2015/10/10 のログ
ロザリー > 「…そうであるな、これからどう生きるかも、貴様自身で決めるがいい」
それは奴隷として育てられた少女への温情なのか
人間にとっての天敵ともいえるヴァンパイアの言葉としては余りにも優しく

「ふ…何だ、ちゃんとした人間の名があるのではないか。
 吾はロザリア、闇烟る城に住まうヴァンパイアだ。
 ………たまにはこの様な夜遊びも良かろう、本来ならば芳醇な魔力を持つ貴様の血を吸い尽くしてやろうかとも思ったのだがな」

そのぎこちない笑顔を見下ろす顔はやはり笑みで、そんなことを口にする

マチルダ > 「私…自信で」

もう自分を首輪も無い、奴隷ではない。
自分の意思で決めなくてはいけない。

「本当に、私が決めていいんですね」
そう言うとロザリアのスカートの裾を掴んで

「私に…魔法を教えてください!魔法を覚えて私を虐めた主人を殺したい!だからお願いします!私に魔法を教えてください!」

ヴァンパイアだとかそんなことは関係ない。
初めての自分の意思、今まで溜まっていた感情が爆発して出したことも無い大声で懇願した。

ロザリー > 「………」
ぞくり
僅かに震えるものを感じた
その、振り絞るような哀願に
人間たちは魔族を恐れるが、こと心中で育む闇の深さは人間も大概であろう

「魔族に教えを請うということがどういうことか、わかっておらぬわけでもあるまいが」

一息の間、そして再びまっすぐ見据えるように、蒼碧の瞳が向けられる

「復讐は憎悪に通ずる、良き闇だ。
 憎悪で魔法を研鑽すれば、魔性へと堕ちるぞ。
 ……それでも構わぬというならば」

言いながら、指先に黄金の鍵を具現化させる

「受け取るがいい。
 魔力と意思に感応し我が居城への道を開く…。
 魔物を放してあるが、それを持つ者は客とみなされる」

マチルダ > 「わかってます!私は最初から真っ暗な中にいました!だからもっと真っ暗な所に言ったってもう怖くないです!」

爆発した感情は止まらずに蒼碧の瞳を最初より意思の籠った黒い瞳が見つめて。

「憎悪…それでもいいんです、私の今までに決着がつくなら」
黄金の鍵を躊躇することなく受け取って。

「ありがとうございます…必ずお邪魔しますから、待っててください」

ロザリー > 「………」
じ、とその黒い瞳と見つめ合う
根が深い
これならば自身の扱う魔法も習得は可能だろう
闇の魔法は魔族の技法、その魂も闇に染めていく

一つ考えていることがあった
この少女を『噛む』かどうかだ

………

「構わん。鍵を使えば吾にはすぐにわかる。
 使い魔を寄越して案内でもしてやろう…どのみちその主というものから離れれば住むところもないのだろう」

…今しばらくは、置いておこう
魔族に堕としてしまうよりも
人として闇に染まっていく様を見るのも一興だ

マチルダ > 「…そうか、もう住むところないんだった」

あんな豚小屋でも一応屋根はあった、生きていく手段がなければ復讐どころではない。

「じゃあ…今から、その、お世話になります」
ぺこりと頭を下げる。
しっぽを無意識に振ってしまう、ロザリアが初めて信頼している人物だからだろう。

ロザリー > 「…まぁ良い。人間の客人は貴様以外にもいる。
 丁度城への献上品の食料も余りあるところだ。吾は血しか口にせぬからな」

ふむ、と顎に手をあてる
身支度なども必要ないということか
全てを奪われている奴隷だった、ということが如実に現れている

「ならば迎えてやろう。マチルダ。
 宵闇の城、キルフリートにな」

黒紅のドレスが突如吹いた風にはためく
それは普通の風とは違う、魔界の風

やがて風が渦巻くように闇を巻き込み、大人一人が通過できるほどの黒い穴を形成する
穴の向こう側には、霧深い渓谷の中にそびえる古めかしい城の姿が見える

マチルダ > 黒い穴の向こうに聳え立つ城。
これを通れば本当に後戻りはできないだろう。
それでも構わない、どうせ今までだって地獄だったんだから。

「はい」

短いが決意のこもった言葉、ロザリアの手を握って後ろに控える。

「絶対、立派な魔法使いになって見せますから…ロザリア様」
初めて決めた自分の道をしっかりと歩いて行こうと。

ロザリー > 「(…思わぬ拾いものであった)」
内心、喜びに満ち満ちている
不老不死の最大の敵は退屈だ
とても良い玩具を手に入れたも同然である

「では参ろうか、歓迎するぞ」

その背中を手で一度撫でてから、ドレスを翻し闇へと歩いて行く
二人共が空間を超えれば、その闇はこつ然と消え去る───

あとには、首輪が1つ転がっているだけだろうか

ご案内:「王都マグメール 薄暗い貧民街の街道」からロザリーさんが去りました。
マチルダ > 「はい!」

威勢はいいがまだまだぎこちない笑顔で答えて
闇の中にその身を投じる。

2人が消えれば首輪もやがて風に流されどこかへと消えて

ご案内:「王都マグメール 薄暗い貧民街の街道」からマチルダさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエリス・ヴァートリーさんが現れました。
エリス・ヴァートリー > (暗いスラムの路地裏を殆ど体を隠せていない金属鎧に身を包んだ少女が一人のんびりとスキップしながら周囲を見渡し)
結構、面白そうな所ね
(興味深そうに視線を左右に向けて。仕事が一段落つき、王城に帰還し、戦利品の分配が終わって与えられた休日になんとなく、貧民街に足を伸ばして)
んー今度、皆でここに来ようかな、結構気に入りそうだし
(足元に転がっている誰のものと知れぬ空になった子袋を蹴り飛ばして)

エリス・ヴァートリー > んー?

(路地裏に落ちていた箱に近づき手に取れば長い間放置されていたのか、すぐにボロボロと崩れて)

まぁ……こんなものか

(小さくため息をつけば崩れた箱の中身に視線を向ければ奇妙なキノコがいくつか零れ落ちて)

なんだろう?

(興味深そうにきのこを手に取りじっと見つめる。萎れて崩れそうになっているものの赤い色が特徴的なきのこで)

エリス・ヴァートリー > (暫くの間きのこを見つめていたが)

んーわかんないや

(きのこを投げ捨てて来た時と同じようにのんびりとした歩調で去って行った)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエリス・ヴァートリーさんが去りました。