのある扉らしい。
 もう店に用はないし、戻ろうとも思わないので、しまった扉から視線を外して貧民地区を歩き始める。
 周囲は娼館が多く立ち並び、人を招いている。
 それだけではないのだろうが、それが多すぎて、視線に困る。
 肌も顕な女性の艶かしい姿というのはあまり見慣れてないから。
 どう対応すべきかもわからないので、取りあえずは仮面で視線がわからないことをいいことに道を進む。

 ちょっとお腹が減ってもきたし、なにかつまめる料理屋とかないかなあと、こんな場所で探してしまう。
 店があれば人がいるし、人がいれば食べ物を取り扱っている店があってもいいじゃないか、と。
 できれは持ち帰りのできるたぐいの店がいいな、と歩きながら店を眺めて。

ゼロ > まあ、そういう店がすぐ見つかるわけでもなかった。
 このへんは、先程の闇商人のところに足を運ぶ以外にはあまり来ない。
 つまり、あまり土地勘というものがないのだし、娼館がひしめき合う中にこっそりとあってもわかりづらいのもある。
 見つけられないか、と落胆したため息をこぼして見せて、少年は足を進める。

 まあ、兵舎に戻れば食事はできるから。
 今日のところは諦めて大人しく帰ろう。

 夜の闇の中に、全身鎧の少年は消えていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からゼロさんが去りました。