2015/12/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルマーレさんが現れました。
■アルマーレ > 夜も更け始める頃。貧民地区の粗末な家々が犇めき合う場所の一角にある、朽ちた噴水が座す広場に男が一人。
浮浪者と流れ者が火を囲み暖をとる細やかな賑わいから離れた場所に腰を下ろす。
不安定な石畳の角が尻を痛ませるけれど、そう時間は要らない。
酔って上機嫌なままで古ぼけた革張りのケースからシタールを取り出せば緩やかに弾き始め
「ーーーーーーー……たまには客がいないで弾くのも悪くない」
静かに、それでいて朗々と月夜の美しさを唄う。郷愁を滲ませる異国の歌を侘しげに歌う。
今日はどこか遠い幻想の国では”聖夜”と呼ばれる日だと聞いたのは何時だったろう。
きっと己を知る人間が見れば「誰だお前は」と言われるだろう。それくらい男の顔からは普段の軽薄さと気軽さは失せて、ただ酒と歌に酔うように独り唄う。
■アルマーレ > 一曲目を唄い終えれば、遠くから小さく鳴る拍手に軽く手を振り返し笑ってみせる。
一度楽器を手放して、傍に立てかけた葡萄酒の瓶を酒場で拝借したグラスに注いでから一口呷って
「ーーーーーー今夜は酒が美味い……少し寂しい気もするけどな」
気障っぽくグラスに夜空を照らす月を反射させてみれば、囃し立てるような浮浪者の声に顔を愉快気に顰めて
「……たくっ……たまに浸ってみたらこれだ。何時もと違うことが起きてくれるなら大歓迎だが……」
片膝を立て、立たせた楽器の弦を指先で漫ろに弾き、低く空気を震わせる音をうらぶれた広場に響かせていよう
■アルマーレ > 気づけば酒瓶は空に。ひっくり返して最後の一滴まで飲み干せば、わずかに揺れる足取りで立ち上がる。
荷物を片付け、重い瞼を擦りつつも大きな欠伸をして
「ーーーーーーさて、と。酔っ払いを泊めてくれる物好きはいるかなっと」
楽器ケースを担ぎ直したらその場を後に。喧騒の静まった街の宵闇へと紛れて行こうーーー
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアルマーレさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリュドミーラさんが現れました。