2022/12/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/パーティー会場」にバルゴラさんが現れました。
バルゴラ > 王都マグメールの象徴と言われている王城。
今宵はその王城で毎晩行われている夜会の一つに再び顔を出している。
両親の顔に泥を塗らぬように、自分が貴族である事を忘れぬように、色々な思いを込めて嫌々参加しているのだが、今夜もまあ揃う顔ぶれは皆欲深そうなお顔をしていて、会場の片隅に設置された柔らかなソファーに腰をかけ、そんなお歴々の顔を眺めて人間観察としゃれ込んでいる。

このパーティーの目的がそもそも自分には合わない。
老若男女、冒険者から不幸にも参加してしまった一般人、それから自分と同じ貴族の同胞から王族だと思われる好奇な身なりの方々まで、誰もが出会いを求めて集まっている……表現をしにくいか、お見合いパーティー?それも一夜限りの?と、パトロンを探したり、後腐れなく遊べる相手を探したり、まあその辺り諸々の為のパーティーで、自分はてんで興味は無い。

ああ、可愛いメイドさんやどこかで見た貴族のご令嬢、とか遠目から眺めると目の保養になるな、この料理は美味しいな、くらいの気持ちで参加し、取り合えず貴族としてのあれこれを全うしているかと思うので、適度なタイミングで帰るつもりではある。

今夜は前回の生ハムの原木が品切れのため、ワイングラスに絞りたてのフルーツジュースをたっぷりと注いで貰っており、それを今夜の暇つぶしのお供とさせてもらっていた。

「……しかし、飽きないものかな。あの老人前回も若い冒険者を個室に引きずり込んでたし、あちらのメイドさんなんて貴族の男をバルコニーにって…あの男は確か……奥さんとお嬢さんいなかったか?それも確か学友だぞ……お嬢さん。」

異様な熱気と乾燥の所為で乾く唇をワイングラスに口づけて、軽く傾けてフルーツジュースにひたして渇きを潤してから、少しだけ喉に流し込む。

口に広がるその冷たく芳醇なフルーツジュースの香りの甘み、そしてこのグラス一つを含めて一体幾らするんだろうか。

グラス自体に冷気の魔法が付与されていて、飲み物が何時までも冷たく、フルーツもそれ自体に鮮度を保つ魔法が付与されていたのか、少々の魔力味とありえない鮮度に、何ともため息が出てしまう。

バルゴラ > 暫くの間は寮では飲めそうも無いフルーツジュースに舌鼓を打ちながら、する事も無いので人間観察を続けたが、そろそろ欠伸を噛み締めるのも辛くなると、ボロが出る前にソファーを立つ。

帰り際にジュースを配る給仕の一人にいくらか握らせて、学院の寮に数本ほど瓶でフルーツジュースを届けるように、お願いすると、王城より立去り寮の方へと向かうのだった。

ご案内:「王都マグメール 王城/パーティー会場」からバルゴラさんが去りました。