2020/11/15 のログ
ご案内:「王城 練兵場」にタピオカさんが現れました。
■タピオカ > よく晴れた朝。
この週末、王城の練兵場は一般開放されていた。
砂が敷き詰められた広いグラウンドには鋭く怒気や鬨の声が響く。
王族直轄の近衛兵に、貴族お抱えの私兵の姿。
そして依頼の無い休日に自分の腕を磨く冒険者たちの姿もあった。
朝の空気は清く寒いが、薄着の者も多い。
たばねた藁を相手に曲刀を構える褐色肌の冒険者も、やはり袖無しのシャツだけをまとっていた。
「……っ。」
横薙ぎに一閃、そして反対側から斜め下。
居合を放てば、4分割に藁は崩れ落ちる。
その出来に息を吐くと、肩を上下させて乱れた呼吸を整える。
褐色肌にいくつも汗の玉が滑り、白いシャツの袖口を透かす。襟元を引いて空気を送り。
――表向きは市民の運動場所を提供するための無料開放であるが、そこには密かに不文律があった。
剣技の向上に務めること、そして、兵や皆が溜め込んでいる欲求不満を解消しても良いということ。
それはつまり、ここでそういった行為が行われても咎められない事を意味していて。
■タピオカ > 長い槍の先に大斧がついた武器に、ギザギザの刻みがついたこぶりな剣。
見た目も威力もわかりやすいハンマー、それとは対照的に岩でも防ぎうるだろう自分の背丈ほどある大盾。
額の汗をぬぐっている間にも、使い方も形も色んな武器が目に入る。
この場で皆が戦ってるわけではないが、戦場のような騒々しさ。
気の荒い遊牧民の血が騒ぐのを感じ。
具合よく手すきらしい、大剣を地面に突き刺して腰布を巻き直す冒険者の姿があった。
近づいて笑顔で挨拶すれば、お手合わせを願い。
お互い汗をかいて過ごす、そんな王都の朝――。
ご案内:「王城 練兵場」からタピオカさんが去りました。