2020/05/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 地下室」にシルニアさんが現れました。
■シルニア > 「もう少し警戒すべきだったです...
なんでこんな事に...」
そんな少女、シルニアの後悔も石造りの壁や床に不気味に木霊するのみ。
鉄格子を手で掴み、檻の外を観察する様はまるで囚人のようである。
──数刻前。
冒険者ギルドに大大に張り紙された、王国の印付きの『魔術師求む、詳細は王城にて』との依頼を受け、王城へとやってきたシルニア。
立派な内装に警備兵達。場違いなローブ姿の少女は緊張しながらある一室へと案内されれば、依頼の前に面談があるらしい。
担当者が来るまでの間、緊張で乾いた口を潤そうと卓上の甘い飲み物に口を付ければ、急激な眠気に襲われて──
気付けばこの様である。
「偽の依頼は何度か騙された事はありますが、まさか王国の依頼にもこんなものがあるなんて思わなかったです...。
それとも、私がミレーってバレてしまったのでしょうか...」
シルニアは王国に来て間もない。彼女の調査不足といえばそれまでだが、王族や貴族の腐敗を知らなかった。故に、王国の印鑑の押された依頼紙を無条件で信用してしまったのである。
脱出するすべはないか、シルニアは辺りを見回すがこの部屋、もとい檻の中には謎の駆動音を立てる魔導機械が鎮座するのみだ。
無骨なその機械には沢山のチューブや線が繋がっており、線の反対側には小型の魔導機械と思われるものが取り付けられている。シルニアにはその機械の用途は分からないが、何処と無く人体実験をするような、拷問器具のような、そんな不気味さが感じられる。
それは魔導機械にある程度興味のあるシルニアですら気味が悪いと思えるもの。無意識にそれから遠ざかり、極力視界に入れないようにしつつ。
幸いにも、少女がミレー族だと言うことは王城の誰にも知られていない、が。
シルニアは自身がミレーだからではなく、魔術師であるが故に囚われてしまった事、少女の隣にある機械が魔力吸収装置である事、そして、彼女を案内した兵が今頃『魔術師少女の魔力吸収装置の運転者求む』との依頼を闇市に、堕落した貴族に、はたまた詳細を隠して冒険者ギルドに流していることを少女は知る由もない。
ご案内:「王都マグメール 王城 地下室」からシルニアさんが去りました。