2017/01/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にユークリッドさんが現れました。
■ユークリッド > 夜の貧民地区、路地裏。
その片隅の袋小路で、少年は囲まれていた。
右手には明日の朝食用に買った干し魚、左手には銀の杖。
得物を構えるなど、賊に襲われているのか――というとそうではない。
「……このお魚はボクのですから、あげられませんよ!?」
言葉に変えるのは「ふなぁご」「にぁー」「ふなー」という鳴き声。
目の前、数匹の猫がじりじりと、少年――ではなく、その手の魚を狙っているのだ。
金の、夜を見通す目と視線が合って、金色の眼差しが見えて。
隙を作り出すべく、杖で牽制しながら、どこに逃げ込むかを考えていた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」にアッシェさんが現れました。
■アッシェ > 闇夜に紛れる夜の仕事人。貧民地区の路地裏だろうが
屋根の上を滑らかに動くさまは 盗賊かそれに準ずる技能を持って行えること。
何時もの道が屋根であった為 あまり屋根の材質が宜しくない中でも
路地裏が見える一角にて脚が止まれば、路地裏が見える屋根の上からじっと見つめる瞳。
猫がたくさん とある少年を囲っている。
猫は飢えているらしい。此処近辺の猫は「ある意味」非常に獰猛だ。餌を己が力で得るのに手段を選ばないという事で。
夜目が利くので 少年が何を持っているかを―干し魚!あれはあれはちびちびと齧ると美味しいという代物。
一寸 気まぐれだが 少年を囲っている猫の近くに マタタビとササミの塊ををひょい ぽーいと投げてみよう。
猫がそれに気を取られてくれれば 僥倖。一寸様子をうかがうのだ。
■ユークリッド > それは一時間以上の死闘だった。
猫の気配を読みながら、懸命に杖を振るう。
猫を傷つけないようにしながら、猫の移動する先を塞ぐのだ。
しかし、少年は杖術の達人と言う訳でもなく、それ故に幾度か猫に飛びかかられることもあった。
それをどうにか避けて、しかしもう後ろは壁。引くに引けない状況になった。
猫が痺れを切らすのが先か、それともこちらが根負けするか。
刹那、猫が一斉に後ろを振り向いた。そして、顔が放物線を描く何かを見る。
またたびとささみ――猫の大好物が二つ、ぽとりと着地。やがて始まるのは猫同士の争奪戦だった。
野生の猫は、その体躯の割に獰猛で、取っ組み合いの喧嘩のような様相を呈す。
その最中を隙と見ながらも、しかし猫が怪我をするのも忍びなくて。
結局魚を与えてしまおうかと葛藤しながら、とりあえず横をすり抜けて、移動できる位置についた。
そして、きょろきょろと、この機会を作ってくれた、何者かを探し始める。
■アッシェ > 一寸した小道具を持っていた、マタタビにササミに団子等。
ちびちびと食べる事が出来て 忍び込んだ先に犬猫を黙らせたり気を反らさせたりと使う小道具たち。
二つしか投げなかったのは 倍にいる猫の闘争心と独占心を擽る為であって、投げれば予想通り
少年の持つ干し魚より 格段に栄養価の高いササミと一寸気持ちよくなれるマタタビの魔力に惹かれたのか
「ぎにゃー」「ふにゃああああ」とか鳴きながらびったんばったんごろごろと取っ組み合いの喧嘩と化した。
暫くか猫が納得するまで続くだろう、とそこまで見てから屋根の上から猫を眺めていた黒い影は
少年へと漸く視線を向け 屋根の上から 少年の近くに音もなく猫の様に軽やかに降り立つのだ。
「おもろいことになりました、な? おにーはん。
マタタビとササミをおのれのモノにひんと 喚く猫の哀れさ」
着地の体勢からゆらぁりと立ち上がれば 何処となく訛ったのとはんなりとした喋り口調でにこやかに言葉を発す。
■ユークリッド > 猫達の騒がしい喧嘩を潜り抜け、一呼吸を置いた後の事。
目の前、最終的には三匹がまるで団子の様になって、転がりながらのバトルロイヤル。
他の猫は彼らに恐れをなして逃げてしまった様子で、これが事実上の決勝戦だ。
そして、ふと気づくのは僅かに上の方で何かの動く気配――気のせいかとも思えるほどの感覚。
それを捉える事ができたのは、少年が頭上にたまたま気を配っていたからに他ならない。
あるいは、頭上の気配があえて、気づけるように跳躍してくれたのかもしれない。
しかし、音も立てずに着地するその姿は見切れなかったらしく、掛けられた声に初めて、びくりと跳ねながら振り返った。
「わわっ!?……っと、き、キミが、助けてくれたの?
――ありがとう。ただ、うん。こうして喧嘩になっちゃうと少しだけ気の毒だね」
うーん、と少し悩んでから、干し魚の束から一匹分を抜き取り、通りの奥目掛けて放り投げる。
それ以上はあげられないが、喧嘩を続けるのもなんだから。そんな、甘い少年の考えを体現した礫だ。
やがて、少年はふぅ、と息を吐いてから、改めてはんなりとした口調の彼女に、笑みを向ける。
「ん、ごめんね。ボクは甘いから、こうしちゃうかなって。
でも、お陰で全部取られずに済んだし……明日の朝のおかずは守れたよ」
訛りについては、変わった言葉を話すなぁ、という程度に受け止めて。
すっかり上機嫌になった少年は、ほんわりにこやかだった。
■アッシェ > 猫が三匹になろうが それらが取っ組み合いの争いになっても
賽を投げた張本人は最早、全く気に留めていないのだ。どれが勝利しようとも女にとっては小さき事。
猫が争う様を背景音楽とするには聊か喧しい物もあるが、それは致し方ないものとして放置するに限る。
殆ど黒づくめにして露出度が高い方ともいえる服装に武装過多。
闇に溶け込む色合いにして夜闇に乗じてお仕事を致します的な風貌で少年と対峙しよう。
「うちは気まぐれや、困っとうおにーはんにゃ、
猫は ぶっちゃけとうと、魚より肉の方が好みなん。
魚も好きっちゅうけど ちと試した事あるさかいな やっぱり 肉やった。」
猫はマタタビとササミを肴に争っていたが 干し魚が一匹分 通りの奥に投げ込まれると
其方にも一匹争いから抜け出て―それに飛び掛かろうとする マタタビとササミと干し魚 より取り見取りの争奪戦が再び。
其れもやがて 決着がつくと 方々 各々 餌を口にくわえて去るだろうか。
「甘にゃーあ。朝のおかずが淋しい事になるえ。
ここら辺の猫は獰猛にゃんこやから おねだりされとっても断るんや、そないしないと
根こそぎ 根こそぎ しゃぶられてしもーで?」
甘ぁにゃ、すすすっと少年の方へと近づける事が出来れば
あまり猫に餌やるのも あかんやで、と言葉を返すに留まろう。
どこか艶っぽくそれでもまた にこやかに振舞っており。
■ユークリッド > こうして猫の戦いは終結を迎える。各々が自分の獲物を咥えて、夜の闇に消えていくのだ。
それぞれが己の欲するものを抱えたのだろうか、と思いながらその背を見送る。
そして少年は、改めて彼女へと向き直り、その容姿を見て、服装を見て、顔を赤くしてそっぽを向いた。
煽情的ここに極まれり、とでも言いたげな衣装で、その上に何やら色々身に着けている。
それが刀剣の類だと理解すると、そういうものかと理解して。
「あぅ、その、すみません。あ、あまり見つめてしまうのは非礼ですよね!
……とと、そう、なんですか?お肉持ってなくてよかったのかなぁ、うん」
そもそも女性の肌を見ることには慣れていないし、真面目な性格だから初心である。
それに加えて容姿が女性的なことから、男女を問わず揶揄われ、あるいは弄られるのだが、それでも慣れないものは慣れなくて。
どぎまぎ。跳ねる心臓を確かに感じながら、しかしそれに流されることは、理性が許さなかった。
「ん、ボクが我慢すればあの子たちはとりあえず、喧嘩しないで食べられるから。
それじゃいけないってわかっててもついね。うぅ、根こそぎは嫌だなぁ……。
って、ちょ、ちょっと、近い、近いってっ!?」
にこやかな笑顔とともに向けられる艶っぽいふるまい。
その妖艶さに過剰反応してしまいながら、少年は慌てて距離を取ろうとする。
――何せ、魅力的な女性を見ると発情してしまうように、躾けられてしまっているのだから。
■アッシェ > 表の時と裏の時と、服装が全くを持って違う。今は裏の時、お仕事装束と言うもので呼ぶとして
羽織を脱げばほぼ体のラインを見え放題な蠱惑的な服装にソードブレイカー、小太刀に短刀、他投げナイフという。
一応見た目にもそれらの重量も各々あるから普通 音が鳴ったり動きは鈍くなると思うが、
鈍くなっておらず 先ほど音もなく着地した当り 腕前は悪くはなかろう。
「え?減らんもんやし 見つめてもえーんやぇ?
肉団子とかササミとか干し肉とか持っとうやぇ?いつ飛び掛かる動物がいても
大抵は 肉類で逃れられるぇ?気を反らす意味でもっとき。」
上半身はわりと肌色は少なかった 問題は下半身だ。際どい部分しか隠していない主に股間部分。
少年がなんで 視線を逸らすのが分かっているのか気づいているのかはたまた気づかない素振りをしているのか
すすすっとぴとっと寄り添おうとして 慌てた素振りで少年が距離を取る様を 不思議そうに首傾げて見つめる女は
「近い? なんで 逃げとう?根こそぎ根こそぎ いい響きや。
うちから 逃げようっていうことなん? 視線も合わせんて イケナイ子や、なぁ? おにぃはん。」
艶っぽくいやらしい笑みを浮かべて 己の唇に舌を艶やかにぺろっと舐める仕草も振舞って
視線も合わせようとしない少年の態度に いけない子やねぇ、とよりぴとぴとっと寄り添おうと動く。
煽情的に脳髄蕩けさせる様な甘声のはんなり言葉で いたいけな少年を言葉巧みにどうにかしようと。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 路地裏」からアッシェさんが去りました。