2016/01/03 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」にアリスさんが現れました。
■アリス > 「……今日のお勉強は、ここまでです」
貧民地区の公園跡地に、少女の声が響く。
少女の前には数人の子供達が座っており、それぞれが羊皮紙の切れ端に文字を書いていた。
――ボランティアの青空学級。その年始の数回を押し付けられてのことである。
子供達と触れ合うことは嫌いじゃないからか、楽しそうに授業をこなし、漸く終わった頃合い。
最後は、少女が焼いたパンを食べながらの自由時間となる。5つのパンを配って、自分の分も手元に。
「それでは、今日のご褒美のパンです。頑張るとしっかりご褒美がありますから、毎日ちょっとずつお勉強してみましょうね?」
いただきまーす、と呑気な号令。そして皆がパンを食べ始める。その様子を眺めながら、少女は楽しそうに鼻歌まじりだった。
■アリス > 『せんせー!パン美味しかったー!』
子供達の声が響く。その無邪気さに笑みを浮かべて、少女は手を振ることで応える。
皆パンを食べ終わった様子で、この後は三々五々解散という形だ。どうやら質問もない様子なので、今日はこのままお役御免。
この後はどうしようかなぁ、と無邪気に遊び始める子供達を眺めながら、物思いに耽る。
鬼ごっこにかくれんぼと子供達は元気に満ち溢れている。最近はここいらでも炊き出しなどをやっているのか、ひもじい思いもしていないようで。
「……ふふ、子供は風の子、というけど、本当にそうみたいね……♪」
自分が小さい頃はもっとおとなしかったなぁ、などと比較をしながら、ゆっくり自分の手元のパンをちぎって、口へと運んだ。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」に魔王アスタルテさんが現れました。
■魔王アスタルテ > (子供達が鬼ごっこを楽しむ公園跡を横切る通りがかりの五人組。
一人は、魔王アスタルテ。残り四人は、人間に化けているアスタルテ直属の配下《魔王軍四天王》)
「あははー♪
貧困層に悩まされる貧民地区の子供達だけど、活気に満ちていてけっこー元気だよねー」
(そんな会話をしながら歩いていた)
(アスタルテの右手には、先程買ったソフトクリーム。
美味しそうに、ソフトクリームを舐めていた。
アスタルテが右隣を歩く四天王ロータスの方を向いて彼と会話している時、
左隣から、鬼から必死に逃げる無我夢中の少女がアスタルテに突撃する)
「わ……!?」
(アスタルテは、その少女が怪我をしないように受け止めて、地面に尻餅をつける)
「君、大丈夫? 怪我はない?
ごめんね、あたしの不注意だったよー。
だけど、君は君でちゃんと前みながら走らないと危ないよ」
(その後、手に持っていたソフトクリームは宙を舞い、そしてアスタルテが着ているワンピースの上にべちゃっと落ちる)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」にアリスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」にアリスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」にアリスさんが現れました。
■アリス > 目の前、元気に駆け回る子供達が忙しない。
こっちだよー、あっちだよー、という声の先を眺めていたアリスは、ふとこちらにやってくる5人組の姿を認める。
何やら上品そうな娘が一人と、それに付き従う四人――明らかに上流階級という面立ちだ。
その手にはソフトクリーム。平民地区の通りで売ってる奴だった気がする。と観察している最中の事。
子供達の内の一人が、よそ見をしたまま少女にかけていくのが見えて。
「あ、こら、前を見なきゃ――」
言うのが少し遅かったようで、少女と子供はばぷん、と衝突。
宙に浮いたソフトクリームはそのまま少女の服に落ちて行く。
べちゃり、と服にくっついて潰れたそれは、そのまま服に染みこんでいく。
呆然から泣き出しそうになる子供。その様子に一度嘆息すると、アリスは立ち上がり、少女の元へと近寄って。
「――ごめんなさい。この子がぶつかってしまったみたいで……その、お洋服、どうしたら良いでしょうか?」
子供をかばうように抱きしめて、代わりに頭を下げる。その腕の中では、小さな温もりが震えていた。
『あ、アリスせんせぇ……ごめんなさぁい……』
と小さな声が聞こえてくる。その背中をあやすように叩きながら。
「この子の代わりに、私の方で出来る限りをしますので、この子を許してあげてくれませんか?」
貴族風の少女は権力者だ。怒れば何するかわからない。そう判断しての懇願をしながら、少女の様子を見る。
■魔王アスタルテ > (アスタルテのソフトクリームが……!?
しかも、お洋服についちゃったよ……!
そうは言っても、アスタルテは特に怒った様子は見せず、無邪気に微笑んでみせる。
まあ、不注意だったのはアスタルテも一緒だからね)
(そして謝りにきたのは、キュートな女の子だぁ♪
あははー♪ ソフトクリームを犠牲にした結果は、けっこー役得かもだねー。
それに、出来る限り何でもするって、おいしい申し出もしてくれているよー。
アスタルテは立ち上がりながら、アリスににこりと笑みを浮かべる)
「それじゃあ君の言う通り、君がちゃんとこの責任を取ったらその子は許したげるよー。
えっと、君の名前はアリスちゃんでいいのかな?」
(アリスの腕の中で震えている子供の小さな声を聞き取り、彼女の名前を判断する。
そしてアスタルテは、アリスに歩み寄っていく)
「あたしも名乗っておくよー。あたしはアスタルテ」
(そして、その魔王の名を名乗った)
「先生という事は、さっきまでここで青空教室かなんか開いていたの?」
(魔王は、無垢な仕草できょとんと首を傾げる。
どう責任を取らせるか、その内容をすぐに言わずに焦らしているようにも解釈できなくはない)
■アリス > 『アリスせんせぇ……うぅー……』
不安そうな子供には微笑みを向けた後で、目の前の少女に向き合う。
どうしたものか――とは悩みながらも、ここで下手を打ってはどうしようもない。
無茶振りされるのが目に見えているにもかかわらず、唯々諾々と従うしかなかった。
「……アスタルテさん、ですか。えぇ、アリスと申します」
まずは一礼。その所作は平民にしては整って、洗練されたものだろう。
アリスの出生が滲みでた瞬間である。後の言葉には頷いて。
「……学校のボランティア活動の一貫です。押し付けられたものですが、この子達の面倒を見るのも楽しいので――」
優しくて元の子供を撫でると、そっと耳打ち。すると子供は、おずおずと。
『……あ、アスタルテお姉ちゃん、ごめんなさぁい……』
と頭を下げる。それが終われば、アリスはそっと子供の背中を押して。
「ん、そろそろお帰りなさい?他の子にも帰るように言っておいてください。いいですね?」
優しく諭すように命令すると、子供をそっと開放する。目の前の少女が止めなければ、そのまま子供達は帰っていくことだろう
■魔王アスタルテ > (子供が不安そうにしているが、アスタルテは特に気にした様子はない。
まあ、魔王なので不安がられたり怖がられたり恐怖の目で見られるなんてよくある事。
今回は、不安がられている原因が魔王である事と無関係だろうけど。
一礼するアリスは、どこか洗礼されていた。
貴族か王族だったりするのかな?)
「そっかぁ。
学校のボランティアで子供の面倒を見るなんて、アリスちゃんはとても優しいんだね。
そんな子供達の笑顔は、やっぱり守ってあげたいよね?」
(その言葉は遠回しに、アリスが責任放棄をすれば子供達がどんな目に遭うか分からない、という事を暗に示している……ようにも聞こえなくはない)
(子供から謝罪されれば、アスタルテは柔らかく微笑む)
「走る時は前を見なきゃ危ないからね。今度から、ちゃんと気をつけるんだよ?」
(子供に対しては、あまり怖がらせる事はない態度で優しく言ってみせる。
だが、お帰りなさい、というアリスの言葉に口を挟む)
「子供達はまだ返しちゃだめだよ? アリスちゃんが、今回の件でちゃんと責任を取るまではね♪
あははー♪ アリスちゃん、少し待ってあげるから子供達をここに集めてきてよ。
これから、青空教室の続きをするからね」
■アリス > 「……脅しですか。全く意地が悪いですね――」
魔王とは分かっていないながらも、魔術師の卵としての感覚で、相手が逆らい難い強さなのがわかる。
この場でできることは、逆らわないことしかないな、と改めて実感すると、子供達を守る方に全力を傾ける。
頷いて、そして、少しの後に子供達を集めるように言われると、僅かに表情を渋くしながら。
「子供達を?……わかり、ました――みんな、ちょっとだけこっちにおいでー?」
そういうと小さな子供達が集まってくる。男の子2名に女の子3名の5人だ。
中でもぶつかった1人はまだ泣きそうで、こちらを心配そうに見つめてくる。
子供達を集めると、普段授業するときと同じように座らせてから、少女の方に向き直り。
「……これでよろしいですか?責任は取りますので、この子達を傷つけることだけは、しないでください」
目を伏せ、願う。自信より他者を省みるその態度は教会の修道女もかくやだろう。
それが、アリスの信条――ノブレス・オブリージュだった。
■魔王アスタルテ > 「脅し?
あははー♪ アリスちゃん、それは人聞きが悪いよー♪」
(魔王は、アリスの言葉に愉快気に笑ってみせる。
後ろで四天王も、少し笑みを浮かべているようでもあった。
そしてアリスは、アスタルテの言う通り子供達を集める。
ぶつかった子は泣きそうになっており、可愛い♪)
「そうだねー、“君が変わりに責任を取れば、あの子がやった事は許したげる”よ。あたしはちゃんと“約束は守る”からね。
それじゃあまず、その服を脱いじゃおっかー。
子供達に、生まれたままのアリスちゃんを見せたげてよー♪
なにせ、この王都ではいつ平民が貴族や王族に犯されちゃうか分からないからね。
何も知らない純粋な子供達には、そんな王都の“現実”を、この青空教室で教えてあげないとだからね。
あはっ♪ あはは♪」
(アスタルテは楽しげに笑いながら、アリスにそんな命令をする。
ちなみに、子供達の四方を四天王諸君が囲んでいた)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」からアリスさんが去りました。
■魔王アスタルテ > 【続くよ~】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 公園跡」から魔王アスタルテさんが去りました。