2016/10/13 のログ
ソル・グラディウス > 「確かに、それは一理ある」

自分の剣の柄をわずかに触り、黄金の瞳にぼんやりと光が宿る。
ニコニコしているだけではない彼女に少しばかり驚きつつも、月明かりに照らされる貧民地区の建物の屋根と
遠くで見える平民地区の灯りを見る。

「月見は普通団子だろ。いや、それは東洋の風習か…有難く頂く」

林檎を受け取れば、適当な位置に座ってそれを齧る。
みずみずしいそれの甘味が口の中に広がり、美味しそうに何度も噛みしめる。

「……ソル・グラディウス。俺の名前だ」

リンゴを飲み込めば、唐突に自己紹介をする。
恐らくお礼のつもりなのだろうが相手にとっては特に有益な情報にはならない。

シンシア > 「でしょ、ちゃんと褒めて」

ニコッと笑みを浮かべながら軽く返す。
リンゴを受け取り食べてくれるのも満足げにして

「おにーさん、素直な人ね。今、あったばかりの私からの食べ物
食べちゃって…毒入ってたら危ないのに」

信用してくれたのだろうか、迷うことなく食べてくれた果物
そんな細工は元からしてないけれど、突然、名乗られたことに

「私は、シンシア、今住んでるとこは、あっちのほう」

お返しのお返し、相手が見てるだろう平民地区の明かりのほうを指さしながら

ソル・グラディウス > 「はいはい、偉い偉いいい子いい子」

褒めてと言われ、適当にそう褒める。
内心ではわざわざ賞賛を強請る歳でもないだろとツッコミを入れる。

「別に、俺は命を狙われるようなこと…たくさんしてるな。」

彼女の言葉を聞き、毒が入ってた時のことを考えると身の毛がよだつ。
自分は様々な依頼をこなしている故、嫉妬や私怨の対象になることが多い。
毒を入れられて素直に死ぬ身ではないが苦しいのは嫌な様子で林檎をシャリシャリと食べ進める。

「…俺も平民地区の方に住んでる。…職業は?冒険者か?」

指している先を見るとそう返し、彼女の身分を聞いてみる。

シンシア > 「やっぱり、素直な人」

本当に褒め言葉をくれるやりとりが、楽しくなる。

「ソルは、悪いこともするの?命狙われるようなって…」

相手の返事に、やや驚き視線をリンゴを食べてる姿に戻す。

「同じ地区なのね、じゃあどこかで会うかもね。
 私は、んー…例えるなら、なんでも屋さん?」

この国の騎士には属してないこと、町の何気ない小さな用事でも頼まれれば
なんでも手伝ってしまうことを説明する。

ソル・グラディウス > 「…うるせぇ」

楽しそうに自分を褒める彼女にそう返す。

「ギルドの依頼でな。
 世の中クリーンな仕事ばかりじゃねぇって事だ」

驚いてる様子の彼女にそう返して、林檎を食べ進める。
林檎は既に大半が消えており、あと一口で食べ終えるところで口を開く。

「万屋って奴か?しっかりと仕事は選べよ?
 内容によっちゃ薄汚ねぇ親父に体を許すハメになるからな」

彼女の言葉を聞いて、そう返すとついに林檎を食べ終える。
芯だけになった林檎を見て、月に重ねるように上に掲げて片方の瞳を閉じる。

シンシア > 「ソルも気をつけてね、弱そうには見えないけどね」

ギルドからの依頼にはイロイロありすぎて許容を超えるものも知ってる
男性は、時に無茶をして大怪我をする者も知ってるから
名前を聞き、顔見知りになってしまえば、余計な心配の言葉を向ける

「騎士になっても、ギルドに属しても本当に困ってる町の人のことって
誰も助けてあげる人いないじゃない?そんな報酬、払える暮らしの人が多いわけでもないからね」

お堅い騎士や、危険度の高いギルド、自分にはなかなか受け入れにくく
お節介性格でもこなせる町のお手伝い屋のつもり

「そんなオヤジに許すようなものはないから、大丈夫よ」

今のとこ、そのような危険に直面したこともないから
軽く流せる返事、自分より力のある者は多く、気をつけておかなくてはと
改めて思う。
食べ終えた相手、月のあかりは変わらず静かに照らしてるまま
お尻を払うように立ち上がり

「そろそろ帰ろうかな、ソルは、お月見してる?途中まで一緒にいく?」

同じ地区と先ほど話していたから、帰路も途中までは同じ方向だろうと提案してみる。

ソル・グラディウス > 「はいはい、心配どうも」

彼女の言葉を適当にあしらうも、少し嬉しい様子。
それを隠すために帽子を深々と被り、表情を見せないようにする。

「……本当に困ってる人、か。
 悪いな。俺は困難に直面してる人々を一々救えるほど余裕があるわけでも力があるわけでもない。
 ……すまない」

彼女の言葉を聞き、少し顔に陰が差す。
ここに来るまでに色々あったのだろう。拳を強く握ればそう謝罪する。

「なら安心だ。剣士としての誇りだの何だのを忘れるなよ。シンシア」

その言葉を聞くと顔から険しさが少し消え、安心したように息を吐く。
そして彼女の頭をぽんぽんと掌で撫でれば「偉いぞ」と付け加えるように褒める。

「…俺ももう帰る。折角の女性からの誘いだからな。
 出来ることなら、そのまま一緒の宿に泊まりたいもんだけどな」

立ち上がって、服の汚れを払えば帽子を被り直す。
彼女の言葉に頷いて、同行することを選択すれば、セクハラ発言を一言。

シンシア > 「ん?大丈夫。ソルみたいな人がいて、大きな仕事をする人もいる
 私は、それに漏れてしまうような手伝いをこなしていけば、いい具合でしょ?」

大きな仕事と小さな依頼。困ってる人を助けるにはお互い同じ立場のはず
謝る様子を不思議そうに思うが、少し遠くを見て

「謝ることないでしょ、いろんな人がいる街だもの」

視線を落とせば、握る拳が見える過去になにかあったのだろう
憶測だけど、手を伸ばし力のはいる拳に片手でポンポンと触れて

「誇りとか、私には堅苦しいのは、どうでもいいの心の思うままに動くだけ」

同じように頭を撫でられる、自然な流れのようなソレには
つい表情も綻びながら
冗談と受け取るセクハラ発言に言葉遊びのように返す。
紙袋を抱え直し、屋根の上を歩きながら

「今夜は、だーめ。部屋散らかってるもの」

屋根の淵から地上へと飛び降りて、軽々と着地。

ソル・グラディウス > 「俺だって小さな仕事はするがな。
 まぁ、何だ…お互い、それぞれの方法で人々を救っていこうや」

頬を掻き、少し訂正を加えるとそう返す。

「……あぁ」

自分の拳に彼女の手が触れれば安心したように息を吐き、力を抜いていく。

「はは、そうかい。確かに、規則だの誓いだので人の行動を縛るのはナンセンスだ。」

月を見上げながら笑いながらそう返す。
彼女の回答が心底気に入った様子で少しづつ彼女の事が気になりだす。

「『今夜は』か。それじゃ、また今度お邪魔させてもらうよ」

こちらも飛び降りて着地する。
彼女とは違ってこちらは少し重々しい音を周囲にまき散らす。
足首を軽く回すと、平民地区へと歩き出す。

シンシア > 「ソルのほうが危険度高そうだもの、気をつけてね」

肩の力が抜けたのは見た目にもわかる
相手の言葉に頷いて。

「そう、そんな他人の決めた規律と忠誠とか、わけわかんない
 そんなのなら目の前で手の届く人の助けになれるほうが、私は好きだから」

多少の剣術と運動神経があるからこその考え方。

「今度?んー…そうね、仲良くなったらね」

冗談だろうと、思ってたが続く返事を返すのを考えてしまったけど
ニコッと笑って返す。

着地する様子に歩き出した隣について、紙袋を抱えながら途中まで一緒に
歩いて貧民地区を抜けていくことに

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシンシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からソル・グラディウスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアンセルさんが現れました。
アンセル > 日も暮れた時刻。
賑やかな平民地区の音が聞こえる辺りの路地を微かに音を立てて歩く。
手には先ほどに物々交換で得た保存食が入る包みを持ち。
持ち前の嗅覚と聴力で騒ぎや怒声を避けるように歩き、住民を見れば足を止めて去るまで待つ。

「生きるためとはいえ…来たくはない場所だ」

木を隠すなら森の中と人の街に紛れ暮らすことを選んだ街の生活。
持ち前の耳と尻尾のお陰で稀にミレー族と間違われる事もある日々ではあるがそれでも森で暮らし奴隷商人の襲撃に警戒するよりはマシ、寝床があると思えばそれなりには快適と。

今も街の外で狩った魔物の持ち物と食べ物を交換できたことに満足そうにして。
今夜は何処で眠るかと考え路地を歩く。

アンセル > 路地を匂いと音を頼りに歩いていけば行き止まりに辿り着く。
大きめの木箱や板、よくわからないものが積まれているのを見ればゴミ捨て場か資材置き場のどちらかだろうと見当をつけ。

「ここなら良さそうだ」

こういう場所ならばあまり人も来ないだろう。
そう考えれば木箱や板を押しのけ僅かに隙間を作る。

隙間の広さを確認すれば周囲を見回しそこに保存食の包みを投げ入れ。
次の瞬間には男の姿は2m台の狼にと変化をする。
その姿で隙間に入り込めば丸く寝そべり目を閉じる

アンセル > そしてそのまま寝入ってしまい。
寝覚めるのははやして夜明けが夜中か。
それを知るのは当人のみで……

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアンセルさんが去りました。