2023/06/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
■メイラ・ダンタリオ > ◆
黒髪 黒服 黒鉄 全てが黒で染まる姿
赤い瞳と、笑めば三日月型になりそうなトラバサミのような歯列を見せるメイラ。
王城内 “地揺れ”の案件も兼ねて複数人と今後の話を行いながら、今は一人
カツ、カツ、カシンとメイルブーツの音 大刀大脇差の鞘が擦れあう音
鎧を身に着けていないのは今直ぐに赴くわけではないからか 急いている色も見えないのは
新しい発見 新しい出来事 冒険という意識に傾く出来事なのか
闘争という出来事なのか 判別がつかない時点故か。
とりわけ実戦ではなく調べならば、と見合う者らが今は赴いている最中だろう。
「地揺れ地揺れと、大きな被害がないのが逆に、動きづらいのが厄介ですわね。」
戦力として過分にみられているなら、ぶつける場所にぶつけたい。
それは腐れ豚貴族でも轡を並べる同胞でも同じこと。
タナールとクシフォスはこの件で意識を裂いてきたならと何か動きを見せる気もするせいか
メイラ 及びその背中についていける狂った何かが伝染してしまった者ら
フン、とメイラも鼻で溜息をしながら、王の肖像画の前にいくと目の前で見上げた。
「―――。」
跪くことも、両の手を床につけることも 頭を垂れることもない
目の前で大きく、目上に立っていらっしゃってくれている。
「陛下のお言葉が、今はまた恋しくなる思いですわ。」
独り言だ。
行けと言ってくださるだけで十二分だというのに。
それでメイラを動かしてくれる者が圧倒的にいないのだ。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にメテオラさんが現れました。
■メテオラ > どこか別の廊下から歩み寄ってくる一人の気配。
同時にその気配が引き起こす音は、戦場でよく聞く鎧音。
全身鎧を身にまとい、銀糸を揺らして近づく姿。
その身は髪に似た銀と漆黒が組み合わさる鎧に、禍々しい気配を纏う槍を手に。
王城の中なれど、あえて咎める者がいないのは、それだけの理由があるからだろう。
薄れていても血の香りが混じるその様子は、どこかの戦場帰りであることを戦うものであれば感知するのは容易い。
そんな血と死の気配を纏った女の視線の先には黒を主体とした衣服を纏った一人の女性の姿。
その姿は戦場で幾度か見かけたことのある御仁。
同時に、『色々な意味で有名』な御仁でもある。
とはいえ、似通った性質ながら、今まで直接に言葉を交わすこともなければ、『補給』に向かうこともなかったがゆえに、直接的な既知ではなかったが。
それだけの存在であり、それだけの戦力である、戦争狂の名家は戦争屋として耳に届くことは当然のこと。
興味はだいぶ、惹かれていた。
そんな興味のもとに近づいていけば、戦場慣れした広い視界は、視界の先にいる女性が見上げる先のものを理解する。
それは、王の肖像画。
独り言が溢れた後にやってきたために、ただ見上げているように見えるけれど、その姿が、様子が、気配が、『彼の王』と対話しているように見えたがゆえに、数歩後ろで足を止めた。
しばらくその後ろ姿を見つめていたが、元々が大分せっかちな性質ゆえに、程なくこちらから声をかけた。
「ごきげんよう。最近は、良き闘争に恵まれておられますか?」
王城で、女性同士が口にするには明らかにそぐわない、そんな言葉を向けてみる。
どんな反応が返ってくるにしても楽しそうだ。
そんな興味と機体が入り混じった、どこか楽しげに響く声。
目の前の彼女の反応を待って。
■メイラ・ダンタリオ > ◆
王城故に存在する大きな絵。
もう目の前で姿を拝謁することが叶わないメイラが、唯一謁見できる場所だ。
寂しげで、求めて、もう手に入らない何かを見るように眺めてから、目を伏せて刀の柄に手を置くようにして
目の前でジッと立つことになっている。
王に見下ろされている。
そんな感覚に浸れるせいだろうか。
メイラは“血”故に王が存命の頃にも居た存在だから 1分 2分
久しぶりに心地よく感じている。
通り過ぎる者がいた場合 嗚呼、と納得する者もいれば
王城内で不自然なことをすれば刃を片手に迫ってくる狂犬相手 やりにくそうにする肥え豚貴族も遠くに見えた。
そして、聞こえてくる甲冑音 近づいてくるそれを聞こえないわけがないものの
後方にて止まる姿に、王の絵を求めてなのか 少なくと“メイラの耳には聞きなれない甲冑音”だった。
「―――?」
首を向けそうになると、聞こえてくる挨拶と最近の状況
ようやくゆっくりと振り向けば 黒の姿のメイラに対し、正反対な色身と言える存在がいる。
「ええ、ごきげんよう。」
両の手指 五指を包む黒鉄 手袋の様に短い丈のガントレットで ツイとロングスカートを摘まみ
目の前でカーテシーを行うことで礼を取る。
「目の前で出会うのは、初めてですわね ハールファウスト。」
敬称も無い呼び捨て それを可能とするのがメイラと、その性格と立場だ。
そう、目の前のメテオラが、王に全てを捧げるこの一家の狂犬を知っているように
目の前のメイラもまた、似た者同士であるハールファウストを知っていた。
互いが今まで隣り合わなくても、同じ“複数の群れ”としてなら轡を並べていることは当然あり
しかしそれはまた不自然にも映ることだろう。
どこかで腐れ豚が通りかかり 狂狷であり狂犬である者が対している状況に
声もなく ヒッ と喉を鳴らし、そそくさと後にしていく。
遠くでいくつかの視線も二つ三つあった。
「そして」
其処になると、メイラは ギヂンッ ヂギッ と片手の筋肉の張りが強張るようにしたまま
愛刀の柄に手を乗せて、黒鉄五指の下 革の手袋が悲鳴を上げている。
「クシフォスのクソッタレをどうにかしていない以上 わたくしは頭がどうにかなりそうですわ。」
大満足のいく戦場に恵まれているかと問われれば、それはメイラを刺激する言葉だろう。
■メテオラ > 己が向けた挨拶に、返ってきた返事。
白銀と、黒。正反対な装いながら、その性質は似通った二人が相対する。
全くもって非の打ちどころも無い淑女の礼。
ただ、その身が纏う代物は、淑女というのは剣呑に過ぎるが。
それに対して槍を手にしていなければ、同様に完璧な礼であろう答礼を返しつつ。
「はい、目前にて御意を得るのは、初めてでございますね。メイラ様。
ハールハウストが当主、メテオラにございます。よしなに。」
彼女から自分への敬称はなくとも、気にした風もなく。
どちらかというと当然というように。
同時に自分から彼女へは敬称をつけるのが当然というかのように。
これは家格などは関係のないこと。
ただ、敬うべきお方に対しての忠誠が、流した血の量が、そしてその存在が、彼女を格上と自ら理解させるに足る相手だった、それだけのこと。
遠目に見やる者たちの、おっかなびっくりは怖いもの見たさか。
狂犬とも口賢しい連中が揶揄する黒衣の騎士と、血と死の臭いを好むがあまり、圧倒的不利と言われる戦場を次々かけていく、血の兵站隊の旗印。
正気な者であれば、ろくな結果にならないと思っても仕方がないだろうから。
同時に己が向けた言葉に帰ってくる反応。
その様子に、苦笑めかして肩をすくめ
「まぁ、あの御仁も、ある程度メイラさまの好きにさせればよろしかろうものを。」
クソッタレと呼ばれた相手を御仁と返しつつも、その口調からはその対象に敬意のかけらも感じられないだろう。
同時に、その筋肉が、悲鳴を上げる革の手袋が、その胸の奥底に沸る何かを伝えてくれば、薄く口元弧を描き。
「そして、好きにさせていない以上、その欲望を晴らすお役目も必要でしょうね。
とて、王城の愚にもつかない腰抜けどもでは、そのような相手も見つかりませんでしたか?」
多分、そうだろうな、という予測を言の葉に載せる。
周囲で見ているものは気が気ではないだろう。
ただ、目の前に立つメイラには伝わるだろうか。
その刀で『撫でて』くることも想定した気構えをしていること。
そして、メテオラの胸の奥もまた、ただお使い程度の戦場を駆けた後の飢えが見て取れることを。
■メイラ・ダンタリオ > ◆
「ええ、よろしく メテオラ。」
様と目上の扱いをするメテオラ
それを受け入れて当然のように なんら謙遜せずのメイラ。
メイラ自身 王以外皆平等 呼び捨てでも構わなかったものの
大体の者がこうしているせいか メイラ自身もまた受け入れていた。
クシフォス・ガウルスの一件は当然戦争屋を名乗り メイラと同じように正式な騎士団
それを立ち上げずに駆け巡っているのだ。
タナールもアスピダも当然その靴底 土の味を知らないと言わせない。
苦笑交じりに、メイラが結界を含めてあの領域に未だ突入できていない事案
許可も未だ入らず対策も望めない現状に対し、メイラ自身の好きなようにある程度できていれば
悪くない運びになるだろうにと述べる姿には、鼻でフンと小さく反応を示しながらも
ニィッ と三日月型の笑みを浮かべてトラバサミのようなギザ歯を見せることだろう。
「―――。」
ピクッとメイラがメテオラの体から発する言葉に、反応を示す
騎士鎧で槍を持つ姿
戦場帰りでの報告なのだろうことは知れてとれる。
これが今から赴くというのなら、逆に阿呆になってしまうからだ。
ふむ、と反応を示したメイラは、目の前の相手が自身をある意味で求めている事柄
それは割と珍しいものを見るようだった。
好んで化け物呼ばわり相手に臨むスキモノなのだ
己を高める為のハングリー精神と、合わせたいという意思が隠れてもいないものの
メイラは受け入れてもいい態度だったものの、目の前でスッ、と
刀に手を添えるとは反対の右の手のひらを差し出した。
「わたくしのものになりなさい メテオラ。」
見て 話して メイラは出会って一時間も満たない内に誘いかけた。
見上げる形の高身長 なれど見上げ敬うのはメテオラ
一手打ち合いを所望する態度に、メイラはさっさと決めてしまっているらしい。
「貴女の“群れ”事で構いませんわ。」
戦力的な意味 メテオラ個人の意味 両方で述べている。
「それとも、“ダンタリオ”になることには躊躇いがおあり?」
クスッと笑みを浮かべて どちらでもいいような答え
けれど明瞭だ 間違いなく誘いかけている。
■メテオラ > メイラの考えの通りであること。メテオラはそれらの土の味を知っている。
正規軍を構えて将軍を名乗る木偶の坊達が赴いてはどうしようもなくなり、その度ごとに突入しては、
その木偶の坊を引っ張り出すという、大して面白くもない仕事の帰りだ。
そんなことをするくらいなら、もっと有能な将軍を出すほうが効率的だし話が早い。
正規軍でも数えるほどの師団……これ以上手柄を立てさせたくない部隊……とか、
いっそのこと目の前の方。ダンタリオの一族とか。
帰ってきた笑みと、己が発した言葉への反応。
十分の構えで次の手を待って、待って、待ち望んでいれば、次の動きに虚をつかれた。
とんできたものは、『撫でる』ための刀ではなく、『繋ぐ』ための手。
その虚のうちにかけられた言葉が耳に届けば、メテオラは更に目を瞬かせることとなった。
言葉の意味は理解できた。差し出された手の意味も、わからないはずもない。
だが、それらがすぐにはうまくつながらない。
ハールファウストの名を利用して戦場を駆ける大義名分を得ることか?
それとも手元に置いておいて、楽しめる駒を抱えるためか?
メテオラは、良くも悪くも人間が故に、そこで賢しい思考が頭をめぐる。
巡りながらも体の意識はここが戦場であるのと同様に構えさせ、
身の丈からすれば己が高いため、視線は見下ろす形ながら、立場が逆であることは己がそう配置したこと。
『群れごと』を望むということは……
人の枠が人としての思考を続けさせていた最中、続いた言葉が耳に届く。
「ふっ……ふふふ、あはははははっ!」
そこで、メテオラの雰囲気がややも解れた。
同時にその表情は、おかしいと笑う様と、敵わないな、という畏敬の様子。
一度槍を床に置き、差し出された手を左手で握る。
「ええ、ハールファウストの群れは、メイラ様の旗の下に。」
そう告げた後、右手も差し出された手を握り
「そして、私自身もメイラ様のものに。”ダンタリオ”になることに躊躇いなどありません。
ただ、『人間』としての賢しさが、私にもまだ残っていたのだな、とおかしくて。
ハールファウストはダンタリオのものに。如何様にもお使いなさいませ。」
半分人を踏み外していた女伯爵は、残りの半分も捨てて飛び込んだのだろう。
■メイラ・ダンタリオ > ◆
差し出された手 迷わない挙動
遠くの一人が、口を薄く開けた 怪力令嬢が似た者同士に何を囁いた?
鎧の肩を擦れ合わせてもいない相手に 何を、求めた?
あの二つが一色多になるという結末を想像し背は ゾッ とした。
メテオラは戸惑い 意味を解した。
メテオラという女を メテオラという槍を メテオラという群れを メテオラという力を
全部メイラに寄越せと堂々と述べたのだ。
一手所望しようとした恐れ知らずは、一手差し伸べた狂犬に簡単に望まれて臨むままにしてしまった。
右手に重なる左手 槍を置き更に包む右手
両の手とも差し出すとはそういうこと。
この両の手で出来る全てを差し出したということ。
メイラは三日月の笑みのまま、赤い瞳がニッと笑んだ。
「ええ、歓迎しますわ、メテオラ。」
グイッと二つ名に漏れず、その力で甲冑事引き寄せると
目の前でカツンと膝を立てる形で崩れたメテオラを、柄に置いていた左手
冷たいガントレットの手のひらの内で頬を撫でた。
「ハテグもタナールも、そしてアスピダも。
これからは似た者同士が向かうとなれば、これほど可笑しいことはありませんもの。」
それは互いが互いで思う事柄 二人いるようなものなのだ。
群れても分けてもいい 存分に望めることだろう。
そして唇にチュッとためらいなく、口づけをしてあげ。
「貴女が孕む子 とても強くなれそうで大変結構ですこと。 フフッ。」
ダンタリオの本懐もまた、同じこと。
より強く より大きく あの御方の為に。
「今すぐ抱いてあげてもいいのだけれど、まだやることがありますのよ。
今は貴女はわたくしのものになった これで満足しておきますわ。」
そうして手をゆっくり時、頬を撫でてから立ち上がらせる。
この短い間で 二色は大きな一色になってしまった。
「また後で会いましょう メテオラ。」
そう言って、ごきげんよう、と王城内を歩きだすだろう。
メテオラも、報告を終えて鎧すら脱いでいない身だ。
綺麗に事柄を終えていくことだろう。
遠巻きに眺めていた者は、この件を伝えようと足を動かす。
王の肖像がだけが、その身に狂おしく従う二名の在り方を変わらぬ表情で眺めて見送ったとか。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
■メテオラ > 戸惑ったのは、ハールファウストにダンタリオが何を望むのか、と人として理解しようとしたがため。
が、人としての理解は意味がないことをメイラの所作にて、行動にて、言葉にて理解した時、その手を取るのに躊躇いはなかった。
ハールファウストの群れも狂人揃い。死ぬ可能性が高い戦場に笑って突入して、笑って帰ってくる。うちの一部は笑って死んでいく。
程度の差はあれ狂人同士。何よりも、価値観の根底が似通っているのだから、誘われて拒否する理由がなかった。
だから、手を取った。
その全てを捧げるために、両手で。その意図はメイラにも伝わった様子。赤い瞳の笑みを受け止めて、ぞくり、と背筋に走るもの。
それが歓喜の感覚であることに気がつくまでに数瞬かかったが、気づいた瞬間にその怪力で引き寄せられる。
頬を撫でられ、唇が重なって、メテオラは今一つのことを理解した。
人の枠の狂気が、さらなる深い狂気に魅せられて、その中に取り込まれることを悦んでいると。
人の枠は自分、深い枠はメイラ。なるべくしてなったと、当たり前のように理解した。
より深く、より愉しむ戦場が待っている。
一人の群れでも楽しめたそれが、二人の群れに変わるのだ。
何が起こるのか、予測できる範囲でも楽しくて仕方がない。
そして、ダンタリオの本懐たる言葉を己に向けられれば、自分の中の女が疼く。
より強いものの子を孕み、より強い子を産む。
その子がまた戦場に出て、そして、王のために尽くすのだ。
それ以上の幸せがあるだろうか。
「はい、私もこの後屋敷に戻り、この事実を周知いたしますので、今日はこちらにて。
またの機会を、楽しみに。」
漆黒と白銀が混じり合い、昏く輝く大きな群れと変わる。
それは王国の利益なのか、王国の脅威なのか。
捉えるものの感覚で変わっていくことだろう。
ただ一つだけ確かなのは、この大きな群れは『王のため』にだけ動くのだった。
それを良しと思わぬ連中の耳に早く入れなければと立ち去るもの達。
出来上がった大きな渦がこれから何をなすのか、今はまだ誰も知らない。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からメテオラさんが去りました。