2020/09/10 のログ
■エリア > 「?はい」
お手柔らか、という表現がどこを指しての注意なのかよく把握しないままに、適当に相槌を打ち。
人間としての身分のある相手の雇用であれば、存外スムーズに通ってしまうだろう。ミレーだと発覚した場合は、恐らく雇用条件が変わるか、父の一存で御破算になる可能性もないではない。
「それが普通の事なのですけど……わたくしは、市場でのお買い物も酒場でのお食事も自由にしていたいんですの。
そう仰って下さるブレイドは、やはり確保しておきたい人材ですわね。わたくし必ずや、お父様を説き伏せてみせますわ。お給金の方もご安心なさってください。それにいつも屋敷に詰める必要も御座いません。わたくしの外出時にお共いただければ」
冒険者としての生活もあるだろうから、行動を制限したり束縛したり、長時間の勤務も強要しない。臨時雇いのような扱いであれば受ける方も気が楽だろうと。
雇用が許可されても、彼がうんざりしてしまえばしょうがない。
足をそろえて座り右肩を寄せて頭を預ける様な体勢、感触は硬いが、壁やベンチなどにもたれかかるよりも楽で、安心した様に任せる無防備さは、貴族失格なのか、それとも箱入りの基本仕様なのか。
「さすがですわ。一見細いシルエットですが、頼りがいがありますのね」
ふわ、と自然と表情を綻ばせて小さく頷き。髪に通る指先が心地いいのか目を細くして小さく息を吐いた。
■ブレイド > 「いや、なんでもねぇ」
根掘り葉掘りとなると、関わった人間からすこし漏れてしまうかも知れない。
王都に来る前の経歴なんかないし、審査があるにしたって手を抜いてもらわないと困る。
特に彼女の父親がどういう人物かはしらないが、バレたらろくなことにならないだろうことは知らなくてもわかる。
「はは、わかるぜ?そういうの。
ああしなさいこうしなさいってな煩わしいもんな。
まぁ、オレがついてくことになったら…逆にわるい遊びを教えちまうかもな」
彼女の提示する条件はとても魅力的。
それもこちらが人間だという前提ではあるだろうが。
それでも、この話が通るのなら、飲んでもいいかと思わせるほどに。
髪に触れても抵抗しないエリアを…さきほどはためらったその手で撫で
「女一人くらいどうってことないさ。なんなら抱き上げることもできるぜ?」
いわゆるお姫様抱っこというやつ。
こちらは小柄だが、エリアくらいであればなんとかなるだろう。
■エリア > 何でもないとの答えに、少々疑問は残るものの、そうですか。と一応は頷いて。
含みがある様に感じるのは、やはり、冒険者稼業をしている人物というのは訳アリが多くいるらしいから、それに由来する事だろうか、と分からないなりに当たりをつけて。
「分かります? ブレイドは自由に育てられて来たように見えますが。
ふふ……そこはもう、手遅れではございませんこと? どんな遊びを教えていただけるのかとっても楽しみですわ」
窮屈な社交界からは思いも寄らない遊びがあるように思えてやはり声を弾ませる。悪友というものに憬れすら抱いていた。遊び相手兼護衛となるとポケットマネーを駆使しても確保したい。
成人男性、と言う訳でもないが、さりとて子どもでもない。微妙な年齢の少年は、警戒心を抱かせることがなくってついつい無防備になりながら。
柔らかな髪質に通る指先が案外硬い感触なのを感じながら、一度緩く瞼を落とし。
それから頼もしい言葉を聞いてゆっくり瞼を持ち上げると、
「まあ、見た目よりもずっと力持ちですのね。ですが本当に大丈夫ですかしら? わたくしより、少し、小柄なようですし……」
ドレスの裾を引きずらないだろうか、などと余計な懸念も口にしつつ首を傾け。
■ブレイド > 深く聞いてこないあたり、警戒してないのか
それても隠し事をしているのを汲んでくれているのか。
なんにせよありがたい。
「自由…まぁ、そうかもだけど、な。
邪魔されるってのは、オレだってきにくわないってだけだ。
そうだなぁ、貧民地区のバザーなんか歩いて…よくわかんない肉の串焼きでも買うとかよ」
怪しい薬とか怪しい店とかそれこそ、性的な遊びとか。
流石にそのあたりを教えるのは良くはないだろう。
バレたらそれこそ首が飛ぶ。それに、自分を認めてくれている女性を
後ろ暗いことに誘いたくはなかった。
撫でながら、体を支えれば、エリアの香りが届くだろう。
フィナンシェの香りも混じっているような。
なんだか落ち着かれてしまっているようで、頬も緩むのだが首を傾けられると少し驚く。
「うおっ…まぁ、見た目頼りねぇのはわかるけどな…」
唇が触れてしまわないように少し姿勢を正しておこう。
■エリア > 余り穿り返そうとすると、嫌われるというくらいの空気の読み方はできましたので追及言及は一時停止。
何より、こうして話していて感じる人柄が大事だと。感性での勝負。
「そうですわね……誰だって生きていれば何かの制限を受ける事もありますわね……。
まぁ、それはいいですわね。それで何の肉かを当てっこしましょう」
怪しい店には勝手に『ここは何でしょう…?』とずかずか入って行くのを止めなければならない課題がありました。怪しい薬を珍しそうに言い値で買う危険性もありました。内容程仕事が楽ではないことを少年はまだ、知らない。
そんな末路を秘めた令嬢は、上機嫌に笑みを保っているばかりであった。
肌や髪を香油で磨かれ、陽にもほどんど当たっていない柔な身。ゆったりとその腕の中に落ち着けて午後の日差しに微睡み心地よさげに弛緩していた。
「頼れそうな見た目で情けないよりは大分上等ですわ。それに、一見すると強そうに見えない方が有利なものでしょう?」
相手の油断を誘えて有利に事が運べる筈だ。姿勢を正す彼の顔を見やりながら。
■ブレイド > 彼女の感性は、少年を受け入れているのだろうか。
少なくとも危険を感じているようには思えない。
それはこちらも同じこと…ではあるのだが…
「はは、いいなそれ。
色んな所につれて生きがいがあるってもんだ」
少年の感性に彼女の危険性は引っかからなかった。
それはひとえに、彼女に振り回されるのもまた楽しいことがわかっているからか
それとも、振り回されるのもまた楽しめるからか。
ここは日差しが強い。
彼女の肌は大丈夫だろうか?
屋内ぐらしが長いと日差しには弱くなるらしい。
彼女の頬に手のひらで触れて肌を隠そうとしてみる。
大した影にもならないだろうが。
「そりゃどーも…まぁ、こう見えても割とやる方…とはおもってんだけどな。
まぁ、油断してもらえるなら越したことはねぇな。
っ、な、あんまこっち視るなよ、近いんだから…」
■エリア > 普段余り関わるタイプではないが、故に尚の事所作が新鮮に映ったり、親しみを感じたりと自分でも不思議に映る少年。やはり弟と同じ年齢という事もあるのだろうか。
「きっと楽しいお出かけになりますわ。ブレイドの良く行く場所にもぜひ連れて行って下さいな。富裕地区にはもう飽きてしまいましたから」
目新しい物がなにもない生活圏。比べると足を踏み入れた事のない地域が王都にはまだ沢山あって。
それは眠くなる演奏会もよりも退屈な宴席よりもずっと面白いに違いない。思いを馳せて屋根の上から王都を見渡した。
強い日差しを忌避するかのように、ふと差し伸べられた掌が小さな影を造る。仄かに擽ったい様な感触に瞳を緩やかに瞬いては、小さく喉声で笑い。優しい気遣いにを感じて心地良さげに。
「あら、それは素敵なナイト様ですわね。安心して守って頂けそうですわ。
……いけませんの?」
見るなと言われてきょとりとした後。何も考えていなさそに首を捻り。
■ブレイド > 彼女の弟の存在は当然ながら知らない。
だが、彼女の気安い空気とそれからくる安心感に心を許してしまっているのだから
彼女が感じる親しみというものは底から来ると言ってもいいだろう。
「流石に王都のそとになってくると、連れ出すのも難しいだろうけどな」
屋根から見える景色は城壁も超えて遥か彼方まで。
とはいえ、彼女は自由を求めていたとしても高貴な生まれ。
その手を掴んでいたとしても、連れて行くことはできない。
ならばせめて、この街の中で、彼女の楽しみを増やしていければ…。
柔らかな頬に触れながら少してれたように頬を染めて
「ナイトって柄じゃねーけどな…
いや、いけないっていうか…近すぎて、触れちまいそうで…
まぁ、えーと、照れる」
そこは正直に答えた。
■エリア > それこそ油断している程無防備なのは単純に害意を感じられないというのも大きな要因で。
様は彼の人柄がネックなのだろう。
「ええ、ブレイドにそこまではお願い出来ませんわ。
王都の外に出るには特別な用事がないといけませんもの」
さすがに城壁外へ出たいと言い出す程の無茶振りはしない。叱られるだけでは済まない様なリスクを伴う。
けれど、城壁の中にだって、まだまだ見知らぬ楽しみが数多く眠っているのだ。宝探しに行くようにそれを見つけに行くのが楽しみで心は弾む。
はにかむ態度とそれを素直に口に出す声に、思わずくすり、と小さな笑声を漏らして。
「確かに、ナイトのような堅苦しい振る舞いはブレイドには無理そうですわね。
……ふふ。照れてしまいますか。可愛いこと」
その様子が少し微笑ましい。目元を崩して口元に手を当てて幽かに笑いながら囁いた。
そんな風にゆったりと微睡むような温かみを感じる時間を過ごしていると――、いつの間にか本格的にうとうととし始めてしまうマイペース。昼寝場所には少し危険……。
■ブレイド > 当然ならが害意はない。
彼女の人柄ももちろんあるが、その必要がないからだ。
「そうだな。
オレは依頼でよく出るし、護衛なんかで一緒に行くこともあるかもな。
依頼人と冒険者って違いはあるだろうけどよ」
日差しは強いが風は心地いい。
二人を包むような風にうとうととするエリア。
一緒に寝てしまえばゆるい傾斜とはいえ、転がり落ちてしまうかも知れない。
「可愛いって…ったく、からかうなって…」
このまま運ぶのもいいが、彼女を起こさずに動ける自信はない。
侍女にはわるいが仕方ない、もう少し彼女をかりることにしよう。
体で支え、抱きしめたままにエリアの髪を優しく撫で続けて、眠りに誘う。
今はお転婆な貴族令嬢のベッド役も悪くはない。
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