2016/12/15 のログ
ホウセン > 冷える中を歩いてきたせいで、妖仙の頬はほんのりと紅い。とはいえ、純真無垢そうで可愛らしいと評価されるには、幾つかの要素が欠乏しており、幾つかの要素が過剰だ。一例を挙げるなら、緊張感とか殊勝さがごっそりと抉り取られており、自信とかふてぶてしさといったものが山盛りという具合に。ともあれ、女主人による、”客”として扱われるかどうかの審査はパスしたらしいと知れると、扉の傍から一歩進む。空気は淀んでいるが、冷気に当てられ続けるよりはマシと、一心地ついた風情。

「眼鏡にかなう…というのも、お主には聊か馴染まぬか。よい、儂の財布の重さへの疑念が拭えたのなら、後は些事じゃ。して、この娘とな。」

一度、女主人に向けていた視線を、指名の声に応じた娼婦へと引き戻す。確かに場末――本人達には、口が裂けても言えないが――の娼館で見かける水準から一つ二つ抜き出ている。掘り出し物というのなら、確かにこの娘こそ当て嵌まるだろう。腕を組み、右腕の肘から先を曲げて、己の頤に手を添える。”事情”というのが、この街では酷く剣呑に聞こえなくもないが、ではカウンターなりテーブル席で、肉体労働者と思しき髭面の男達に酌をして媚を売っている別の女達を指名するかといえば…

「よかろう。この娘で……何ぞ、儂の方が遊ばれるかの如き戯言を吐いておるようじゃが。」

当人は不本意そうに眉根を寄せるが、世間一般から見たら、見た目の年齢も体格劣る妖仙の方が”遊ばれる”と予想されようものだ。トテトテと女の傍らに寄り、両腕を組んで踏ん反り返る。

「ホウセンじゃ。娘よ、宜しく”遊んで”くれんかのぅ?」

名を明かし、最終的な売買の是非を問う。事のついでと、座している女よりは高い視点である事を活かし、胸の膨らみの谷間が覗けぬものかとチラチラ。応諾が返ってくれば、料金の支払い方等、この店のルールの説明を求めるだろう。

ヴィヴィアン > 「ふふ、ホウセンくんね。お貴族サマみたいだけどその様子だと結構遊んでるみたいねぇ。
 ――顔もかわいいし、いじめがいがありそう……。おねーさん、今日は意地悪しちゃうわよ?」

妖艶に笑う女の衣服は、胸元も大きく開いており胸のラインが良く見えた。
しかし、それを覗き込もうとする仕草は相手にも伝わったらしく、ヴィヴィアンは不敵な笑みを浮かべながら、
あなたの股間にゆっくりと足を押し付けて。

「アハ、もう我慢できなくなってきた? いいわ、部屋にいきましょう?
 こんなのより、もっとイイコト――貴方が言ってたみたいに、現世から足を踏み外させてあげるから。」

ご案内:「王都 貧民地区」からヴィヴィアンさんが去りました。
ホウセン > 女が漂わせているのは、年上の余裕という奴だろうか。だが、余裕というのなら、妖仙も負けず劣らずの有様で、公衆の面前で股間を刺激されても、踏ん反り返った姿勢を崩さない。

「呵々っ、その意気は良し。桃源郷とやらに連れて行ってもらうとするかのぅ。」

傍から見たら、お子様が背伸びをしているだけに見えるだろうが、真実が披瀝されるのは未だ先の話。今は只、娼婦の案内に身を任せ、個室へと河岸を変えるのみ…

ご案内:「王都 貧民地区」からホウセンさんが去りました。