2017/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシャーロットさんが現れました。
■シャーロット >
がやがやとにわかに騒々しい貧民地区の一角
そこに町の見た目に相応しくない絢爛な装飾の馬車が止まり、遠巻きに人の関心を集めていた
「本当に何もないの~?」
鈴のような少女の声
少女は、こ汚い汚れのこびり付いた小さな家屋の前に立っている
家屋の入り口からは痩せこけた老人が顔を出し、必死に何かを訴えているようだった
■シャーロット >
「お隣も、お隣も、ちゃあんと税を納めているわよ?
この辺りだと、渋っているのはあなたのおうちだけなの」
人差し指を自身の顎に当てて、その表情を動かう
──本日は、公務
徴税監査官としての顔をもつシャーロットの、公的な職務である
どうやら老人には支払うべきお金がなく、その理由を必死に説明しているようだった
■シャーロット >
曰く、騎士団に所属していた息子が戦場で怪我をしてしまった
曰く、自分も病気で働きに出ることができず、なんとか命を食いつないでいる
「それ、先日も同じことを聞いたわ」
じっ…と玉虫色の瞳が睨めつける
「ま、徴収できるお金がないなら仕方ないわね」
やれやれ、と肩を竦めて踵を返す
「他の家と同じく、金銭価値のあるもので徴収させてもらうわね」
老人の顔が困惑に彩られる
しかしまるで情けなどなく、従騎士達が老人の家の中へと押し入っていく
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 貧民地区での買い物を終えての帰路の途中
何か騒がしいと思い視線を向ければここに不似合いな馬車と騎士達
遠巻きに眺める者に話を聞けばどうも税の徴収らしい
「それは...まぁ仕方のないことですわね」
王都に住んでいる以上税を収めるのは当然の事
老人には悪いが私財を差し押さえられても立ち退きを迫られても仕方ない
徴税には分不相応な装備の騎士達が突入するのを眺める
「あら?...最近の徴税官は面白いですわね♪」
ふと気付く
騎士達に指示を出す女性に
一目で分かる上等な衣服としみや傷が一つもない肌
金糸のような髪と見たことの無い色の瞳
人形が動いている様な錯覚を覚えそう
■シャーロット >
家具でも、武具でも何でも良い
金銭がないのならば別のことで支払うべき義務がある
それをただただ、無慈悲に遂行するだけ
やがて従騎士達が家から出てくると、
恐らく老人の孫であろうか、見目麗しいとも言えないが、幼い少女の姿がある
「あら、いいのがあるじゃない♪
ジジイが働けないなら、代わりにお金稼いでもらいましょうね~」
名案ね、と手をぱんっと打って
必死に食い下がろうとする老人を蹴りつける
「それじゃ、今日はこれでいいわよ。
しばらくはこの子が稼いでくれるんじゃないかしらぁ?」
必死に許しを請う老人を尻目に、馬車へと歩いていく
その途中で視線を感じて、そちらを振り返る───
いまいち貧民地区には似つかわしくない姿の少女を眺めて、不思議そうに視線を向けて
「なぁに?お嬢さん」
■カレリア > 「あら♪」
騎士達が持ち帰ったのはまだ幼い少女
老人の代わりにお金を稼ぐ
その意図を理解して食い下がる老人は蹴られ地面に倒れた
見事な手際の一言である
「いいえ、只の徴税であれば通り過ぎていたのですが面白い発見ができましたので足を止めていましたの」
袋を片手に一礼
公務を遂行する者に無礼は働けない
「見事な手腕でしたわ。同じ女性として尊敬いたします♪」
騎士達を統率する能力と同性の子供を売り飛ばすことを躊躇しない無慈悲さ
嫌味などではない素直な感想を口にする
■シャーロット >
「徴税監査官となれば誰でもこれくらいはするわよ♡」
この状況を見て見事な手腕を評する彼女は、少なくとも貧民の出ではなさそうだ
服装、容姿から見てもそれは明らかではあるが
「それだけ?ならもう行かせてもらうけれど」
今日の公務はこれで終わりだが、仕事が終わればそれはそれで日が落ちるまで遊ぶものだ
幼い少女を大きな馬車へ押し込む騎士達を尻目に踵を返そうとするが…
ふと、今しがたまで視線を送っていた少女、カレリアに何か既視感を感じる
正確には既視感ですらない、一種の感覚が触れるような───
見た目も雰囲気もまるで違うものの、従者の一人であるマリアベル、彼女に近い何かを覚える
「───ねぇ、貴女お名前は? それで、何者?」
くすっと口元に浮かべた笑み、どこか本能的に嫌だと思わせるような表情を滲ませる
■カレリア > 「かもしれませんね、ですが貴女は少し特別に見えたので♪」
過度な暴力を振るうことはなくそれでいて最大限の成果を獲得
公務をこなす者として完成した行動を年もそう変わらない女性がこなした
それが珍しかった
「私はカレリアと申します。とある方の従者でございますわ♪」
何者と問われればそう答える
嘘ではない、しかし少し真実には足りない曖昧な答え
あまり好きになれない笑顔を浮かべるシャーロットに笑顔を返す
本能、直感を表に出すような真似は普段からしていない
「今日は私的な買い物に来ただけですが、何か?」
笑みを浮かべたまま小さく首を傾げる
相手に不快感を与えない笑みを浮かべたまま
■シャーロット >
「こんな町を歩く人間が相応以上の人を見る目があるなんて、驚きだわぁ」
くすくすと笑みが続く
シャーロットが過度の暴力を振るわなかったのは、
あくまでこれが公務であるからに他ならない
これが公務でなく私事ならば……話は別だっただろう
直前に執事から釘を差されたのもあったのかもしれないが
「こんな辺鄙なところでお買い物…ふぅ~ん、
それで、とあるお方ってどなた?」
誰かの従者であるとするなら、完成された立ち振舞も納得である
しかしそれよりも興味を引いたのは、おそらく彼女が自身の従者、
マリアベルと同じく半人半魔の存在だろうということ
似たような従者を持つとなれば、その主にも少しだけ興味が湧くというものだ
■カレリア > 「用事が無ければここにも来ませんわ♪
お褒めに預かり光栄です」
やはり、この女性は何かある
ただ公務をこなす者ではない何か...
「ここには色々と珍しい品も流れてきますので♪
私のお使えする方についてはあまり他言するなと命じられていますので、ご容赦くださいませ」
公務を遂行するシャーロットの問いに答えない
それが何を意味するかは理解している
けれどここでその話をするわけにもいかない
もし話してしまえば少し面倒なことになる
「貴女様と2人きり、もしそうなる機会があれば秘密で打ち明けて差し上げますわ♪」
悪戯気な笑みを浮かべる
■シャーロット >
「ふぅん……わかったわぁ。
それじゃあ時間の在る時にでも、王城の私室に来ていただけるかしら?
"フェルザ家の私室"と言えば王城の人間なら誰でも知ってるわ」
一応話も通しておいてあげる、と付け加えて
本来ならば従者は主の名を誉れとして挙げるもの
他言するなと命じる者など、少なくとも王国に何人いるだろうか?
「それでは、お待ちしているわね、カレリア」
ドレスを翻し、従騎士がその手をとって華美な馬車へとその姿を消すシャーロット
ほどなくして馬が嘶き、ガラガラと馬車は貧民街を出ていくのだった
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシャーロットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からカレリアさんが去りました。