2015/11/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルーキさんが現れました。
■ルーキ > 「……ここばかりは、何がどうあれ変わる気配も無いな」
人通り疎らな道の端。薄汚れた壁に背を預けて暫し経つ。
呟きで通りがかったぼろ服の少女が訝しげに振り返るも、それに気づけばかぶりを振って。
先程傍で買った小さめの果実を掌の中でくるくると回し、弄び。
「この町らしさ……というか。そういったものか」
路地裏からは誰のものとも付かぬ笑い声、下卑た会話――
すっかり慣れてしまったかのよう意識も向けず。
■ルーキ > ふと、先程通り過ぎた少女が物欲しげに此方を見つめていることに気づく。
片手で弄んでいたそれをぽん、と投げやれば。
「………礼はいらんさ」
喜ぶその背にそれだけ声をかけて。
腰に下げた剣の柄をゆっくり、指で撫で上げた。
「物騒なのも大概にして欲しいものだなぁ」
先程よりも視線が増えた気がして溜息。
何分目立つ。故、半ば放置していたのだが―――
■ルーキ > 此処で因縁をつけられては堪らない。
鈍い動作で壁から背を離し、辺り見渡す。
「……ま。少し離れれば――騒ぎになることもないか」
誰にも聞こえない呟きを一つ。
ゆっくりと、視線の動向を気にしながらも歩き出した。
無機質な人形じみた白い肌を追い、数人の荒くれ者がそれに続く。
彼らの行方がどうなったかは、誰も知らぬままに―――
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルーキさんが去りました。