2022/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にアーデルヘルムさんが現れました。
■アーデルヘルム > 王城に呼び出されるときは、だいたいロクな用事ではない事が多い。
軍事に関することはできるだけ任せてもらいたいものだと思うが、
同時に王族や上級貴族のパワーバランスのための綱引きでもあるのだから
致し方ないと思わざるを得ない事もある。
そうは言えども……
「……こういうくだらない理由なら、そっちから出向いてもらいたいものだが。」
出向いた部屋から十分離れ、周囲に人気がない事を確認してから忌々しげにつぶやいた。
人気がない事を確認したとは言えども、自分に対して害意がないとか、
何らか腕が立ちそうだとか、気配を隠している者がいるなどの範囲がせいぜい。
普通に歩いていて不思議がない相手なら近くを通ることもあるだろうが、そこは気にしないことにしていた。
例えば今日の会見相手が自分に害意を持ったとして、代わりがいないが故に自分を使わざるを得ないという自負からか。
ちょっと休憩に使う小部屋の中、大きな吐息を一つついた。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にアーデルヘルムさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にアーデルヘルムさんが現れました。
■アーデルヘルム > 直ぐに師団司令部に帰る仕事も用事もない。
そのため、小部屋の中のソファの上に腰かけて軽く伸びをした。
向けられた課題は大して難題でもなく、片づけるだけなら然程時間もかからない。
ただ、自分の師団だけでやるには面倒くさいし、複数師団でやるようなものでもない。
複数師団からいくつか部隊を出して混成隊を作るのが一番コスト的にも良いのだが
「……その調整をするのが面倒くさい、と言うわけか。」
自分から調整に行けば、最後までやらされるだろう。
だが、それは非常に面倒くさいし神経を使う。
借りた部隊に損害を与えるわけにもいかないし、
お客様扱いするのも不満の種だ。
そんなことをやりたがる者がいない事を知っているからこそ
「自分の息がかかっていると思っている相手に声をかける、か。」
そういうことを考えているからロクなことにならんのだ、とは流石に言葉には出さない。
内心思っていたとしても。
■アーデルヘルム > 「……さて、帰るか。」
一休みしたら戻る気になった。
諦めて手を付けるにせよ、黙殺するにせよ、どうするかは考えなくてはならない。
自分一人で考えてもロクな答えが出てくるはずもない。
だから、大隊長も巻き込んでやろう。
結局責任を取るのが自分であればよいのだ、と少し無責任な事を考えてから、小部屋の外へ。
そして、王城からも外へ出て、自分のあるべき所へ帰っていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からアーデルヘルムさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にセレーニャさんが現れました。
■セレーニャ > 「……ふう」
──王城に勤める者たちの、終業時間を過ぎた頃。
明かりが灯されていない薄暗い廊下を進みながら、人気のない通りを歩くメイドが一人。
王城勤めの官吏たちが次々と帰宅し、王城内にはそこに住まう王族と夜間警備に巡回する騎士達。
今日の客は、その騎士の一人。
騎士あるいは兵士、下働きの下男に、王族貴族の侍従などが、このメイドの『夜の客』。
持ち場を離れられない彼らの短時間の休憩中に、幾ばくかの金銭の代わりに
身体を使って慰める娼婦が、このメイドのもう一つの顔。
つい先ほどまで、何人かの衛兵たちの相手をしたばかり。
短時間では一晩相手にするよりは額は小さいが、体力がある限りは続けられる。
塵も積もれば山となる。
こうして体を売って稼がないとならないほど、セレーニャは貧乏なのだ。
小さく息を吐いて通路を進む。
窓から見える王宮庭園と、そこに差し込む月の光が美しいコントラストを描いていた。
「……綺麗。『月夜のワルツ』に出てくる舞台みたい」
誰にも話していない趣味である恋愛小説のタイトルを呟いて、少しばかりその光景に見入っていた。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にリーシュさんが現れました。
■リーシュ > 「いやにどこにでも探せばありそうなタイトルだな」
そんな厭味ったらしい低い男の声が響く。
薄暗い廊下の奥から現れる、高そうな服に身を包んだ男の姿。
短く纏めた黒髪と、光を全く灯さない黒い瞳の三白眼。
見るものを不安にさせるような瞳が、整っている顔に威圧感を齎していた。
「今日も今日とて金のために慰み者になることを選ぶか、噂通りだな」
愉しそうな顔とセリフとは裏腹にその声にはどこか空虚さがあった。
その男の特徴は、この王城においての悪名高い噂の王族と一致していた。
「まぁなんだ。こういう時はこう言えばいいのか?ご苦労な事だな、と」
そう言いながら男はその顔は歯を覗かせた笑みが浮かべてメイドへと近づいていく。
一歩一歩、歩くごとに近づいてくる足音がいやに廊下に響いた。
「今日はもう体を売らないのか?」
■セレーニャ > 「っ……!!」
単なる呟きに返答が齎され、心臓が飛び出るかというほど驚いて振り返る。
思わず手で口元を押さえながら、その奥から見せた姿に背筋が凍りつくほどの畏怖を覚えた。
空色の碧眼が大きく見開かれ、威圧感を纏うその人物が如何なる人物であるか、知らない筈もなく。
セレーニャは咄嗟に頭を下げた。深く深く。
男爵家の娘でしかない自分の地位では、尊顔を仰ぎ見るも不敬とされてしまいそうで。
悪名高い『残虐王子』と呼ばれる人物が、此方へと近づいてくる音だけを聞いていた。
「(どうして殿下がそのようなことを知ってるのよ……!)」
王族に対して下手な口を利くことは出来ないが、どこから漏れたのかと内心では声を荒らげていた。
きっと彼の配下で、セレーニャの客だった兵が漏らしたりしたのだろう。
体を売り、金の為に慰み者となることを労われるのは、
揶揄でもされているのだろうかとうつむいたままの顔で眉間に皺を寄せた。
しかし数度息を吐き、腹の前で握った拳に力を籠める。
「……直答する無礼をお許しください。
いと尊き殿下の御前で、そのような事は申し上げられません。
どうか、……下賤な娼婦の小銭稼ぎと、お捨て置きくださいませ……」
最後のほうの言葉は窄んでいき、取るに足らない下級貴族として興味を失ってくれ!とセレーニャは強く願った。
しかしそれを殿下がどう捉え、何を考えるかまでは、セレーニャにはわからない。
■リーシュ > しっかりとヒゲを剃られている顎を撫でながら、リーシュはセレーニャのすぐ目前まで歩み寄る。
しっかりと下げているブロンドヘアーの頭を見て、鼻を鳴らした。
興味を失ったか、あるいは……。
「小銭稼ぎばかりで疲れただろう」
そう言うと手に持っていたグラスを持つ腕を彼女の下げられている頭へと伸ばして。
それを真下へと傾ける。その中に入っている赤ワインが彼女の頭へと零れ、髪を濡らす。
冷たい雫と、顔や首を伝って衣服がワインで汚れていく。
「疲れた体に酒は効くだろう?頭からかぶれば、その火照った体も冷えていくことだろうな」
などという言葉を浴びせて、抵抗できないことを知っておきながらなおも続けて。
すべてのワインをそのままセレーニャへと浴びせて、しっかりとグラスを振ってから。
コト、と近くの庭園へと覗ける手すりにグラスを置く。
「この酒を買う為にはお前は何人の男のモノを咥える必要があるだろうな?はははっ!」
冷酷な笑い声が廊下に響く。それでも、彼女は堪えるだろうか。
あるいはその怒りを胸にするだろうか。いっそのこと抵抗するだろうか。
そのどれをしても、この男は別に構わないのだが。
「おい、面(おもて)を上げろ。その顔が見たい。
あぁ、我慢する必要はないぞ。もっと飲みたいなら持ってきてやる」
そういうなり、彼女の髪を掴み、無理矢理顔を上げさせる。
身長差や体格差もあり、その顔を見合わせた時は彼が見下す形になるだろう。
その光のない黒い瞳を彼女のスカイブルーの瞳が見たら、彼女はどういう感情を抱くのか……それが知りたくなった。
■セレーニャ > 「────ッひ、……ッ!」
冷たい何かが頭からかけられて、思わず上げそうになった悲鳴を寸でのところで飲み込んだ。
赤ワインの雫が額や髪、頬から首筋、白い項に襟にまでしみ込んでいく。
匂いを嗅げば芳醇な酒精の香り。
「(お、お、王族~~~~~っっ!!!!!)」
不敬と分かっていながらも、ブチ切れそうである。
しかし抵抗は当然出来ない。ぶるぶると握り締めた拳に籠る力を強めて震わせることしか出来ない。
王族でさえなければ股間でも蹴り上げて逃げ出すというのに。
この残虐王子! ばーかばーか悪人面!
──と、心の内では存分に罵っていた。バレなければいいのである。
気性の荒い猫のように逆立つ心を鎮めるのに努めながら、セレーニャは男の暴言も聞き流す。
掛けられたワインの価値なんて知りたくもない。きっとぞっとするほどお高いに決まってる。
そう考えるとちょっとだけ味くらい見てもいいだろうか、とこんな状態で思った。
唇にかかった一滴を、ちょっとだけ、と舐めてみる。
貧乏人故に、王族が飲むワインの味をちょっとだけ味わってみたかっただけで。
「────ッ、痛っ!」
濡れた髪を掴まれた上向かせる男の手は完全に不意打ちだった。
頭皮が引っ張られる痛みに眉を寄せて、表情には隠しきれない不愉快さと、
黒い双眸を見返すスカイブルーの双眸には、気の強さからくる怒りの感情がにじみでている。
けれども、握り締めた両手は離さないまま、無言でふいっと視線を反らす小さな抵抗をした。
■リーシュ > かけられたワインに対して、僅かに漏れたような息の音と声。
面白そうにその声を聞こうとするが、すぐにそれを飲み込むように震える彼女の姿。
娼婦のようなことをしているから性根は腐っているのかと思えば、意外にもキモは据わっている方らしい。
「…………ほぉ?」
上げさせた面を見て、その男は愉しげに顔を歪ませる。
僅かでも顔を背けて抵抗する意思を持つのは悪くない。
大抵の女はこうしたら恐怖に顔をゆがめて体を震わせ続けるものだが。
この女、不愉快さを隠そうともせずに怒りを抱いている、悪くはない。
「―――名前はセレ……セレ……。ニャンコだったか?」
確か部下がそんな風にこの女を呼んでいた気がする。
取るに足らない娼婦のことなど記憶するつもりなどないが。
こういう気概がある女ならば話は別だ。嫌いではない。
「よしニャンコ。これから暇か?どうせ暇だろう。暇と言え」
パッ、と手を離して乱暴にそう言って。
「歩くぞ、ついてこい」
■セレーニャ > 対応を間違えたかもしれない、とセレーニャは嘆いた。
王族に対して決して褒められた態度ではないというのに、愉し気なリーシュ殿下にセレーニャは心から悔いた。
「(……もしかしてこういうタイプの殿方は所謂『ハッ、おもしれー女』がお好きなのかしら)」
恋愛小説によく出てくるような俺様タイプと目の前のリーシュ殿下が重なってしまった。
実際はそんな甘酸っぱさの欠片もない血も涙もないと噂の王子なので、セレーニャはすぐに思考をかき消した。
脳内は不敬のオンパレードである。
「…………セレーニャ・フォールニアでございます」
誰がニャンコだと叫びたい内心と、その極悪面でニャンコとか可愛いこと言うのねというギャップ。
しかし名乗ろうが何としようが、ニャンコ呼びは確定してしまったようである。
いいえ全く暇ではございません殿下が汚してくださったメイド服のワインの染み抜きをしないと大変なんです。
────などと言えるはずもなく、沈黙して首肯した。
乱暴な手付きに眉を寄せながらも、ついてこいと言うならば王族の言葉は絶対。
下級貴族の小娘に逆らえる道理はなく「……畏まりました」とイヤそうに小さな声で返すしかなかった。
一体どこへ連れていかれるのかは分からないが、先を歩く彼に遅れないようその背を追うだろう──。
■リーシュ > 広い背中、と聞けば聞こえはいいだろう。その後ろをメイドが歩くともなればそれはそれは素晴らしい情景を思うものだろう。
だが実際はどうだ。権力をかさにメイドを有無を言わさずに脅迫して歩く。
しかもついさっきそのメイドに酒をぶっかけた。それも赤ワインをだ。
さらに言うと女の髪を乱暴に扱った挙句に無理矢理ついてこいなどという始末。
これでロマンチックなものを想像する方がどうかしている。
「おいニャンコ。今日は何人の男を相手にした?」
小娘のプライバシーなど関係ないかのようにそのような不躾な質問を聞いてくる。
ハッキリ言って興味もクソもないが、どうせならもっとこの不愉快な顔を見たいという思惑があった。
相手に嫌なことをするのが趣味なのがこの残虐王子なのだ。
……それは、この男の部下たちにも常にそのようにしているのだが。
ここではどうでもいいだろう。
「大体一日何人に抱かれている?貴族かどうか知らんが結婚しないのか?」
とても女の口から言わせるには酷い質問ばかりしてくる。
あるいは堪忍袋の緒が切れるのを待っているのかもしれない。
どっちにしろ最低で下劣で最悪な男に変わりなかった。
■セレーニャ > 暴虐の所業である彼への印象値はセレーニャの中で底をついている。
不躾な質問をぶん投げてくる男に頬を引きつらせながらも、セレーニャは少し開き直った。
「そのようなことをお知りになりたいのですか? 殿下ともあろう御方が?」
そんな性知識を覚えたばかりのマセた子供のようなことを? と言外に少しばかり皮肉も混ぜた問い返し。
確実に貴方そんなことに興味ないでしょう。
ついでに言えば私のことも興味なんてないでしょう。
逃げる猫を追いかけ回して遊ぶ残虐な子供のようだと視線を反らしながら思う。
「守秘義務がございますので、どうかお戯れはご容赦くださいませ」
結婚できるなら娼婦なんてしてないが??
こちらの事情を知らないのであればそれでいい。
しかし質問に答えるつもりはないという断固とした意思。
とは言え、変に逆鱗に触れるのも恐ろしい。どんな目に合わされるか分かったものではない。
なので慎重に、心臓をバクバクと鳴らしながら、冷や汗を浮かべて、慎重に言葉を返す。
最低な行為であれ、感情に任せてはいけない。
されど、セレーニャの脳内ではすでに五回ほど彼を背中から刺している。
■リーシュ > 「? 知りたくもない女をなぜ侍らせる」
いや、別に侍らせているのではなく歩かせているのだが。
皮肉に気付いているのか、気付いていないのか、無視しているのか。
ともかく、相変わらず歯を見せつけるような悪い笑み顔に張り付けたまま。
そんな疑問を浮かべるように聞く。
「守秘義務が王族の言葉より重いという話は聞いたことがないぞ」
とても頭がいいとは言えないような言葉を吐き捨てる。
しかし話さないつもりだとわかったらそれ以降は質問はすることはなく。
だが彼女の中の感情のボルテージが高まっているのか理解出来た。
「しかし明日もそんな服で稼ぎに行くことになったら大変だな」
誰のせいでそうなったと思っているのか。
そんなことなど全く考えずに唐突に労うような言葉を向けて。
「またこれから時間があるなら稼がせてやろうか?」
■セレーニャ > 「(それは私が聞きたいですが???)」
これは侍らせているというより見えないリードで無理やり引っ張ってるの間違いでは?とセレーニャは思う。
こんなところ誰かに見られれば政争に巻き込まれるんじゃないかと今更ながら気にしつつ、
守秘義務について突っ込まれれば、表情には貼り付けたような笑顔。
答えないことを咎めたり無理矢理言わせるようなこともなく、少しだけホッとした。
彼が戦場に立つことが多い人物であればこそ、
セレーニャの素人のような怒りの殺意くらいは察せられたかもしれないが。
実力差を考えれば、気が立った猫がふしゃーと引っ掻く児戯に等しい。
服装について言われれば「替えはありますので」と短く返す。
しかしその後に続いた『娼婦』としてのセレーニャへの問いには、
表情から笑顔を決して真剣な表情で彼を見上げる。
「……、────『殿下』のご紹介で、いかほど稼がせていただけるのでしょう?」
相手が彼であれ部下であれ、セレーニャに稼がせるつもりがあるなら、値段交渉は必須だ。
買い叩かれるのは御免である。
これで安い値段を口にするならば、嘲りと侮蔑を以て鼻で笑ってやるところだ。
■リーシュ > 笑顔から、確実な娼婦としての顔に変わった。
それは色があるという話ではない。どう稼がせてくれるか。
それを考えている女の顔。しかも足元を見るのは許さないといったもの。
物怖じしない性格なのは嫌いではない。
「俺様の部下を相手してもらう、つい先日帰ったばかりで溜まっているようでな。
一人一人をいちいち相手するのではなく一度に……3人から5人としておこう。
それを一日で貴様の給料1週間分。これで足りないというのなら一月分に増やしてやる。
もしくは貴様の希望額でも構わんぞ?吊り上げた分だけ部下の要求も大きくなるがな」
希望額でも構わないと言い切り、そのうえで提示した値段としては決して悪くはない。
むしろ破格と言ってもいい―――かもしれない。
しかしこの王子の部下、しかも戦場帰りだという、どんなことをされるか分かったものではないだろう。
要は慰安婦として兵たちの相手をしろという話なのだから。
「あぁ、丸1日相手をしろとまでは言うつもりはない。
やりたいなら止めはせんし、その分の要求する食事代ぐらいは部下に払わせてやろう」
そこまで言って言葉を切り、どうする?と黒い瞳を彼女へと向けた
■セレーニャ > 「…………」
告げられる条件は、つまり多勢の兵士たちに輪姦(まわ)させろという事だと理解する。
しかしそれを一日で、給料の一週間分というのは、非常に好条件。
しかも値段も吊り上げていいと言う。その分の要求が大きくなるという点についてが、
下手に金額を上げたら手痛い目に合うと察することは出来た。
生易しい扱いは受けないだろう。どこまでされるかわからないなら、
最初から給料の半月分ぐらいは貰わないと割に合わないと考えた。
「……では、給金の半月分でお願いします」
悪魔のささやきに聞こえるが、この美味しい話を拒むという選択はセレーニャにはない。
金を積まれたなら体を差し出す。そういう仕事をしているのだ。
「────ただ、恐れ多くも殿下に申し上げたく。
この仕事を失うことは、とても困ります。
……どうか、猟奇的な行為だけは、ご容赦くださいませ」
商売道具を失うわけにはいかない。
セレーニャは、どうしても稼ぎ続けなくてはいけない。
まっすぐに黒い瞳を見つめ返す視線は今度は反らさず、気丈に嘆願する。
「厳命してくださるのであれば……何人であろうと、お相手させていただきます」
好きなだけ貪り犯されようと、それを仕事として受け入れることを告げて、深く頭を下げた。