2016/05/28 のログ
■名無しの少女 > 断続的に撫でられる感触だけで、何が起きているのかさっぱりわからない。
ただタマモが何も言わないのと、集中しているのが伝わってきているので、何か大変なことをしているのはおぼろげにわかった。
カレリアの言葉に、口も動かしてはまずいかと思い、耳を声が聞こえてきた方へ向けることで聞こえていることをアピールした。
少女の体につけられた傷は全身に渡っている、多くはそれほど深くはない。
しかしいくつかは刃物を突き立てたのか、随分と深いものもある。
脇腹や背中にまで傷はあるので、全てを治療するには少女とホムンクルスの体をひっくり返す必要もあるだろう。
そして何より、少女の右目は焼かれて機能していない、完治させるなら、眼球も交換する必要があるだろう。
■タマモ > …さて、触れれる部分はあらかた終わった。
残す部分は、ベッドで下になっている背中の部分と、面倒な手足、そして右目だ。
「あー………カースド、今度は背中じゃ。
そっちも、頼む」
大した力を使っている訳ではない、妖力は十分過ぎる程に残ってる。
こう…あれだ、気疲れが酷過ぎだ。
小さな少女には言葉でなんとか動いてくれるだろう。
肉人形の方は、見ているか見てないかは分からないが、少女に任せた。
■カレリア > 「分かりました。」
カースドがうつぶせに
そしてその隣の少女もうつぶせにする
タマモの表情にも疲れが見える…やはり精神的にあの光景は辛いのか
「もう少し、耐えてくださいねタマモ。」
そう言葉をかけまた離れる
あと半分ほどだろうか…さて、眼球はどうしたものかと考えながら再び椅子に座る
■名無しの少女 > 「タマモ、つ、疲れ、てる?ごめん、ね、ありが、と。」
声から様子を感じ取ったのか、申し訳無さそうに。
まだ目を開けていいとは言われていない。ベッドから落ちないように手で探りながら、ゆっくりとうつぶせになった。
背中の傷は表よりも多かった、多くは刃物と鞭、焼きごてでつけられたような火傷もある。
こうしてうつぶせに寝かされたまま、嬲られたのだろう。
■タマモ > あぁ、こうもしっかりと見た事はなかったが、背中の方が傷が多かったのか…
とはいえ、やる範囲が増える訳でもない。
申し訳無さそうに謝る言葉に応えるように、ぽんぽんと頭を撫でる。
焦るでもなし、ゆっくりと、確実に、背中の皮膚を換えていく。
そうはいっても、やはり疲れは見えるか、前と比べて少し長い事続ける事となっていた。
■カレリア > 身体の前面が終わり今度は背中、ゆっくりと皮膚が新しい物へと変わっていく
あと残っている者で面倒なのは眼球
それを終わらせるにはやはりカースドにこの光景が見られる訳で…
「大丈夫…ですわよね。」
カースドを信じて呟く
この処置もあともう少し…もう少しで全て終わる
■名無しの少女 > 背中にも同じように撫でられて、何も感じなくなって、また撫でられての繰り返し。
目を閉じて横になっているが、少しも眠気は来ない。場に満ちた緊迫感と、やはりかすかに感じるホムンクルスの存在のせいだろう。
見えていないからこそ、あの無感情な目にじっと見つめられている想像をしてしまい、怖い。
背中が終われば、もう残るのは右目と手足の火傷だけか。
■タマモ > さて、参った。
こうも気を張った状態が続いているせいか、少女が眠ったりする様子がまったく無い。
出来れば、自然と気持ち良さに眠気が起こって…というのが一番理想だったが、あくまで理想だ。
背中が終わり、残りは手足と右目だけ。
少しだけ思案をした後、唇を開く。
「………カースド、少し右手を動かしてみようか。
目を閉じたままで、指を1本1本曲げてみるのじゃ。
1本ずつじゃぞ?ちゃんと出来たら、妾に教えるようにのぅ?」
そう伝え、右手の指を動かさせるように指示をした。
まだ治してない指は、そう上手い事に器用には動かせないだろう。
それをさせる事で右手に集中をさせようと試す。
…それを始めたならば、同時に、左手に自らの手を伸ばす。
その動きは流れるようなものだ。
そして、後ろからみればそれがどんなものかは分かる。
するりと、その動きに合わせて左手が火傷の跡の付近からすっぽ抜けた。
まるで、玩具の人形の手を、抜くかのような動きだ。
…その離れた口が、綺麗な肉の色をしているのが、なんとも生々しい。
そのまま、肉人形の左手へと、皮膚の時のように押し当てていく。
ず、るぅ…まるで重なっていくかのような動き。
それに合わせるように、失っていた左手は、生えていくかのように現れていった。
■カレリア > 「外法…とはよく言った物ですわね…」
小さくそんな事を漏らす
身体を好き勝手に作り替える業
既にカースドの傷は残り少なく…隣のホムンクルスの身体は傷だらけとなっている
「………」
ホムンクルスに魂があるのなら…一番恨まれるのは自分だろう
後悔はない、反省もしない
ただホムンクルスの少女に感謝と、できる事ならそのままずっと目覚めないでいてほしいと願うばかり
「後は…眼ですか。」
そうこうしている内に手足は新しい物に代わっていく
最後の最後…一番の問題点
眼球の交換など悟られずにできるのだろうか…?
■名無しの少女 > タマモの指示にうん、と枕に顔をつけたままくぐもった声で返す。
親指から順に一本ずつ曲げていく。
何度も骨折と自然治癒を繰り返して歪んだ指は、細かく動かすのは難しい。一本ずつ曲げるのに悪戦苦闘しているのが手の動きでわかるだろう。
全てを曲げ終えて、少女が出来たよ、とまたくぐもった声を出す頃には、左手の指は全てなり変わっているだろうか。
■タマモ > これが成功をすれば、手足は問題ない。
曲げたら伸ばさせる、伸ばしたら曲げさせる。
繰り返し、両足を終える。
残った右手は、新しくなった左手と、両足の指に集中させるだろう。
指が揃った感覚は少女にしてみれば初めてのものだろうから。
…と、右目を残したところで、少女にこんな念話が届く。
『カースドの頭を抱いてくれぬかのぅ?
包むように、上手い事、右目は隠れぬようにな?』
そして、同時に普通にこうして声をかける。
「さて、カースド?もう少しで終わる、我慢するのも後少しじゃ。
ずっと1人で頑張るのは辛かろう?
せめて、後少しはカレリアに触れていて貰うと良いのじゃ」
…ちらりと後ろを向く。
本当に、頼むぞ?と言わんばかりの視線だ。
■カレリア > 『分かりました…』
念話で言われた通りカースドに近づく
思わず息をのむ…傷一つない綺麗な体
揃っている手足の指、もう少しで全て治療が終わる
その時どれほどカースドが驚くのか…
「ほらカースド、後ほんの少しですからね。
頑張ってください♪」
ベッドにカースドを座らせ自分も腰掛ける
ふわりとカースドの頭を抱き…右目だけうまく露出させる
意識を自分に向けさせるためたわいない事でもカースドに話しかけ続けている
■名無しの少女 > 指示に従って左手の指を曲げると、今まで関節で詰まっていたような感覚が消えている。
同時に、今まで無かった感覚、中指の左側に何かがある。それが自分の指だと気付くのは少しかかった。
健在だった頃を覚えてすらしていなかった器官を動かすのは、歪んだ指を動かすより苦労した。
足の指も、同様で、そちらを動かすのに意識を集中させている間に、処置は終わっていた。
「う、ん。ゆ、ゆ、び、は、生えた、感じ、する。タマ、モ、す、すごい、ね。」
皮膚についてはわからないが、指は動かしたことで治ったのを感じ取って、感心したようにつぶやいた。
体を起こして、抱き締められる。動いていいとも言われていないので、抱き返すのは我慢した。
カレリアの話には、うん、とかそうだね、とか、相槌を打っている。顔も出来る限り動かないようにしているのか、表情は変わらないが、声は嬉しそうだ。
耳がカレリアに向いていることから、そちらに意識が向いているのがわかるだろう。
少女の右目のまぶたを開けば、充血して赤くなった眼球が覗くだろう。
光を当てても瞳孔が収縮することはない、機能はほとんど死んでいる。
■タマモ > 最後にこうしたのは、別に右目に触れたのを誤魔化す為ではない。
それが出来ればめっけもん、出来ずとも、少女の頭は固定されている。
手足でこれをしなかったのは、動かれてずれるのが怖かったからだ。
次に伸びた手が触れたのは、肉人形の右目。
微動だにする事はないままに、その右目をずるりと抜いていく。
…向きを間違えてはえらい事だ、ちゃんと見なければいけない。
右手に収まった小さな右目の眼球を見遣り、苦笑を浮かべる。
「………これで終わりじゃ」
指示通りに右目のスペースは空いている。
ぴたりと眼球の向きを確認し、押し当て…それに反応する前に、ぬるぅっと押し込んだ。
眼球のあるはずの場所に、まるでそれを押し潰すような感触。
感じる感覚といえば、そんな感じのものだろう。
まぁ、それも一瞬だし、頭を抱かれ動かされる事もない。
指先が瞼に触れるようなものへと感触が変わる。
…今、押し込まれた瞳は小さな少女のものとなった。
入れ替わりにそこにあった眼球は肉人形に移っただろう。
うん、かけられた言葉にちゃんと答えたかったが、答えれなかった。
無視したとか思われなければ良いが…
■カレリア > 「終わりました…終わりましたわよカースド♪」
思わず声に喜色が浮かぶ
全ての傷が消え、肌も手足も眼も何もかもが綺麗に元に戻ったカースド
その姿を見て喜ばずにはいられない
「タマモも、本当にお疲れ様でした」
あんな施術をやり切ったタマモにそう声をかける
今回の一番の功労者は間違いなくタマモだろう
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