2015/12/14 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にタマモさんが現れました。
タマモ > ここは貧民地区の路地裏、1人の少女がゆっくりとした歩調で歩いている。
少し歩いては右を見て、左を見て。
また少し歩いては右を見て、左を見る。
そしてぴたりと立ち止まり、ぽつりと呟いた。

「………よし、迷ったのじゃ」

額の汗を拭うような仕草、どこか涼しげな表情だ。
なんとか山とかいうところで手に入れた鉱石を売ろう。
そんな考えを浮かべながら、適当に歩いてやってきた。
いつもの大通りは売ってる場所だし、買取はどこなのか…?
ちゃんと調べずにやってきた結果がこれである。

タマモ > 道中、場所が場所だからか一度絡まれた。
人通りの無い路地、相手は2人の人間の男子だった。
相手の目的は身包みを剥ぎ、襲う事…だったらしい。
…だが少女はこうして何事もなく歩いている、ではどうなったのか?

ここよりもかなり離れた場所に、その2人の人間はまだ居るだろう。
逆に身包みを剥がされて、襲われた状態で。
たっぷりと犯し、搾り出してやったのだ、当分はそんな気も起こらないだろう。
人が必死に探し物をしているのに邪魔した報いである。
まぁ、身包みは剥いだだけでそこらに放っておいた。
持っててもどうせ売れないし、邪魔だし。

さて…このままぼーっとしていても何も進展はしない。
ならば仕方ないと、再び歩みを進めだした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にマルティナさんが現れました。
マルティナ > 謎の人形を回収してから数日。
自分そっくりの姿が目の前にあるという事に落ち着かずこの頃は当てがなくても街中をうろついている事が多くなった。
飼い主からも回収した後の指示はなくひたすら不気味である。
とりあえず意味もなくぶらついても仕方がないので仕事探しも兼ねているのだが、そちらの方も不振でなんとも言えず手持ち無沙汰な状態。

(本当に何なのでしょうね、あの人形は……。)

あまり人に見せたい物でもないし手に入れた経緯等も説明しないといけないとなると非常に面倒なため、積極的にどうこうする事も出来ずお手上げである。
気分を変えて今日は完全に休みにしてのんびりしようか、などと益体もない事を考えながら歩いていたら見慣れない様式の服装が目の前に映る。
よくは分からない様式ではあるが、それなり以上に質の良さそうな品でこんなところをうろついているのは不釣り合いだなあ、などと思いながらぼんやりとその人物の方を眺めていた。

タマモ > ぴくん、耳が小さく揺れる。
どうやら誰かが進む先で足を止めたらしいか?
顔を上げてそちらへと視線を向ければ、確かに人影が見えた。
どうやら1人らしい、さっきみたいな事はなさそうだ。

そのまま進めど特に衝突とかもないだろう、多分、自分と同じ迷ってこの路地を歩いているに違いない。
そんな事を考えながら進んでいくも…その人影との距離が縮まり、その姿がよく見えるようになった。
どうやらいつもの好奇の瞳だろうか?それが向けられている。
が…その姿が見えるようになった時、こう…自分もまた逆に物珍しいものを見たような感覚に陥った。

いや、どう見ても普通じゃないだろう、その格好。
そんな感じの表情を明らかに見せているに違いない。
お互いによく見える位置までくると、つい足を止めてしまう。
このままただ眺めているってのも悪い気がするが、どう言って良いのか正直迷った。
なので、とりあえず…こう言ってみた。

「のぅ、お主…その格好は寒くないのか?」

マルティナ > ぼんやりしていた事と物珍しさもあってついじろじろと見てしまっていたようだ。
いつの間にかお互いの距離はかなり近い。
そして明らかに自分を指しての、極めてまっとうな質問が飛んで来た。

「……はっ!?い、いえ、大丈夫、ですけど!?」

直前までぼんやりしていたため妙に上ずった声になってしまっている。
質問の内容に関してはまあ、普通の感性の人間なら至極当然の疑問であろう。
実際どういうわけか、こんな格好でもさほど寒くはない。

「あー……、外国の、方ですか?珍しいお召し物だったのでつい。」

なんともいえない気まずさからとりあえずこちらも口を開いてみたが、ひどく間抜けな質問のような気がする。

タマモ > 急に声をかけた事に吃驚しているのか、上ずった声が返ってくる。
どうやら本人は大丈夫と言っている、なら大丈夫なのだろうが…

「ふむ、ならば良いがのぅ?しかし何じゃろうか…
いや、そうか、分かったぞ、お主あれじゃろう!?
皆の者の注目を浴びたがっている、何と言ったっけか…えーっと、あれじゃ…」

手にした扇子、その先で少女をぴしっと差しながら、何かを思い出した風に言い放つ。
…が、正確に何かは思い出せなかったらしい、扇子で差したまま思い出すような様子を見せる。

「………おっと、妾か?うむ、東の方の国から来た事になっておるのじゃ」

少女の問いに、ふふんっとどこか偉そうに胸を張って答える。
来た、といえば良いものを、相変わらず来た事になっている、と言ってしまうのはまだ直ってないようだ。

マルティナ > 目の前の奇妙な出で立ちの女性が言葉に詰まっていて、痴女か露出狂、と言いたかったのだろうかと思ったがわざわざ指摘しても仕方がないので胸の内にしまっておく事にした。
しかし東の方はともかく来たことになっているというのもまた妙な表現だなあと思うが、何か言えないような事情があるのかもしれないと勝手に察してそこも無理に蒸し返さずにいてあげることに。

「東の方の国ですか。この辺りだとそういう格好は珍しいのでついじろじろと見てしまって、すみませんでした。」

そうは言いながらも、改めて近くで見ると不思議な雰囲気がして思わず目を奪われてしまう。
耳を見るにミレー族のようではあるが身なりが良すぎる事や、この辺りでは見た覚えのない尻尾の形状は大いに気になる。
だが些細な好奇心で踏み込んでいいようなものでもないだろう。

タマモ > それから僅かの間、結局はその単語を思い出せずに諦めた。

「うむ、確かにそうみたいじゃな?…いやいや、良いのじゃ。
妾からすればお主の格好こそ珍しくてのぅ…?
遠慮は要らん、好きなだけ見れば良い。代わりに妾も見させて貰うのじゃ」

相手が自分をどう思っているのかは…不思議と表面心理が少々読み辛い、とりあえず、気にしている程度だけは聞き取れた。
という訳で、相手にも見せているので自分も遠慮なくまじまじとその格好を見るのであった。

時折、ここなんて衣服の意味がないのではないか?とか、ここなんてもう見えておるのではないのか?とか、ぶつぶつ呟いていたりもする。
本当に遠慮なんてものをしていない。

マルティナ > 言われた通り、珍しさだけなら確かに自分のほうが遥かに上であろう。
むしろ自分以外にこんなのは見たことないしいないと思う。
それはそれとしてこの相手は、見させて貰うの宣言通り本当一切の遠慮なく見てくる。
とはいえ今のところは純粋に好奇心のようであるし、それほど嫌悪感も感じない。
恥ずかしい事には変わりはないが体を隠す事は禁じられているので見られるがままである。

「ま、まあ皆さん珍しいと言われますけど、こういうファッションですので。」

一応お決まりの言い訳も添えておく。
それにしても、この尻尾はどうしても気になってしまう。
あんまり追求するのも失礼かと思ったが、別に隠してはいないのだしいいのかな?などと思い……。

「えっと、私からも一つお聞きしたい事があるのですけど。その尻尾とか、東の国のミレー族とは皆さんそのように?」

結局好奇心が勝った。

タマモ > 視線を向けようと、体を隠そうとはしない…いや、隠せない?
相手から僅かに感じる羞恥心から、この格好を平然と受け入れている訳でも無いように感じるか…

「なるほどのぅ…つまり、お主はその格好を好きでしておる訳なんじゃな?
確かに珍しいが、大したものじゃ…よっぽどお主はその体に自信があるんじゃろう。
そして、その体を見せたがっておるんじゃろうな?」

まぁ、どちらにしても…この相手の反応は少なからず面白い。
ちょっと意地悪をしてみようか、みたいな感じで呟いてみた。
やはり、面白い反応をしてくれるんだろうか?と思いながら。

「妾か?妾はミレー族とやらとは違うぞ?
簡単に言うと人間で言う狐の物の怪やら、化け物じゃろうか…?
…とはいえ、そういわれるのは好かぬでな、妖狐とか九尾狐とかで良い」

別に隠すつもりはない、というか隠すつもりなら耳や尻尾ごと隠している。
好奇心に問う少女に、あっさりと答える。
自慢気にこう、ゆらりゆらりと尻尾を揺らしてみた。

マルティナ > 表向きは自分の意志でファッションでやっているので、好きでこんな格好をしているとわざわざ恥ずかしい確認をしてくる相手にも首肯せざるを得ない。

「ええ、そうですよ。無闇に飾り立てるよりこのほうがかっこいいですから。」

当然本心からの言葉ではないが、こういう台詞も段々自然と言えるようになってきた気がする。
なおも自分を見つめる相手に腰に手を当てたりして軽くポーズもつけてみたり。
そして相手の素性?の方は説明を受けた上でよく分からなかったがとりあえずミレー族や魔族とも違う何かのようである。
これに関しては余計気になるものの、当面危害を加えてくるようではないので一応は安心というところか。


「その妖狐というのはよく分かりませんが……。ああ、私はマルティナ・ラーゲルフェルト。あの、よろしければもう少しお話しを伺ってもよろしいですか?」

成り行きで話し込んでいるが、思えばまだ自己紹介もしていなかった。
とりあえずは危害を加えるような存在ではなさそうだし、どうせやることがなくて呆けていたところである。
自分から自己紹介をして、もう少し相手の事を聞いてみたいと思った。