2016/05/20 のログ
リト > 面白みを感じて見ているわけではない。
とはいえ……そのフードの下にある顔を見てみたくはある。が。

「………あはは」

少しばかり恥ずかしい、というより照れ臭い。
誤魔化すように頭を掻いていれば、差し出されたサンドイッチに視線を投ずる。

「わ、ありがと。……でも、そういう気分じゃないかなー…」

食べなくはない。魔族でも普通に人間の食事を口にする。
しかし吸血鬼は――ふと、視線が彼女に向いた。正確にはその肩口、首元か。

「……んん……」
小さく唸る。

レイカ > 私は、普段はこの黒い外套のフードを深く被る。
顔を見られたくないというのもあるし、何よりこの世界には見たくないものも多い。
それを覆い隠してくれるものが必要だった。―――それが、このフードだ。

「…………。別に、気にはしませんよ。」

お腹がすいて、お腹がなる。それだけのことです、と私は続けた。
実際に、そんな音なんかいくらでも聞いたことがある。
この場所では、常にお腹を空かせているミレー族の子供もいるくらいだから、気にするまでもないことだった。

だけど、彼女はそれは要らない、という。
少し首を傾げて見せた。お腹をすかせているなら、これを食べればいいだけなのに。
やはり、魔族ではこういうものは食べないのだろうか…。

「…困りましたね、今はこれしか……。
表に行けば、おそらく飲食店はあるでしょうけど…そこまで我慢できますか?」

私は、このとき完全に油断していた。
サンドイッチを戻し、ほかに何かないか―――と、私を狙っているその吸血鬼の行動を、完全に見ていなかった。
その目線が、私の首筋に向いていることも―――。

リト > 見られたくないし、見たくもない。
そんな思いが込められたフードとは知る由もなく…。

「そう、ありがと。知り合ったばかりの子に聞かれるのは恥ずかしいけどねー…」

へへ、と照れ臭そうに笑う。
その眼差しが、鋭く彼女の首筋を捉えた。
どうやらそのことに彼女自身は気づいてないようで。

「――ん。表に出なくても、ここにおいしそうな……」

言うと、両手を伸ばす。
油断しているレイカの身を、力強く抱きすくめようとして。
それに成功したならば…

「――血が、あるじゃん?」

そう耳元で囁いた。

レイカ > 恥ずかしいのはまあ、仕方がない。
誰だってお腹の音を聞かれるのは恥ずかしいだろう。
私はサンドイッチを直し、改めてリトさんを見る―――けど。

「……えっ………!?」

その瞬間に、私は魔族の少女に力強く抱きすくめられていた。
少しからだが浮いているかもしれない。けれど、それ以上に私は驚きを隠せなかった。
その所為で、フードの下―――私の素顔が見られてしまっているかもしれない。

「血……!?くっ……!」

油断していた。私は何を思っていたのだろう。
浅はか過ぎる行動だった。彼女は魔族なのだから、少しでも油断するべきではなかったのだ。
腕まで合致利を押さえ込まれてしまって、身動きが取れない。

「は…離してください……!
わ、私の血を吸うつもりですか……っ!?」

懐に忍ばせている短刀に手が届かない。
振りほどこうにも、彼女の力は非力な私ではどうしても振りほどけない。
足をばたつかせ、何とかその身体を引き剥がそうともかいて見せよう。

リト > フードの下の顔が漸く見れた。
その美貌にニヤリと笑う。好みと言って差し支えないかもしれない。

「……ふふ、だいじょーぶ。死ぬまで吸うつもりないからさ……ほんのちょっとだけ」

しっかり彼女を抵抗できないよう、腕ごと抱きすくめて。
間近で悪戯っぽい、子供のような笑みを見せる。

「さて……じゃ、いただきまーす」

言うと彼女の首筋に顔を寄せて……口を開け、一息に噛み付く。
溢れ出る血を舐め取り、飲み込んでいく。
吸血行為には快楽を伴う。大きさには個人差があるが、彼女が感じているのはどれほどだろうか。

レイカ > 「や、やめてください!やめ…あっ………!」

死ぬまで吸うつもりはないという言葉もいまさら信用できるかどうか妖しいところだ。
だけども、私は彼女に押さえつけられたまま身動き一つ取れなかった。
何も抵抗らしい抵抗も出来ず、私は彼女に首筋を晒し、その牙を受け入れてしまう。

「あ。ぐぁっ……!」

まず最初に、牙を突きたてられた痛み。
だけど、その直後には目もくらむような快楽が押し寄せてくる。
その生き血を座れるたびに、私の体はびくんと痙攣したように震えてしまう。
―――だめ、気をしっかり持たなければ…この吸血鬼の虜にされてしまいかねない。
私は、爪を自分の皮膚に当てて、少しでもこの快楽から気を紛らわせた。

「あ…ぁ………」

だけど、それ以上の快楽に身を投じてしまいそう…。
ダメ、もっとちゃんと気をしっかり持たないと……!

リト > 「ん……んっ……」

受け入れられるままに血を啜る。
ちょっとだけ、とは言ったが、思いの外美味だ。
吸いすぎないように気をつけながら――一旦口を離して、傷口に舌を這わせる。

「……んん、ふふ……」

肩口に軽く口付けし、再び牙を突き立てる。
もう少しだけ味わいたかったのと、彼女が快楽に堕ちていく様を見てみたくもあった。

レイカ > 私はエルフだ。だからこそその味は人間の人たちとは違うのだろう。
少し甘い、蜂蜜レモンのような味にたとえられるらしいけど…鉄臭いそれは正直、自分ではおいしいとは思えなかった。
だけど―――血を吸われる度に、私はえもいわれぬ快楽にさらわれそうになる。
必死に、自分の意識を保とうとするけども、その顔は徐々に快楽へと蕩けていってしまう。

「あ、あぁ………。んうっ!」

再び、吸血鬼の牙がそこに突き刺さる。
痛みすらも快楽に取って代わってしまい、私の股からは、既に蜜が滴り始めている。
もう体に力も入らない。…このままでは……。

『お姉ちゃんをはなせぇぇぇーーー!』

そんな声が、私の後ろから響いた。
――――いけない、この声はここに住んでいる、さっきのミレー族の……!

「だ、ダメ……来ちゃ……!」

必死に、声を出そうとしても声にならない。
お願いだから、こっちに来ないでと私は願うけれど……。

リト > 血に確かな味を感じられる種族は少ないだろう。
彼女の血は確かに、仄かに甘く舌触りの良い味。

「……ん、……んー?」

蜜の滴る股間付近を片手で撫で擦っていれば、後ろから響く声。
振り返ればミレー族の子がそこに。

「……大丈夫だよー?遊んでるだけだもんね、私たち」

流石に手をかける気はなかった。美味しい血を飲んだせいか気分も良い。
適当なことを言い放ってこの場から去るよう促してみる。

レイカ > ……よかった、どうやらこの吸血鬼はあの子を手にかけるようなことはないらしい。
だけど、蜜が滴る股間を触られると、余計に私の体は跳ね上がってしまう。
先日、罰を与えられたその場所は―――触れられただけで悦ぶように、きゅんっと切なくなる。

このまま、流されてしまうと―――。私はそのことを思うと、恐ろしくなる。

「……そ、そうです……よ…………。
わ、私たちは……………あぁぁっ!?」

ダメだ、納得のいく説明が出来ない。
このままでは、私は流されるまま、この吸血鬼にいいようにされてしまう……。
ダメだ、もっと気をしっかり……しっか…り……。

「はぁ…はぁ……。くっ……ふぁんっ……」

触られるだけで言いようのない快楽。
これに抗えるホド、私は強くないかもしれない。けど…何とか、このまま意識を保つことさえ出来れば…。
このまま私だけで、満足してくれれば……。

リト > 股間付近を触れるだけで、予想以上の反応を受ければ驚いたように瞬く。
やってきたミレー族の子も、未だ警戒を解いていないようで。

「……もー、大丈夫だってば。遊んだらちゃんと帰すからねー。だからお家で待ってて?」

適当に思えるかもしれないが、そんなことで言いくるめようとする。
彼女をギュッと抱きしめながら、端から見れば確かに友達同士に見えなくもない。

レイカ > 触れられたそこは、きっと彼女の手を汚すだけではすまないほどの蜜が滴っているだろう。
既に私の下着は使い物にならなくなっている。そして、私も―――。

「あ、あぁ………。
だ、大丈夫……です、から…。い、家に帰って……おとなしく、してて…。」

快楽に流されそうになるけど、私は必死に、ミレー族の子に変えるように促す。
そのこも、しぶしぶながらようやく帰ってくれた…。よかった……心底私はそう思う。

「……や、約束…です。私なら…いくらでも弄んでくれて、構いません……。
で、ですが…あの子や、ここにいるミレー族…には……手を、出さないで……」

かすれるような声。蕩けた表情。
きっと私は、手を離されればその場に崩れ落ちるだろう。
途切れ途切れにだけど、私はこの魔族にそう言う。
聞き入れてもらえるかは解らない、けども……私を対価にすれば、それはまだ望みはある、加も知れない。

リト > 滴り落ちるほどの蜜。
手を汚したそれを見つめる瞳が緩く細まって。

「……ふふ。約束だねぇ。大丈夫、手を出す気もないしー」

この場には不釣り合いな程、ニコニコと屈託ない笑みを見せて交わす言葉。
それに、と、渋々ながら帰っていくミレー族の子の背を見送りながら。
抱きしめていた手を一旦離す。

「カイレも……もう我慢できなくなってきてるんじゃないかなー?」

その問いかけは半ば確信犯。
彼女の顔を覗き込むように見つめながら囁いた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からレイカさんが去りました。