2015/11/13 のログ
ご案内:「冒険者の宿」にテアさんが現れました。
■テア > 東の空に淡く曙光が滲むものの、未だ太陽が昇っていない時間帯。
ほとんどの客が昼過ぎまで起きて来ない冒険者の宿の開店準備は、寝ぼけたようにのんびりとしているのが常だった。
しかしこの日は、まだ薄暗い店内に既に数人の冒険者の姿があった。
竹箒で床を掃いてはテーブルに載せられていた木椅子を下ろす給仕娘が、うんざりとした顔で彼らのやり取りを眺めている。
冒険者達が居るのは階段脇の壁際、依頼メモの張られたコルクボードの前。
いかにも冒険者らしい冒険者―――山賊と見分けの付かぬ、薄汚れて無法の気配を漂わせる大柄な中年男が3人。
取り囲まれているのは、彼らに比べて随分小柄な人影である。
野暮ったいスロップスとクロスアーマーのチュニック、その上から黒狼の分厚いマントを羽織ったその冒険者は、灰色にくすんだ金髪も貧乏くさい駆け出しだった。
まだ日が登り切る前の早朝に、人目を忍んで冒険依頼を確認に来た駆け出しが、折り悪く早い目覚めを迎えたベテランに絡まれているという、よくある光景。
遠間からやり取りを見つめる給仕娘がしかめ面を浮かべているのは、その小柄な駆け出しがまだ年若い女冒険者であり、取り囲むベテランの表情や言動にはっきりと下劣な色が滲んでいるためである。
ご案内:「冒険者の宿」にカレリアさんが現れました。
■カレリア > 「やっと…到着ですわ…」
シンプルなドレスに赤い瞳、小さめの鞄をさげた少女が宿に現れる
疲れのせいか少々息が荒いがそれもすぐに整えカウンターに向かう
村の宿を見てこんな所で眠れるものかと無理をしてここまで帰ってきたが…
「…何ですの?ここには豚が居るようですわね。
これじゃあの村以下じゃないですの…」
少女を囲う男達を見てそう吐き捨てる
こんな時間まで歩かされて疲労困憊のうえ目に映るのは醜悪男共のセクハラまがいの行為
黙って眠っては目覚めが最悪になってしまう
■テア > 『だからさぁ、俺達が手伝ってやるって言ってんだよ、この狼退治。確かに俺達みたいなベテランがやるような仕事じゃあねぇよ? ンなもん、農夫にだって出来んだろっつぅ安っぽい依頼だけどさぁ、一人で健気に冒険者を続けるテアちゃんのお手伝いをしてやりたいっつぅ、ボランティア精神ってやつだよ、なぁ?』
募金を求める聖職者を闇討ちして、必死に集めたお布施を根こそぎ奪う。
そんな所業こそが似合いそうなベテラン冒険者の戯けたセリフに、彼の仲間達が下卑た笑い声を響かせた。
ドワーフを大きく育てて見ましたといった風情の髭面は、丸太の様な腕でテアの肩を抱き、野暮ったいクロースアーマー越しにもはっきりと分かるほどに育ちきった豊乳を揉みこねる。
挟み込む位置にいる痩せの疵面はマントを持ち上げ、少女の引き締まった尻を撫で回す。
少女の正面に位置する禿頭は、羞恥に頬を染め、困った様に眉尻を下げる少女の表情を鼻息荒く視姦する。
新たな人影―――虐められている娘よりも更にこの場に似つかわしくない少女の物騒なセリフが響いたのは、まさにそんなタイミングであった。
うんざり顔の給仕娘が「―――お?」といった表情を向け、ベテラン冒険者に囲まれて小さくなっていた女狩人が救いを求めるような視線を向ける。
当然、邪魔をされた中年冒険者達の顔に浮かぶのは剣呑とした気配。
各々の獲物に手を掛けながら、ゆっくりと振り返って睨んだその先、ドレス姿のこぢんまりとした人影を捉えたならば――――。
『――――……っぷ。ぶははははははははははははははははッ!』
顔を見合わせたベテラン冒険者達が、唾を飛ばし、乱杭歯をむき出しにし、さも苦しげに太鼓腹を抑えて笑い出した。
■カレリア > 「豚の方がまだ可愛げがありますわね…」
不揃いな歯に飛び散る唾液、そして手元では未だに碌な抵抗もしない少女の四肢を弄んでいる
モンスターよりもある意味醜悪で豚程の可愛らしさすら皆無な男たちを見据える
「はぁ…今すぐ大人しくこの宿から出ていきそこの少女に金輪際近づかないと誓うのであれば私は何も致しませんが?」
こんな輩が仮にも冒険者などと名乗っているのかと落胆しながらそう告げる
同時に相手の答えを予測し鞄の中のポーションを一瓶飲み干す
魔力回復用のポーション…せっかく買ったのだが言葉だけで大人しく引くような輩にも思えない
「ぷは…さて、最終警告ですが貴方達はどうしますか?」
魔力が体に満ちるのを感じ疲労が少し和らぐ…
少し心に余裕が持てた、これなら平和的に話し合えるかもしれないとニコリと微笑む
■テア > 『ぶふぅ……ッ! ど、どうするよお前ぇら、今すぐ出て行かねぇと、俺たち酷い目に合わされちまうみたいだぜ? そ、そこの……ぶっ、お、おチビちゃんにぃ……げははははははははッ!』
『うひぃっ、やめっ、も、もう笑わせんじゃねぇよ、死ぬ、死んじまうぅううっ!』
当然と言えば当然の流れ。
子供としか言えないような、しかも貧民街には相応しくないドレス姿の少女が、むくつけき冒険者相手に見事な啖呵を切っているのである。
そこに脅威など感じようがなく、何かの冗談としか思えない滑稽さが滲むのみ。
この世界で長く生きてきたベテランとは言え、本物の強者ではないただのゴロツキ。
少女の秘めた力に気付くこともなく、唐突に提供された道化芝居に笑い転げるばかりである。
少女がその白喉にポーションを流し込み、戦いの準備を終えたことにも気付かず、3人の無法者は怯え竦んだテアから一旦離れ、新たな獲物へと近付いていく。
目元の涙を乱雑に拭って移動を終えれば、胃の腑を捻るようなプレッシャーを生じさせる屈強な人壁が少女の体躯に影を落としていた。
高みから少女を見下ろしたまま、笑いを抑え、彼らの本質たる獰悪な表情を浮かべて巨大な手を小さな頭部に延ばす。
紫がかった艶髪を分厚い手のひらで乱雑に撫で回しながら
『帰んな、チビ助。これ以上ゴネやがるようなら、手前ぇの貧相な身体から味わわせてもらう事になるぜ?」
薄汚れた膨れ面を近づけ、吐き気をもよおす口臭を吹きかけながら、彼らの方からも最後通牒を突きつけた。
給仕娘は「あ~……」といった顔で頭を抱え、あまりに頼りなく見える救い主を見守る女狩人は、面白い程に膝をガク付かせながらも腰のショートソードの柄を握りしめる。
怯えきったその表情に、いざとなったら、そこに割って入ろうという覚悟が見え隠れする。
■カレリア > 「貧相な体ですか…確かに私にはまだ女性としての魅力はそこまでありませんが…」
自分の胸を見下ろす。そこまで大きくないのは若干気にしているがそれは今はどうでも良い
本棚の本を取るように自然と自分の髪に触れた男の首元に手を伸ばし
「貴方を黙らせるには十分でしてよ♪」
やはり平和的には無理だった
ブチッ!と店内に異音が響く
魔力強化で高められた腕力で文字通り男の喉仏を潰す
少女に対する蛮行ももちろん見過ごせないがここまでやるのは…
「女性の髪を何だと思っていますの?」
獲物を抜かれる前に右奥の二人目の男の横腹…強固な肋骨に守られていない柔らかい部分にフックを一撃
次いで三人目、混乱で対処が遅れているであろう三人目の顔を鷲掴みにしたままニコリと笑顔をうかべ
「このまま奇妙なアートになるのと大人しくそこの二人を運ぶ…どちらがよろしいですか?」
凄絶な笑みを浮かべている…必要ならこのまま粉砕するのも厭わない
むしろ潰してみたいといった感情が見え隠れする真っ赤な瞳が男を見つめる
■テア > 「――――ッ!!?」
一瞬。
まさに刹那の出来事だった。
絶体絶命と思えた少女が、無防備に腰を屈めた巨漢の喉元に小さな手を添えた途端、立て続けに響いた奇妙な音。
気付けば、二人のベテラン冒険者が脂汗と苦鳴の声音を絞り出しつつ床に転がり、最後の一人、細身の疵面が青褪めた顔を彼女の手指に鷲掴みにされて硬直していた。
腰の双短剣を抜くことすら出来ていない。
愛らしくとも異様な迫力を灯した笑顔の問いかけに、ゴクリと飲み込んだ生唾で喉仏を上下させた痩男は、コク、コクコクコクと無言のまま頷いたかと思った途端、倒れこんだ二人を意外な力強さで引き上げ立たせ、転がる様に店から飛び出ていった。
スイングドアが錆びた音を立てて開閉を繰り返す中、給仕娘が口笛と共に『やるねェ』と零す。
ショートソードの柄を握りしめて震えていた女狩人は、未だ展開に追いつけてもいないのだろう。
大きく澄んだ翠瞳を幾度も瞬かせ、ぽかんと間の抜けた顔でドレス姿の少女を見つめている。
■カレリア > 「本当に見掛け倒しでしたわね…」
言動が劣悪なだけで実際は実力者…そんな幻想もあった、むしろそれならまだましだったがそんな幻想は見事に霧散した
図体と数に物を言わせて弱者に蛮行…
「やはり成人した男等ゴミですわね…どうもお騒がせしましたわ。」
ぺこりと給仕の女性に頭を下げる
無駄に暴れて店の評判に傷をつけることにならずにひとまず安心し…
「そこの貴方…確かテアさんでしたか?もう大丈夫ですよ♪」
三人目に見せたような表情はすでになく幼い少女と言って恥じない笑顔で呆けている少女に微笑む
■テア > 無論、彼らとて修羅場を潜って泥を啜り、あの歳まで生きてきたベテランである。
街のチンピラとは格の異なる強さを持ちあわせていたはずだ。
しかし、少女の見た目に油断して、初動において決定的とも言える打撃を与えられてしまえばどうにもならない。
むしろ、あの歳まで生き残ってきたからこそ、逃げの判断も早かったのだろう。
頭を下げられた給仕娘は、ひらりと手を振り笑顔を向けて、己の業務を再開する。
そうして少女に救われた当事者は
「―――――へぇあッ!? あわっ、ぅ、え……と、あ、あり……ぁと……。」
硬直していた体躯をビクンッと跳ねさせ、狼狽のまま意味を成さない声音を零し、最後、聞き取れないほどの声量でどうにかこうにか礼を述べるのが精一杯という体たらく。
しゃべり終えて少ししてから、ハッと何かに気付いた様に下げた頭が、感謝の意を伝える事には成功した……はずである。
そして当然、再び上げた頭部が気の利いた言葉を発する事もない。
せわしなく翠瞳を彷徨わせ、緊張渦巻く双肩を強張らせて立ち尽くすばかり。
■カレリア > 「あり…?ふむ、本当に大丈夫ですか?」
まだ怯えてるのかもしれないと心配し近付いていく
恐らく礼を言われた…筈だが確信はない
「えっと…私はカレリアといいます。この国には最近やってきまして…良ければ仲良くしてくださいませ?」
首を傾げ澄んだグリーンアイを見つめる
こんなになるまで怖かったなんて…手遅れになる前に居合わせて良かったと勝手に思いながら
■テア > ドレスの少女が近付けば、滲む緊張の気配が更に強まる。
外見に見合わぬ彼女の戦闘能力に怯えているのではなく、単に極端なくらい人付き合いに慣れていないのだ。
気負いなくこちらを見つめる少女の瞳。
そこから逃げるように視線を反らし、健康的に焼けた頬に一筋の冷や汗を伝わせる。
「――――………っ!?」
仲良くしてくださいという社交辞令に、女狩人はぎょっとした表情を彼女に向けた。
が、少し低い位置からこちらを見上げる視線に気付けば、再びサッと顔を横向け――――チラ……と一瞬彼女の顔を盗み見た後、ためらいがちに小さく一つ頷いた。
先程の出来事がなかろうと、少女の不審な挙動は変わらなかっただろうけれど、彼女が現れなかったならば、程なくテアは彼らの部屋に連れ込まれ、少なくとも一晩は肉便器として使われる事になっていただろう。
■カレリア > 確かに頷いたのを見て笑顔を浮かべる
それと同時に…なぜか今自分が見上げている少女を見ていると嗜虐心がそそられる
不安げな瞳に健康そうな肌…一目で分かるほどに引き締まった身体…
「…良ければ部屋でお話をしません?貴方の事が知りたいですわ♪」
笑顔のままそう尋ねる
何を思っているのか…これではさっきの屑共と同じだとも思いながらそう尋ねる
何だか放っておけない…放っておきたくない。子供が珍しい玩具を独占するような我儘な気持ちに我慢が出来なかった
■テア > ―――ガタタッ!
少女の繰り出した接近戦の誘い文句に、ひとたまりもなく後退った背がコルクボードにぶつかった。
いっぱいに開かれた双眸が翠の瞳で少女を見下ろし、続けて目を向けた先、掃除中の給仕娘は短く笑って仕草で告げる。『好きにしなよ』と。
頭の中で、無数の疑問が渦を巻く。
何故こうまで興味を持たれたのか。部屋ってどこの部屋だろう。何か目的があるのだろうか。あ、でも助けてもらった以上、このお誘いを断る事は出来ない気がするでもすごく恥ずかしいどうしよう緊張する。
文字で埋め尽くされる思考とは裏腹に、半開きの唇は「はわわわわ…」なる声音を零すのみ。
何かに救いを求めるように視線が彷徨うも、給仕娘はもう目もくれず、薄暗い店内には他の人影は見当たらない。
女狩人の頬を幾つもの冷や汗が流れ落ち、強張った顔がゆっくりとドレスの少女、カレリアに瞳を戻して―――――こくり。硬い表情のまま、小さく頷いた。
押しに弱い少女は、結局いつもの様に状況に流される事を選んだ。
■カレリア > 「っ…!」
突然の音に驚くがじっと答えを待つ
どうやら給仕の方のOKは出たようで一安心
次いで少女を見れば…はわわわと可愛らしい声が漏れ出て困惑している様子
そんな姿を見せられては余計に一緒に居たくなる
「まぁ♪それでは行きましょうか…♪」
ふふ…♪とどこか色気のある笑みを浮かべ空いている部屋へ…もともと泊まるつもりだったが思わぬ+に笑みが零れる
部屋の中は一般的な宿の一室…だが時間のせいかやけに静かで耳をすませばお互いの呼吸音も聞こえてきそうなほど
「では一先ず…品がないですが…許して、くださいませ…」
部屋に入ればフラフラ~と誘われるようにベッドに腰掛る
魔力回復はしたものの相当な疲労はあったようで立ったままなのも少し辛かった
ふかふかとは言えないが柔らかいベッドに腰掛け表情が少しゆるむ
■テア > もちろん、先程の男達の誘いと、カレリアの誘いを同列に捉えて等いない。
下劣で不潔な男達とはまるで違う可愛らしい少女とのひとときは、テアからしても嬉しく好ましい物である。
出会ったばかりの相手との、ふたりきりの空間というハードルの高さに目を瞑れば、神様に感謝したくなる程の誘いといえた。
困惑しきりな頭の中で、今一度冷静に状況を分析して覚悟を決めた狩人は、少女の言葉にこっくりと頷いて、ギクシャクと硬い歩みで小さな背中についていく。
部屋につくなりの彼女の言葉に、テアは無言のままこくこくと頷いた。
ベッドに向かう彼女を尻目に、狩人娘の視線が室内を巡る。
さして広いわけでもない、ごくごく普通の宿屋の一室。
それでも、物置部屋を間借りして風雨をしのいでいる己とは雲泥の経済力である。
こんなに小さいのに、やっぱりすごい人なのかな……そんな思いをいだきながら、どこか疲れた様子でベッドに腰掛けた少女を盗み見る。
椅子に座るでもなく、彼女の隣に腰掛けるでも無く、少女の傍らで棒立ちとなるテア。
■カレリア > 「はぁ、やっと一息……どうしましたの?」
棒立ちなままの少女を赤い瞳で見上げながら首をかしげる
ベッドに座ったせいで妙な勘違いをさせてしまったのかとも考えるが…
「えっと…ほら、好きな所に座ってください?
立ったままがいいと言う事ならそれでもかまいませんが…足が疲れてしまいますわよ♪」
そう促し、悪戯っぽく笑みを浮かべる
自分たち以外誰もいないおかげか一回で見た時よりも年相応に映るかもしれない
■テア > 妙な警戒心を抱いているわけではなく、単にコミュニケーション能力の極端な低さによる緊張が、少女から自律的な行動を奪っているというだけの事。
一度促されれば、再びこくりと頷いて、離れた場所にある椅子に目を向ける。
―――が、声の小さな己がベッドに腰掛けた彼女と話す事を考えれば、椅子のある場所は遠すぎる。
結局、彼女同様、ベッドにちょこんとお尻を落ち着かせる。
とは言え、肩が触れ合う程の距離ではなく、しかし、拒絶する程の距離でもない、中途半端な位置への着席である。
ベッドのきしむ音が小さく響き、揺れる空気が着古した服からほのかに甘い、テアの体臭を漂わせた。
薄汚れたマントがゴワゴワとした感触が妙に気になる。
こういう場合、脱いでから座るのが正しいのだろうか。
そんなどうでもいいことばかり考えてしまう己に比べて、カレリアの落ち着いた態度はとても大人びて見えた。
■カレリア > 「あ、あら……♪」
椅子ではなく隣に腰掛けたテアに少し驚きの表情を浮かべるがそれも一瞬
微かに香る甘い香りが心地いい…そのままテアの方へ視線を向け
「えっと…ではまず私から。名前はさっき言ったとおりのカレリア…今はわけあって冒険者をしています。
この国に来る前からやっていたので少しの贅沢が出来るほどには貯蓄があるんです♪
ですがこの国ではまだまだ新米…だからいろいろお話を聞かせてほしいんです♪」
一先ずなぜ自分の様な子供が一人で宿を借りているのか…自分が開いてであれば一番気になるであろう点を説明する
次いでテアを招いた理由…それが全てと言うわけではないが嘘でもない
と言うより全部正直になんて言えないのでそれらしいことを告げる
■テア > ともすれば逃げがちになる翠瞳を精一杯彼女に向けて、その言葉にコクコクと幾度も首肯して相槌を返す。
己よりも2つ3つ年下と思しき少女が、更に幼き時分より冒険者をしてきたというのだ。
余程の苦労があったのだろう……。
そんな憐憫と共感が、澄んだ翠瞳の奥に滲む。
何故そんな頃から冒険者などという危険な仕事をしなければならなかったのか、両親はどうしたのか等の疑問が頭をもたげるものの、それを問う勇気も会話能力もない。
「………………………。」
そのまま黙って彼女を見つめる。
言葉の続きを待つような、しばしの無言。
(―――あれ?)といった感じで小首を傾げ、ハッと目を大きくして、今度は己の番なのだと気付く。
「――――テ……テア……。冒険、者……と、狩人……。」
聞き取りづらい小さな声量が、それでも若々しく澄んだ声音で、たどたどしい自己紹介を紡ぐ。
「その……わたし、も、……かけ、駆け出し、だから……ごめん、ね。あ、あまり……教え、られない……かも……。」
俯いた頭部が、申し訳なさそうな上目遣いを彼女に向けた。
年上らしからぬ、捨てられた仔犬の如きなんとも情けない表情である。
■カレリア > 「狩人…ですか。それに冒険者も…そこは私と一緒ですね♪」
たどたどしいながらも心地いい声に頷く
どこか哀れみを抱かれたのは目で分かるがそれを尋ねない優しさが素直に嬉しい
「あらそうでしたの?では新米同士…頑張りましょうね♪」
年上の彼女が自分と同じ駆け出しと聞いてより親近感が湧く
そして…自分を見上げる表情がまるで小動物の様でとても愛らしい…
無意識か意識してか…思わず手を伸ばしその頭を撫でてしまう
■テア > 「……………。」
一緒と言われて俯き照れる。
先ほど見せられた技量は、己の素人剣術などとは次元の違う代物だった。
同じ冒険者だ、などというのが心底気恥ずかしい。
それでも、お互いにがんばろうと言われれば、うんうんうんと何度も頷いて同意を示した。
首肯に合わせて撓む豊乳が、厚手のチュニックの胸元を揺らす。
伸び近づく彼女の小さな手に、思わず身を硬くするものの、コミュ障特有の単なる緊張による強張りである。
そっと頭部に乗せられた手指を大人しく受け入れ、ほんのりと頬を染めつつも黙って髪を撫でられた。
まともに櫛も入れられていない髪は手触りのいいものでは無いだろうし、そこから漂う香りも上品な花の香りなどではなく、清潔な犬と同じレベルの、お日様の臭い。
■カレリア > 「…まるで初めて家に招いた子犬ですわね♪」
ポツリとそんなことを呟く
一部、子とは言えない部分が揺れているが
緊張した様子と少しゴワゴワとした髪の手触りに花や石鹸の匂いではなく独特な香り
そして何より表情…悪気はないのだが素直に思ったことを告げ…
「んー…何だか洗ってみたくなりまわね♪
髪にお手入れは必須ですわよ♪」
ごわごわとしている髪を撫でながら笑う
せっかく綺麗なお顔なのに勿体ないですわ、と付け足しながら
■テア > 独白じみた呟きに、テアはこくんと小首を傾げた。
少し考え、自分が仔犬扱いされたのだと気付いて恥ずかしさを覚える物の、不満に思う事はない。
「―――し、しても………わ、わたしが、そんな、の……しても………意味、無い……から。」
ふるふると頭を振って、彼女に答える。
自分の様な貧相な小娘が色気づいて身なりを整えた所で、何かが変わるわけでもない。
言葉足らずにそんな考えを彼女に伝える。
付け足された言葉にはまたしても目を丸くして、じわじわと赤みを増していく顔をぎゅっと目蓋をつむって俯かせ、ぶんぶんぶんっと強く首を振って見せる。
胸の駄肉が再び重々しく揺れて、チュニックの内側でわさわさと音を立てた。
■カレリア > 「む、それは違いますわ。
テアはとても綺麗です…手入れをしていなくても分かるぐらいには♪」
髪を少し分けテアの顔をはっきりと見つめる
やはりと言うかなんというか、貧相な子娘どころか顔立ちだけではっきりと麗人というのが見て取れる
健康的な肌に身体…そして美しい瞳
何処が貧相なものか。むしろそこらの貴族よりも
「綺麗ですわ
テア、貴方はとても美しい…あの男共、何も褒められはしませんが貴方に目をつけたことだけは評価できますわね♪」
ぎゅっと瞑った目にぱっと見て分かるほど赤い顔…
年上であろう彼女を見ていると何かが胸の奥でざわつく