2020/09/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にエリアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にブレイドさんが現れました。
■エリア > 城内で迷って、通りかかった兵士を捕まえ、城探索となった成り行き。厨房に忍び込んで焼き菓子を盗んで、おやつ、となった。貴族としては規格外な真似をする女は――やはりとても楽し気で。この後は屋根の上に登ると言うとんでもない流れ。
「テラスから出られるのね、考えた事もありませんでした。
――おこぼれだなんて……受け取ったからには共犯、ですわ」
厨房から掠め取った焼き立てのフィナンシェは共犯の証だと目を細めて告げやり、そして手近なテラスから屋根へと誘導の為手を引かれると頷きながらも。
「落ちたりしませんかしら? そうなると、ブレイドが斬首されてしまいますわねえ……」
呑気な口調で物騒な心配。冗談にしては大分キツイ。
■ブレイド > 成り行きにしたって随分おかしな話ではあるが
はじめからボロが出るとわかりきってる従順な兵士を演じるよりは
彼女のイタズラや気まぐれに付き合うほうがいくらかマシに思えた。
テラスへの窓を開ければ心地よい風が吹き込んでくる。
「まぁ、お嬢様にはそう思いつくような場所じゃねーっていうか
そんな事毎回されたら侍女も大変だ」
フィナンシェを咥えて、一旦エリアから手を離せば
手すりに足をかけてるスルリと屋根へと上ってしまう。
槍を引き上げてしまえば、そう簡単には見つかりはしないだろう。
「冗談きついっすね。じゃあ、この手はウカツに離せねーな」
促すように、エリアに再び手を差し伸べて
■エリア > 食客の兵士だ、と名乗っただけあって、この令嬢も大概だが彼もなかなか風変わりで。
お城には沢山の人間が働いているが、余りで会わないタイプ同士であるのは間違いない。
多少羽目を外しても咎められないのを良い事に気分次第で興味のある場所に片っ端から入り込む、いい年をして悪戯中の様なひと時。テラスから吹き込む風はまだ熱を持っていたがそれでも盛夏よりは大分涼しさを孕んでいて。
「そうね、でも楽しい場所を教えていただきましたわ。他の人には秘密のとっておきの場所にします」
今頃王城内を駆けずり回っている侍女には内心で頭を下げて置く。けれど、だからと云って探検をやめる気は毛頭ない。そして、こなれた様に身軽な所作で屋根へと上がってしまう様子にまるで軽業師ね、と呟いて、それからフィナンシェをハンカチに包んで一旦懐へ仕舞い。差し出された手を取った。
テラスの手摺に恐る恐る、脚を掛けて確かめる様に立って、それから手を引かれるのに合わせて下を見ない様に注意しつつ登り上がっていく。
■ブレイド > 破天荒とはいえお嬢様はお嬢様。
流石に屋根に登る仕草は恐る恐るといったところ。
彼女の手を引き上げれば、今度は腰に手を回すように抱き寄せ、落ちないように支える。
日差しは強いものの吹き抜ける風は秋に近い涼しさ。
「まあ、思いつきなんでオレもこんなところ登るなんてそうそうあるもんじゃないんっすけどね」
少し傾斜があるものの、先に言ったようになだらかな物で
立っているのにもあまり苦労はしないだろう。
■エリア > 屋根の縁に脚を掛けながら、彼の手を頼りに登り上がる姿は少々危なっかしい。よく屋根の上に登る気になったものである。そして、落下防止に抱き寄せられて、そのまま彼の腕に手を掛ける様にして、ひゅお、と一陣吹き抜けていく秋口の風に髪をなびかせながら一瞬目を細め。
「まあぁ……っ、凄いわ、屋根の上はこんな風に景色が見えるのね。お部屋の窓から見るのとは全く違いますわ。あんなに遠くまで――……
あら、まるで普段から慣れ親しだ場所みたいですのに」
傾きが緩やかな為、滑り落ちたりはしないと解ると、見渡した景色は視界一杯にパノラマに広がり青空の下遠くの山の稜線まで見えて。きらきらと無邪気に目を輝かせながら軽く乗り出し気味に眺め。
そして、そうそう登らない、と聞いてそんな風には思えないと小さく笑って顔を振り向かせ。
■ブレイド > 蜂蜜のように煌めく金髪が風にあおられる様に少しだけ見惚れた。
その煌めき以上に瞳を輝かせ
少し興奮気味な女性はまるで少女のようで。
「中と外じゃ違うもんだ。てか…あんま乗り出すなよ。
オレはまだ首と胴が離れるってのは遠慮したい」
冗談めかして言うものの、振り向く笑顔は抱くように彼女を支えてるせいで
とても近くに感じてしまう。
■エリア > 始めて目にする景色に、目を奪われた様に釘付けになり。素敵、と感動した様にほんのり声を震わせ。
子供の様に夢中になっていたが、振り返った顔の位置は吐息が掛かる程近く。社交界でのダンスに慣れている身では初心に様にはにかむ程でもなかったが、それにしても貴族のなよなよとした殿方とも、弟の様に鍛えられた騎士とも少し違う体躯。
珍し気に、ぺたり、と鎧の隙間から筋肉を確かめる様に手を当てながら。
「本当ですわね。風吹き方も空の位置も全然違いますわ。
――っふふ。確かに、それはあんまり可哀想。わたくしも地べたに叩きつけられるのは御免ですわ」
落下だけは避けねば双方にとっての悲劇でしかない。小さく頷いて。近くで見るとまだ幼さの残る彼の顔立ちに。
「こうして見ると思った以上にお若いのね。まだ二十歳にも届いていないかしら」
■ブレイド > 貴族の娘は慣れていても自分はそうではない。
破天荒な…いいかたはあれだが、お転婆な貴族の娘が見つめてくると
少しばかり照れくさげに視線をそらす。
しかし、触れられればその部位に視線を落とし、少し不思議そうに
「なんか珍しいもんでもあったか?
足滑らせねえようにな。座るか?こいつも覚める前に食っちまいたいしな」
片手に持ったフィナンシェ。
少しだけかじったあとがあるのは登る際に咥えていたからだが
エリアがまだ手を付けてないので全部食べるのは控えていた。
「…ん?ああ、17とか8くらいだとおもうぜ」
■エリア > 照れた様に視線を反らす所作に小さく笑みを零し。そして、そんな所作に反してぺたり、と断りも入れずに生地越しに確認した筋肉は思ったよりもしっかりしていた。
逞しい、とまではいかないが兵士を名乗るだけあり鍛えているのは見て取れ。
「いえ、わたくしを引き上げた事と言い見た目よりも鍛えてらっしゃると思いましたの。
ええ、おやつもまだな内から滑り落ちる訳に参りませんわ。――まだ手を離さないで下さいましね」
少し傾いた屋根の上、バランスを取るのは難しくはなさそうだがそれでも油断していると危ないのは違いない。慎重にその手を頼りにしながら腰を下ろして。
安定しているのを確かめるとゆっくり手を放して代わりに仕舞い込んだフィナンシェを取り出しながら。
「曖昧ですのね。――やっぱり弟と同じくらいかしら。小柄なのでもう少し若くも見えますわ」
■ブレイド > 結構無遠慮に触ってくる。
それは別にいいのだが気恥ずかしさを覚えてしまえば、なんだかくすぐったくも感じる。
冒険者を生業にしている分、兵士やそれらとはまた違う。
「まぁ、多少はな。兵士やってないときは冒険者してるしよ。
と、おう。ゆっくり座ってくれよ?」
言葉遣いもすっかり砕けて少年本来の口調。
貴族相手には無礼かも知れないが、彼女の人柄があってこそだろう。
彼女の手をとったまま、その隣に腰を下ろし、大きく伸び
「まぁ、そんな厳密に数えてるわけでもねぇしな。
顔は、まぁ…あんまいかつくはねぇからそう見えるかもな」
■エリア > 最初から割と明け透けに接していると、段階的に空いての態度がほぐれてくるのを感じる。
言うに言えないのかも知れないが特に拒絶もないので、勝手に触れて納得し。
「冒険者? まあ、それではいつも王城に詰めている訳ではありませんのね……。
残念、また次もブレイドとお城を探索したいと思いましたのに……」
副業で兵士というこれはまた、変わり種。軍の事情に精通している訳でもないが……大分妙な事情の持ち主であることは間違いない。しかしそんな不審感を露わにするよりは、次回の遊び相手がいないかも知れない事が心配で。隣に座る彼に目をやってしょげていた。
頂きます、と取り出したフィナンシェを力なく口元に運び。
「――そういうものですの? 成人のお祝いに困りません?」
■ブレイド > 冒険者をしていると言うと少し残念そうなエリアの声。
食客としてむかえられたのも、冒険者としての活動をメインとしたいというこちらの要望を汲んでもらえたからである。
とはいえ、それを残念そうに思うのも意外で
「まぁな。さっきも言ったけど、今はどうも立場が中途半端だしな。
下手すりゃこのままクビになってもおかしくはねぇ。
でも、そうだな…またあったらそんときは付き合うさ」
しょげる姿はなんだか小さな子供のようで。
思わず撫でそうになったが、見たところ年上の女性。
しかも貴族。
流石に無礼である。
ごまかすように彼女に習いフィナンシェを口に運ぶ。
「成人のお祝い?いや、別に、必要ねえだろ?」
■エリア > 「そうですのね……。クビは困りますわ。くれぐれも勤務態度にご留意なさいませ。
では約束ですわよ。まだまだお城には隠れた楽しい場所があるに違いないのですから、とっておきの場所をもっと確保するのです」
たまにしか見かけないにしても、解雇されてしまっては個人的に困る。そうならない様に、と何故か完全な他人の立場で釘を刺し。
もう他にこうしてへまをすれば馘では済まない様な探索に付き合ってくれる兵士は確保できまい。
残念そうにしていたのもつかの間。ぱくち、と小口で頬張った焼き菓子の甘い風味に「美味しい…」と目を細めて、嬉し気に食べ進め。ころころと機嫌を切り替えていた。
途中、なんだか手が伸びて来た様な気がしたが。
なんでしょう、と言う様に鷹揚な笑みを投げかけて。
「何故?」
祝いが必要ない、という思いがけない答えに一言本当に理解できないという顔で疑問を投げかけた。
■ブレイド > 「冒険者上がりの兵士ってのも少しはいるだろうが、冒険者やりながらってのはあんま見ねぇしな。
どっか別の師団に入るってなっても、オレみてーなのは扱いづらいだろうし。
そうだな、エリアが雇ってくれりゃ安心できるかもな」
などと冗談めかしてフィナンシェをはむっと。
まだ暖かく、甘く、香ばしい。ミルクでもあればさらに良かっただろう。
手を伸ばしかけていたのもみられたのか、こちらに笑顔を向けてくる。
流石に気まずいので、少し引きつった笑顔を返した。
「あ?えー・・・何故って…別に、歳取るだけだからな」
■エリア > 「王城にいらっしゃるのは少ない方ですかしら……身分のはっきりした方が優先されますから……。
兼業してらっしゃる方は初めてお見かけしましたわ。
あら、それもいいですわね。父に掛け合ってみましょうか」
然程冗談と受け取らなかったのかあっさりと考慮し始めた。家長たる父の意向次第だが、娘には歯が解けた様に甘い。
そして噛み締めたフィナンシェのバターとアーモンドの風味もまた甘くて幸せだ。もうちょっとくすねてくればよかったですわ、と悔やむ令嬢。いっそ異様でしかない。
引き攣った笑顔を見つけて「?」笑みを保ったまま疑問符を浮かべ。
「まあ、いけませんわ。大仰にする必要はないかも知れませんが、成人の節目は大事なものです」
大真面目な調子で説いた。
■ブレイド > 「まぁ、そりゃそうだろうな。由緒正しい王城に
どこの馬の骨ともわかんねーやつとかあんまいてほしくはねぇだろうよ。
って…いいのかよ。アンタも相当変わってるな…」
そうはいうものの、貴族の課長が首を縦に振るとは思えない。
おそらくはエリアも冗談のつもりだろう。…と、少年は思っていた。
撫でようとして引っ込めた手をひらひらと振って顔も少し引き締めれば
なんでもないぜ?という感じで貴族の娘を見返して。
「そういうもんか?まぁ、まだ成人はしてないんじゃねぇかな。
たぶんな。ってか、ガキに見えるんだろ?
まだ心配するようなことじゃないって」
エリアを支えたまま、彼女の主張に笑って答え
■エリア > 「国王様がいらっしゃいますからね。有象無象が蔓延っていてはお命に関わりますわ。……多少蔓延っていらっしゃる事は目を瞑っておきましょう……。
そうでしょうか? とってもいいアイディアだと思いましたわ。冗談だとお考えでしたら後悔なさいますわよ?」
風変わりな身分、出自の者は傍らの彼ばかりではないだろう。恐らく他にもいると予想されて思わず遠くの山脈を見通したが。
なんでもないと手を振る少年を召し抱えるのも悪くはないと判断して。一応注釈の如く、人差し指を軽く立てて見せ。
「でも、お分かりではないのでしょう? 確かに、成人なさっているにしては少し幼いですが……個人差もございますからね。なんとも……」
歳よりも若く見える例は珍しくない。お菓子を食べ終えた後は支える手に掴まって眉を軽く寄せた。
■ブレイド > 「ちがいないな。とはいえ…」
自分はミレーである。
それがバレてしまえば王城に留まることは不可能だろう。
それこそ、王の膝下に使える兵士としてはふさわしくはない。
エリアが少年を雇うという冗談と聞き流さず、浸さし指をピッと立てているのも
それを知らないからこそだ。
「ま、冗談にならないってならそんときは、おとなしくお使えさせていただくぜ?
エリアお嬢様」
ここでうろたえてもボロが出るだけ。
逆におどけるように頭を下げた。
「まぁ、そんときになったら考える。
多分、まだだとは思うからよ。一応数えてるけどたまに忘れてるってだけだし」
手が空いたので、両手でエリアの体を支える。
■エリア > 「?なにか問題でもございますの?」
問題しかない様にも思えるが至ってマイペースなタイプは空気も読んでおらずにおっとりと首を傾げ。
彼の種族は勿論人間だと見受けている。貴族に珍しくミレー族に対する偏見は極薄い方だが、それも家人の皆が皆という訳でもない。
「ええ。屋敷ではわたくしに仕えて下されば結構ですわ。冒険者としての登録はなさっていらっしゃるの?父に話してみますわ。許可が下りればご連絡致します」
娘の言う事は大体呑むタイプの駄目な父親の事。何かしらの条件くらいで説き伏せるのは容易いと踏んでいた。使いを出して採用となれば伝えようと。
「その時は、わたくしにもお祝いさせて下さいませね。一生に一度なのですから」
恐らく弟も同時期だろう。ならば一人祝うのも二人祝うのも大差ない、と案外大雑把な考え方で。今日知り合ったばかりの身元も良く知らない相手の祝いを申し出て。両手で屋根の上支えられると、楽なのかそちらへ頬を傾けて横座りに凭れ掛かり。
■ブレイド > 「問題っていうか…まぁ、ねぇけど…」
ここで色々踏み込んでしまうと逆に色々と漏れてしまいそうだ。
少しごまかすようになってしまうが、問題はないものとして伝えておく。
「ああ、一応ギルドには申請してる。
っていくか本気かよ。いいけどよ…つか、まぁ、うん…
はは、えーと、そんときは、世話になる」
完全に乗り気のお嬢様。流石にこれに水をさせるほど自分は非情にはなりきれない。
そして、お祝いという言葉も。
すでに彼女のなかでは自分は自身に使える兵士になっているのだろう。
「ん?え?お、おう?」
菓子も食べ終え、落ち着いたところ。
体を預けられた。すこし、戸惑うも、しっかりと彼女の体を支える。
■エリア > 「それならさくっと進めてしまいますわね」
言質を取った。実際にはどうなるのか。
彼が隠しきって雇用されるのであればスムーズには事が運ぶだろう。にっこりと、相変わらず暢気そうな微笑を浮かべて首肯して見せ。
「でしたら、そちらへ通知すれば宜しいですね。
ええ、こういう事はそんなには珍しくない事ですから。人は足りておりますが……平民地区などに足を運ぶ際、屋敷の人間では煩わしくて……。ブレイドならそちらにも詳しいでしょうし……あれこれ口喧しくなさいませんでしょう?」
新たに人を雇う、奴隷を買う、貴族社会では珍しくもない事。条件に合いさえすれば問題ない。
「……重いですか?」
そして、おやつも済ませて心地よい風が吹く好天気の屋根の上、少し微睡むように目を緩やかに瞬き身体を預ける様に凭れ掛かっていたが、戸惑いの気配に瞳を上げて尋ねた。
■ブレイド > 「ははは…まぁ、なんつーか…お手柔らかに頼むぜ?」
公的にはミレーであることは隠し通している。
ギルドの方でも登録は人間としてだ。
書類などで調べるぶんには何も問題はないだろう。
いまここで、彼女に直接確認されない限りは。
「エリアも苦労してんだな。侍女からにげてんのもそういうとこか。
まぁ、口煩くしたってアンタは聞かねぇだろうし…むしろ、そういうところもいいところだろうよ」
体を預ける女性。
こちらは鎧だ。痛くないだろうか?
腰に手を回してしっかりと体を寄せる。
「いや、これくらいどってことねえよ。兵士やってんだからさ」
心配するなと笑って答えて、その髪に指を通した。