2020/09/11 のログ
ご案内:「王城 庭園」にロブームさんが現れました。
■ロブーム > 貴族たちが宴会を繰り広げている庭園がある。
夜闇の中、蝋燭とカンテラの黄色い光に照らされた、花々が咲き乱れる庭園は、人によってはとても神秘的に見えるかもしれない。
その中に、燕尾服を着た肥えた男がいる。
その肥えっぷりは尋常ではなく、オーダーメイドであろうその服が、それでも窮屈に見えるほどだ。
男は、親しげに公爵夫人や貴族位を持つ者たちと談笑し、また別れていく。
「……人間というのも、中々面倒なものだな」
誰にも聞こえぬよう、ぽつりとこぼす肥満の男。
魔術にて偽装しているが、彼は本来、この様な場所に居られる男ではない。
人間の敵、魔族――それも、魔王クラスの力を持つ者だ。
それがこんな所に居るのは、一重に情報収集であった。
「(個に内在する魔力や武力によって支配されている魔族社会と違い、こちらは複雑な社会力学が働いている――非効率的ではあるが、それ故に内部の動きが観察しづらいというのは厄介だ)」
それ故に、人間を騙す事を得意とする男が、時たまこうして情報収集に来るのだ。
尤も、彼は彼で魔族の総意とは少しズレた所の立ち位置なのだが――寧ろ、ある意味では魔族社会の敵でさえもあるのだが。
「まあ、何にせよ一旦休憩か。そろそろ、趣味の方も楽しまねばな」
男の趣味。
それは、"美しい心"の持ち主を蕩けさせ、堕とす事。
この様な場所にそれがいるかは解らないが、王城の中は一種の閉鎖空間でもある。
それ故に、外とはまた違うモノが見れるかもしれないと。
■ロブーム > ――男は、そのまま何処かへと歩き去って行った
ご案内:「王城 庭園」からロブームさんが去りました。