2022/11/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2 夜会広間」にレナードさんが現れました。
レナード > 男はこの国の身分制度で言えば一応貴族である。
それがたとえ東の辺境のド田舎貴族であっても一応は貴族である。
そしてそんな辺境ド田舎貴族の三男坊でも、数える位には友人もいる。
友誼を結んでも利があるかわからんような男相手でも、友ではある。

そんな数少ない友人貴族に、半ば無理やり引っ張り出されるように連れてこられたのは、王国でも名の通った大貴族主催による夜会。
料理も酒も平民や貧乏貴族では逆立ちしても手の届かないほど贅が尽くされ、広間を華やかせるためか踊り子の舞う舞台も築かれ、更には高級娼館に属した高級娼婦も着飾って華を添えるために、駆り出してと「コレホント幾ら掛かってんだ。」と突っ込みたくなるほどに、主催貴族の財力を見せつけている。
そんな場でまさに場違いな男は、友人が用意した礼装に着られたような似合わなさで、文字通りの小判鮫状態で友の陰に隠れながらなんとか、貴族同士の談笑の場を切り抜けていた。

「――…無理、本当に無理……お前、俺がこうなるの知ってて呼んだだろう。」

恨みたっぷりな視線を向けて睨むが、その程度で動じるような友ではなく。
暫く休んでいろと言われれば、寧ろ帰らせろと悪態をついては
広間の端っこに椅子を持って避難しては、目が疲れそうな眩さの夜会の間を眺めていた。

レナード > 目につく貴族達は皆が一様に、自らの為にと特別に誂えただろう豪奢な装いにド派手な装飾品と歩く大金袋に見えてしまう。
傍に侍らせるのも、何処ぞの没落した元は貴族の令嬢だった奴隷娼婦や
高級娼館から買い取り妾とした情婦など金の力をこれでもかと見せつけているかの様。

「――あるトコにはあるってのに、なんで下々には全く廻ってこないんだかねぇ…。」

独白のように呟きながら、盆の上に並べられた高級そうなグラスに注がれたお高そうなワインを、給仕でフロアを回るメイドを手招いて1つ受け取れば、普段滅多に味わう事の無い酒の味はどんなものやらと、一口グラス傾け味わいながら、限りなく気配を殺して変な貴族達に絡まれぬよう努めていた。