2022/07/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城内施設」にマーシュさんが現れました。
マーシュ > 王城内に併設されている礼拝堂の、夜の番を終えた翌日。
夜通しの火の守ののち、朝の務めを終えた修道女は、礼拝堂の裏手にある裏庭にそっと足を運んでいた。

既に陽が高くなっているのをまぶしそうに見上げ、少し気だるさの混じる吐息を零す。
火の守は当番制だが、普段規則正しい生活を規則としている女には少々つらくもある。
翌日の務めは、その分重いものは免除されるが───、正直貴族出身でもない女は、体を動かしているほうが楽でもある。何の考えがあって体を動かしているわけではないが、身に沁みついた習い性、というやつだろう。

「ふ、ぁ────………」

零れる欠伸はさすがにどうしようもなく。
袖口で隠しつつ、眠たげなそれを零す。

マーシュ > 初夏の陽射しは、春のように柔らかとは言い難いが、それでも礼拝堂裏手の木陰を抜ける風はそれなりに爽やかで。
ウィンプルの端を揺らすのを受け止めながら、紺色の裳裾を軽く引いて歩を進め。

「ああ、いい香り──」

礼拝堂裏手には、儀礼で使う香草や、花が育てられている。それもまた己のようなものの仕事のうちではあるのだが──実際に携わるのは、王城という場所にあっては珍しいのかもしれないが、己は出向前と同じようにそれらにもかかわっている。

夏咲きの薔薇の畝の間を香りを楽しむようにそぞろ歩きつつも。葉や、花弁の様子を認め。もう少ししたら収穫かしら、とゆるりと思考を巡らし。

マーシュ > 花を不用意に手折らない様に、そっと離れる。
庭園というほどでもないが、休憩所として設えられている小さな四阿に修道女の歩みは辿り着く。

日除けを兼ねたその場所に辿り着くと一息を吐いて。
まだ少し睡魔の抜けきらない表情のまま、木製のベンチに腰を預けた。
裏庭で、日陰が多いといえど、やはり夏の陽射しはまぶしい。
一息ついて、ゆったり庭の景色を眺める眼差しはまぶしげに細められたまま。

実用で整えられている裏庭は、王城の庭園に比べれば当然見劣りはするが───、修道女にとっては、慣れ親しんだ景色でほっとできる懐かしさももたらしてくれていた。

マーシュ > そのままそっと瞼をおろすと、傍の柱に軽く身を凭せ掛けるようにして午睡に身を置く修道女の姿があったとか。
ご案内:「王都マグメール 王城内施設」からマーシュさんが去りました。