2015/11/20 のログ
プラセル > (戦の規模など知る由もないが、都市を治めていた人間が宣戦布告、だなんて小さな争いでは収まらないのではないだろうか。もしかしたら、また――瞬く間に巡る嫌な思考に僅かに震えた体から力が抜け)――――…、…ぁ、(がしゃん、と派手な音が響いた。折角買った瓶がどうなってしまったか、なんて確認しなくても分かる。困ったように眉尻が下がり、紙袋を拾い上げ、再び酒屋へと戻る足。買い直さなければ。余分な出費は給金から引いてもらおう。未だぐらつく思考の中、少女は歩き出し――)
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からプラセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にキーノさんが現れました。
キーノ > 「飴玉いらんかネー」

貧民地区を蔦で出来た籠を持って歩く姿。
籠の中には黄金色の艶のある飴玉が幾つも入っており、甘い匂いを漂わせている。
此処に来るまでに、幾つか売れて上機嫌のまま歩いていた。

「1つ、5ゴルドだヨー」

だが、此処は如何せん治安が悪い。
柄の悪い男達に早速目を付けられていることにはまだ気付いていなかった。

キーノ > 「…んー?おじさんたち、何か用?飴玉買ってくれるノ?」

目の前に立ちふさがり、進路を妨害する男を見上げる。
ニヤニヤと余り好ましくない印象を与える笑みを浮かべながら、金を出せと言ってくる。

「やだヨー、オイラが一生懸命飴玉売って稼いだんだもん。」

嫌だと言って後ろへ逃げようとしたが、既に前の男の仲間に塞がれている。
どうしようと前を後ろを交互に見る。幸運にも、まだ横の道は塞がれていなかったので其方へと走り出した。

「怖いヨー!」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にグラフィーナさんが現れました。
グラフィーナ > 逃げる少年を追う男達。下卑な罵声をあげる彼らの行く手に、ぬぅ、と大きな人影が、その行く道を遮った。どん、とぶつかる先頭の男を見下ろすのは鍛えた褐色の長身を革鎧に包んだ大女。こぼれた前髪を後ろに流しながら、冷たい視線で、なんだてめぇ!などと騒ぐ男達を見下ろして。

「ああん?だれに向かって、モノを言ってんだ?ああ゛?」

怯む男の頭をがし、と掴んで持ち上げ、目線を合わせれば、顔を近づけて…

「今機嫌悪ぃんだ。ノすぞ」

端的に、地を這うような声音で言い放って男を道ばたに投げ捨てれば、イライラしたように頭をがしがし掻いて。

「ったく、弱いもの虐めしやがって、胸糞悪い。ーー大丈夫か?」

大きく溜息をついてから、男に追われていた少年の方を振り返って。

キーノ > 「怖いヨ…怖いヨー!オイラ、何も悪いことしてないヨー!」

飴玉の入った籠を抱きかかえるようにしながら、涙目になりながらも懸命に逃げる。
しかし、あまりに突然の出来事だったせいか脚がもつれてしまい、追いかけてくる男達に捕まりそうになる。
もうダメだと思い、瞼を瞑った。聞こえてきたのは、女性の声。

「………お、」

次に瞼を開けた時に見えたのは、長身の女性の姿と逃げていく男達の姿。
助けてくれたと理解するよりも先に口に出たのは

「大きいヨー!怖いヨー!!」

そんな言葉だった。すっかり怯えてその場にしゃがみこんでしまった。

グラフィーナ > 助けたと思ったら、なにやら更に怯えている様子。苦笑して少年の方へ近づけば…がっし、とその頭をつかんでわしわし、と撫でて。

「ははははっ、だぁれが、大きくて怖いって?怖かった−、の間違いだろう?」

などと、笑みを含んだ声音で、いいながらその頭をぐりんぐりんなで回そう。少し乱暴な手つきだが、傷つけようという意図はないことは伝わるだろうか。

「ほれ、もうわめくんじゃねぇよ。うるせぇヤツはもういねぇからよ。」

落ち着け、って、と背中をなでながら、さて、この状況、どうしようか、と周囲を少し見回してみようか…。

キーノ > 「ぴぃ!?オイラ、お金なんて持ってないヨ…!」

がしり、と頭を鷲掴みにされると鳥が鳴いたような情けない声を上げる。
金なんて持ってないと口にしながら怯えていたが、どうやら暴力を振るうつもりはないと分かると漸く顔を上げた。

「…ホント?………怖かったヨー…おねーさん、ありがとだヨ。」

すん、と鼻を啜りながら涙目の目元を袖で拭う。
背中を撫でてくれている女性にお礼を言いながら、ゆっくりと立ち上がった

グラフィーナ > 「ばァか、誰が金よこせっつったよ。人の話をちゃんと聞かねぇやつは、不幸になるんだぜ?ーーまぁ、それはそれとして、私の名前はグラフィーナ。よろしくな、がきんちょ」

ようやく、少しおちついた様子の相手に、にか、っと笑って自己紹介をすれば、立ち上がる様子に、もう大丈夫だな?と確認して。

「この辺はあんまりガラよくねぇし、気ぃつけろよ?」

最後に、ばん、と背中を叩けば、ふと、考えて

「そういや、この辺に、地下水脈に通じる縦穴があるっつー話を聞いたんだけどよ、お前なんかしらねぇか?」

なんて、問いを発してみよう。女とて、ただ、無為にこの辺りをぶらついていたわけではないのだ。

キーノ > 「だって…さっきのおじさんたち、金出せって追いかけてきたヨ。オイラはキーノって名前だヨ。よろしくだヨ、グラフィーナさん。」

助けられた上に優しくされたということもあり、目の前の女性を信用した様子で名前を伝える。
帽子を被りなおして、籠の中を確認してから女性を見上げて。

「うぎゅっ!…うん…もうこっち来ないヨ。すっごく怖かったもん。」

背中を叩かれると変な声を出して少々咽こむが、女性の忠告には素直に頷いた。
そして、女性の問いかけには首を傾げる。

「…そんなのあるの?オイラ、ここら辺詳しくないヨー」

知らない、と答えた。

グラフィーナ > 「私は、いってねぇだろが。てめぇ、さっきの奴らと私が同じに見えンのか?」

などと、苦笑しながら、背中を一度、もう一度ばん、と軽く叩き。

「闘う力がねぇのなら、闘わずに済む道をさがさねぇと、生き残れねぇぜ?特に、このスラムじゃ、逃げるだけじゃ、追い詰められて奪われる」

素直に頷く様子に、安心したように、気をつけな、なんて笑いかけて。

「知らねぇかー…、まぁ、元々眉唾な話だったしな。もしここからそういうルートがあるんだったら、いろいろ仕事がはかどるかと思ったんだが。…よし、キーノつったな。もし、そういうものの噂を聞いたら、私にこっそり教えてくれねぇか?」

別にいそがねぇし、噂を聞いたらでいいからよ、と、くしくし、頭を撫でてやりながら顔を近づけ、な?と笑いかけて。

キーノ > 「さっきの人、逃げてったから…のう゛っ」

先ほどの男達よりも強くて怖いと思ったと言う前に背中を叩かれて、もう一度咽こむ。
その後の女性の言葉には、少し俯いてから頷いた。

「…うん。ありがと、グラフィーナさん。お礼に飴玉あげるヨー」

女性を見上げながらお礼にと籠に入った飴玉を勧める。
一つ一つが黄金色で艶のあり、甘い匂いを漂わせていた。
そして、女性の言葉には素直に頷きながらも、ふと思いついたと辺りを見回して

「ちょっと待っててヨー!オイラ、聞いてくるヨー!」

見えた雑草の元まで駆けよっていって、しゃがみ込んだ。

グラフィーナ > 「ったく、失礼な話だぜ?味方し甲斐がねぇな」

くっくっと笑いながら咽せる様子に悪い悪い、なんて軽い調子で謝って

「お、そいつは悪いな。だが、スラムの子どもからタダでもらうわけにはいかねぇな」

こいつを、と代金をキーノの掌にねじ込んでそれを口中に放り込み、意外なほどの滋味に少し目を丸くした。

「おいおい、聞いてくる、つってー…って、おい!?」

また変な輩に声をかけてトラブルになることを危惧していた女の心配は、意外な方向に裏切られ、目を丸くした。ーーー何をやっているのだろう?

キーノ > 「…オイラ、スラムの子じゃないヨー?あと、1つ5ガルドだヨー。」

女性の言葉に首を傾げながら、そもそもスラムに住んでいるわけじゃないと話す。
だが、掌に捻じ込まれた代金はしっかり貰っておくことにした。大事そうに袋へと入れておいてから

「ねーねー、ここら辺にさー?なんか、地下水脈に通じる縦穴ってやつがあるらしいんだけど、知ってるー?」

雑草の傍にしゃがみ込んで、話しかける姿は奇怪なものでしかないだろう。
だが、本人は真面目である。うんうんと頷いてから立ち上がって戻ってきた。

「あのねー、其処の角を右に曲がってね?進んだ先の突き当たりを左に曲がった袋小路にあるって。」

あっち、と指差して笑顔で答えた。

グラフィーナ > 「あん?違うのか?この辺のガキじゃねぇの?」

ちょっと意表を突かれたように、目を丸くして。ーーその後の「会話」と返事を聞いて、ふぅむ…と少し考え込めば

「ーーー人間じゃあ、ねぇ、っつーことか。キーノ、お前何モンだ?」

不思議そうに、首をかしげて、問いかけた。警戒した様子はなく、ただ、不思議そうに。

「普通のガキじゃあねぇ、つーことは、情報の信憑性もあると思っていいんだよな」

案内してくれるか?と、笑顔には笑顔で返して…

キーノ > 「オイラ、外から来たんだヨ。…で、でもオイラ人間だヨー?」

街の住民でもないと女性に答えたところで、考え込む女性から何者かと聞かれると
びくりとした様子で答える。人間の街の中に魔族が居るとなれば、酷いことをされるに違いないと
必死に人間であると主張する。

「そ、そうだヨー?ちゃんとした…直感だヨ!うん、いいヨ。」

先ほどの会話も直感の内だと言いたげにする。
女性に頼まれれば、素直に応じて雑草から聞いた通りに案内していく。
指定された袋小路にあった木箱の裏に、人一人が漸く入れるような穴があった。

「これだヨー…多分。」

グラフィーナ > 「外、っつーのは街の外、っつーことか?ーーーって、別に隠さなくてもいいんだぜ?人間じゃなくても、お前が私に親切にしてくれたのは、確かなんだしな」

私だって、ドワーフだし、たいした問題じゃあねぇよ、とくつくつ笑いながら、びくりとした様子に、宥めるように背中を撫でて

「どうも私とお前の、直感、の意味には差がありそうだけどよ。ーーお、これか?」

やがて、狭い穴に案内されれば、それをのぞき込んで…

「ちぃと、私には狭いな…無理すりゃいけるか?」

すん、と穴から流れる風の匂いをかげば、うん、と一つ頷いて

「ビンゴ!どこまで続いてるかはわからねぇが、水のある洞穴の匂いがする。キーノ、さんきゅな」

お前のおかげで助かったよ、と破顔すれば、その身体を引き寄せて、ぎゅーっとしっかり、抱きしめようとして

キーノ > 「…オイラ、パレコプって魔族なんだヨ。でも、魔族だから人間からは嫌われちゃうんだヨ。」

背中を撫でられると、女性を見上げながら自分の正体を明かす。
危害を加えられなければ無害の魔族ではあるが、人間からは怖がられると話す。

「さっきのは草に聞いたんだヨ。オイラ、草木とかと話せるんだヨ。」

女性に話しながら、縦穴を覗いてみては

「グラフィーナさん、大きいからねー。どういたしましてだヨー…むぎゅー…」

女性に言葉を返しては抱き締められると、その感触にすっかりと女性に懐いて様子で

グラフィーナ > 「パレコプ…なんだったか、最近名前聞いたな。ーーあー…カボチャのヤツだっけか?」

人間に嫌われる、という言葉には、苦笑して、宥めるように背中をぽむぽむ、と叩けば、革鎧の下、意外にも女性らしい柔らかさが伝わるだろうか。

「そんな怖がるような相手にはみえねぇけどなぁ。皆ビビリだな」

なんて、一言で片付けて、けらけらと笑って見せて。

「なるほどなぁ、そういうことか。まぁ、私も、岩の言ってることが分かる瞬間もあるしな」

似たようなもんだろ、なんておおざっぱな片付け方をしながら、穴の様子を確認し

「まぁ、今日はここを広げるにしろ何にしろ、ちぃと時間がねぇな。腹も減ったし、また改めて、になっちまうが…この辺…じゃなくてもいいんだが、何か、メシ食わせる良い場所しらねぇか?」

ここで会ったのも何かの縁だ、メシくらい奢ってやるよ、とそのまま、キーノを抱き上げて顔をのぞき込み…