2016/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にイニフィさんが現れました。
イニフィ > すっかり夜も更けた頃合だった。
人気などほとんどない、路地裏のところでイニフィはまるで隠れるように、そこにいた。
原因などわかりきっている。今、人前に出るわけには行かないのだ。

「うぅ~………。これは、ちょっと予想外に困ったわね…。」

何とか落ち着いてくれないと、うかつに人間の前に出られない。
理由は簡単、魔力がキャパシティオーバーを起こしてしまい、あふれ出ているのだ。
いつもなら隠せるはずのその魔力も、今はあまりに強くなりすぎているために甘い香りとなって周囲に漂っている。
これを人間に嗅がせてしまうと―――。

「さすがに何人も相手に出来ないわよ…。」

はあ、と少し大きなため息をついた。
従者としたリリアから魔力をもらったのは別にいい、魔力の馴染みも申し分ない。
だけど―――『強くなりすぎてしまった』ために、それを押さえるためには少しばかり時間が必要だった。

イニフィ > 少しずつ、内包された魔力を出来るだけ外に出さないようにと空いた器のスペースに押し込んでいく。
少しずつ、甘い香りが落ち着いてきた――。

「……にしても、さすが吸血種よね…。まさか、ここまで魔力を持ってるとは思わなかったわ。」

吸収した魔力はそれなりに多かった。それが自分の器からはみ出る結果に。
これを放置してしまえば、回りを魅了して大変なことになってしまう。
土d個かで発散させないとダメなのだけれども―――あいにく当てがなかった。